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1 of 101
ショールーミングに影響を与える要因
November 21, 2015 | Meiji University
Electronic
Commerce
Group
3年6組17番 瀬木将博
3年15組11番 楠田彩
3年17組32番 宮原崇
大石ゼミ2班
2 ショールーミングの要因
3 仮説
1 問題意識
4 実証研究
5 おわりに
1
OUTLINE
Electronic
Commerce
Group
2
出所:DIAMOND IT&ビジネス(2015年11月15日最終アクセス)。
3
急速な
EC拡大
1
インターネット
の普及
2
スマートフォン
の普及
1. 問題意識
Electronic
Commerce
Group
EC
インターネット技術を用いた
コンピューターネットワーク
システムを介して商取引が行
なわれ
かつ,その成約金額が補足さ
れるもの
Electronics Commerce
出所:経済産業省(2015)。
3
Electronic
Commerce
Group
1. 問題意識
4
Electronic
Commerce
Group
1. 問題意識
0
0.5
1
1.5
2
2.5
3
3.5
4
4.5
5
0
20000
40000
60000
80000
100000
120000
140000
Axis Title
EC市場規模
EC化率
EC市場は
年々成長傾向
2014年度時点で
12兆7970億円
出所:経済産業省(2015)。
5
2010 2011 2012 2013 2014
Electronic
Commerce
Group
(%) (億円)
1. 問題意識
6
スマフォの普及
EC市場の拡大
消費者行動
の変化
出所:大瀬良(2015) 。
Electronic
Commerce
Group
1. 問題意識
出所:『日経流通新聞』2014年12月1日付第2面。
7
Electronic
Commerce
Group
実店舗で
商品を確認後
ECで購買する
消費者行動
ショールーミング
1. 問題意識
インターネット購買をする際に、
実物を店舗で確認するか?
Q.
出所:野村総合研究所 (2012)。
8
Electronic
Commerce
Group
1. 問題意識
68%
35% 確認する
33%
どちらかといえば
確認する
18%
8%
どちらかといえば
確認する
確認しない
約70%の人が
インターネット購買の際に
ショールーミング傾向あり
実店舗 EC 9
1. 問題意識
Electronic
Commerce
Group
ショールーミングを利用した戦略
10
Electronic
Commerce
Group
店舗内で商品のバーコード
を読み取る
ヨドバシカメラのECサイト
に接続される
そのままECサイトで購入可
出所:EC-CUBEのウェブサイト (最終アクセス2015年11月15日)。
1 問題意識
11
Electronic
Commerce
Group
ECで注文し
実店舗で商品を受け取る
期待と異なる業績
最大で40店舗の閉鎖
出所:『Logi biz』2015年11月号。
1 問題意識
学術
現実
ショールーミングに関する
研究分野は新しく
その分野の研究が少ない
企業のショールーミングを
利用したマーケティング戦略の
成功要因は一般化されていない
12
出所:吉井(2014)。
Electronic
Commerce
Group
1. 問題意識
どのような要因が
ショールーミングに影響を
与えているのだろうか
13
Electronic
Commerce
Group
<問題意識>
1. 問題意識
2 ショールーミングの要因
3 仮説
1 問題意識
4 実証研究
5 おわりに
14
OUTLINE
Electronic
Commerce
Group
2-1 知覚リスク
2-2 娯楽性と実用性
2-3 熟慮型と考慮型
2-4 モバイル端末保有
知覚
リスク
モバイル
端末保有
娯楽型
実用型
15
出所:吉井(2014b)
2. ショールーミングの要因
Electronic
Commerce
Group
熟慮型
習慣型
ショールーミングの要因
知覚リスク
Perceived Risk
16
Electronic
Commerce
Group
出所:照井・安(2012)
EC(オンライン)
17
2-1. 要因|知覚リスク
・洋服のサイズが
わからない…
・商品が偽物で
損するかも…
・サイトが
悪徳業者かも…
Electronic
Commerce
Group
不安
不確実性
EC購買時
出所:吉井 (2014a)
18
店舗での
商品確認
Electronic
Commerce
Group
2-1. 要因|知覚リスク
情報の収集
知覚リスクが高い場合
19
消費者は知覚リスクが
高い>低い
商品を
ショールーミングする
傾向にある
要因①
Electronic
Commerce
Group
2-1. 要因|知覚リスク
娯楽型と実用型
Hedonic vs Utilitarian
20
Electronic
Commerce
Group
21
出所:Kushwaha(2013)
実用型商品
Electronic
Commerce
Group
2-2. 要因|娯楽型と実用型
楽しさや満足
など感情面を
重視
利便性や性能
など機能面を
重視
娯楽型商品
22
出所:Kushwaha(2013)
商品選択の楽しさ増↑
Electronic
Commerce
Group
2-2. 要因|娯楽型と実用型
リアル店舗 EC
娯楽型商品:商品選択に楽しさ
複数のチャネルを利用
要因②
23
消費者は
娯楽型>実用型
の商品を
ショールーミングする
傾向にある
Electronic
Commerce
Group
2-2. 要因|娯楽型と実用型
熟慮型と習慣型
Consideration or Habit
24
Electronic
Commerce
Group
出所:Balasubramanian 他 (2005) ,上田(2000)
25
2-3. 要因|熟慮型と習慣型
Electronic
Commerce
Group
熟慮型商品 習慣型商品
時間を
かけてでも
満足したい
買物にかける
時間を
節約したい
EC・店舗で
多くの情報探索
ECか店舗のみ
少ない情報探索
要因③
26
消費者は
熟慮型>習慣型
の商品を
ショールーミングする
傾向にある
Electronic
Commerce
Group
2-3. 要因|熟慮型と習慣型
モバイル端末保有
Device Possession
27
Electronic
Commerce
Group
情報探索
価格比較
SNS
オンライン
クーポン
28
出所:吉井(2015b)
2-4. 要因|モバイル端末保有
Electronic
Commerce
Group
要因④
29
モバイル端末を
保有>非保有
している消費者の方が
ショールーミングする
傾向にある
Electronic
Commerce
Group
2-4. 要因|モバイル端末保有
4つの要因まとめ
30
出所:吉井(2015b)
Electronic
Commerce
Group
2. ショールーミングの要因
知覚リスク
高い
>低い
モバイル端末
保有>非保有
娯楽型
>実用型
熟慮型
>習慣型
ショールーミングに
影響を与える
既存
理論的には提言
実証は不十分
31
Electronic
Commerce
Group
理論を基に仮説立て
定量調査による実証
2. ショールーミングの要因
本研究
2 ショールーミングの要因
3 仮説
1 問題意識
4 実証研究
5 おわりに
32
OUTLINE
Electronic
Commerce
Group
33
3. 仮説
H1 知覚リスク高>知覚リスク低
H2
H3
H4
Electronic
Commerce
Group
娯楽型商品>実用型商品
熟慮型商品>習慣型商品
モバイル端末保有>非保有
ショールーミングする傾向にある
2 ショールーミングの要因
3 仮説
1 問題意識
4 実証研究
5 おわりに
34
OUTLINE
Electronic
Commerce
Group
事前調査
本調査
商品カテゴリー
の絞り込み
アンケートによる
定量調査
SPSSによる
統計
35
Electronic
Commerce
Group
4 実証研究
統計分析
商品カテゴリーの絞り込みを行なうこと
基本情報
方法 インターネット上
期間 2015年10月8日〜10月13日
対象 10代以上の男女
人数 252名(有効回答数198)
内容 過去1年間にショールーミングで購買した商品群
目的
4 実証研究
Electronic
Commerce
Group
事前調査
36
習慣
熟慮
知
覚
リ
ス
ク
出所:Kushwaha(2013)
2
1
0
-1
-2
0 1 2 3-1-2-3
家電
スポーツ用品
手工芸品
オフィス用品
美容化粧品
飲食料品
CD&DVD
本
実用型 娯楽型
高
37
4 実証研究
Electronic
Commerce
Group
低
①サンプル数が50以上
②要因の数値が高い商品カテゴリー
