Statistical Analysis of fMRI data 9章 のスライドです。

1. Statistical Analysis of fMRI data
9. Functional Connectivity Analysis
via Psychophysiological Interactions and
Beta-Series Regression
1

2. 目的：あるタスク (task) によって
機能的に接続される神経回路を特定する。
Connectivity Analysis: 結合性解析
2背景：[2]より引用

3. 結合性解析 (Connectivity Analysis)：
タスクに関連するネットワーク(network)を特定する。
GLMのクラスター解析 (Cluster Analysis via GLM)：
タスクに関連するクラスター(cluster)を特定する。
Connectivity Analysis
と Cluster Analysis
3

4. 機能的結合性 (Functional Connectivity)：
統計的な領域間の接続性 (an association between activity in
different voxels or ROIs that is established statistically [1])
実効的結合性 (Effective Connectivity)：
神経回路モデルに基づいた領域間の接続性 (a more detailed
description that carries with it a model of the underlying
neural circuitry that connects the regions [1])
Functional Connectivity
と Effective Connectivity
4

5. １つめ：領域間のピアソンの相関係数を計算する方法。
発生しうる問題
1. ２つの領域が、異なる HRF (血流動態反応関数) に従う。
→ 同じ神経活動でも相関係数が低くなってしまう。
機能的結合性を測定するには？
5[1]より引用
HRFが違う

6. 発生しうる問題
2. 2つの領域が、独立したノイズを含んでいる。
→ 同じ真の信号でも相関係数が低くなってしまう。
相関係数を計算するより効果的に
ネットワークを検出する方法は？
機能的結合性を測定するには？
6
HRFも
ノイズも違う
[1]より引用

7. Psychophysiological
Interactions (PPI)
心理生理相互作用法
1
7

8. PPI法では、
「タスク時の相関係数」と「非タスク時の相関係数」の差
を利用して、タスクに関連するネットワークを同定する。
1. seed領域を決める
関心のある領域を含む
ようにseed領域を決め
る。seed領域の信号は
ひとつの信号になるよ
うに処理しておく。
心理生理相互作用 (PPI) 法
8[3]より引用

9. 1. 神経活動 を仮定する。
2. に HRF を畳み込んで、予測BOLD を算出する。
3. seed領域の観測BOLD信号 を算出する。
4. Multiplier を算出する。
5. Deviation を算出する。
6. Multiplier と Deviation から、PPI変数 を算出する。
7. 次のGLMを立てて、seed以外のボクセルに回帰させる。
PPI - Block Design
9

10. ● が有意に大きければ、seed領域とターゲットボクセル
は心理学的にも生理学的にも相関している。しかし、これは
同じ交絡要因のある偽相関の可能性がある。(such a
correlation could be the result of both areas receiving similar
inputs [1])
PPI - Block Design
10
Psychological Physiological Psychophysiological

11. ● 代わりにPPI変数を利用する。
Multiplierはタスク時に+1、非タスク時に-1になる。そのた
め、Deviationとタスク時に正の相関、非タスク時に負の相
関があるとき、PPI変数は相関する。
→ が大きいならば、タスク時の相関 > 非タスク時の相関
PPI - Block Design
11
Psychological Physiological Psychophysiological

12. ● 神経活動と予測BOLDの差が大きいため、PPI変数を生成する
Multiplierに時間的なずれが発生する可能性がある。この差
は次のように補正できる。
○ 神経活動から作ったMultiplierを利用する。(FSL)
○ 実際のBOLD信号を利用する。(SPM; Gitelman et al. (2003) [4])
● ただし、Block Designより検出力が大きく下がる。BOLD反
応が飽和することが少ないために、相関を上手く検出できな
いためである。
PPI - Rapid Event-Related Design
12

13. ● 複数のタスクに対して別々にPPI変数を用意する方法を
Generalized PPI (gPPI) という。
● Multiplierは A - (B + R), B - (A + R) のように設計する。
Generalized PPI (gPPI)
13
[5]より引用

