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非正規雇用で働く人のための保険入門ガイド
―雇用保険・健保・厚生年金に加入して安定と希望を手に入れよう!―
城山 宥介
2017 年 5 月 2 日 発表
1
非正規雇用で働く人のための保険入門ガイド
―雇用保険・健保・厚生年金に加入して安定と希望を手に入れよう!―1
城山 宥介2
目次
1.はじめに
2.誰が雇用保険・健保・厚生年金に加入できるの?
3.雇用保険・健保・厚生年金に加入するとどんなメリットがあるの?
4.月々の保険料は高くないの?
5.どうすれば雇用保険・健保・厚生年金に加入できるの?
6.まとめと今後の課題
1.はじめに
1990 年代後半以降、正社員以外の非正規雇用(パート・アルバイト・契約社員・派遣社
員など)で働く人/働かざるを得ない人が急増しました3
。私もそのうちの1人です。非正規
雇用で働く人たちには不安なこと・気掛かりなことがいろいろとありますが、その一つに
「保険をどうすべきか」があると思います。万が一の時や将来のために十分な貯蓄を形成
するのが難しい私たちにとって、適切な保険に加入するということは、正社員の人たち以
上に重要な生活課題なのです。
しかし現状としては、収入や身分の安定している正社員ほど(必要以上とも言えるほど
の)充実した給付の保険に入ることができている一方で、不安定な非正規雇用で働く人ほ
ど必要最低限の保険にすら入れていません。正社員の人たちは保険についての知識がなく
とも低負担・充実給付の保険に自然と入れてもらえる場合がほとんどなのですが、非正規
雇用で働く人たちについては残念ながらそのようにはなっていないのです。とはいえ、自
力で保険についての勉強をしたり自らの保険状態を確認しようとしたりするのは、なかな
2
かの時間と労力を要しますし、そもそも万が一の時のことなど考えたくないという方も多
いでしょう。
そこで本稿では、非正規雇用で働く人が加入すべき基本的な保険について、その加入条
件・給付内容・月々の保険料・加入方法を端的に紹介していきたいと思います。ここで紹
介するつもりの「基本的な保険」とは、雇用保険・健康保険・厚生年金保険の3つです。
これらは、会社員向けの社会保険として国によって制度化されているもので、「被用者保
険4
」とも呼ばれています。被用者保険には正社員でないと加入できないと誤解している人
も多いのですが、何かしらの会社で働くことによって生計を立ててさえいれば、実はほと
んどの人が加入できるのです。派手さには欠けるかもしれませんが、公費が投入され公的
に運営されているだけあって、民間の保険よりも断然高コスパですし、最低限の生活保障
という意味で欠かすことのできない給付をひととおり備えています。プラスアルファで民
間の保険に加入してもよいのですが、その前に入れる被用者保険にはきっちりと加入し、
なおかつその給付内容をしっかりと把握しておかないと、民間の保険会社にムダ金をつぎ
込む結果にもつながりかねません。
被用者保険への加入は、現在の生活を安定させるためだけでなく、将来のステップアッ
プのためにも重要なものです。それゆえ本稿は、非正規雇用で働く単身の若者(もしくは
その支援者)を主な読者層として想定しています。とはいえ、たとえ2人以上世帯や中高
年であったとしても、非正規雇用で働いている方にとっては共通で役立つ内容が十分含ま
れているはずです。また、正社員をはじめとしてすでに被用者保険に加入できている方も、
「宝の持ち腐れ」とならないよう、本稿を通じて少しでも雇用保険・健康保険・厚生年金
保険に関する正しい知識を身に付けていっていただければと思います。
2.誰が雇用保険・健保・厚生年金に加入できるの?
雇用保険・健康保険・厚生年金保険の詳しい中身についてはさて置き、まずはこれらの
保険への加入条件を確認していきましょう。
(1)雇用保険
雇用保険へは、次の2つの条件を満たしていれば基本的に加入できます5
。
① 31 日以上引き続き雇用されることが見込まれる者であること
② 1週の所定労働時間が 20 時間以上であること
3
例えば、1日あたり6時間勤務×週4日の契約で働いている場合、1週の所定労働時間
は 24 時間になるので、②の条件をクリアします。①については、「あなたを雇うのは3週
間だけですよ」→「はい、3週間だけ働かせてもらいます」などとあらかじめ約束してい
ない限り大丈夫です。
(2)健康保険・厚生年金保険
健康保険(以下、
けんぽ
健保)と厚生年金保険(以下、厚生年金)へは、次の2つの条件を満
たしていれば基本的に加入できます6
。
① 「常時使用される者」であること
② 1週の所定労働時間および1ヶ月の所定労働日数が常時雇用者の4分の3以上である
こと
①の「使用される」というのは、「雇われる」という意味です。数ヶ月以下の短い期間
のみ働くという契約で、しかもその契約が更新される見通しすらない場合を除き、普通は
「常時使用される者」にカウントされるのでご安心ください7
。②の「常時雇用者」とは、
一般的にはその会社の正社員のことです。正社員の所定労働時間や所定労働日数は、会社
の就業規則を見せてもらえばわかります。ほとんどの会社は、残業を抜きにすれば週 40 時
間労働・週休2日(+夏季休暇や年末年始休暇)ですので、その場合は週に 30 時間以上か
つ月に 15~17 日以上働いていれば文句なしで加入できます。
さらに、従業員数が 501 人以上の会社では、より広い範囲の人が健保・厚生年金に加入
できます。そこでは、上記の2つの条件を満たしていなくても、下記の3つの条件を満た
してさえいればいいのです(ただし学生は除外されます)8
。
① 1年以上雇用される見通しがあること
② 1週の所定労働時間が 20 時間以上であること
③ 1ヶ月あたりの所定内賃金(賞与・残業代・通勤手当等は含まれない)が 8 万 8,000 円
以上であること
以上からわかるように、正規・非正規を問わず、自分自身の給料で生活している人であ
れば、その大多数が雇用保険・健保・厚生年金に加入できるはずです9
。しかし実際には、
加入条件を満たしているにもかかわらず被用者保険に未加入となっている人がかなりの規
模で存在しています。昨年1月の報道によると、厚生年金への加入資格がありながらも国
民年金に加入している人は推計で約 200 万人にも及ぶそうです10
。国民年金とは、会社の給
料で生活していない自営業者や学生、主婦などが加入することになっている年金保険のこ
4
とで、後に詳しく触れるように、厚生年金と比べて全体的に保障が弱いという特徴があり
ます。
こうした未加入の多さの原因がどこにあるかといえば、大半は会社の側にあると言って
よいでしょう。自社で働く従業員を被用者保険に加入させると、会社は保険料の一部を負
担しなければならなくなるため、意図的に「加入逃れ」をする会社が後を絶たないのです。
とりわけ非正規雇用で働く人たちは、未加入のまま放置されやすい傾向にあります。
しかし、加入条件を満たしている従業員を被用者保険に加入させることは、法律で定め
られた会社の義務です。最近は国からの指導が強化されているということもあってか、「保
険に加入したい」と会社にかけあってみたら意外とすんなり入れたというケースも多いよ
うです。聞いてみないことには何も始まりませんので、まずは勤務先に直接問い合わせて
みましょう。ダメだった時の対処法については、本稿の第5節をご参照ください。
3.雇用保険・健保・厚生年金に加入するとどんなメリットがあるの?
