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VR・AR・MRってなに?
16 Oct. 2019 サイエンスカフェ
- 体験して知ろうAR/VRの今・未来 -
自己紹介
氏名:吉永崇(Takashi Yoshinaga)
所属:九州先端科学技術研究所(ISIT)
専門:ARを用いた医療支援や運動計測
コミュニティ:ARコンテンツ作成勉強会 主催
VR・AR・MRって?
VR・AR・MRって?
VRとは(1/2)
Virtual Realityの略。日本語で「仮想現実」や「人工現実感」
とも呼ばれる。ユーザの五感を刺激することで、本物ではないが
機能としての本質は同じような体験や環境を作り出す技術。
VRとは(2/2)
様々な刺激により仮想空間で本物のような体験ができる技術
視覚
環境
TACTOT触覚
嗅覚
VRで主に使われる刺激
人の知覚の割合は視覚が8割以上 (照明学会編 電気書院 1980)
視覚
環境
触覚
嗅覚
VR元年(2016年)前後に一般に広く普及
HMDの普及
HMDの低価格化・簡便化・高性能化により、ここ3~4年で広く普及
¥39,800 ¥100~
¥8,400K
10年前
約¥35,000
Oculus Rift DK1
Google Cardboard
VR用HMDのトレンド&それを支える技術
[動きの計測技術の向上]
 自分の足でVR空間の中を自由に歩ける
 ハンドコントローラを使ってCGを操作できる
[処理部分の小型化と高性能化]
 VR体験時にケーブルや外部PCが不要で単独動作が可能
Oculus Quest Mirage Solo
HMD側に仕込んだ
センサやカメラで計測
動作例
仮想空間でオブジェクト操作や移動はもちろん、アプリの操作も可能
VRの事例紹介
VR活用事例①:トレーニング
様々なシチュエーションを想定した体験が可能。
何度でも失敗できるので防災/医療/運転・操縦の訓練に最適。
引用元: MXモバイリング株式会社
VR活用事例②:フィットネス
単調なトレーニングにVRを組み合わせることで楽しく続けることができる
VR活用事例③:体験を伴う説明ツール
見取り図などの2D情報では実感が難しい部屋の雰囲気を再現
https://www.megasoft.co.jp/vrsolution/
VR活用事例④:アミューズメント
攻殻機動隊ARISE @VR ZONE新宿
VR活用事例④:アミューズメント
攻殻機動隊ARISE @VR ZONE新宿
「現実ではできない体験」を「複数の人数」で共有することが可能
VR活用事例⑤:遠隔コミュニケーション
離れた場所にいる人たちが仮想空間に集まり、おしゃべりやゲームができる
VRについて知っていただきたい事・・・
VRにおけるVirtual(仮想)の意味は
ただの虚構というだけはなく
現実の体験と等価(かそれ以上)
これからのVR
場所・時間・身体など様々な障壁に縛られない体験ができる
YouTube
https://youtu.be/xW_9od_Yzfc
VR・AR・MRって?
VR・AR・MRって?
ARとは
Augmented Realityの略。日本語で「拡張現実感」
とも呼ばれる。デジタルな情報(CG,音,etc..)を現実空間に
付加する技術全般を指す。特に視覚情報の付加が主流。
ようするに
引用元: http://pokemongo.nianticlabs.com/ja/
ARのイメージが分かったところで・・・
MRは?
MRとは
 Mixed Realityの頭文字からくる略語
 現実空間と仮想空間を混合する技術全般を指す
 現実>仮想の場合をAugmented Reality(AR)
 仮想>現実の場合をAugmented Virtuality(AV)
※Virtual Reality(VR)と表現される場合も多い
AR技術の普及:スマートフォンの登場
 スマホの普及・高性能化により誰もがARを体験可能
 販売促進やゲーム、観光分野でのコンテンツが増加
 スマホで使われるARのスタイルは大きく分けて2種類
• 映像中の目印(マーカー)を検出してその上にCGを表示
• GPSを使って現在地に紐づいた情報を表示
GPSベースのAR画像処理ベースのAR
関連技術:マーカーレスAR
YouTube
https://youtu.be/Y9HMn6bd-v8
次世代ARツールの登場(2016年~)
[特徴]
 空間の形を把握し自分の位置や向きを知ることが可能
 GoogleはARCore, AppleはARKitというモバイル端末用
のARプラットフォームを提供
 Microsoft HoloLensなどのAR専用デバイスが登場
Microsoft HoloLensARCore / ARKit
次世代ARツールの登場(2016年~)
ARCore / ARKit
[特徴]
 空間の形を把握し自分の位置や向きを知ることが可能
 GoogleはARCore, AppleはARKitというモバイル端末用
のARプラットフォームを提供
 Microsoft HoloLensなどのAR専用デバイスが登場
Microsoft HoloLens
スマホARの動向
 空間にCGを配置し、自由な位置・向きから観察できる
 壁や床の認識も可能なためCGと空間の相互作用も表現可能
次世代ARツールの登場(2016年~)
ARCore / ARKit
[特徴]
 空間の形を把握し自分の位置や向きを知ることが可能
 GoogleはARCore, AppleはARKitというモバイル端末用
のARプラットフォームを提供
 Microsoft HoloLensなどのAR専用デバイスが登場
Microsoft HoloLens
次世代ARツールの登場(2016年~)
ARCore / ARKit
[特徴]
 空間の形を把握し自分の位置や向きを知ることが可能
 GoogleはARCore, AppleはARKitというモバイル端末用
のARプラットフォームを提供
 Microsoft HoloLensなどのAR専用デバイスが登場
Microsoft HoloLens
アプリケーション
ウィンドウ
3Dオブジェクト
Microsoft HoloLens
HoloLensとは
 Microsoft社が発売した次世代型ウェアラブルコンピュータ
 コンピュータを内蔵し,単独で動作 (OS: Windows)
 マーカー画像を用いず、空間にオブジェクトを配置可能
ジェスチャ操作
類似デバイスも続々登場
AR/MRヘッドセットの動向:光学シースルー
カメラ画像ではなく
人の目で見た風景
CGのみ重ね合わせ
AR/MRの事例紹介
AR活用事例①:展示物の拡張
ミイラ内部の骨格のX線画像を重ねて表示し展示物の詳細解説
AR活用事例②:試着アプリ
ネイルやアクセサリー、スニーカーなどを仮想的に試着することが可能
https://wanna.by/
AR活用事例③:顔認識×デコレーション
ARという技術や言葉が先行せずに体験が先行し、生活に溶け込んだ
AR活用事例④:Web AR
検索結果を写真でも
動画でもなくARで表示
これからのAR活用:医療支援
これからのAR活用:医療支援
医療等の作業支援の場合、HMDを使うと手が自由になり非常に便利
これからのAR活用:スポーツ観戦の3D化
Deep Learningにより動画の各フレームから選手を抽出し3次元化
これからのAR活用:遠隔コミュニケーション
人の姿や声を遠隔地に転送することで次世代TV電話が実現可能
YouTube
https://youtu.be/4oJJN2eH6U0
これからのAR活用:空間共有
ARの体験は一人ではなく皆で共有するものに
VR・AR・MRって?
まとめ:ARとVRを画像で比較
現実の背景+デジタル
AR VR
体験としては・・・
ARはコンテンツが「こっちに来る」、VRは自分が「あっちに行く」イメージ
人工的なデータがメイン

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