14. Beta-Series
Regression
心理生理相互作用法 vs ベータ系列回帰
2
14

15. ● ベータ系列回帰では、全てのイベントを別々の説明変数
としてGLMで重み β を推定する。
● さらに、２つの領域間で一連の β 間の相関係数を測定
し、機能的結合性を評価する。
● つまり、イベントごとに神経活動の度合いが協調して変
動する領域間が機能的に接続していると考える。
ベータ系列回帰 (BSC)
15

16. ● ベータ系列は各イベントについて独立に回帰係数を測定
するため、時系列情報が失われることになる。そのた
め、毎回同様な β を示す領域間はその値が高くても相関
係数が低くなる。
● この場合は、FBR法を用いたGLMを利用することで時系
列情報を取り入れることができる。
ベータ系列回帰 (BSC)
16

17. FBR-based GLM によるベータ系列回帰
17左 [6], 右 [1] より引用

18. Pros and Cons
● 利点：
イベントの種類ごとに分けて機能的結合性を測定しやす
い。（コントラストを考える必要はない。）
● 課題：
β の推定精度に大きく依存する。
ベータ系列回帰 (BSC)
18

19. PPI vs BSC
ベータ系列回帰
3
19

20. PPI vs BSC
20
PPI BSC
測定対象
measures
回帰モデルの勾配
regression slope
相関係数
correlation coefficients
結合性
connectivity
実効的結合性
effective connectivity
機能的結合性
functional connectivity
誤差の主な原因
error factors
時間的な補正
Temporal correction
βの推定
Estimation of β

21. Di et al. (2020) [5] の
分析結果を取り上げる。
● Stop - Go タスク
● gPPI と BSC を比較
● 単一タスクでの結合
性は一貫性なし
● 差の効果での結合性
は一貫性あり
PPI vs BSC
21[5]より引用

22. ● 単一タスクでのBSCは安静時結合性と一致。
○ BSCは絶対的な機能的結合性を測定する。
○ 自発的な神経活動の大きな寄与が反映されている。
○ またはノイズの影響。
PPI vs BSC
22
[5]より引用

23. ● PPIはベースラインとの相対的な結合性を測定する。
○ モデルベースの実効的結合性。
○ BSCにはできない単一タスクに対する特徴的な結合
性を測定できる。
○ 複数タスクの比較では、原理的にBSCと同一の結果
を示す。
PPI vs BSC
23

24. 引用・参考文献
[1] Ashby, F. G. (2019). Statistical analysis of fMRI data. MIT press.
https://mitpress.mit.edu/books/statistical-analysis-fmri-data-second-edition
[2] CONN in pictures https://web.conn-toolbox.org/conn-in-pictures
[3] Greven, Inez & Ramsey, Richard. (2017). Person perception involves functional integration between the
extrastriate body area and temporal pole. Neuropsychologia. 96. 10.1016/j.neuropsychologia.2017.01.003.
https://doi.org/10.1016/j.neuropsychologia.2017.01.003
[4] Gitelman, D. R., Penny, W. D., Ashburner, J., & Friston, K. J. (2003). Modeling regional and psychophysiologic
interactions in fMRI: the importance of hemodynamic deconvolution. Neuroimage, 19(1), 200-207.
https://doi.org/10.1016/S1053-8119(03)00058-2
[5] Di, X., Zhang, Z., & Biswal, B. B. (2020). Understanding psychophysiological interaction and its relations to
beta series correlation. Brain Imaging and Behavior, 1-16. https://doi.org/10.1007/s11682-020-00304-8
[6] fMRI in Neuroscience: Modeling the HRF With FIR Basis Functions
https://theclevermachine.wordpress.com/2012/12/16/fmri-in-neuroscience-modeling-the-hrf-with-fir-basis-functions/
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