ここまでの説明で、「自分も健保や厚生年金に入れるんだ!」と初めて気づいたという
方も多いのではないでしょうか。そんな方に対しては、「今すぐにでも加入手続きを進め
ましょう!」と言いたいところではありますが、おそらくそんなことを急に言われても困
ってしまうでしょう。なぜなら、被用者保険に入ることのメリットがまだ明らかにされて
いないからです。それらを知らなかったり、逆にデメリットばかりに目を向け(させられ)
たりしているのであれば、従業員を被用者保険に加入させないという会社の違法行為を容
認してしまうのも無理はありません。そこで、この第3節では、雇用保険・健保・厚生年
金への加入メリットを4つに絞って紹介していきたいと思います。
メリット① 万が一の事案が発生した場合のセーフティーネットができる
おそらく「保険」と名の付くもの全てに共通するメリットだと思いますが、万が一の事
案が発生した場合に生活が破たんするのを防ぐことができます。ここでの「万が一の事案」
とは、傷病・障害・失業の3つです。
(a)傷病
傷病(ケガや病気)については、医療費の3割負担制度が最も有名でしょう。保険に加
入していて保険証を持ってさえいれば、かかった医療費の7割が保険でカバーされるので
す。これについては、健保に加入していなくても、国民健康保険に加入しているか健保に
5
加入している親族の被扶養者でありさえすれば受けられる保障であるため、ほぼ全ての国
民がこの保険給付の対象となっています。
しかし、なかには健保に本人が直接加入していないと受けられない給付もあります。そ
の代表例が「傷病手当金」です。ケガや病気で働けない日が3日以上続いた場合に4日目
から最長1年半にわたって支給されるもので、支給金額はそれまでの給料の3分の2です11
。
つまり、万が一ケガや病気でしばらく働けなくなったとしても、その間の収入を保障して
くれるのが傷病手当金なのです。もしも健保に未加入で、傷病手当金をもらえないとなる
と、ケガや病気で働けない期間は貯金を切り崩すか誰かに頼って生活するしかなくなりま
す。
(b)障害
障害を負ったことによって働くことが不可能・困難になってしまっても、厚生年金に加
入していれば、障害基礎年金に加えて障害厚生年金を受給することができます。例えば、
厚生年金への加入期間が 10 年、その間の平均月収が 20 万円だった単身の人が、不慮の事
故によって2級障害(=必ずしも他人の介助は要さないものの、活動範囲が自宅内や病棟
内に限られるなど日常生活が極めて困難で、労働による収入が見込めないほどの障害)に
認定された場合、年額で約 110 万円(月額で約 9 万円)が支給されます。これが、もしも
厚生年金に未加入で国民年金のみへの加入の場合、障害基礎年金として年額で 77 万 9,300
円(月額で約 6 万 5,000 円)しかもらえません。これだけの収入で自立した生活を送るの
はほぼ不可能でしょう。なお、障害厚生年金の場合、3級以下の障害に対しても支給があ
りますし、配偶者への追加手当(年額 22 万 4,300 円)もあります12
。
(c)失業
リストラにあったり諸々の事情で自主退職したりした場合、雇用保険から失業給付(基
本手当)が支給されます。ただし、次の仕事をハローワーク等において積極的に探すとい
う条件付きです。受給できる期間や受給額については、年齢や退職事由、雇用保険への加
入期間、失業前の給料によって異なりますが、これによって失業中でもある程度の収入を
維持することが可能になります13
。例えば、半年ごとの労働契約を更新しながら月収 20 万
円で働いてきた 25 歳の人が、会社から「今回は契約更新しませんよ」と言われて退職する
ことになった場合、1ヶ月あたり約 13 万円の失業給付を3ヶ月間(雇用保険への加入期間
が5年以上ある場合は4ヶ月間)にわたって受給することができます14
。職業能力が十分で
ないために受給期間中の再就職が困難な人に対しては、特定分野での技能や知識を職業訓
練校や民間専門学校で習得できる「公共職業訓練」という制度もあります。
6
メリット② 結婚・出産・育児に対する不安が軽減される
非正規雇用で働く人たちにとって最も深刻な悩みは、結婚・出産・育児などの家族形成
に関することだと思います。「果たして自分(とそのパートナー)は結婚して子どもを産
み育てていけるのか」といった心配をしている方だけでなく、そもそも家庭を持つことを
あきらめてしまっている方も多いように思います。しかし、たとえ自分や自分のパートナ
ーが非正規雇用で働いていたとしても、雇用保険・健保・厚生年金に加入してさえいれば、
家族形成に向けての展望を持つことが可能になるのです。
まず、家族形成をしようとする際に必ず問題となるのは、出産や育児にかかる経済的・
時間的コストに自分(たち)が耐えられるかどうかだと思います。伝統的な家族像として
は、正社員の夫が経済的コストを、専業主婦の妻が時間的コストをそれぞれに引き受ける
性別役割分業というモデルがありますが、夫と妻の両者が被用者保険に加入しておくとい
う方法によっても経済的・時間的コストへの対応は可能です―むしろ、共働きがさらに
増えていくこれからの時代においては、この方法がより一般的なものとなっていくのでは
ないでしょうか。具体的には、雇用保険と健保に加入しておけば、産前・産後休業中には
出産手当金が、育児休業中には育児休業給付金がもらえるようになります。出産手当金と
は、健保に直接加入している女性に対して支給されるもので、基本的には出産予定日以前
の 42 日間+出産の翌日以後の 56 日間の範囲内で実際に会社を休んだ期間中、休業前の給
料の3分の2が支給されます15
。育児休業給付金とは、雇用保険への加入期間が育児休業前
の2年間において 12 ヶ月以上ある人に対して支給されるもので、育児休業開始日から 180
日までは休業前の給料の 67%が、181 日目以降は 50%が支給されます16