目的 what
方法 How
4つの要因のショールーミングに与える影響
を定量的に分析すること
一元配置分散分析を用いて分析する
4 実証研究
Electronic
Commerce
Group
38
本調査
基本情報
方法 インターネット上
期間 2015年10月29日〜11月9日
対象 10代以上の男女
人数 327名(有効回答数254)
内容
1. 過去1年間にショールーミングで
購買した商品カテゴリーの購買頻度と金額
2. 携帯端末保有の有無
4 実証研究
本調査
Electronic
Commerce
Group
39
40
検証する前に
商品カテゴリーごとの単価の違いを
ならすために中央化データを算出する
Electronic
Commerce
Group
4 実証研究
熟慮型と習慣型
娯楽型と実用型
知覚リスク
3
モバイル端末保有
4
1
2
ショールーミング
41
4 実証研究
Electronic
Commerce
Group
購買頻度
+
購買金額
習慣
熟慮
42
4 実証研究
Electronic
Commerce
Group
出所:Kushwaha(2013)
0 1 2 3-1-2-3
スポーツ用品
オフィス用品
美容化粧品
本
低
知
覚
リ
ス
ク
知覚リスク
家電
CD&DVD手工芸品
飲食料品
実用型 娯楽型
高
仮説1 知覚リスクが高い商品ほど
ショールーミングされやすい傾向
43
>
>
美容化粧品 本
スポーツ用品 オフィス用品
仮説
1-1
知覚リスク
仮説
1-2
平均値
の差
標準誤
差
有意確
率
美容化粧品
(n=65)
本・雑誌
(n-65)
.97543 .25001 .014
平均値
の差
標準誤
差
有意確
率
オフィス用品
(n=65)
スポーツ品
(n-65)
-.93514* .25863 .007
仮説1は支持された
4 実証研究
Electronic
Commerce
Group
熟慮型と習慣型
娯楽型と実用型
知覚リスク
3
モバイル端末保有
4
支持された
1
2
ショールーミング
44
4 実証研究
Electronic
Commerce
Group
習慣
熟慮
4 実証研究
Electronic
Commerce
Group
娯楽型・実用型
45出所:Kushwaha(2013)
スポーツ用品
オフィス用品
美容化粧品
本低
知
覚
リ
ス
ク
家電
CD&DVD手工芸品
飲食料品
高
実用型 娯楽型
娯楽型の商品ほど
ショールーミングされやすい傾向
仮説2
46
<
>
美容化粧品 家電
CD&DVD オフィス用品
仮説
2-1
娯楽型・実用型
仮説
2-2
平均値
の差
標準誤
差
有意確
率
美容化粧品
(n=65)
家電
(n-65)
-.14995 .25001 .25098
平均値
の差
標準誤
差
有意確
率
オフィス用品
(n=65)
CD/DVD
(n=61)
-.76856* .26256 .039
仮説2-1は棄却された
仮説2-2は支持された
4 実証研究
Electronic
Commerce
Group
47
娯楽型・実用型
4 実証研究
Electronic
Commerce
Group
なぜ仮説の2-1は棄却されたのか
① 家電製品は技術革新が早い
② 市場投入スピードが早い
出所:Baal, S. and Dach, C. (2005)
熟慮型と習慣型
娯楽型と実用型
知覚リスク
モバイル端末保有
4
支持された
1
棄却された
2
3 ショールーミング
48
4 実証研究
Electronic
Commerce
Group
3
4
1
2
49
4 実証研究
Electronic
Commerce
Group
熟慮型・習慣型
習慣
熟慮
スポーツ用品
オフィス用品
美容化粧品
本低
知
覚
リ
ス
ク
家電
CD&DVD手工芸品
飲食料品
高
娯楽型実用型
出所:Kushwaha(2013)
熟慮型の商品ほど
ショールーミングされやすい傾向
仮説3
50
>
>
美容化粧品 食料品
手工芸品 オフィス用品
仮説
3-1
仮説
3-2
熟慮型・習慣型
平均値
の差
標準誤
差
有意確
率
美容化粧品
(n=65)
食料品
(n=59)
.80116 .25628 .042
平均値
の差
標準誤
差
有意確
率
オフィス用品
(n=65)
手工芸品
(n=61)
-.79184* .26256 .031
仮説3は支持された
4 実証研究
Electronic
Commerce
Group
熟慮型と習慣型
娯楽性と実用性
知覚リスク
モバイル端末保有
支持された
1
棄却された
2
支持された
3 ショールーミング
51
4 実証研究
Electronic
Commerce
Group
3
4
1
2
NOYES
4 実証研究
Electronic
Commerce
Group
52
携帯端末の有無
仮説4 携帯端末を保有する消費者ほど
ショールーミングする傾向
53
>
>
携帯端末 有 携帯端末 無
携帯端末 有 携帯端末 無
仮説
4-1
仮説
4-2
スマフォ(n=37)
オフィス用品
平均値
の差
標準誤
差
有意確
率
スマフォなし
(n=13)
.99792 .25723 .003
スマフォ/タブ
レット(n=24)
.96711 .25098 .004
スマフォ(n=35)
美容化粧品
平均値
の差
標準誤
差
有意確
率
スマフォなし
(n=10)
.99740* .25993 .0018
スマフォ/タブ
レット(n=22)
.99111* .25726 .0049
仮説4は支持された
携帯端末の有無
4 実証研究
Electronic
Commerce
Group
熟慮型と習慣型
娯楽性と実用性
知覚リスク
モバイル端末保有
支持された
1
棄却された
2
支持された
3
支持された
4
ショールーミング
54
4 実証研究
Electronic
Commerce
Group
3
4
1
2
検証結果まとめ
55
熟慮型と習慣型
娯楽性と実用性
知覚リスク
モバイル端末保有
1
2
3
4
ショールーミング
56
4 実証研究
Electronic
Commerce
Group
3
4
1
2
2 ショールーミングの要因
3 仮説
1 問題意識
4 実証研究
5 おわりに
57
OUTLINE
Electronic
Commerce
Group
58
5 おわりに
Electronic
Commerce
Group
学術現実
ショールーミングに関
する研究分野は新しく
研究が少ない
ショールーミングを利用
した企業戦略の成功要因
は一般化されていない
ショールーミングに影響を与える要因
を定量的に検証すること
本研究
目的
熟慮型と習慣型
娯楽型と実用型
知覚リスク
モバイル端末保有
1
2
3
4
ショールーミング
59
5 おわりに
Electronic
Commerce
Group
60
5 おわりに
Electronic
Commerce
Group
学術 ショールーミングに関する研究
分野は新しく研究が少ない
理論的にしか研究されていなかった
ショールーミングに影響を与える要因を
定量的に検証したこと
知覚リスク高い×熟慮型
61
5 おわりに
Electronic
Commerce
Group
現実
企業のショールーミングを利用した
マーケティング戦略の成功要因は
一般化されていない
知覚リスク低い×習慣型
ショールーミング
されやすい
ショールーミング
されにくい
<企業への提言>
62
5 おわりに
Electronic
Commerce
Group
知覚リスクが高い・熟慮型商品
カテゴリーにおいて
ショールーミングを利用した
マーケティング戦略を行なうべき
1. サンプル数を増やす。
2. 消費者属性も考慮した分析を行なう。
3. 家電製品などの技術革新が頻繁に行な
われる商品群について検証する。
63
5 おわりに
Electronic
Commerce
Group
<今後の課題>
• 青木均(2005)
64
• Baal, S. and Dach, C. (2005), “Free riding and customer retention across retailers’
channels”, Journal of interactive marketing, Vol.19, No.2, pp.75-85.
• Balasubramanian, S., Raghunathan, R. and Mahajan, V.(2005),”Consumers in a
multichannel environment : product utility, process utility and channel choice”, Journal
of interactive marketing, , Vol.19, No.2, pp.12-30.
• Kushwaha, T. and Shankar, V. (2013), ”Are Multichannel Customers Really More
Valuable? The Moderating Role of Product Category Characteristics”, Journal of
Marketing, Vol.77, No.4, pp.67-85.
