ビジネス五輪書論
- 2. 地の巻 水の巻 火の巻 風の巻 空の巻 概要 ポイント ・兵法の極意 ・兵法とは、剣術のみにあらず。心・技・体のバランスが重要 ・心技体の極意 ・心技体のそれぞれの「あり方」を詳細に記されている。 ・戦いの極意 ・戦いは小手先の技術だけではなく、知力・精神力・統合力を兼ね備えることが重要。 ・相手に勝つためには、細部まで勝利のポイントを整理することが重要。 ・他派理解の極意 ・戦いに勝つためには、他派をよく理解する。他派を理解することで、自派の良し悪しのポイントが見えてくる。 ・自然体の極意 ・朝鍛夕錬によって、心に一切の曇りがない境地が訪れる。それすなわち、「空の境地」と呼ぶ。
- 3. 意味 ビジネスへの応用 タイトル 地の巻 朝も夕も常に兵法の修行を続ける ビジネスに必要なスキル・技術を、常に鍛錬し続けること。特に年代、 仕事のステージに応じて求められる鍛錬内容も異なる。計画立案が大切。 朝鍛夕錬 己に勝つためには欲心を無にする。 朝の端坐正念が必要。 己に勝つためには、勝つための「欲」つまり「ビジョン」が必要。ビジョンを 毎朝の瞑想で唱え、己の欲に打ち勝つ精神修行が求められる。 人に勝つは己に勝つ 一刀よりも二刀の方が有利。 便利不便より勝ち負けに拘る。 ビジネスに有利となるスキル・技能は、どのような分野であれ極めること。 得意不得意、便利不便ではなく、ビジネスに有利か不利かで判断すべき。 二刀一流の道 能、音楽、兵法全てにおいて拍子 は重要である。 拍子=リズム・流れと解釈する。ビジネスが上手くいく流れ、いかない流れ、 自分の流れと相手の流れ。常にビジネスの流れを考えておくことが重要。 兵法の拍子
- 4. 意味 ビジネスへの応用 タイトル 水の巻 常に心は平常心を保つべし。 心の「中心点」を把握する。ビジネスシーンにおいて、いかなる時も「心の 中心点」を意識する。緊張時、失敗時、挑戦時などいかなる時も。 兵法心持の事 目で「見る」のではなく、心で「観る」 自分の見たいものだけを見るのではなく、真実全てを観ることを心がける。 近くを見るだけではなく、遠く(未来)を観ることを心がける。 目付けの事 上段、中段、下段、右脇、左脇 全て相手を切るための構え 仕事に向き合う際に必要な構え。物事・情報を、上から・下から・中心から、 右から・左から見る。見る角度は、必要に応じて変えるべき。 五方の構の事 平常心:稽古を重ねていけば、上手くやろう、失敗しないように、という気持ちは遠のいて自然体でベストを尽くすことができる。動転した心、焦った心、無理によく見せようと思う心を持っていれば、必ず兵法は失敗する。 「実践」と「兵法の学び」の両軸 千里の道も一歩まで 現在必要とされるスキル・技能は、実践と学習の両軸が重要となる。 将来的に必要とされるスキルも、模擬実践と学習の両軸を意識する。 実学の事
- 5. 意味 ビジネスへの応用 タイトル 火の巻 相手の状況、味方の状況、戦場の 状況に合わせて適切な対応を取る ビジネスにおいては、自社・競合・市場を定量的に把握し、意思決定の 根拠を常に頭の中に入れておくことである。 けいきを知る事 我が身を敵の身に成り代わって 考えるということ 競合他社、お客様の立場になって物事を判断し行動すること。相手の立場 に立つためには、相手の深層心理を知る必要がある。 敵になるという事 敵と戦う際、同じことを繰り返さず 意表をつくことが重要。 お客様と接する際、同じことを 2 度はよいが 3 度以上繰り返すのは NG と 心得る。常に先方の期待を裏切ることを心がけるべき。 山海の事 相手の深層心理を知る:相手の情報を調査する。相手と接触した際、相手が考えていること、心配ごと・うれしいこと・望むこと等を 五感を働かせて理解すること。また、過去の類似ケースをパターン化していくことも深層心理に辿り着く近道でもある。
- 6. 意味 ビジネスへの応用 タイトル 風の巻 大きな太刀で相手を攻め立てる のは、適切ではない 会社には適切な規模が存在する。無理に規模拡大を目指すと必ず、会社に 歪みが生じる。その歪みを予め理解予測をした上で拡大を目指すべき。 大きな太刀 数多くの太刀を用いて戦に臨む ことは、適切ではない 選択と集中が必要である。ビジネスにおいて、軸なき多角化戦略で成功 している会社は存在しない。必ずコア事業が存在しそれを大切にしている。 多くの太刀 自派の良し悪しは比較対象がある ことで、更に理解を深められる 常に自社以外(競合・市場・顧客)に目を向ける必要がある。向ける際は、 肯定的・否定的の 2 つの視点で見ることが重要。 他派理解
- 7. 意味 ビジネスへの応用 タイトル 空の巻 朝鍛夕錬によって、心に一切の 曇りがない境地が訪れる 日々鍛錬を行うことで、平常心を保つことができる。非平時の際に平常心を 保つことのできる境地に辿り着くことができるくらい、鍛錬が必要である。 自然体の極意