。つまり、これらの
保険給付を駆使することによって、出産・育児の際に夫妻ともども一定の収入を確保しつ
つ一時的に仕事を休業することが可能になるのです。どちらか一方の収入のみに頼ること
ができない非正規雇用のカップルにとっては「渡りに船」なのではないでしょうか。
また、被用者保険に入っておけば、将来の家族生活に万が一のことがあった場合にも相
応の保障を受けることができます。その代表例が遺族年金です。もしも夫妻のどちらかが
亡くなった場合、亡くなった本人が厚生年金に加入してさえいれば、残された家族は遺族
基礎年金に加えて遺族厚生年金を受給することができます。単純にもらえる年金額が増え
るということもありますが、決してそれだけではありません。国民年金のみに加入してい
た人の遺族に支給される遺族基礎年金は、亡くなった本人に 18 歳以下の子どもがいる場合
にしか支給されないのに対し、遺族厚生年金は、子どもがいない場合や子どもが 18 歳以上
の場合にも支給があるのです17
。夫妻それぞれが厚生年金に入っておくことによって、経済
面で遺族が困窮するという事態には陥りにくくなるでしょう。なお、「万が一のことがあ
7
った時にも家族が困らないように」という意味では、メリット①で紹介した様々なセーフ
ティーネットにも同様の効果があります。傷病・障害・失業といった事態が生じた際、本
人に対して保険からの給付があることによって、夫ないしは妻(時としては子ども)が一
手にその負担を背負う必要がなくなるからです。
以上のように、夫妻ともども雇用保険・健保・厚生年金に加入しておくことによって、
たとえ両者が非正規雇用で働いていたとしてもそれなりに安定した家族生活を見通すこと
ができるようになります。無理に正社員を目指したり安定雇用のパートナーを探したりし
なくても、結婚・出産・育児への道は開かれているのです。
メリット③ スキルアップのための機会が増える
被用者保険に加入しておくことで、仕事の面におけるステップアップもしやすくなりま
す。なぜなら、雇用保険に加入していれば「教育訓練給付」の対象となるからです。雇用
保険というと失業した際のセーフティーネットとしてのイメージが強いですが、この給付
は、失業していない在職者でも一定の保険加入期間さえあれば受給できます。
教育訓練給付とは、スキルアップのための講座を受講して無事修了した場合、スクール
に対して支払った費用の一部を雇用保険がまかなってくれる制度のことです。ただし、ど
んな講座を選んでもよいというわけではなく、厚生労働大臣の指定を受けた講座のみが支
給の対象となります。一般教育訓練と専門実践教育訓練の2種類があり、前者を受講した
場合はスクール費用の 20%、後者を受講した場合は 40%(定められた資格等を取得し就職
した場合は追加で 20%)が支給されます18
。
会社における社員教育の対象から外されることの多い非正規雇用の人たちにとって、教
育訓練給付という制度は自身の職業的キャリアを向上させる手段として十分に利用価値が
あるのではないでしょうか。今の仕事に役立つ講座を受講することもできますし、上位ポ
ストへの昇格や他社・他業種への転職に役立つ講座を受講することもできます。生活時間
に応じて、通学にするか通信のコースにするかを選ぶことも可能です。もちろん、指定さ
れた講座の中に自分にぴったりの講座があるとは限りませんし、自己負担分の費用を支払
うためにはある程度の貯蓄も必要になりますが、一度検討してみる価値はあるように思い
ます。
メリット④ 老後も自立した生活を送ることが可能になる
若い方は「まだ先のこと」と思うかもしれませんが、厚生年金に加入しておくことによ
って将来もらえる年金額が増えます。厚生年金に入らない場合は国民年金のみへの加入に
8
なりますが、それだと、たとえ 20 歳から 60 歳まで欠かさず正規の保険料を支払い続けた
としても老齢基礎年金として年額 77 万 9,300 円(平成 29 年度)19
しかもらえません。1ヶ
月あたりに換算すると約 6 万 5,000 円で、これだけの収入では老後の自立した生活はほぼ
不可能でしょう。一方、厚生年金に加入しておけば、老齢基礎年金に加えて老齢厚生年金
も受給できるので、仮に仕事をリタイアするまでずっと非正規雇用で働き続けたとしても、
一応は自立した生活が可能なほどの年金を老後に受け取れるようになります。
それでは、厚生年金に加入すると将来どれくらいの年金をもらえるようになるのでしょ
うか。具体的なケースで考えてみましょう。非正規雇用で働いている 24 歳の人が厚生年金
に入る決断をして、その後 65 歳まで正社員にならずに働き続けたとします。ずっと同じ会
社で働き続けるということは(とりわけ非正規雇用の場合には)珍しいので、2度転職し
たとします。2度とも失業給付をもらいながら再就職先を探し、その失業期間の合計がち
ょうど1年だったとすると、この人は厚生年金にちょうど 40 年間加入したことになります。
その間の月収の平均が 20 万円だったとすると、65 歳からもらえる老齢厚生年金は年額で約
62 万円です20
。もちろんこれに老齢基礎年金が加わりますので、合計で約 140 万円(1ヶ月
あたり約 11 万 7,000 円)です。
非正規雇用で働く人たちは、老後のための貯蓄が難しいだけでなく、未婚の人や子ども
のいない人が多いのも現実であるため、ある意味正社員の人たち以上に厚生年金への加入
が重要であるはずです。結婚している/する予定の人も、厚生年金に入っていないと老後に
配偶者や子どもに無理な負担をかけてしまいかねません。ポイント①で紹介した「万が一
の事案」とは異なり、老後はほぼ誰にも訪れるものです。厚生年金への加入は、非正規雇
用で働く人が老後の安心を獲得するための唯一の現実的な選択肢と言えるのではないでし
ょうか。
4.月々の保険料は高くないの?
