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第5回放射能ゴミを考える学習会・実践講座 資料2) 永田文夫 2014.6.29
*岩見論文1)∼5)はHP: http://sanriku.my.coocan.jp/envw.htm から取得できます。
この論文は第84回日本衛生学会学術...
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結果は、ほぼ一致し再現性が得られており、宮古市の焼却施設における放射性セシウムの漏出率は 16%から
21%の間にあると推定される。
・これまで報告されてきた焼却炉におけるバグフィルターの放射性物質除去率について、その測定法が粒径 0.3
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論文3)ゴミ焼却による放射能空間線量率の上昇:
その1;宮古市役所と宮古清掃センター 5 February 2014
⃝ 要旨
宮古市役所、火葬場、および、宮古清掃センターでの空間線量率上昇は、地形的背景や風向きを考慮すると、焼
却炉から放...
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⃝ 考察のまとめ
排ガスによる環境汚染は風下に出現することが特徴であり、宮古市役所と火葬場で空間線量率が上昇し、宮古小
学校でほとんど変化が見られないことは、清掃センターの排ガスによる放射能漏出が、2 つの地点の空間線量率
を上昇させた主因...
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変)による放射能減少に伴い、空間線量率がどのように経過するのかということを議論することが、放射性物質
の挙動を考察する上で有用であることを提示し、地表に飛来した放射性物質が土壌に浸透する経過を検討した。
⃝ EPAモデル
原子力災害対策本部...
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⃝ 個別の放射性核種の濃度値を測定することが、放射性物質による被曝の評価に不可欠である。しかし、個々
の濃度値が不明でも、影響を与える放射性核種が既知であれば、放射性物質の分布変化がないものと仮定し放射
性物質の壊変に伴う空間線量率の変化を...
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⃝ 放射能汚染牧草等の焼却が空間線量率に及ぼす影響を統計的に検討するために、焼却直前の 2013 年 4 月
から 6 月までの空間線量率と、2013 年 7 月 9 日以後から 2014 年 1 月までの空間線量率との差を t 検
定で調...
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140629 第5回放射能ゴミ焼却を考える学習会 永田文夫さん資料②岩見論文1~5要点メモ

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140629 第5回放射能ゴミ焼却を考える学習会 永田文夫さん資料②岩見論文1~5要点メモ

  1. 1. 1 第5回放射能ゴミを考える学習会・実践講座 資料2) 永田文夫 2014.6.29 *岩見論文1)∼5)はHP: http://sanriku.my.coocan.jp/envw.htm から取得できます。 この論文は第84回日本衛生学会学術総会(2014.5.27)で発表されました。 岩見論文1)∼5)について要点 岩見億丈医師(医学博士):宮古市の開業医 社会疫学専門 論文1)宮古市「放射性物質に汚染された農林業系副産物の焼却処理」に伴う 放射性セシウムの大気への漏出 12 December 2013 ⃝ 要旨 宮古市で行っている「放射性物質に汚染された農林業系副産物の焼却処理」に伴う放射性物質の収支を、公開さ れた資料と情報開示請求による資料を用いて評価した。2013 年 7 月から 10 月の間に、焼却処理された農林 業系副産物中放射性セシウムの 19%が焼却灰に回収されていない。この 19%の放射性セシウムは、バグフィ ルターを通り抜け、排ガスとともに大気中に放出されたと推定され、排ガス中の放射性物質濃度を正確に測定す る必要がある。 ⃝検出限界以下だからといって大気への放出がほとんどないとは言えない p2 排気中のセシウム 137 検出限界が、ろ紙部、ドレン部ともに 2Bq/m3 である。しかし、セシウム 137 が測 定限界以下の濃度 1Bq/m3、乾き排ガス流量 20000m3/hr で焼却炉 1 機から24 時間放出されると、総量 は 48 万ベクレルになる。これは 2013 年 7 月から 10 月の間に、同市で一日に焼却された農林業系副産物 中の放射性セシウム 137 総量の平均値 140 万ベクレルの 34%に相当するが、現状の測定法では検出されな い。 ⃝回帰分析は Microsoft Excel 2010 の分析ツールを用いて行った。 ⃝同市ゴミ焼却施設における一日の最大処理能力は、炉数 1 機の場合には 93ton、炉数 2 機の場合には 186tonである。焼却炉は流動床式で、焼却温度は 800℃から 850℃となっており、集塵器はバグフィルター を使用している。 ⃝精密測定との比較による簡易測定の精度と妥当性 表 2 の中で、ゲルマニウム半導体検出器による精密測定と NaI シンチレーションスペクトロメーターによる簡 易測定の両方が行われたのは、7 月 30 日、8 月 9 日、9 月 13 日、10月 2 日の 4 日である。精密測定 値を説明変数、簡易測定値を目的変数にして、対象物の濃度と飛灰の濃度について回帰分析を行うと表 3 とな る。 ⃝一方、主灰の測定値に関しては、表 4 から簡易測定の精度と妥当性が低いことは明らかである。表より読み 取れることは、常に簡易測定値が精密測定値以上の値であるということである。従って、簡易測定値をそのまま 用いて放射性物質の回収率を求めると、過大評価することになる。 *データ入手(情報公開を求める、公開資料)→エクセルへデータ入力→データの検証(測定方法による違い、 データの確かさ)→未知のデータを推定→統計処理(回帰分析、p値、t検定)→確からしいデータを用い回収 率を求める 論文2)ゴミ焼却時における放射性セシウムの排ガスへの漏れ: 精密測定法およびベイズ統計による回収率の評価 5 January 2014 ⃝ 要旨 2013 年 2 月に、宮古市が放射性物質に汚染された農林業系副産物の試験焼却を 4 日間行った際に得られた、 ゲルマニウム半導体検出器を用いた放射能濃度値から、放射性セシウムの焼却灰中回収率を算出した。ベイズ統 計による直線回帰モデルの傾きから回収率を算出すると、焼却された牧草に含まれた放射性セシウムの 84%が 灰に残り、16%は大気に排出されていると推定される。この結果は、NaI シンチレーションスペクトロメーター による簡易測定法の結果とほぼ一致し、焼却炉で発生した非常に小さい微粒子状態の放射性セシウムをバグフィ ルターが十分除去できていないことが再確認された。文献的考察から、ゴミ焼却時に発生する粒径 0.1μm 以 下の超微小粒子の存在が回収率を低下させる要因である可能性を指摘した。 ⃝ ベイズ統計 により、一般ゴミ中の放射性物質濃度の変動を考慮した回帰モデルを用いて、焼却灰への放射性物質回収率の確 率分布を求める。 ベイズ統計による MCMC 法は WinBUGS を用いて行った[6] ⃝ 回収率計算方法は以下である。主灰中の対象物由来放射能量は、飛灰中の対象物由来放射能量と一般ゴミ由 来放射能量の比を使って求める。 ⃝ 考察 ・ベイズ統計による回帰モデルで評価した簡易測定 27 日分の回収率は、最尤(ゆう)推定値である平均値が 79%であり、95%信用区間は 72% 86%である。4 日分の精密測定法と 27 日分の簡易測定法の放射能回収率
  2. 2. 2 結果は、ほぼ一致し再現性が得られており、宮古市の焼却施設における放射性セシウムの漏出率は 16%から 21%の間にあると推定される。 ・これまで報告されてきた焼却炉におけるバグフィルターの放射性物質除去率について、その測定法が粒径 0.3 μm 以下の粒子中放射能を正確に測定していない問題があることは、笹井らが既に指摘したとおりである[1]。 Linak らは、焼却炉中で一度気体状になった放射性物質は、しばしば 0.1μm 以下の超微小粒子になり、どん な最新の除去方法を用いても、効率よく回収することは困難であると述べているが、0.1μm 以下の超微小粒子 の具体的な回収率の記載はない[7]。 ・大気中に存在する粒子状物質の研究は、1970 年代、Whitby らにより大きな成果を上げた[9]。Whitby は 大気中に浮遊する粒子状物質を 3 つの形態に分類している。(A)核形成モード;粒子径の体積による幾何平 均値 0.015∼0.04μm。(B)蓄積モード;粒子径の体積による幾何平均値 0.15∼0.5μm。(C)粗大粒子モ ード;粒子径の体積による幾何平均値 5∼30μm。環境省による微小粒子状物質健康影響評価検討会の報告書 には、Whitbyらの報告を基に、大気粒子の粒径分布と組成の典型例が図4のように記載されている[10]。 図 4 の基になった Whitby らのデータグラフ より体積を読み取り集計すると、測定された全粒子の体積 のうち、0.1μm 以下の粒子の体積は約 19%である[9]。 この数値は宮古市の焼却炉から漏出している放射性セシウ ムは、核形成モードに分布する超微小粒子状の放射性セシ ウムと、蓄積モードに分布する粒径 0.1μm 以下の微小粒 子状の放射性セシウムとの合計であることを示唆している。 また、福島県鮫川村で行われた環境省による実証事業の確 認運転結果の放射性セシウムの回収率が75%以下と低い のは、実験焼却炉の規模が宮古市の焼却炉の 20 分の1で あり、粒子の凝集が進まないうちに排ガスがバグフィルタ ーを通過したためであると考えられる[12]。 バグフィルター前後の放射性物質濃度で放射性物質 除去率を検討するのであれば、エアロゾルエレクトロ 論文3関連図:宮古市焼却炉などの配置 メーター(EAA)や走査式モビリティーパーティクル サイザー(SMPS)等も用いて、排ガス中粒子の粒径 分布測定を行う必要がある。
  3. 3. 3 論文3)ゴミ焼却による放射能空間線量率の上昇: その1;宮古市役所と宮古清掃センター 5 February 2014 ⃝ 要旨 宮古市役所、火葬場、および、宮古清掃センターでの空間線量率上昇は、地形的背景や風向きを考慮すると、焼 却炉から放出される放射性物質の飛来によるものであると考えられる。 この結果は、既に指摘されている、ゴミ焼却施設のバグフィルターが十分に放射性セシウムを除去できないこと を裏付けるものである。放射性セシウムを高濃度に含むゴミの焼却は、焼却炉周辺の環境に重大な影響を与えて いる。 ⃝ セシウム 137 の半減期は 30.1 年、セシウム 134 の半減期は 2.06 年である。したがって、福島第一 原発事故後、地域の空間線量率がこの 2 つの放射性物質に大きく依存している現状では、同一場所にセシウム がとどまっている限り、特にセシウム 134 の減衰効果によって、数ヶ月の時間経過と共に空間線量率は低下し ていくはずである。しかし、ゴミ焼却炉からの放射性セシウムの漏出が続けば、風下の地域の空間線量率が、減 衰率を考慮した以上に上昇していると推定される。 ⃝ 方法 空間線量率が放射性セシウムと自然放射線によってほぼ決定する状況下での Wij (特定の場所 i の、特定の時間 j の空間線量率(μSv/h)) は、近似的に次の式 A で与えられる。 Wij = 0.0927Xij +0.249Yij + Ni =Xi0 (0.0927Rxj + 0.2854Ryj) + Ni (式 A) Ni (場所 i における自然放射線の平均空間線量率(μSv/h))の値と、ある初期の時期の Xi0 値を決定できれ ば、それ以後の Wij 値を式 A により予測できる。もし、予測値より高値の空間線量率が測定されれば、新たに 放射性物質が測定地点に飛来したことを意味する。Xi0 の妥当性の高い推定値を得るために、降雨、降雪、積雪 の影響がない線量率データから求めた Xi0 数個以上の平均値を用いる。 ⃝ 宮古小学校の空気吸収線量率(μGy/h)をサーベイメーターの1cm 線量当量率(μSv/h)に変換するために、 自然放射線による寄与に対して森内らの変換係数に比べ 2%の誤差を見込んで、係数 1.20 を乗ずることとする。 ⃝ 自然放射線量は、ラドンとその娘核種の影響で、降雨や降雪により一時的に上昇し、雨雪がやむと 1 時間 前後で元の数値に戻ることが知られている。また、積雪により、1m の高さで測定した空間線量率は低下するこ とが多い。このため、降雨または降雪が認められた日付のデータは解析対象から除いた[12]。積雪の影響による 線量率下降は、測定場所毎に検討する。