• 上田隆穂(2000)「消費者購買類型に応じたネット販売実行枠組 〜習慣的考慮型VS熟
慮型ネットショッピング〜」『学習院大学 経済論集』第37巻第2号,79-95頁。
• 照井義則・安常希(2012)「衣類商品がインターネットショッピングにおける知覚リスクが購
買意図に及ぼす影響に関する研究」『文化ファッション大学院大学紀要論文集ファッショ
ンビジネス研究』第2巻,14-25頁。
• 吉井健(2014a)「消費者のショールーミング行動に関する既存研究と課題」『 中央大学
大学院研究年報(戦略経営研究科篇)』第2号,65-87頁。
• 吉井健(2014b)「ショールーマー行動の分類化に関する考察と課題」『日本マーケティン
グ学会 カンファレンス・プロシーディングス』第3号,249-261頁。
• 渡部和雄・岩崎邦彦(2010)「ネット購買への抵抗感にもとづく商品類型化とマーケティン
グ戦略」『東京都市大学 環境情報学部 情報メディアセンタージャーナル』第11号,123-
130頁。
Electronic
Commerce
Group
参考文献
• 青木均(2005)
65
• 野村総合研究所(2012)「生活者1万人アンケートにみる日本人の価値観・消費行動の
変化」1-47頁。
• 吉井健(2014)「ショールーマー行動の分類化に関する考察と課題」『Japan Marketing
Academy Conference Proceedings』第3巻,249-261頁。
• 大瀬良伸(2015)「消費者の複数チャネル利用のプロセス」『経営論集』第85号, 145-157
頁。
• 『Logi biz』2015年11月号,第15巻第21号,22-25頁。
• 『日経流通新聞』2014年12月1日付第2面。
• EC-CUBEのウェブサイト (http://ec-cube.ec-orange.jp/blogs/?p=4457 最終アクセス
2015年11月15日)。
• DIAMOND IT&ビジネス(http://diamond.jp/articles/-/20323 最終アクセス2015年11月15
日)。
Electronic
Commerce
Group
参考文献
ご清聴ありがとうございました。
November 21, 2015 | Meiji University
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
100
-1000
1000
3000
5000
7000
9000
11000
利用者数 人口普及率
インターネット利用者数
人口普及率
1億44万人
82.8%
出所:総務省(2015a)。 67
補助資料|インターネット利用者数
Electronic
Commerce
Group
(万人)(%)
20142013201220112010200920082007200620052004
64%
現在, 日本の全世帯の
約64%以上の世帯が
スマートフォンを保
有
68
出所: 総務省(2015)。
補助資料|日本のスマートフォン保有率
Electronic
Commerce
Group
69
B2C
Ecommerce
B2B
Ecommerce
C2C
Ecommerce
B2C
Ecommerce
B2C-Ecommerce
B2C-Ecommerce とは
企業/消費者間の取引
のことである。
補助資料|ECの種類
Electronic
Commerce
Group
70
店舗で確認
欲しい商
品
ネットで購
買
補助資料|ショールーミングの具体例
Electronic
Commerce
Group
71
1. はじめに
Electronic
Commerce
Group
リアル店舗内で
商品のバーコード
を読み取る
店舗をショールーミング化
店舗内でEC購買
72
Electronic
Commerce
Group
限られた店舗・限られた
ブランドでしか利用できない
対応店舗・対応ブランドでも
利用できない商品がある
店舗側の抵抗感が強かった
出所:Business journal (http://biz-journal.jp/2014/05/post_4762.html 最終アクセス2015年11
月15日)
1. はじめに
マーケティング戦略は中止
73
補助資料|知覚リスクとは
知覚リスクとは
消費者が商品やサービスを購買する
時に感じる不安や不確実性のこと
出所:青木(2005)
ECっ
て、不安
…
出所:Jacoby and Kaplan (1972)。
74
補助資料|知覚リスク
Electronic
Commerce
Group
74
Source: Jacoby and Kaplan (1972)←Kushwaha の引用しているやつ
機能的
安全的
金銭的
社会的心理的
・期待通りに
機能しない
・故障してい
る,etc.
・金銭を失う
・経済的損失
を被る,etc.
・身体に害を
及ぼす
・事故の恐れ
がある,etc.
・自己像を傷
つける,etc.
・他者の使用
感を下回る,
etc.
知覚リスク
における
5つの
不確実性
75
補助資料|知覚リスクの商品例
出所:青木(2005)
知覚リスク
高
知覚リスク低
Electronic
Commerce
Group
76
出所:Kushwaha(2013),吉井(2015)
補助資料|娯楽性と実用性
実用的商品:情報探索に興味なし
Electronic
Commerce
Group
情報をあまり調べず
単一のチャネルを利用
77
補助資料|
Electronic
Commerce
Group
オフィス用品(n=57) 平均値の差 標準誤差 有意確率
スポーツ用品(n=65) -.93514* .25863 .007
手工芸品(n=61) -.79184* .26256 .031
CD/DVD(n=61) -.76856* .26256 .039
美容化粧品(n=65) 平均値の差 標準誤差 有意確率
家電製品(n=64) -.14995 .25098 1.00
食料品(n=59) .80116 .25628 .042
本・雑誌(n-65) .97543 .25001 .014
平方和 自由度 平均平方 F値 有意確率
グループ間 56.269 7 8.038 3.957 .000
グループ内 993.326 489 2.031
合計 1049.595 496
78
補助資料|
Electronic
Commerce
Group
美容化粧品(n=65) F値 有意確
率
t値 自由度 有意確率
(両側)
スマフォ非保有
(n=8)
等分散を
仮定する
.231 .633 -4.924 40 .000
スマフォ保有
(n=34)
等分散を
仮定しない
-4.454 9.545 .001
美容化粧品(n=65) F値 有意確
率
t値 自由度 有意確率
(両側)
タブレット非保有
(n=32)
等分散を
仮定する
2.654 .109 -3.148 54 .003
タブレット保有
(n=24)
等分散を
仮定しない
-3.046 42.775 .004
79
補助資料|
Electronic
Commerce
Group
オフィス用品
(n=57)
F値 有意確
率
t値 自由度 有意確率
(両側)
スマフォ非保有
(n=10)
等分散を
仮定する
7.355 .014 -9.168 19 .000
スマフォ保有
(n=11)
等分散を
仮定しない
-9.639 10.000 .000
オフィス用品
(n=57)
F値 有意確
率
t値 自由度 有意確率
(両側)
タブレット非保有
(n=33)
等分散を
仮定する
17.773 .000 -2.454 51 .018
タブレット保有
(n=20)
等分散を
仮定しない
-2.077 23.801 .049
80
補助資料|一元配置分散分析とは
Electronic
Commerce
Group
一元配置分散分析
比較対象のカテゴリーが3群以上時使われる。
*各群間の平均値に全体として差があること
を検定する
多重比較検定を行う
どの群間に差が出ているのかを調べる
81
補助資料|t 検定とは
Electronic
Commerce
Group
t検定とは
ある2つの要素の「平均値の差」に対して
→その違いが偶然発生したのか
(データのばらつきによるものなのか)
→本質的な違いが生じていたのか
を判断する検定である。
tの値が一定数以上であれば、
有意であるとみなすことができる。
82
補助資料|t 検定の説明
Electronic
Commerce
Group
【T検定】
2つのグループの平均値の差を比較し、有
意差があるかないかを統計的に判断する検
定方法。
tの値が一定数以上であれば、有意であると
みなすことができる。
83
補助資料|ショールーミングを選んだ理由
Electronic
Commerce
Group
現在, 多くの企業は
ECとリアル店舗・伝統的チャネルを
相互依存的に関わせることのできる
効果的なマーケティング手法を模索している
しかし
この分野における学術的な蓄積や実務の
一般化された知見は非常に少ない。
ショールーミング行動
の加速化が進む
消費者行動の変化
84
補助資料|ショールーミングを選んだ理由
Electronic
Commerce
Group
企業はECとリアル
の融合で対応する
1 2
企業も消費者行動の
変化に対応する
一般化された成功要因
既存研究が不足
一般化された成功要因
企業への提言
3 4
85
補助資料|ショールーミングを選んだ理由
Electronic
Commerce
Group
86
補助資料|サンプル
Electronic
Commerce
Group
87
補助資料|サンプル
Electronic
Commerce
Group
男性10代 2.74%
男性20代 20.12%
男性30代 9.45%
男性40代 15.55%
男性50代 11.89%
男性60代 3.66%
男性70代以上 0.00%
女性10代 6.10%
女性20代 22.26%
女性30代 4.27%
女性40代 1.52%
女性50代 2.13%
女性60代 0.30%
女性70代以上 0.00%
会社員(事務系)27.44%
会社員(技術系)5.49%
会社員(その他)9.76%
自営業 2.74%
自由業 0.61%
公務員 0.91%
経営者 5.49%
OL 0.00%
主婦 1.22%
主夫 0.00%
パート・アルバイト 0.30%
学生 43.90%
無職 0.00%
その他 (具体的に)2.13%
88
補助資料|アンケート内容
Electronic
Commerce
Group
1. あなたの性別と年齢は?