以上の説明で、雇用保険・健保・厚生年金への加入には様々なメリットがあるというこ
とを理解していただけたかと思います。さて、残すところは「お金の問題」です。いくら
メリットがあったとしても、高額な保険料を月々支払わなければならないとなれば、ただ
でさえ収入の少ない非正規雇用の人にとっては痛手以外の何物でもないでしょう。そこで、
第4節では、雇用保険・健保・厚生年金それぞれの保険料について具体的なケースを取り
上げつつ紹介していきたいと思います。
9
(1)雇用保険
雇用保険に加入している人が支払う保険料は、一部の業種を除いて給料の 0.3%です21
。
月収 20 万円の人であれば、1ヶ月あたりわずか 600 円です。これだけの負担で失業給付や
育児休業給付金、教育訓練給付などが受給できるようになるのですから、加入しない手は
ないでしょう。
(2)健保・厚生年金
健保・厚生年金に加入している人が支払う保険料についても、給料にそれぞれの保険料
率をかけた額となっています22
。健保は給料の約5%23
、厚生年金は給料の 9.091%24
です。
月収 20 万円の人であれば、健保の保険料は月々約 1 万円、厚生年金の保険料は月々1 万 8,182
円です。雇用保険と違い、こちらは決して安い金額ではないと感じる方が多いのではない
でしょうか。
しかし、ここで忘れてはならないのは、健保・厚生年金に入っていない人は通常、国民
健康保険(以下、
こくほ
国保)と国民年金に加入し、それぞれの保険料を支払っているというこ
とです。よって、健保・厚生年金の保険料だけを見てそれらを「高い」と判断するのは時
期尚早です。健保は国保と、厚生年金は国民年金と保険料の比較をしてみることによって、
初めて健保・厚生年金の保険料が本当に「高い」のかどうかを判断できるようになるはず
なのです。
①健保 vs 国保
まず、国保の保険料についてみていきましょう。国保保険料の計算式は市町村ごとに異
なっていますが、収入の多い人ほど高額になる点は健保と同じです。ここでは、比較のた
めに再び単身で月収 20 万円の人を例に考えていきたいと思います。月収 20 万円の人が支
払う保険料は、健保だと約1万円でしたが、国保だといくらくらいになるのでしょうか。
国保保険料が平均的な金額の市町村としては、例えば新潟県阿賀野市、新潟県南魚沼市、
島根県益田市の3市を挙げることができます25
。これら3市における国保保険料は、年収 240
万円(月収 20 万円)の人の場合、それぞれ年額 16 万 7,100 円、16 万 5,100 円、16 万 800
円です26
。これら3つを平均すると約 16 万 4,300 円、1ヶ月あたりに換算すると約 1 万 3,700
円です。つまり、保険料が平均的な水準の市町村でも、国保は健保の 1.3 倍以上の保険料
がかかってしまうのです(単身で月収 20 万円の場合)。
では、健保よりも国保の方が保険料が安くなるような市町村はないのでしょうか。国保
10
保険料が最低水準の市町村としては、例えば東京都瑞穂町、東京都国立市、愛知県大府市、
東京都町田市、愛知県長久手市、東京都あきる野市、千葉県浦安市、埼玉県入間市の8市
町を挙げることができます27
。これら8市町における保険料は、年収 240 万円の人の場合、
それぞれ年額 10 万 200 円、11 万 5,300 円、11 万 700 円、12 万 6,400 円、11 万 1,300 円、
11 万 2,800 円、13 万 4,400 円、12 万 9,900 円です28
。年額 12 万円(月額 1 万円)以下の市
町村、すなわち健保よりも国保にした方が保険料を安く抑えられる市町村は確かに存在し
ます。しかし、その数はごくわずかで指折り数えられる程度しかないということがわかる
と思います。
②厚生年金 vs 国民年金
国民年金の保険料は、収入の多さによらず誰でも一定の額を支払うことになっています。
平成 29 年度における国民年金保険料は1ヶ月あたり 1 万 6,490 円で、この額は月収 18 万
円の人が支払う厚生年金保険料とほぼ同じです。つまり、月収が 18 万円以上ある人は、厚
生年金に加入しない方が月々の保険料を安く抑えられる計算になります29
。例えば月収 20
万円の人の場合、厚生年金保険料は前述のとおり 1 万 8,182 円ですので、国民年金の方が
単純計算で 1,692 円安く済みます。月収 30 万円の人の場合、厚生年金保険料は 2 万 7,273
円ですので、国民年金保険料との差額は 1 万 783 円にまで広がります。
③まとめ
こうして比べてみると、健保・厚生年金の保険料は果たして「高い」と言えるのかどう
かがわかると思います
まず、月収 18 万円未満の人にとっては明らかに「安い」はずです。なぜなら、たいてい
の市町村では健保の方が国保よりも、厚生年金の方が国民年金よりも安い保険料で済むか
らです。
月収 18 万円以上になると、「健保の方が国保より安いけれども、厚生年金よりは国民年
金の方が安い」という人が出てます。保険料の安さを追求するならば、健保と国民年金の
組み合わせが最も良いということになりますが、残念ながらそうはいきません。制度上、
健保と厚生年金には同時に加入しなければならず、どちらか一方のみに加入することはで
きないからです。つまりこの場合、国保・国民年金の保険料の合計と健保・厚生年金の保
険料の合計のどちらが安いかという話になります。例えば月収 20 万円の人であれば、国保
保険料の平均が前述のとおり約 1 万 3,700 円、国民年金が 1 万 6,490 円、健保が約 1 万円、
厚生年金が 1 万 8,182 円ですので、健保・厚生年金の方がまだ国保・国民年金よりも 2,000
11
円ほど安く収まる計算になります。ただ、月収 22 万円になると、国保・国民年金の保険料
の合計と健保・厚生年金の合計とがほぼ同じ金額になります30
ので、月収がだいたい 22 万
円を超す人は、国保・国民年金に加入した方が保険料を安く抑えられます。
しかし、ここで思い出してほしいのが、健保・厚生年金に入ることのメリットです。月々
の保険料が多少高くなったとしても、非正規雇用で働く人が希望ある生活を持続させてい
くためには健保・厚生年金への加入が必要不可欠と言えるのではないでしょうか。正直、
国保・国民年金では、万が一の場合や老後における生活が最低限すら保障されません。ケ
ガや病気で長期休業したりどれだけ長生きしたりしても心配ないくらいの貯蓄を形成する
か高収入の配偶者の「ひも31
」になるかすれば、健保・厚生年金に加入しなくともやってい
けるのでしょうが、非正規雇用で働く人にとってはどちらも実現困難でしょうし、そもそ
もが高リスクであるためあまりお勧めできません。
私の考えでは、月収の多さにかかわらず誰でも―主婦・主夫や実家暮らしの人も含め
て―ある程度の勤務日数や保険料負担の増加は覚悟のうえで健保・厚生年金に加入すべ
きだと思います。健保・厚生年金に加入していないと、少なくとも万が一の場合や老後に
おいては親や配偶者に頼らざるを得なくなるからです。親に関してはもちろんのこと、配
偶者に関してもいつ先立たれるかはわかりませんし、その他の離別の可能性も大いにあり
ます。そうしたリスクを考慮に入れると、できるだけ親や配偶者の扶養に入るのは避け、
個人として健保・厚生年金に加入した方が生活の安定にとっては間違いなくプラスに作用
するはずです32
。
④補足:保険料を支払わないという選択について
①~③では、「健保・厚生年金の保険料は高くないのか」という疑問に答えるべく、国
保・国民年金と比べた際の健保・厚生年金のコスパのよさについて説明してきました。し
かし、非正規雇用で働く人の中には、健保・厚生年金に加入していないどころか、国保・
国民年金の保険料すら支払っていないという人もいます。とりわけ国民年金を未納にして
いる人は多く、2年間以上滞納している人だけでも約 206 万人(2015 年度末)に及ぶそう
です33
。保険料を支払っている余裕などないという人にとっては、保険料を一切納めないと
いう選択にも一定の合理性はあるのでしょうが、それは果たして正しい選択と言えるので
しょうか。
答えはもちろん No です。保険料を未納にした場合、様々なペナルティが用意されている
だけでなく、年金に関しては将来全く年金がもらえないという状態(無年金)にもなりか
ねません。国保にも国民年金にも、低所得者や家計急変世帯を対象とした保険料の減免・
12
免除制度がありますので、支払いが苦しいという方は自分がそうした減免・免除の対象で
ないかどうかを一度確認してみるといいでしょう。また、前述のとおり、基本的には健保・
厚生年金に加入した方が保険料を安く抑えることができますので、そちらもぜひ検討して
みてください34
。
5.どうすれば雇用保険・健保・厚生年金に加入できるの?