  4. 4. 4 ⃝ 考察のまとめ 排ガスによる環境汚染は風下に出現することが特徴であり、宮古市役所と火葬場で空間線量率が上昇し、宮古小 学校でほとんど変化が見られないことは、清掃センターの排ガスによる放射能漏出が、2 つの地点の空間線量率 を上昇させた主因であると判断できる。さらに火葬場は窪地になっており、斜面に位置する測定点 1 や 4 に比 べ、高線量率であることも排ガスによって線量率が上昇したことを支持するものである。焼却炉周辺でも、本格 焼却に伴い、風下になることが多い焼却炉東側で空間線量率の上昇が目立ち、排ガスからの 放射能による空間線量率上昇であることを裏付けている。 宮古市では、2011 年 9 月以後、空間線量率を上昇させる要因の候補は焼却炉からの放射性物質漏出以外には ない。焼却炉から排ガス中に放出された、燃焼物中の約 2 割の放射性セシウムは、宮古市の空間線量率を上昇 させていることが明らかになった。 論文4)放射性核種濃度から空間線量率への変換: EPA モデル、および、放射性崩壊に伴う予測式による空間線量率の考察 20 March 2014 ⃝ はじめに 空間線量率が自然放射線と放射性物質からのγ線によって決定される状況下で、放射性物質濃度と空間線量率 の関係式を求めるために、EPA レポートの係数から利用しやすい変換係数を算出した。また、放射性崩壊(壊
  5. 5. 5 変)による放射能減少に伴い、空間線量率がどのように経過するのかということを議論することが、放射性物質 の挙動を考察する上で有用であることを提示し、地表に飛来した放射性物質が土壌に浸透する経過を検討した。 ⃝ EPAモデル 原子力災害対策本部によれば、福島原発から放出されたセシウム 134 とセシウム 137 のベクレル比は 175.3:153 であるので[6]、これをセシウムの半減期で補正して、2011 年 6 月 20 日 時点のベクレル比に改めると、Cs134:Cs137 =160:152 である。したがって、総セシウム濃度 17.25 KBq/kg は、Cs134 が 8856Bq/kg、Cs137 が 8394 Bq/kg に相当する。表 2の係数を乗じて合計すると、 87.8 8856 10­6 + 31.9 8394 10­6 = 1.046μSv/h となり、5%以内の差で文科省の関係式と一致している。このことは、EPA モデルの妥当性と、セシウムの地表 および地下での分布が文科省調査時、土中深さ 1cm までの均等分布と同等であったことを示している。 EPA レポートには、空気や水に放射性物質が分布するときの実効線量当量率係数も算出され表にまとめられて おり、日本国内での活用が現在以上にされるべきであろう。 ⃝ 放射性物質の分布が変化しない場合の放射性崩壊に伴う空間線量率予測 放射性セシウムの分布に変化がない場合には、基準時間 0 以後について、 Xij = Xi0 Rxj Yij = Yi0 Ryj セシウム 137、134 は環境中の分布状態が同一で、空気等による放射線減衰率が近似している。よって、Xi0 と Yi0 との比は、原発事故直後を基準時間 0 とするならば、原発事故により放出されたセシウム量の比で近似す ることができる。また、場所 i において任意の時間に実測したセシウム 137、134 の濃度値の比が得られてい るならば、任意の時間を基準時間 0 として、その濃度比で Xi0 と Yi0 の比を近似することもできる。 Xi0 : Yi0 1 : F の時、空間線量率が放射性セシウムと自然放射線によってほぼ決定する状況下での Wij は、 近似的に次の式 A で与えられる。 Wij = 0.0927Xij +0.249Yij + Ni =Xi0 (0.0927Rxj + 0.249FRyj) + Ni (式 A) Ni の値と、ある時期の Xi0 値を決定できれば、それ以後の Wij 値を式 A により予測できる。もし、予測値 より高値の空間線量率が測定されたならば、新たに放射性物質が測定地点に飛来したことを意味する。また、 Wij を予測するのではなく、時間 j における Xi0の経過をみることによっても、新たに放射性物質が飛来した か検討することができる。 ⃝ 式 A は、EPA モデルと異なり、放射性物質濃度の絶対量と空間線量率の関係を導くことはできない。しか し、時間経過に伴う空間線量率の変化の予測を示すことができ、放射性物質の分布に特別な形状(地表下 1cm に 均等分布するなど)を仮定する必要はなく、測定点の位置は地上 1m に限らず固定した場所ならどこでもよい。 ⃝岩手県滝沢市RMC(医療用放射性廃棄物焼却処理施設)のデータを基に予測値と実測値を比較