2. あなたの職業は?
3. あなたのショールーミングの頻度を教えてください
4. 「過去1年以内にショールーミングをしたことがある人」に
お聞きします。ショールーミングで買った事がある商品は何
ですか?また、過去1年間でその商品に合計いくら使いまし
たか?(21商品カテゴリー)
5. 次の携帯端末を持っていますか?(携帯電話・スマフォ・タ
ブレット)
6. 過去1年間に商品の情報探索をする際に使った携帯端末は何
ですか?(携帯電話・スマフォ・タブレット)
7. 過去1年間に商品購買をする際に使った携帯端末は何です
か?(携帯電話・スマフォ・タブレット)
89
補助資料|21商品カテゴリー
Electronic
Commerce
Group
1 家電 7 自動車関連用品
2 コンピュータ機器 8 ペット用品
3 通信機器 9 手工芸品
4 カメラ・ビデオ機器 10 家庭菜園用品
5 音楽機器 11 オフィス用品
6 スポーツ用品
12 宝飾品 17 芸術品
13 美容化粧品 18 おもちゃ
14 飲食料品 19 ギフト用品
15 収集品 20 家財品
16 衣服 21 CD&DVD
22 本や雑誌
90
Electronic
Commerce
Group
・過去のECでの購買経験
店舗での確認後、過去のECでの購買
経験により、容易にECで購買。
・ウェブサイトのデザイン
かっこいいWebデザインは、
ショールーミングを伴うEC購買を促す。
補助資料|ショールーミングに影響を与える要因
出所:吉井 (2014a)
91
補助資料|娯楽&実用型と熟慮型&習慣型の違い
Electronic
Commerce
Group
出所:渡部・岩崎(2010)
娯楽型・実用型
娯楽型
楽しさや刺激、
喜びなどの感情が
得られる商品
実用型
機能性や利便性を
得られる商品
熟慮型
購買結果を重視し
た商品
習慣型
時間やコストを
節約したい商品
熟慮型・習慣型
92
補助資料|一元配置分散分析とは
Electronic
Commerce
Group
一元配置分散分析
比較対象のカテゴリーが3群以上時使われる。
*各群間の平均値に全体として差があること
を検定する
多重比較検定を行う
どの群間に差が出ているのかを調べる
93
補助資料|一元配置分散分析とは
Electronic
Commerce
Group
一元配置分散分析
天気(晴れ, 曇り, 雨)→独立変数
が売上額→従属変数
にどう影響しているのかを分析できる
Q.商品売上額に与える天気の影響分析
(晴れ, 曇り, 雨)の要因同士での差を測定でき,
どの要因が強く影響しているのかを測定できる
94
補助資料|一元配置分散分析とは
Electronic
Commerce
Group
5%水準とは
有意確率<0.05になった場合,
その差が偶然に起きたものとは
考えにくいため差があるとして
扱って良いということ
= そういった偶然が起こる確率
は0.05よりも小さい
95
補助資料|企業事例「ヨドバシカメラ」
Electronic
Commerce
Group
出所:日経ビジネス(2015)
¥0
¥0
¥0
¥0
¥0
¥0
¥0
¥0
¥0
2011 2012 2013 2014 2015 2016
(千億円)
Billions
ヨドバシの売上高とネット通販
の主な取り組み
350 360
410
600
650
800
ネット通販の売上高
2000
4000
6000
8000
ヨドバシカメラ
ネット通販の売上は年々成長してい
る。
96
補助資料|企業事例「メイシーズ」
Electronic
Commerce
Group
出所:後藤文俊(2015)
メイシーズ
企業業績が悪化。
97
補助資料|ショールーミングを利用したマーケティングとは?
Electronic
Commerce
Group
出所:中野目(2015)
大手百貨店や流通業などが近年、
「ミニ店舗」を都心に建て始めてい
る。
→「ショールーム」を増やすことで、
より購買チャネルを増やす。
98
補助資料|ショールーミングの先行研究
Electronic
Commerce
Group
出所:大槻(2014)
「ただ乗り理論(Free Riding)」
:実店舗は,店舗の設置などの費用を
商品の価格に転嫁するが、EC企業は実
店舗を持たないので、その費用を負担
しない分、実店舗よりも安い価格で同
じ商品を販売できる。そのためEC企業
が実店舗の商品に「ただ乗り」してい
るのである。
99
補助資料|消費者行動の変遷
Electronic
Commerce
Group
出所:堀(2013)
AIDMA:サミュエル・ホールが提唱
Attention(注意)→
Interest(関心)→Desire(欲望)
Memory(記憶)→Action(購買)
AISAS(2004年以降):電通が提唱
Attention(注意)→Interest(関心)
→Search(検索)→Action(購買)→Share
(情報共有)
100
• 大槻(2014)「ショールーミングと再販売価格維持の 違法性判断」
• 後藤文俊(2015)「先駆者メイシーズはなぜつまづいたか」,『LOGI-BIZ月刊ロジスティ
クス・ビジネス』,11巻,22-25頁。
• 堀眞由美(2013)「消費社会の変遷と消費行動の変容」
• 河野祥平(2015)「ヨドバシ、アマゾンに勝つ」,『日経ビジネス』,
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/100100040/100200001/ (最終アクセス
2015/11/20)
• 中野純一(2015)「大手百貨店、相次ぐ「ミニ店舗」の真意」,『日経ビジネス』
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20150501/280654/?P=3&mds (最終アクセス
2015/11/20)
Electronic
Commerce
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Editor's Notes

  1. 兼業の企業もいれる
  2. 専業だけ兼業だけ?
  3. n=10,348
  4. ショールーミングを利用した戦略を行ないたいと思っている企業はどのくらいいるの?