最後に、被用者保険への加入方法について説明したいと思います。第2節でも簡単に触
れましたが、被用者保険への加入についてはまずは勤務先に直接問い合わせてみましょう。
問い合わせをする前には、自分と同じような状況で被用者保険に入れてもらっている人が
いないかどうか調べておくことをお勧めします。もしいた場合は、「この人は加入できて
いるようですが、なぜ自分は加入できていないのですか?」と若干強めに出ることができ
ますし、いなかった場合は、自分だけでなく全社的に被用者保険への加入逃れがなされて
いるのだろうなという予測を立てることができるからです。
実際に問い合わせをする際の注意事項としては、次の2点があります。1点目は、個人
で会社に問い合わせても門前払いされる可能性が大きいということです。できれば同じく
被用者保険に入れていない同僚と一緒になって問い合わせましょう。2点目は、もし会社
からの返答が「あなた(たち)を加入させることはできません」といったようなものであ
ったとしても、すぐには敵対的な姿勢を見せないということです。なぜなら、語気を強め
たところで会社側が折れるとは考えられませんし、そうすることで早い段階から社内で「要
注意人物」のレッテルを貼られてしまう危険性があるからです。
それでは、会社が被用者保険への加入逃れをしている場合は、ただただ黙ってそれを受
け入れるしかないのでしょうか。もちろん決してそういうわけではありません。しかし、
物事には適切な順序というものがあります。ここで最優先すべきは、一言でいえば「行政
を味方につける」ことなのです。味方につけるべき行政機関は、雇用保険に関してはハロ
ーワーク、健保・厚生年金に関しては年金事務所です。ハローワークも年金事務所も、法
律どおりきちんと労働者を被用者保険に加入させるよう会社に求める立場にある行政機関
ですので、労働者からの申し出があれば一緒になって会社を追及してくれます。
具体的な手続きとしては、「被保険者資格の確認請求35
」が最も効果的です。雇用契約書
や給与明細など、請求者に被保険者資格(=被用者保険への加入資格)があることを示す
証拠書類を持って最寄りのハローワークもしくは年金事務所を訪れ「被保険者資格の確認
13
請求をしたい」と伝えれば、ハローワーク・年金事務所の職員が勤め先の会社に対する調
査・指導を行なってくれるのです。持参した証拠書類の内容から請求者に被保険者資格が
あることが明らかで、会社がそれを覆すような証拠を提出できないような場合には、ハロ
ーワーク・年金事務所の職員が職権によって強制的に請求者を雇用保険もしくは健保・厚
生年金に加入させることもできます。つまり、被用者保険への加入資格を満たしていると
いう確実な証拠がある場合、ハローワーク・年金事務所に駆け込みさえすれば、ほぼ確実
に雇用保険・健保・厚生年金への加入が可能です36
。
ただ、確認請求に限った話ではありませんが、会社を行政に訴えることにはどうしても
次のようなリスクが付きまといます。それは、会社側の人間から嫌がらせを受けたり白い
目で見られたりするリスクです。悪質な会社の場合には、「会社に歯向かうようなことを
するとこういう目に合うぞ」といった見せしめの一種としてそのようなことを仕掛けてく
る可能性も否定できません。
こうした事態に陥るのを避けたい方―ほとんどの方がそうだと思いますが―は、確
認請求をなるべく多くの同僚と一緒になって行なうことをお勧めします。そうすれば、会
社側も請求者に対して強い非難を浴びせにくくなるからです。それでももし会社が請求者
(集団)に対する嫌がらせを仕掛けてきたら、ユニオン(=個人加入できる地域の労働組
合)を活用しましょう。中学や高校で習ったかと思いますが、労働組合とは憲法が基本的
人権として認める労働三権(団結権・団体交渉権・団体行動権)を具現化させるための組
織であり、会社の違法行為等を現場レベルで正す実質的な力を持っています。ユニオンに
加入すれば、会社は行政に訴えた労働者に対する嫌がらせなどできなくなるでしょう。こ
こでもやはりポイントは、なるべく多くの同僚と共にユニオンに駆け込むということです。
そうすることで、職場での孤立を防ぐことができますし、万が一嫌がらせを受けた場合に
も協同的な対処が可能となります37
。
ほとんどの人は、会社を行政に訴えることにともなうリスクを恐れるあまり、あきらめ
て被用者保険に未加入のまま働き続けるか、「社会保険完備」を謳う他社・他業界への転
職を試みる傾向にあります。しかし、上記の手順を踏めば、リスクは大幅に軽減できるは
ずです。むしろ他の2つの選択肢の方が(別の意味で)高リスクであるとさえ言えます。
もしもあなたが「雇用保険・健保・厚生年金に入って今の仕事を長く続けたい」という真
っ当かつ正当な願いを持っているのであれば、その願いの実現に向けていくら躊躇しても
しすぎる必要はないのです。あなたを応援してくれる人はたくさんいるはずです。彼らを
信じて、一歩ずつ前に進んでいきましょう。
14
6.まとめと今後の課題
非正規雇用で働いている人は、おそらく次のようなことを直接的ないしは間接的に言わ
れたことがあるのではないでしょうか―「不安定だからやめた方がいい」「選ばなけれ
ばいくらでも就職口はあるのだから、ちゃんと就職した方がいい」。しかし、今や日本の
雇用全体に占める非正規雇用の比率は約4割にも及んでいます38
。非正規雇用というと、一
昔前は学生アルバイターと「パートのおばちゃん」が大半を占めていましたが、現在では
在学中に就職先が決まらず初職としてアルバイトや派遣の仕事に就かざるを得ない新卒の
若者も多くみられるようになりました。直近の就業構造基本調査によれば、初職が非正規
雇用だという人は 39.8%にも及んでいます39
。また、初職ではなんとか正社員の口にありつ
けたとしても、そこが「ブラック」であったために辞めざるを得ない状況に追い込まれた
というケースも近年よく耳にします。結局、正社員の減少・多忙化とそれにともなう非正
規雇用の増加は、日本ではとりわけ 1990 年代後半以降に構造的に生み出された社会問題な
のであって、それを「努力すれば(まっとうな)正社員になれるのだから頑張れ」といっ
たように個人の問題に置き換えたところで、今の日本社会ではかなりの割合の人が非正規
雇用で働くしかないという事実には何の変化もないわけです。