  6. 6. 6 ⃝ 個別の放射性核種の濃度値を測定することが、放射性物質による被曝の評価に不可欠である。しかし、個々 の濃度値が不明でも、影響を与える放射性核種が既知であれば、放射性物質の分布変化がないものと仮定し放射 性物質の壊変に伴う空間線量率の変化を検討することにより、放射性物質の実際の分布状態や新たな飛来を推定 することができる。また、既知の放射性核種で空間線量率経過を説明しにくいときには、未知の核種の存在を検 討すべきである。 ⃝ 次に原発事故直後の空間線量率が、式Aと同様な式で予測できるか検討する。筑波の高エネルギー加速器研 究機構と国立環境研究所は、2011年3月15日以後、空間線量と大気中の放射性核種を測定し結果を公開してき た[12]。筑波では放射性核種の構成比は日々変化しており、滝沢RMCに飛来した放射性核種の割合も同様に構 成の変化があったと考えられる。以下では、測定方法が論文で明記されており測定値の信頼性が高いと考えられ る、高エネルギー加速器研究機構のデータによる放射性核種の大気中濃度を用いて滝沢RMCでの予測式を作る ことにする[11]。筑波で測定された放射性核種の大気中濃度(10­6Bq/cm3) を、10­6Bq/cm3以上の核種について示すと以下である。 3月15日 I131;32 Te132;23 Cs134;4.0 Cs137;3.8 Te129m;3.8 I133;2.9 3月20日∼22日 I131; 23 Te132;4.6 Cs134;7.3 Cs137;7.0 Te129m;3.2 ⃝滝沢RMCにおける3月13日以後の空間線量率は、上記に列記した放射性核種と自然放射線により決定される と仮定する。飛来した放射性核種の濃度を決定した時間を基準時間0としてモデルを作ると以下となる。 論文5)ゴミ焼却による放射能空間線量率の上昇: その2;宮古市内の校庭と園庭 20 April 2014 ⃝ 要旨 汚染牧草焼却開始前と開始後を比較すると、焼却施設の風下、東 2.2km 以内に位置する 1 つの校庭および2 つの園庭で空間線量率が有意に上昇していた(P<0.05)。一方、焼却炉の風下に位置しない 5km 以上離れた 4 つの地点では、統計的に有意な線量率上昇を認めなかった。放射性崩壊による放射能の減衰を考慮し、地中の 放射性セシウムの濃度を算出すると、空間線量率の変化と同様に、焼却炉の風下近傍に位置する 3 つの測定点 で、焼却後、統計的に有意な放射性セシウム濃度上昇を認め、他の 4 つの測定点では有意な濃度上昇を認めな かった。 以上の結果は、バグフィルターを通り抜けて焼却炉から大気中に排出される約 2 割の焼却物中放射性セシウム が、焼却炉周囲の空間線量率を上昇させているというこれまでの報告を再確認するものである。
  7. 7. 7
  8. 8. 8 ⃝ 放射能汚染牧草等の焼却が空間線量率に及ぼす影響を統計的に検討するために、焼却直前の 2013 年 4 月 から 6 月までの空間線量率と、2013 年 7 月 9 日以後から 2014 年 1 月までの空間線量率との差を t 検 定で調べた。焼却炉の東側、約 2km の範囲にある藤原小学校、小山田保育所、磯鶏保育所の 3 箇所のみが有 意水準 5%で有意な上昇を示しており、他の測定地点では有意な上昇は認められない。 ⃝ 次に、空間線量率がセシウム 134、セシウム 137、および、自然放射線により決定される状況下で、土中 セシウム 137 濃度の汚染牧草焼却前後を比較する。放射性セシウムが地下 1cm に均等分布するモデルを用い て、測定された空間線量率からセシウム濃度を算出する。放射性崩壊による減衰補正をして 2011 年 3 月 17 日時点に遡ったセシウム 137 土中濃度を求め、Table 2 に示す。 空間線量率の検討結果と同様に、藤原小学校、小山田保育所、磯鶏保育所の 3 箇所では、汚染牧草焼却開始後、 土中放射性セシウム 137 濃度が有意水準5%で有意に上昇している。焼却前後を比較した t 検定の P 値が Table 1 より小さくなり、統計学的に上昇の程度がさらに明確になっている

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