  5. 既存の研究ではショールーミングについてどう言及されているのか
  6. ECでは直接商品を確認することが出来ないために, リアル店舗よりも知覚リスクが購買意図に影響を与える
  7. 実用的商品は,明確で適切に定義されるという特性を持ち,それらはとても比較・評価しやすい。しかしながら,実用的商品カテゴリーにおいては,購買における課題は計画購買,目標立てられた選択や認知的参与などを含む。目標立てられた行動は,習慣付けや自動的行動を引き起こす。 加えて,実用的カテゴリーは,概して高い探索(検証?)優位性を有する。人々は検索を含む様々な活動への時間を配分し,資源が不足している。(Becker1965)時間の不足は消極的に探索努力へと繋がる(Beatty and Smith 1987)。それゆえ、実用的商品の消費者はショッピングに効率性を重視する(Mathwick, Malhotra and Rigdon 2002)。一般的に効率性は予防焦点と大きく関係すると言われている(Chernev 2004)。実用的商品カテゴリーと関係する目標志向型購買行動は探索と購買が習慣的に何度も行なわれるシングルチャネルにおいての時間利用に有用である。なぜならマルチチャネルよりもシングルチャネル利用を好む消費者にとって、効率性が最重要だからである。
  8. We define a utilitarian category as a category dominant on attributes such as functionality, practicality, cognition, and instrumental orientation, consistent with Dhar and Wertenbroch (2000). Computing equipment, consumer electronics, office supplies, home appliances, and garden equipment are examples of utilitarian categories We define a hedonic category as a category dominant on attributes such as experiential benefits, affect, enjoyment, enduring involvement, intrinsic motivation, and aesthetics (Dhar and Wertenbroch 2000). Examples of hedonic categories include CDs, DVDs, antiques, and apparel. Unlike hedonic products, utilitarian products can be easily compared and evaluated along different attributes. Batraand Ahotla (1990, p. 159)では消費者が商品やサービスを購買し消費する行動には2つの理由がある。:①(感覚的特質から)感情的な喜びを完成します②機能的理由 同様に,購買・消費行動を背景にある内在する商品カテゴリー特性としての知覚リスクの研究は,マーケティング研究分野において長い伝統を持つ。
  9. 経済的価値追求要因: 購買時での効率性と有用性を追求する 「pure economic goal 」          =純粋なる経済的価値を求めた消費者 買物にかける時間・お金を抑えたい
  10. 既存の研究ではショールーミングについてどう言及されているのか
  11. 今回の実所研究はスライドにある流れで進めていきました。 まず事前調査ではアンケートを用いて商品カテゴリーの絞り込みを行いました。 事前調査で絞り込んだ商品カテゴリーをもとに本調査ではさらなるアンケートを実施し、統計により既存のっけんきゅうで言及されていた4つの要因とショールーミングの関係を統計によって検証しました。
  12. 次は事前調査の概要です 事前調査の目的は〜
  13. 事前調査で使用した商品カテゴリー21種類はくしゅ花の2013年の論文から引用しました。 またこの中から この中から事前調査でサンプル数が充分に得られたもの、またその中から最も典型的な商品カテゴリーを基準に8つの商品カテゴリーに絞り込みました。 色が分けられているのですが、黄色い字の商品カテゴリーは習慣的商品、白地の商品カテゴリーが熟慮型の商品カテゴリーです。
  14. 本調査の説明に入る前に要点をまとめると以上になります。 本調査では事前研究で絞った商品カテゴリーを用いて, 4つの要因の調査を行います。 調査方法は一元配置分散分析を用います。
  15. 知覚リスクが低く, 快楽的、熟慮型の商品カテゴリーである最もショールーミングされやすい商品であると想定され, 知覚リスクが高く,実用的、習慣型の商品カテゴリーであるオフィス用品は最もショールーミングされにくい商品であると想定できる。 この二つの商品カテゴリーをこのように4つの勝因カテゴリーと比較することで本調査の目的である要因の影響度を測る。
  16. 仮説のモデルを表すとこのようになります。 今回はこのモデルを本調査で証明します。
  17. 基となった商品カテゴリーはスライドにあるような21種類の商品カテゴリーです。 この中から事前調査でサンプル数が充分に得られたもの、またその中から最も典型的な商品カテゴリーを抽出しました。 色が分けられているのですが、黄色い商品カテゴリーは習慣的商品、緑色の商品カテゴリーが熟慮型の商品カテゴリーです。
  18. 結果は仮説1-1,1-2共に支持されました。 つまり仮説1が支持されたことになります。つまりは知覚リスクが高い商品カテゴリーの方が金銭的価値が高いということです。
  19. 仮説のモデルを表すとこのようになります。 今回はこのモデルを本調査で証明します。
  20. 基となった商品カテゴリーはスライドにあるような21種類の商品カテゴリーです。 この中から事前調査でサンプル数が充分に得られたもの、またその中から最も典型的な商品カテゴリーを抽出しました。 色が分けられているのですが、黄色い商品カテゴリーは習慣的商品、緑色の商品カテゴリーが熟慮型の商品カテゴリーです。
  21. 結果, 仮説2-1は棄却され, 仮説2-2は支持されました。 このことから必ずしも快楽的商品が金銭的価値が高いというわけではないということが判明しました。
  22. 結果, 仮説2-1は棄却され, 仮説2-2は支持されました。 このことから必ずしも快楽的商品が金銭的価値が高いというわけではないということが判明しました。
  23. 仮説のモデルを表すとこのようになります。 今回はこのモデルを本調査で証明します。
  24. 結果, 仮説3-1,3-2共に支持され、経済価値追求要因の高い商品カテゴリーの方が金銭的価値が高いということが判明しました。
  25. 仮説のモデルを表すとこのようになります。 今回はこのモデルを本調査で証明します。
  26. まず知覚リスクについて, 同じ快楽的商品群である美容化粧品と本, 実用的商品群で共通する家電とオフィス用品を比較することでショールーミングに与える知覚リスクの影響度を調査します。 ここで設定される仮説は知覚リスクが高い商品カテゴリーの方が金銭的価値が高いということです
  27. 結論, 携帯端末を保有している消費者の方が金銭的価値が高いということが判明しました。
  28. 仮説のモデルを表すとこのようになります。 今回はこのモデルを本調査で証明します。
  29. それでは検証結果に関して述べていきます
  30. 仮説のモデルを表すとこのようになります。 今回はこのモデルを本調査で証明します。
  31. 本研究の目的は〜でした。
  32. 仮説のモデルを表すとこのようになります。 今回はこのモデルを本調査で証明します。
  33. 仮説のモデルを表すとこのようになります。 今回はこのモデルを本調査で証明します。
  34. 仮説のモデルを表すとこのようになります。 今回はこのモデルを本調査で証明します。
  35. 最後に今回の調査から企業へこう言った提言ができると私たちは考えています。 それは〜 です。
  36. 課題としてはこの2つが考えられます。学生のサンプルや特定の商品カテゴリーにサンプルが偏ってしまったため, 今後はさらに幅広い年代や商品カテゴリーでの調査を行なう。
