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地域活性化について～高知県馬路村を参考に～
- 1. 地域活性化事例 (１)高知県馬路村 【背景】 高知県の山間部に位置する馬路村は主軸である林業の衰退によって産業の停滞、高齢化 が問題になっていた。一方、産業としては斜面でも栽培可能なゆずが栽培されていた。 そこで村長や農協が一丸となって地域資源である「ゆず」を活かしたまちおこしを行う。 【取り組み】 ① 販売開拓活動 似たような課題や産業を持つ周辺地域との産地間競争を避け、他地域への市場 開拓をめざし、全国の百貨店の物産展出店し積極的に宣伝販売を行う。 ② 村そのものをブランドに 「名前も知らない村の特産品は売れない。名前を知らない村へは遊びに行けな い。まずは村を売る。」をコンセプトに地域のイメージそのままである「田舎」 感を重視したデザインを外部デザイナーと共に制作。村そのものを商品にした によって馬路村の知名度向上させると共に「馬路村ファン」を生み出す。 ③ 顧客との関係強化 定期的に「だいたい月刊ゆずの風新聞」を発行し商品と共に届けている。季節 ごとの自然や村民の暮らしぶりの様子やメッセージを詰め込み、顧客との関係 ※参考「農協ホームページより」 地元の方の写真や方言を使い、背景の自然、フォントに もこだわり徹底した「田舎」がイメージのデザインによ って差別化。「馬路村」そのものをブランド化 全国に新たな「ゆず」市場を開拓 ・ブランド化により全国的な知名度が向上、「むら」そのもののファンを獲得 ・地元住民の愛着、誇りの向上
- 2. を強化、さらなる「馬路村ファン」獲得を目指す。 【成果】 ・1000 人の村で年商 30 億の売り上げ ・ゆずの町としての知名度の向上 ・雇用の創出（1991 年 2 人→2012 年 75 人） 馬路村の風景や人の写真、暮らしの 紹介で「むら」の情報を発信。それ と共に観光地や宿なども掲載し、村 への来訪を促す ・リピーターの獲得 ・観光客の増加
- 3. 地域資源の発 掘 新たな ビジネス 雇用の創出 Ｉターン、Ｕターンに よる人口増加 地域活性 化 【先行事例から見る地域活性化の必要要素】 ① 地域資源の理解 →地域にある資源を見直し、地域の価値がなんであるのかを知る。そして、どのよう に強化していくのか戦略を立てる。そしてほかの地域とは違う地域ならではの魅力を知 り、差別化をはかり、ブランド化していく。 ② 外部からの視点 →地元民では当たり前すぎて気づかないが、他の地域から来た人には魅力的な地域資 源が存在する。「よそもの」の視点が未開拓の地域資源の発掘のきっかけになる。また、 馬路村の事例で外部デザイナーから「村丸ごと売り出しましょう」という意見を取り入 れたが、「よそもの」の独自の視点が地域に化学反応を起こして活性化を導く ③ 地元民の地域への愛着 →馬路村の例では「馬路村をよくしたい」という市長のもと農協と住民が共に協力しな がら根気強く物産展に出店し新たな市場を開拓した。このように地域活性化には地域を 変えようという信念と長期戦にも耐えうる粘り強い精神力が必要。そのためには地域を 愛し、よくしたいと思う地元民が必要となってくる。地元民が地域に誇りを持ち ④ 効果的な宣伝 →いくら素晴らしい地域資源があっても、外部への発信がなくては意味がない。粘り強 く効果的な宣伝によって独自の地域の魅力を発信し浸透させ市場を開拓しなければな らない。また、一過性の効果に終わらないように外部との定期的なコミュニケーション が必要である。馬路村の例では「だいたい月刊ゆずの風新聞」を発行し商品と同梱し外 部との積極的コミュニケーションをはかり「地元ファン」を得た。また、外部だけでは なく地域住民へも地域の強みがなんなのかを発信する必要がある。 【効果】