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2018. 9.27
特定非営利活動法人メディカル指南車
副理事長 笹井浩介
デジタル技術で「健康・医療」分野の課題を解決!
画像診断ナレッジサービス「読影指南」
の普及
1
社会的背景
近年、医療現場では検査画像が十分に検討されず死亡に至る
事故が多数報告されている。
◆医師・技師が多忙で、初学
者への指導時間が確保でき
ない
◆画像診断を行う専門医不足
(専門医が常駐しているのは
大病院のみが実態)
2016年09月 名古屋大学医学部付属病院
肺がん50代男性 死亡
2016年12月 肺がん80代女性 死亡
2017年02月 毎日新聞
東京慈恵会医大病院
肺がん70代男性 死亡
↓
2017年03月 市民団体「患者の視点で医療
安全を考える連絡協議会」遺
族ら国に再発防止を要請
画像放置による死亡事故 医療現場での問題
2
(氷山の一角ですが)
なぜこのような人材不足が
生じるのでしょうか?
3
人材の育成には膨大な時間とお金がかかる
◆放射線科専門医、超音波専門医などの育成
医師免許取得後約10年の月日が必要。
・指導医のもとでの臨床研修と臨床経験
・論文発表
・試験合格
◆専門医不足への対応が必要!
厚労省によるチーム医療の推進
(医政発0430第1号 各都道府県知事宛)
一般の医師が画像診断を実施することを想定し、技師も加え
たチーム医療を推進する。
→30代半ばでやっと一人前
→
→画像診断に携わる医療従事者全体の能力向上が必要
したがって
そこで
4
画像診断に従事するターゲットユーザ
これら多くの医療従事者が、10年の月日が必要な専門医のレベル
に容易に到達できるわけではない。
→そこで、コンピュータ(AI)による支援が必要!
(チーム医療を推進するとしても)
医師
技師
教育 臨床
・医学部のある大学は全国で約80大学
(約9,400名/1学年)
・毎年約9,400名の医師免許取得者が
5年間の臨床研修に従事
トータル約50,000名の研修医がユーザ
大病院: 約800施設
中病院: 約1,800施設
小病院: 約6,000施設
診療所: 約100,000施設
約300,000名の医師が勤務
診療放射線技師:42校(約2,500名/1学年)
臨床検査技師: 76校(約4,200名/1学年)
読影技術のカリキュラム化検討中(文科省)
H31/4通知
H33/4実施予定(ユーザになり得る)
大病院: 約800施設
中病院: 約1,800施設
小病院: 約6,000施設
・50,000名を超える技師が勤務
・専門医不在の施設では
技師の読影補助が必要
国内
海外 東南アジアへの展開について、PACSメーカ&JICAコーディネータと取組中
プログラム
(株)システム・クリニック 代表取締役
理事 大川寛
元大阪市立大学 准教授
運営委員 朴勤植
神戸女子大学 教授
理事 東ますみ
関西医科大学 准教授
運営委員 仲野俊成
大阪大学
産学連携本部
大阪市立大学
産学官連携推進本部
関西医科大学
大学事務部研究課
(株)HLウィル仲島クリニック
症例データ
提供
腹部超音波
監修
コニカミノルタ(株)
(賛助会員)
協力
(株)Hlウィル 代表取締役
運営委員 高梨謙治
ITコンサルタント
運営委員 松井隆司
(株)BlueMeme 代表取締役
理事 松岡真功
サニーピアクリニック 院長
理事長 宮本正喜
大阪大学 教授
理事 松村泰志
NPOメディカル指南車
副理事長 笹井浩介
兵庫県立大学大学院 教授
理事 竹村匡正
(株)インテグレート アズ 代表取締役
理事 加藤正彦
大阪大学 准教授
監事 玉川裕夫
特許
プログラム
公立小松大学 教授
理事 真田 茂
元大阪市立大学
IT関係の代表者大学病院等の先生方
大学病院等の先生方と知識情報処理の技術者が力を合わせる場として機能
京阪藤和法律事務所 弁護士
監事 松藤 隆則
大阪市立大学 講師
理事 打田佐和子
5
NPO法人メディカル指南車
成果:読影指南データベース d-CORE
膨大な症例を分析し、画像診断に必要な知識・経験を「カテゴリー」「基本部位」
「基本所見」「クラス」「診断」などの要素(語彙)に分解。それらを専門医と技術者
が協力してひとつずつ関係づけていくという膨大な作業を通じて、コンピュータに
何万通りに及ぶ画像診断の知識・経験を教え込ませることに成功!