本稿は、そんな「非正規雇用で働くしかない人」を主な対象として、「どうすれば非正
規雇用のままでも生きていけるか」という観点から、被用者保険に加入することの重要性
とその方法を紹介してきました。その要旨は次のとおりです。
①非正規雇用であっても、労働時間と労働日数の最低基準を上回ってさえいれば被用者保
険(雇用保険・健保・厚生年金)に加入できる
②被用者保険に加入していれば、収入と貯蓄の少ない非正規雇用の人であっても、少ない
負担で安定(万が一の場合&老後に対する備え)とステップアップ(家族形成&スキル
アップ)のための機会を手にすることができる
③被用者保険への加入を会社が認めてくれない場合にも、行政機関やユニオン、そして何
より同じ境遇で働く同僚らの力を借りることによって加入を実現できる
これらを踏まえ、最後の問いに移らせていただきたいと思います。それは、非正規雇用
で働く人は雇用保険・健保・厚生年金に加入することさえできれば安泰なのか、という問
いです。確かに、被用者保険に加入すれば、非正規雇用で働く人であっても経済的にはな
んとか「生きていく」ことはできるようになるのかもしれません。しかし、私自身を含め、
15
非正規雇用で働くほとんどの人が、「自分は社会を形成する立派な一員として認められて
いる」という感覚からはほど遠い所に置かれています。なぜなら、非正規雇用で働く人た
ちは、正社員並みに働いたとしても、世間で「当たり前」と言われているような生活水準
に全くと言っていいほど手が届かないからです。持ち家のローンを組むこともそうですし、
何より子どもを産み育てていくことに対する現実的な希望を持つことが困難です。本稿で
は、被用者保険に入っていれば非正規雇用で働く人であっても家族形成への展望を持つこ
とが可能になると述べましたが、あくまでも「可能になる」だけの話です。子どもの教育
費諸々を考えると、それが非常に困難な道であることに変わりはありません。
非正規雇用で働く人たちが社会的に排除されているように感じる原因としては、やはり
正社員の人たちとの賃金格差を挙げないわけにはいきません。驚くべきことに、非正規雇
用で働く人の平均時給は正社員の約 54%しかないというデータがあります40
。しかも、この
計算にはボーナスが含まれていないので、実際の格差はもっと大きくなります。果たして
これは合理的な「差異」と呼べるものでしょうか。少なくとも私は、これは非合理的で公
正さに欠けた「差別」だと思います。近年、こうした差別の存在を前提としつつ非正規雇
用で働く人たちを「社会の一員」として強引に包摂しようとする試みが様々になされてい
ますが、そうしたまやかしによって私たちの「不公平だ」「排除されている」といった感
覚が消えることは決してありません。
ところで、非正規雇用で働く人たちが社会的排除にさらされている原因としては、日本
における社会保障制度の未発達という問題も関係しています。日本では、国が社会保障制
度によって直接に国民の生活水準を保障するというよりは、企業を成長させることによっ
て間接的に国民への福祉を提供してきたという歴史があります。しかし、安定した経済成
長が困難となった現在において何が起きているかは一目瞭然です。企業は、成長のための
代償として様々な従業員福祉を打ち切り、従業員の非正規化や正社員の労働強化を実行し
てきたのです。もはや、企業に福祉の主な提供主体としての役割を期待することはできま
せん。他の先進国と同様、国が責任を持って国民の生活水準を保障すべきではないでしょ
うか。例えば、誰でも最低水準以上の住居に住むことができる権利を保障することや、非
正規雇用で働く人でも子どもを産み育てていくことができるように国からの手当を充実さ
せたり教育費を無償化したりすることなどです。本稿で取り扱った社会保険の制度をより
公平かつ合理的なものに変えていくことも重要でしょう。
ここまでお読みになって理解していただけたかと思いますが、私が本稿を通じて伝えた
かったのは、決して「非正規雇用でも被用者保険に加入すれば生きていけるのだから我慢
しろ」というメッセージではありません。そうではなくて、被用者保険への加入を一つの
16
ステップにしていただきたいのです。何に向けてのステップかということについては人そ
れぞれだと思いますが、被用者保険に加入することによって手にすることのできる最低限
の安定と希望は、非正規雇用で働く人たちにとっての貴重な行動の資源となるはずです。
(了)
[注] (ウェブページの最終閲覧日は、いずれも 2017 年 5 月 1 日です。)
1
本稿を執筆するに当たっては、石井孝治『社会保険・年金のキモが2時間でわかる本』(日本実業出版
社, 2008)、日向咲嗣『「社会保険」150%トコトン活用術』(同文舘出版, 2011)、日向咲嗣『トクする
非正規社員マニュアル』(同文舘出版, 2009)の3冊を主要参考文献としました。追加情報や最新情報を
得るための手段としては主にウェブ検索を行ない、必要に応じて最寄りの行政機関(ハローワーク・都道
府県労働局・年金事務所)に電話での問い合わせを行ないました。なお、本稿に記載の情報はあくまでも
2017 年 5 月 1 日現在のものです。お読みになる時期によっては、本稿の内容が正確でなくなっている可能
性があります。
2
プロフィール等の詳細については、こちらのウェブページ〈https://docs.com/user301326〉をご参照く
ださい。
3
非正規雇用の増加を示す具体的なデータについては、本稿の第6節をご参照ください。
4
日本における被用者保険には、これら3つに加えて労働者災害補償保険(労災保険)と介護保険があり
ますが、本稿では「被用者保険」という言葉を雇用保険・健康保険・厚生年金保険の3つのみを指すもの
として用います。
5
ただし、学生など、雇用保険法第6条に掲げられた者については例外的に加入できません。また、雇用
保険法の附則第2条にあるとおり、農林水産業の一部には雇用保険が丸ごと適用されない事業所もありま
す。
6
ただし、個人事業主のもとで働いている場合は、従業員が常時5人以上雇用されている法定業種でない
と健保・厚生年金が適用されません。こちらのウェブページ〈http://www.mahoroba.co.jp/index.php?
