1. 友人関係における
肯定的・否定的印象の変化の研究
人間科学部 心理コミュニケーション学科
森上ゼミ
H10012 今里真梨

2. 目的
大学生活で出会った頃より今のほうが印象
の良い人、悪い人はいるのだろうか?
また、印象が良くなったり、悪くなったりする
原因は何だろうか?
その点について、友人の印象を持つ側の親
和動機の程度の観点から検討を試みることと
する

3. 本調査の方法
調査協力者：男子12名、女子23名、計35名の
大学生を調査協力者とした
手続き：個別依頼による質問紙調査を実施
実施時期：2013年12月中旬に実施

4. 本調査質問紙の構成
学内の友人で出会った頃より印象が良くなっ
た人を1人思い浮かべて回答を求めた
学内の友人で出会った頃より印象が悪くなっ
た人を1人思い浮かべて回答を求めた
親和動機測定尺度(岡島,1989) をもちいて回
答を求めた

5. 大学入学後の友人で印象が変わった人について
はい
いいえ
問1_1
大学入学後の友人で出会った頃より今の方が印象が良い人はいますか
23
12
問1_6
その人と類似しているところはありますか
15
7
問1_8
その人の印象が変わったことにより関係に影響が出ましたか
16
6
問2_1
大学入学後の友人で出会った頃より今の方が印象が悪い人はいますか
16
19
問2_6
その人と類似しているところはありますか
4
12
問2_8
その人の印象が変わったことにより関係に影響が出ましたか
9
7

6. 大学入学後の友人で印象が変わった人について
「大学入学後で出会った頃より印象が良く
なった人」
「はい」の回答が65.7%、「いいえ」の回答が
34.3%であった
「大学入学後で出会った頃より印象が悪く
なった人」
「はい」の回答が45.7%、「いいえ」の 回答が
54.3%であった

7. 印象が良くなった原因について
相手側の
要因 3件
自己要因
2件
相互要因
17件

8. 印象が良くなった原因について
「よく話すようになった」、「一緒にいる時間が
増えた」などのように
接触頻度が多くなったから良い印象になった
という「相互要因」に分類できる人が一番多
かった

9. 印象が悪くなった原因について
その他
5件
自己要因
2件
相手側の
要因9件

10. 印象が悪くなった原因について
「自己中」、「何でも人のせいにする」など相手
の性格が原因という「相手側の要因」に分類
できる人が一番多かった
次に多かったのは、その他で「友達の影響」、
「他の友人との関わり」などの他の友人の影
響で印象が悪くなったという回答でした

11. 性別ごとの「親和動機測定尺度」についてのt検定の結果
親和動機測定尺度20項目を「情緒的支持」,
「ポジティブな刺激」,「注目」の3つに分類し、
t検定を行った
男性
女性
M
SD
M
SD
ｔ値
情緒的支持
17.4
5.76
20.4
3.49
1.94
ポジティブな刺激
19.8
4.27
22.0
2.44
2.03
注目
31.1
4.03
35.0
3.84
有意水準
2.8 p<.05

12. 性別ごとの「親和動機測定尺度」についてのt検定の結果
性別でこの3つに差があるかどうかt検定をお
こなった結果、有意差が見られたのは「注目」
という項目であった(t=.2802,p<.05)
このことから、男性(31.1)より女性(35.0)のほう
が自分を認めて、注意を向けたり、共感して
欲しいと思っている

13. 考察
 大学生活では友人と話をしたり、お互い手伝ったり、
情報交換したりすることで接触頻度が多くなり、相
手の印象が良くなり、そのことが友人関係を深める
ことになると考えられる
 「注目」に差がみられたということはその相手の印
象を良いと思い、その相手を認めたり、共感するこ
とで、その相手にも自分を認めて、注意を向けたり、
共感してもらおうと期待しているからではないだろう
か

14. ご静聴ありがとうございました