→何万通りの「データ」からコンピュータが理解できる「知識」への
進化を実現(このような精密な知識ベースは他には存在しない) 6
◆画像診断知識ベース
7
◆症例データベース
大阪大学
医学部附属病院
大阪市立大学
医学部附属病院
関西医科大学/
大阪市立大学
医学部附属病院
2018.6.1現在
順次追加中
大学病院の有用性の高い症例を抽出し、知識ベースとの相互関係
を定義することにより、症例をコンピュータに理解させることに成功!
胸部X線
約500症例
腹部超音波
約200症例
上部消化管内視鏡
約150症例
成果:読影指南データベース d-CORE
8
画像診断ナビゲーター「Doc.navi」 画像診断シミュレーター「simu.Doc」
成果:画像診断ナレッジサービス「読影指南」
画像診断のプロセスをナビゲート 画像診断の能力をシミュレート
9
コンピュータ
画像の特徴量/関数
(人間には理解不能)
実用可能な判断は限られる。
・胸部CTにおける結節影(肺癌)
・乳腺の石灰化(乳癌)
・大腸ポリープ(大腸癌)
コンピュータ
画像診断知識ベース
専門医の知識・経験
医師・技師
思考
知識
視覚
メディカル指南車の
知識情報処理
応用範囲が極めて広く、様々なシーンで医療従事
者の思考や判断に対して経験の蓄積ができる。
・初期診断を含めて厳密な知識表現
・教育用途
判断
支援
=
判断
人間に理解可能
正しい判断に導く
この方法は
関連付けて
コンピュータが
癌の確定診断向き 初期診断や人材育成に応用可能
本システムの優位性
これまでの画像診断支援
画像処理
10
・金沢大学 真田茂教授(日本放射線技術学会前代表理事)
→本システムの効果について発表(第9回中部放射線技術学術大会)
・群馬県立県民健康科学大学 小倉明夫教授(日本放射線技術学会代表理事)
→本システムの効果について発表(第71回東京支部春季学術大会)
これまでの評価
・兵庫県立加古川医療センター放射線科 部長 酒井英郎先生
画像診断ナビゲーターDoc.naviと画像診断シミュレーターsumu.Doc
を組み合わせて学ぶことが、スキルアップにつながる有効な学習
方法だと考えます。
画像診断は各自の能力によるばらつきが大きく、その品質が不安
定なことが問題になります。このシステムの活用によって能力差を
補完して均質化し、全体的な能力向上が期待されます。
・昭和大学大学院保健医療学研究科 教授 加藤京一先生
・第35回医療情報学連合大会で優秀賞受賞
・CSOアワード2017において大阪市長賞とCSO賞のダブル受賞
→大阪市が広報支援
http://www.city.osaka.lg.jp/shimin/page/0000382402.html
http://www.city.osaka.lg.jp/shimin/cmsfiles/contents/0000382/382402/2017taidan.pdf
・第37回医療情報学連合大会で優秀賞受賞
11
NPOメディカル指南車
・開発計画・コンセプト立案
・データ・知識の収集
・データベース&アプリ開発
大阪市立大学 大阪大学 関西医科大学 大学 大学
医療従事者、症例データ、専門知識
医療従事者 大学 病院
会社 会社 会社 会社 会社 会社
ライセンス提供、共同開発、会社設立
協業パートナー
大学
大学 病院 病院 病院
医療従事者 病院 病院 病院
機器・システムなどへの組み込み
ビジネスモデル
Webサービス
機能分離
・症例データや知識・経験を集約して研究開発する機能(=NPO法人)
・システムを構築して事業を行う機能(=会社)
12
●事業(=協業パートナー)
“画像診断ナレッジサービス「読影指南」”を有償でライセンス
いたします。
画像検査機器、画像データベースシステム(PACS)、画像診
断支援システム(骨塩除去、経時差分)、電子カルテなどの
機器やサービス、 ICTプラットフォームなどの付加価値として
“画像診断ナレッジサービス「読影指南」”の普及促進に取り
組んでいただける協業パートナーを募集します!
●研究開発(=NPO法人)
内科での初期診断に必要な、胸部/腹部X線、腹部超音波、上部消化管
内視鏡についてはすでに実用レベルを達成済み。
今後ニーズの高い胸部CT、救急症例など拡張予定
最後に!

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