  37. We define a utilitarian category as a category dominant on attributes such as functionality, practicality, cognition, and instrumental orientation, consistent with Dhar and Wertenbroch (2000). Computing equipment, consumer electronics, office supplies, home appliances, and garden equipment are examples of utilitarian categories We define a hedonic category as a category dominant on attributes such as experiential benefits, affect, enjoyment, enduring involvement, intrinsic motivation, and aesthetics (Dhar and Wertenbroch 2000). Examples of hedonic categories include CDs, DVDs, antiques, and apparel. Unlike hedonic products, utilitarian products can be easily compared and evaluated along different attributes. Batraand Ahotla (1990, p. 159)では消費者が商品やサービスを購買し消費する行動には2つの理由がある。:①(感覚的特質から)感情的な喜びを完成します②機能的理由 同様に,購買・消費行動を背景にある内在する商品カテゴリー特性としての知覚リスクの研究は,マーケティング研究分野において長い伝統を持つ。
  38. 3カテゴリー以上で差があるのかを測り、その差の比較をすることができる。今回の場合は各要因の影響の度合いを測ることができた。
  39. ショールーミングは消費者行動 オムニチャネルはショールーミングに対する企業の対抗策
  40. 長島ら[9]はパソコンのような消費者が高関与の(こだわりのある)商品では店頭での感触,店頭における価格比較,店員の説明,クチコミ情報が購入意思決定の決め手になるとしているChiang ら[10]はオンライン・ショッピングでは利便性と商品の類型(買回品/経験品)が消費者の意思に影響することを示した時間節約が最も重視されている理由は,「最寄品」は高頻度に購入するものが多く,消費者が商品の比較にあまり時間をかけたくないためである. ネット販売のマーケティング戦略上田[18] はネットショッピングにおける消費者行動 により,ネットショッピングを習慣的考慮型(日々の買い物で,情報探索や情報検索にあまり時間を割かない)と熟 慮型(情報探索,情報処理を十分に行い,こだわりを優先)に大きく2分類し(熟慮型はさらに3分類される),それ ぞれの特徴を示した.また,各分類内でネットショッパーの関与の高低,判断力の高低に応じた「ネット販売実 行枠組」を示し,熟慮型はインタラクティブ性によりネット販売に適しているとしている,パソコンや自転車,家具,液 晶テレビなどの「買回品」が続く.「買回品」は消費者が商品探索したり,慎重に比較したりするもので,インタ ーネットを使っての商品探索や比較がしやすい.しかし,「買回品」は価格も高くなり,消費者は通常,実際のも のを見て購入したいという意向が強く,ネットで購買することに抵抗感が強くなることがわかっている 「 最寄品」は低価格のものが多いので,ある程度のリスクを取ってもネットで効率的に情報を集めて,買い物の時間を節約するなどのメリットを受けやすい 「最寄品」では→習慣 ネット購買促進要因のうちの「時間節約重視」が最も重 要であり,価格,ネット情報,クチコミの重視が続く. 時間節約が最も重視されている理由は,「最寄品」は高頻 度に購入するものが多く,消費者が商品の比較にあまり 時間をかけたくないためである 「買回品」では「ネット情報重視」のウェイトが高い.→熟慮 ネット情報を重視する人には買いやすく,「時間節約重 視」や「価格重視」もネット購買の促進要因として効い ている.ただし,「買回品」は比較的高価なものが多く, 購入頻度は低いため,消費者はネットショップの利点で ある時間節約や低価格よりも,手にとって選ぶなどの実 感や店員とのコミュニケーションを重視する傾向がある. ネットショップの対応としては商品の写真や仕様,特徴 などの商品情報を提供したり,利用者が欲しい商品を探 す手がかりとなるような商品分類と解説(例えば,「電気 炊飯器はマイコン式,IH 式,圧力IH 式があり,最近は 圧力IH 式が売れている」など)を掲載したりするなどと ともに,商品検索や類似商品との仕様や価格の横並び比 較が容易にできるようにして,利用者の時間節約に貢献 する. さらに買回品では,実店舗に近い実感やコミュニケー ション機能を提供できるかが重要である.パソコンのメ ーカー直販サイトでは商品の写真を多く入れたり,画面 にパソコンの3次元画像を表示して自由に回転や拡大・ 縮小ができたりして,できる限り消費者が実感に近づけ るようにしたものもある.店員とのコミュニケーション のためには,電話や電子メールを利用して消費者の方か ら気軽に連絡できるようにすることはもちろんであるが, デルで行っているような購買の検討時にチャットにより リアルタイムで質問・回答できるようにすることや,客 が希望すればインターネットを使ったメッセンジャーサ ービスなどを利用して,客と店員が顔を合わせて対話で きるサービスを提供してはどうだろうか.「サービス・評 判」も重視されるので,初期不良品の返品・交換サービ スの他に,長期保証サービスの提供などにより,消費者 がある程度安心して購入できるようにすることが重要で ある. Babin et al(. 1994)は、情緒的価値(hedonic value)1)と実用的価値(utilitarian value)と いう2つの側面から買物価値を捉えた2)。情 緒的価値とは、買物を通じて得られる快楽的 な価値のことで、刺激、気晴らし、喜び、楽 しさなどの感情を得られる価値のことであ る。一方、実用的価値とは、買物を通じて得 られる実用的・功利的価値のことであり、良 い商品を、望む価格で、便利に買えることで 得られる価値のことである。
  41. 3カテゴリー以上で差があるのかを測り、その差の比較をすることができる。今回の場合は各要因の影響の度合いを測ることができた。
  42. 3カテゴリー以上で差があるのかを測り、その差の比較をすることができる。今回の場合は各要因の影響の度合いを測ることができた。
  43. 長島ら[9]はパソコンのような消費者が高関与の(こだわりのある)商品では店頭での感触,店頭における価格比較,店員の説明,クチコミ情報が購入意思決定の決め手になるとしているChiang ら[10]はオンライン・ショッピングでは利便性と商品の類型(買回品/経験品)が消費者の意思に影響することを示した時間節約が最も重視されている理由は,「最寄品」は高頻度に購入するものが多く,消費者が商品の比較にあまり時間をかけたくないためである. ネット販売のマーケティング戦略上田[18] はネットショッピングにおける消費者行動 により,ネットショッピングを習慣的考慮型(日々の買い物で,情報探索や情報検索にあまり時間を割かない)と熟 慮型(情報探索,情報処理を十分に行い,こだわりを優先)に大きく2分類し(熟慮型はさらに3分類される),それ ぞれの特徴を示した.また,各分類内でネットショッパーの関与の高低,判断力の高低に応じた「ネット販売実 行枠組」を示し,熟慮型はインタラクティブ性によりネット販売に適しているとしている,パソコンや自転車,家具,液 晶テレビなどの「買回品」が続く.「買回品」は消費者が商品探索したり,慎重に比較したりするもので,インタ ーネットを使っての商品探索や比較がしやすい.しかし,「買回品」は価格も高くなり,消費者は通常,実際のも のを見て購入したいという意向が強く,ネットで購買することに抵抗感が強くなることがわかっている 「 最寄品」は低価格のものが多いので,ある程度のリスクを取ってもネットで効率的に情報を集めて,買い物の時間を節約するなどのメリットを受けやすい 「最寄品」では→習慣 ネット購買促進要因のうちの「時間節約重視」が最も重 要であり,価格,ネット情報,クチコミの重視が続く. 時間節約が最も重視されている理由は,「最寄品」は高頻 度に購入するものが多く,消費者が商品の比較にあまり 時間をかけたくないためである 「買回品」では「ネット情報重視」のウェイトが高い.→熟慮 ネット情報を重視する人には買いやすく,「時間節約重 視」や「価格重視」もネット購買の促進要因として効い ている.ただし,「買回品」は比較的高価なものが多く, 購入頻度は低いため,消費者はネットショップの利点で ある時間節約や低価格よりも,手にとって選ぶなどの実 感や店員とのコミュニケーションを重視する傾向がある. ネットショップの対応としては商品の写真や仕様,特徴 などの商品情報を提供したり,利用者が欲しい商品を探 す手がかりとなるような商品分類と解説(例えば,「電気 炊飯器はマイコン式,IH 式,圧力IH 式があり,最近は 圧力IH 式が売れている」など)を掲載したりするなどと ともに,商品検索や類似商品との仕様や価格の横並び比 較が容易にできるようにして,利用者の時間節約に貢献 する. さらに買回品では,実店舗に近い実感やコミュニケー ション機能を提供できるかが重要である.パソコンのメ ーカー直販サイトでは商品の写真を多く入れたり,画面 にパソコンの3次元画像を表示して自由に回転や拡大・ 縮小ができたりして,できる限り消費者が実感に近づけ るようにしたものもある.店員とのコミュニケーション のためには,電話や電子メールを利用して消費者の方か ら気軽に連絡できるようにすることはもちろんであるが, デルで行っているような購買の検討時にチャットにより リアルタイムで質問・回答できるようにすることや,客 が希望すればインターネットを使ったメッセンジャーサ ービスなどを利用して,客と店員が顔を合わせて対話で きるサービスを提供してはどうだろうか.「サービス・評 判」も重視されるので,初期不良品の返品・交換サービ スの他に,長期保証サービスの提供などにより,消費者 がある程度安心して購入できるようにすることが重要で ある. Babin et al(. 1994)は、情緒的価値(hedonic value)1)と実用的価値(utilitarian value)と いう2つの側面から買物価値を捉えた2)。情 緒的価値とは、買物を通じて得られる快楽的 な価値のことで、刺激、気晴らし、喜び、楽 しさなどの感情を得られる価値のことであ る。一方、実用的価値とは、買物を通じて得 られる実用的・功利的価値のことであり、良 い商品を、望む価格で、便利に買えることで 得られる価値のことである。