itemid=2861〉によると、法定業種に含まれない業種は第一次産業・接客娯楽業・士業・宗教業です。
7
詳しくは、日本年金機構のウェブページ〈https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/jigyosho-hiho/
jigyosho/20150518.html〉をご参照ください。
8
厚生労働省のウェブページ〈http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/2810tekiyoukakudai
/〉を参照しました。
9
ただし、ダブルワーカーやトリプルワーカーの人は注意が必要です。なぜなら、雇用保険・健保・厚生
年金への加入条件としての週あたり労働時間や月あたり労働日数は、あくまでも1つの勤務先において満
たしていなければならないからです。2つの会社で働く労働時間の合計が週 30 時間を超えていても、それ
ぞれが 20 時間未満である場合、健保・厚生年金はおろか雇用保険にも加入できません。
10
『毎日新聞』2016 年 1 月 5 日「厚生年金 資格あるのに『未加入』200 万人」〈http://mainichi.jp/
articles/20160106/k00/00m/040/047000c〉を参照しました。
11
詳しくは、全国健康保険協会(協会けんぽ)のウェブページ〈https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat
310/sb3040/r139〉をご参照ください。なお、組合健保に加入している場合、支給額に上乗せがあったり支
給期間がさらに長かったりすることがあります。
17
12
障害年金の詳細については、日本年金機構のウェブページ〈https://www.Nenkin.go.jp/service/jukyu/
shougainenkin/jukyu-yoken/20150401-01.html〉および政府広報オンラインのウェブページ〈http://www.
gov-online.go.jp/useful/article/201201/2.html〉をご参照ください。
13
失業中の収入が維持されることによって、①落ち着いて次の仕事を探すことができる(=焦って不審な
求人に飛びつかなくても済む)、②より良い労働条件の仕事を求めて退職することができる(=収入が途
切れる心配から劣悪な労働条件の仕事にしがみつかなくても済む)などのメリットもあります。
14
失業給付の詳細については、ハローワークインターネットサービスのウェブページ〈https://www.hello
work.go.jp/insurance/insurance_basicbenefit.html〉をご参照ください。具体的な受給額については、
河社会保険労務士事務所のウェブページ〈http://www.rouki.jp/kihonteate16〉が参考になります。
15
詳しくは、協会けんぽのウェブページ〈https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat315/sb3090/r148〉を
ご参照ください。
16
育児休業は、(少なくとも制度上は)父親・母親のどちらでもほぼ同じように取得することができるた
め、例えば最初の半年は母親が取得して次の半年は父親が取得するといった方法も可能です。育児休業給
付金の詳細については、ハローワークインターネットサービスのウェブページ〈https://www.hellowork.
go.jp/insurance/insurance_continue.html〉をご参照ください。
17
ただし、妻を亡くした夫については、妻死亡時に 55 歳以上でないと支給されません。遺族年金の詳細に
ついては、日本年金機構のウェブページ〈https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/izokunenkin/jukyu-
yoken/20150401-03.html〉をご参照ください。
18
厚生労働大臣指定の一般教育訓練・専門実践教育訓練は、こちらのウェブページ〈http://www.kyufu.
mhlw.go.jp/kensaku/T_K_kouza〉から検索することができます。教育訓練給付制度の詳細については、厚
生労働省のウェブページ〈http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/shokugyou
nouryoku/career_formation/kyouiku/index.html〉をご参照ください。
19
日本年金機構のウェブサイト〈http://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/jukyu-yoken/
20150401-02.html〉を参照しました。
20
老齢厚生年金の詳細については、日本年金機構のウェブサイト〈https://www.nenkin.go.jp/service/
jukyu/roureinenkin/jukyu-yoken/20140421-01.html〉をご参照ください。老齢厚生年金の受給見込み額を
知りたい場合は、こちらのウェブページ〈http://hokenstory.com/kosei-nenkin-hoken-how-much〉が参考
になります。なお、会社や業界によっては、従業員に対する福利厚生の一環として独自の企業年金を備え
ている所もあります。そこでは、老齢基礎年金・老齢厚生年金に加え、さらなる上乗せ給付があります。
21
厚生労働省のウェブページ〈http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000108634.html〉を
参照しました。なお、ここでの「給料」には通勤手当を含む各種手当や賞与(ボーナス)なども含まれま
す〈http://www2.mhlw.go.jp/topics/seido/daijin/hoken/980916_6.htm〉。
22
ただし、実際に発生した給料に 0.3%の保険料率をかけることで算出される雇用保険の保険料とは異な
り、健保・厚生年金の保険料は「標準報酬月額」にそれぞれの保険料率をかけることで算出されます。標
準報酬月額とは、言わば月収の概算値で、基本的には4月~6月の給料を基に計算されます。一度決定し
た標準報酬月額は原則1年間固定となり、ゆえに保険料も原則1年間固定となります。なお、雇用保険と
同様、健保・厚生年金の保険料は賞与にもかかります。賞与にかかる保険料は、実際の賞与額から 1,000
円未満の端数を切り捨てた「標準賞与額」にそれぞれの保険料率をかけた額です。標準報酬月額と標準賞
与額の詳細については、協会けんぽのウェブページ〈https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat320/sb3160/
sbb3165〉をご参照ください。
23
協会けんぽの保険料率は都道府県ごとに異なりますが、その違いはわずかで、最も高い佐賀県が 5.235%
18
(平成 29 年度,労働者負担分)、最も低い新潟県が 4.845%(同上)です〈https://www.kyoukaikenpo.or.jp/
g3/cat330/sb3130/h29/290210〉。40 歳以上の方は、介護保険にも加入しなければならないので、合計の
保険料率は約6%弱になります。なお、組合健保に加入している場合、保険料率が協会けんぽよりも1~
2%ほど低く設定されていることが多いそうです。
24
日本年金機構のウェブページ〈https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo-gaku/gakuhyo/
0921.html〉を参照しました。
25
市町村ごとの国保保険料データが網羅的に掲載されているウェブサイト「国民健康保険計算機」〈http://
www.kokuho-keisan.com/〉によれば、単身で年収 400 万円の人が支払う国保保険料の全国平均は 27 万 253
円であり、同じケースでの保険料がこの数値に近い市町村として新潟県阿賀野市(27 万 470 円)、新潟県