  44. 長島ら[9]はパソコンのような消費者が高関与の(こだわりのある)商品では店頭での感触,店頭における価格比較,店員の説明,クチコミ情報が購入意思決定の決め手になるとしているChiang ら[10]はオンライン・ショッピングでは利便性と商品の類型(買回品/経験品)が消費者の意思に影響することを示した時間節約が最も重視されている理由は,「最寄品」は高頻度に購入するものが多く,消費者が商品の比較にあまり時間をかけたくないためである. ネット販売のマーケティング戦略上田[18] はネットショッピングにおける消費者行動 により,ネットショッピングを習慣的考慮型(日々の買い物で,情報探索や情報検索にあまり時間を割かない)と熟 慮型(情報探索,情報処理を十分に行い,こだわりを優先)に大きく2分類し(熟慮型はさらに3分類される),それ ぞれの特徴を示した.また,各分類内でネットショッパーの関与の高低,判断力の高低に応じた「ネット販売実 行枠組」を示し,熟慮型はインタラクティブ性によりネット販売に適しているとしている,パソコンや自転車,家具,液 晶テレビなどの「買回品」が続く.「買回品」は消費者が商品探索したり,慎重に比較したりするもので,インタ ーネットを使っての商品探索や比較がしやすい.しかし,「買回品」は価格も高くなり,消費者は通常,実際のも のを見て購入したいという意向が強く,ネットで購買することに抵抗感が強くなることがわかっている 「 最寄品」は低価格のものが多いので,ある程度のリスクを取ってもネットで効率的に情報を集めて,買い物の時間を節約するなどのメリットを受けやすい 「最寄品」では→習慣 ネット購買促進要因のうちの「時間節約重視」が最も重 要であり,価格,ネット情報,クチコミの重視が続く. 時間節約が最も重視されている理由は,「最寄品」は高頻 度に購入するものが多く,消費者が商品の比較にあまり 時間をかけたくないためである 「買回品」では「ネット情報重視」のウェイトが高い.→熟慮 ネット情報を重視する人には買いやすく,「時間節約重 視」や「価格重視」もネット購買の促進要因として効い ている.ただし,「買回品」は比較的高価なものが多く, 購入頻度は低いため,消費者はネットショップの利点で ある時間節約や低価格よりも,手にとって選ぶなどの実 感や店員とのコミュニケーションを重視する傾向がある. ネットショップの対応としては商品の写真や仕様,特徴 などの商品情報を提供したり,利用者が欲しい商品を探 す手がかりとなるような商品分類と解説(例えば,「電気 炊飯器はマイコン式,IH 式,圧力IH 式があり,最近は 圧力IH 式が売れている」など)を掲載したりするなどと ともに,商品検索や類似商品との仕様や価格の横並び比 較が容易にできるようにして,利用者の時間節約に貢献 する. さらに買回品では,実店舗に近い実感やコミュニケー ション機能を提供できるかが重要である.パソコンのメ ーカー直販サイトでは商品の写真を多く入れたり,画面 にパソコンの3次元画像を表示して自由に回転や拡大・ 縮小ができたりして,できる限り消費者が実感に近づけ るようにしたものもある.店員とのコミュニケーション のためには,電話や電子メールを利用して消費者の方か ら気軽に連絡できるようにすることはもちろんであるが, デルで行っているような購買の検討時にチャットにより リアルタイムで質問・回答できるようにすることや,客 が希望すればインターネットを使ったメッセンジャーサ ービスなどを利用して,客と店員が顔を合わせて対話で きるサービスを提供してはどうだろうか.「サービス・評 判」も重視されるので,初期不良品の返品・交換サービ スの他に,長期保証サービスの提供などにより,消費者 がある程度安心して購入できるようにすることが重要で ある. Babin et al(. 1994)は、情緒的価値(hedonic value)1)と実用的価値(utilitarian value)と いう2つの側面から買物価値を捉えた2)。情 緒的価値とは、買物を通じて得られる快楽的 な価値のことで、刺激、気晴らし、喜び、楽 しさなどの感情を得られる価値のことであ る。一方、実用的価値とは、買物を通じて得 られる実用的・功利的価値のことであり、良 い商品を、望む価格で、便利に買えることで 得られる価値のことである。
  45. 長島ら[9]はパソコンのような消費者が高関与の(こだわりのある)商品では店頭での感触,店頭における価格比較,店員の説明,クチコミ情報が購入意思決定の決め手になるとしているChiang ら[10]はオンライン・ショッピングでは利便性と商品の類型(買回品/経験品)が消費者の意思に影響することを示した時間節約が最も重視されている理由は,「最寄品」は高頻度に購入するものが多く,消費者が商品の比較にあまり時間をかけたくないためである. ネット販売のマーケティング戦略上田[18] はネットショッピングにおける消費者行動 により,ネットショッピングを習慣的考慮型(日々の買い物で,情報探索や情報検索にあまり時間を割かない)と熟 慮型(情報探索,情報処理を十分に行い,こだわりを優先)に大きく2分類し(熟慮型はさらに3分類される),それ ぞれの特徴を示した.また,各分類内でネットショッパーの関与の高低,判断力の高低に応じた「ネット販売実 行枠組」を示し,熟慮型はインタラクティブ性によりネット販売に適しているとしている,パソコンや自転車,家具,液 晶テレビなどの「買回品」が続く.「買回品」は消費者が商品探索したり,慎重に比較したりするもので,インタ ーネットを使っての商品探索や比較がしやすい.しかし,「買回品」は価格も高くなり,消費者は通常,実際のも のを見て購入したいという意向が強く,ネットで購買することに抵抗感が強くなることがわかっている 「 最寄品」は低価格のものが多いので,ある程度のリスクを取ってもネットで効率的に情報を集めて,買い物の時間を節約するなどのメリットを受けやすい 「最寄品」では→習慣 ネット購買促進要因のうちの「時間節約重視」が最も重 要であり,価格,ネット情報,クチコミの重視が続く. 時間節約が最も重視されている理由は,「最寄品」は高頻 度に購入するものが多く,消費者が商品の比較にあまり 時間をかけたくないためである 「買回品」では「ネット情報重視」のウェイトが高い.→熟慮 ネット情報を重視する人には買いやすく,「時間節約重 視」や「価格重視」もネット購買の促進要因として効い ている.ただし,「買回品」は比較的高価なものが多く, 購入頻度は低いため,消費者はネットショップの利点で ある時間節約や低価格よりも,手にとって選ぶなどの実 感や店員とのコミュニケーションを重視する傾向がある. ネットショップの対応としては商品の写真や仕様,特徴 などの商品情報を提供したり,利用者が欲しい商品を探 す手がかりとなるような商品分類と解説(例えば,「電気 炊飯器はマイコン式,IH 式,圧力IH 式があり,最近は 圧力IH 式が売れている」など)を掲載したりするなどと ともに,商品検索や類似商品との仕様や価格の横並び比 較が容易にできるようにして,利用者の時間節約に貢献 する. さらに買回品では,実店舗に近い実感やコミュニケー ション機能を提供できるかが重要である.パソコンのメ ーカー直販サイトでは商品の写真を多く入れたり,画面 にパソコンの3次元画像を表示して自由に回転や拡大・ 縮小ができたりして,できる限り消費者が実感に近づけ るようにしたものもある.店員とのコミュニケーション のためには,電話や電子メールを利用して消費者の方か ら気軽に連絡できるようにすることはもちろんであるが, デルで行っているような購買の検討時にチャットにより リアルタイムで質問・回答できるようにすることや,客 が希望すればインターネットを使ったメッセンジャーサ ービスなどを利用して,客と店員が顔を合わせて対話で きるサービスを提供してはどうだろうか.「サービス・評 判」も重視されるので,初期不良品の返品・交換サービ スの他に,長期保証サービスの提供などにより,消費者 がある程度安心して購入できるようにすることが重要で ある. Babin et al(. 1994)は、情緒的価値(hedonic value)1)と実用的価値(utilitarian value)と いう2つの側面から買物価値を捉えた2)。情 緒的価値とは、買物を通じて得られる快楽的 な価値のことで、刺激、気晴らし、喜び、楽 しさなどの感情を得られる価値のことであ る。一方、実用的価値とは、買物を通じて得 られる実用的・功利的価値のことであり、良 い商品を、望む価格で、便利に買えることで 得られる価値のことである。