南魚沼市(27 万 863 円)、島根県益田市(27 万 20 円)の3市が挙げられます。「国民健康保険計算機」
に掲載されているデータは必ずしも最新のものばかりではありませんが、これら3市は現在においても「国
保保険料が平均的な金額の市町村」であると考えられます。
26
年収(給与収入)240 万円、すなわち給与所得 150 万円、40 歳未満、単身というデータを、各市の公式
ウェブサイトに掲載されている国保保険料の計算式に当てはめて算出しました。例えば南魚沼市の場合、
「医療分」が(1,500,000-330,000)×0.0686+1×25200+22300=12 万 7,700 円(100 円未満の端数切捨)、
「支援金分」が(1,500,000-330,000)×0.0225+1×11,100=3 万 7,400 円(同上)、合計で 16 万 5,100
円となります〈http://www.city.minamiuonuma.niigata.jp/soshiki/shiminseikatubu/zeimuka/shiminzei
kakari/kokuminkenkouhokenzei/1451903082843.html〉。
27
「国民健康保険計算機」〈注 25 掲載の URL〉における「全国の国民健康保険料が安い地域ランキング」
を参照しました。なお、1位の東京都大島町と2位の埼玉県小鹿野町については、管見の限り国民健康保
険料の計算式が公式ウェブサイト上に掲載されていなかったため、ここでは除外しました。
28
計算方法は注 26 と同様です。
29
ただし、国民年金には低所得者を対象として保険料が一部免除される仕組みがあり、これを用いれば月
収 18 万円未満の人でも国民年金保険料を厚生年金以下に抑えることが可能です。例えば月収 15 万円の人
の場合、年収(給与収入)180 万円、給与所得 108 万円ですので、市役所等で申請さえすれば保険料の最
大半額を免除扱いにすることができます。半額免除にした場合、国民年金保険料は 8,130 円となりますの
で、厚生年金保険料(1 万 3,636 円)よりも 5,506 円安く済みます。しかし、免除制度を用いて保険料を
安くすると、ただでさえ低い国民年金の年金額がさらに減ってしまうので注意が必要です。免除制度の詳
細については、日本年金機構のウェブページ〈http://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/201504
28.html〉をご参照ください。
30
月収 20 万円の人の各保険料を試算した際と同じ方法で月収 22 万円の人の各保険料を試算すると、国保
保険料の平均が約 1 万 5,000 円、国民年金が 1 万 6,490 円、健保が約 1 万 1,000 円、厚生年金が 2 万円と
なります。国保・国民年金の保険料合算額は約 3 万 1,490 円、健保・厚生年金のそれが約 3 万 1,000 円で
すので、両者ほぼ同じ値であると言えます。
31
現在、「ひも」という言葉は女性の稼ぎに依存する男性を指すものとして使用されていますが、ここで
は敢えて男女の別なくこの言葉を用いたいと思います。また、ここでは侮蔑的な意味合いは込められてい
ません。
32
ここで注意すべきは、健保・厚生年金に入りたくても入れない人も多いということです。例えば主婦・
主夫の場合、配偶者の長時間労働や地域の保育所不足のせいで「家事・育児のためには週に 30 時間以上も
働いていられない」などの現実があります。長時間労働規制・ワークシェアリングや、保育所の増設・保
育士不足の解消などによって、誰でも自立的に収入を得たり保険に入ったりできる社会に変えていくこと
もまた重要だと考えます。
33
『朝日新聞』2016 年 12 月 7 日「年金滞納者、9割が免除対象 低所得者の強制徴収に限界」〈http://www.
asahi.com/articles/ASJD65CYPJD6UTFK00V.html〉を参照しました。
19
34
この補足パートで取り上げたような「保険料を一切納めない」という選択をする人に関しては、そもそ
もの収入が「最低生活費」を下回っている可能性も考えられます。最低生活費は、住んでいる地域や世帯
人数によって決まっており、その額を下回っていれば基本的に生活保護を受給できます。もしも生活に困
窮していてどうしようもない状況でしたら、生活保護の受給という選択肢も考慮に入れましょう。国は、
個人が「健康で文化的な最低限度の生活」を送られるようにする義務を負っているのですから、遠慮する
必要はありません。
35
厚生労働省のウェブページ〈http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147331.html〉に
よれば、雇用保険における同手続きは公式には「確認照会」と呼ばれているようですが、ここでは煩雑さ
を避けるため呼び方を「確認請求」に統一します。
36
確認請求に関するここでの記述は、筆者が最寄りのハローワークと年金事務所に電話で問い合わせて確
認した内容に基づいています。
37
ユニオンを探す際には、例えばコミュニティ・ユニオン全国ネットワークのウェブページ〈https://
sites.google.com/site/cunnet/home/network〉が参考になります。ウェブ検索で、「新宿 労働組合」と
いったように、住んでいる地域→スペース→労働組合と入力して検索をかけてみるのもいいでしょう。ま
た、労働組合の代表的な全国組織である「連合」か「全労連」のホットラインに電話をすれば、最寄りの
労働相談窓口につながり、場合によっては最寄りのユニオンを紹介してくれるはずです。前者については
こちら〈https://www.jtuc-rengo.or.jp/soudan/〉、後者についてはこちら〈http://www.zenroren.gr.jp/
jp/soudan/〉をご参照ください。―以上の探索の結果、候補が複数見つかり、どこのユニオンに駆け込
めばよいか迷った場合には、当該ユニオンのウェブサイトを見たり実際に電話やメールで相談してみたり
りして、「本当にここに駆け込めば問題を解決できそうか」という観点から比較検討を行なうのがよいと
思います。
38
例えば、こちらのウェブページ〈http://www.nippon.com/ja/features/h00133/〉をご参照ください。
39
例えば、『東京新聞』2013年10月9日「4割が非正規で初就職 正規への転職困難」〈http://www.tokyo-np.
co.jp/article/seikatuzukan/2013/CK2013100902000184.html〉をご参照ください。また、下表は就業構造
基本調査の結果を基に私が作成したものですが、これを見れば初職が非正規雇用である(であった)人の
割合がここ四半世紀の間に急増していることが一目瞭然でしょう。基のデータは、総務省統計局のウェブ
ページ〈http://www.stat.go.jp/data/shugyou/2012/index2.htm#kekka〉における「3. 結果の概要 表一
覧」からダウンロード可能です。
40
厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(平成 28 年)によれば、短時間勤務でない正社員・正職員の平均
賃金は時給換算で 1,950 円であるのに対して、正社員・正職員以外かつ短時間勤務の者の平均賃金は時給
1,060 円です〈http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyuki
roudoutaisakubu/0000120286.pdf〉。同じ「正社員・正職員以外」でも、短時間勤務でない者、すなわち
所定労働時間と所定労働日数が正社員・正職員と同じである者の平均賃金は時給 1,299 円ですが、そもそ
もそのような雇用形態で働く者は一部の契約社員や嘱託社員、派遣社員に限られています。よって、ここ
では彼らを例外として取り扱い、1,060 という数値こそ非正規雇用で働く人にとってより一般的な平均時
給であるとみなします。本文中の「約 54%」とは、1060 を 1950 で割ることによって得られる数値です。

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