  46. 長島ら[9]はパソコンのような消費者が高関与の(こだわりのある)商品では店頭での感触,店頭における価格比較,店員の説明,クチコミ情報が購入意思決定の決め手になるとしているChiang ら[10]はオンライン・ショッピングでは利便性と商品の類型(買回品/経験品)が消費者の意思に影響することを示した時間節約が最も重視されている理由は,「最寄品」は高頻度に購入するものが多く,消費者が商品の比較にあまり時間をかけたくないためである. ネット販売のマーケティング戦略上田[18] はネットショッピングにおける消費者行動 により,ネットショッピングを習慣的考慮型(日々の買い物で,情報探索や情報検索にあまり時間を割かない)と熟 慮型(情報探索,情報処理を十分に行い,こだわりを優先)に大きく2分類し(熟慮型はさらに3分類される),それ ぞれの特徴を示した.また,各分類内でネットショッパーの関与の高低,判断力の高低に応じた「ネット販売実 行枠組」を示し,熟慮型はインタラクティブ性によりネット販売に適しているとしている,パソコンや自転車,家具,液 晶テレビなどの「買回品」が続く.「買回品」は消費者が商品探索したり,慎重に比較したりするもので,インタ ーネットを使っての商品探索や比較がしやすい.しかし,「買回品」は価格も高くなり,消費者は通常,実際のも のを見て購入したいという意向が強く,ネットで購買することに抵抗感が強くなることがわかっている 「 最寄品」は低価格のものが多いので,ある程度のリスクを取ってもネットで効率的に情報を集めて,買い物の時間を節約するなどのメリットを受けやすい 「最寄品」では→習慣 ネット購買促進要因のうちの「時間節約重視」が最も重 要であり,価格,ネット情報,クチコミの重視が続く. 時間節約が最も重視されている理由は,「最寄品」は高頻 度に購入するものが多く,消費者が商品の比較にあまり 時間をかけたくないためである 「買回品」では「ネット情報重視」のウェイトが高い.→熟慮 ネット情報を重視する人には買いやすく,「時間節約重 視」や「価格重視」もネット購買の促進要因として効い ている.ただし,「買回品」は比較的高価なものが多く, 購入頻度は低いため,消費者はネットショップの利点で ある時間節約や低価格よりも,手にとって選ぶなどの実 感や店員とのコミュニケーションを重視する傾向がある. ネットショップの対応としては商品の写真や仕様,特徴 などの商品情報を提供したり,利用者が欲しい商品を探 す手がかりとなるような商品分類と解説(例えば,「電気 炊飯器はマイコン式,IH 式,圧力IH 式があり,最近は 圧力IH 式が売れている」など)を掲載したりするなどと ともに,商品検索や類似商品との仕様や価格の横並び比 較が容易にできるようにして,利用者の時間節約に貢献 する. さらに買回品では,実店舗に近い実感やコミュニケー ション機能を提供できるかが重要である.パソコンのメ ーカー直販サイトでは商品の写真を多く入れたり,画面 にパソコンの3次元画像を表示して自由に回転や拡大・ 縮小ができたりして,できる限り消費者が実感に近づけ るようにしたものもある.店員とのコミュニケーション のためには,電話や電子メールを利用して消費者の方か ら気軽に連絡できるようにすることはもちろんであるが, デルで行っているような購買の検討時にチャットにより リアルタイムで質問・回答できるようにすることや,客 が希望すればインターネットを使ったメッセンジャーサ ービスなどを利用して,客と店員が顔を合わせて対話で きるサービスを提供してはどうだろうか.「サービス・評 判」も重視されるので,初期不良品の返品・交換サービ スの他に,長期保証サービスの提供などにより,消費者 がある程度安心して購入できるようにすることが重要で ある. Babin et al(. 1994)は、情緒的価値(hedonic value)1)と実用的価値(utilitarian value)と いう2つの側面から買物価値を捉えた2)。情 緒的価値とは、買物を通じて得られる快楽的 な価値のことで、刺激、気晴らし、喜び、楽 しさなどの感情を得られる価値のことであ る。一方、実用的価値とは、買物を通じて得 られる実用的・功利的価値のことであり、良 い商品を、望む価格で、便利に買えることで 得られる価値のことである。
  47. 長島ら[9]はパソコンのような消費者が高関与の(こだわりのある)商品では店頭での感触,店頭における価格比較,店員の説明,クチコミ情報が購入意思決定の決め手になるとしているChiang ら[10]はオンライン・ショッピングでは利便性と商品の類型(買回品/経験品)が消費者の意思に影響することを示した時間節約が最も重視されている理由は,「最寄品」は高頻度に購入するものが多く,消費者が商品の比較にあまり時間をかけたくないためである. ネット販売のマーケティング戦略上田[18] はネットショッピングにおける消費者行動 により,ネットショッピングを習慣的考慮型(日々の買い物で,情報探索や情報検索にあまり時間を割かない)と熟 慮型(情報探索,情報処理を十分に行い,こだわりを優先)に大きく2分類し(熟慮型はさらに3分類される),それ ぞれの特徴を示した.また,各分類内でネットショッパーの関与の高低,判断力の高低に応じた「ネット販売実 行枠組」を示し,熟慮型はインタラクティブ性によりネット販売に適しているとしている,パソコンや自転車,家具,液 晶テレビなどの「買回品」が続く.「買回品」は消費者が商品探索したり,慎重に比較したりするもので,インタ ーネットを使っての商品探索や比較がしやすい.しかし,「買回品」は価格も高くなり,消費者は通常,実際のも のを見て購入したいという意向が強く,ネットで購買することに抵抗感が強くなることがわかっている 「 最寄品」は低価格のものが多いので,ある程度のリスクを取ってもネットで効率的に情報を集めて,買い物の時間を節約するなどのメリットを受けやすい 「最寄品」では→習慣 ネット購買促進要因のうちの「時間節約重視」が最も重 要であり,価格,ネット情報,クチコミの重視が続く. 時間節約が最も重視されている理由は,「最寄品」は高頻 度に購入するものが多く,消費者が商品の比較にあまり 時間をかけたくないためである 「買回品」では「ネット情報重視」のウェイトが高い.→熟慮 ネット情報を重視する人には買いやすく,「時間節約重 視」や「価格重視」もネット購買の促進要因として効い ている.ただし,「買回品」は比較的高価なものが多く, 購入頻度は低いため,消費者はネットショップの利点で ある時間節約や低価格よりも,手にとって選ぶなどの実 感や店員とのコミュニケーションを重視する傾向がある. ネットショップの対応としては商品の写真や仕様,特徴 などの商品情報を提供したり,利用者が欲しい商品を探 す手がかりとなるような商品分類と解説(例えば,「電気 炊飯器はマイコン式,IH 式,圧力IH 式があり,最近は 圧力IH 式が売れている」など)を掲載したりするなどと ともに,商品検索や類似商品との仕様や価格の横並び比 較が容易にできるようにして,利用者の時間節約に貢献 する. さらに買回品では,実店舗に近い実感やコミュニケー ション機能を提供できるかが重要である.パソコンのメ ーカー直販サイトでは商品の写真を多く入れたり,画面 にパソコンの3次元画像を表示して自由に回転や拡大・ 縮小ができたりして,できる限り消費者が実感に近づけ るようにしたものもある.店員とのコミュニケーション のためには,電話や電子メールを利用して消費者の方か ら気軽に連絡できるようにすることはもちろんであるが, デルで行っているような購買の検討時にチャットにより リアルタイムで質問・回答できるようにすることや,客 が希望すればインターネットを使ったメッセンジャーサ ービスなどを利用して,客と店員が顔を合わせて対話で きるサービスを提供してはどうだろうか.「サービス・評 判」も重視されるので,初期不良品の返品・交換サービ スの他に,長期保証サービスの提供などにより,消費者 がある程度安心して購入できるようにすることが重要で ある. Babin et al(. 1994)は、情緒的価値(hedonic value)1)と実用的価値(utilitarian value)と いう2つの側面から買物価値を捉えた2)。情 緒的価値とは、買物を通じて得られる快楽的 な価値のことで、刺激、気晴らし、喜び、楽 しさなどの感情を得られる価値のことであ る。一方、実用的価値とは、買物を通じて得 られる実用的・功利的価値のことであり、良 い商品を、望む価格で、便利に買えることで 得られる価値のことである。