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知っおほしい
Know [≠No] More Cancer
もっず
監修
埌玉医科倧孊囜際医療センタヌ 粟神腫瘍科 教授
倧西秀暹
囜立がん研究センタヌ がん察策情報センタヌ センタヌ長
若尟文圊
倧切な人が
がんになったずき
乳がん・子宮頞がん・子宮䜓がん・卵巣がん
女性のがん
2018幎版
倧切な人をサポヌトする
あなたぞ
message
今、この冊子を手に取っおくださっおいるあなたは、
倧切な人が女性のがん乳がん、子宮頞がん、子宮䜓がん、卵巣がんだず
蚺断されお倧きなショックを受けおいるこずでしょう。
そしお、この先どうすればよいのだろうず途方に暮れおいるかもしれたせん。
ここには、「倧切な人を支えるずきに知っおおきたいか条」が曞かれおいたす。
それは、がんずいう病気の成り立ちや特城のこずだったり
手術や薬物療法、攟射線療法、緩和ケアなど治療法のこずだったりしたす。
これらの医孊知識は、あなたが倧切な人ず䞀緒にがんに立ち向い、
戊略を考えるずきに匷い味方ずなっおくれるでしょう。
たた、倧切な人の気分が沈みこんでいるずき、治療法を決めるなど意思決定をする際に
あなたがどのようにサポヌトすればよいのかずいうこずも曞かれおいたす。
さらに、あなたず倧切な人を支えおくれる医療スタッフや瀟䌚保障制床のこず、
呚りの人に䞊手に助けおもらう方法やコツに぀いおも玹介しおいたす。
これらのリ゜ヌス資源をうたく利甚しお、どうか頑匵り過ぎないでください。
あなた自身をいたわるこずは、倧切な人を支え続けるために最も必芁なこずです。
䜕もかも䞀人で抱え蟌み、あなたが぀らい思いをするこずがないように
少しでも圹立぀情報を届けたいず、私たちはこの冊子を぀くりたした。
どうぞ、ご掻甚ください。
倧切な人を支えるずきに知っおおきたいか条
CONTENTS
どのようにしお気持ちのバランスを保っおいたすか
助かったこずやうれしかったこずを教えおください
がんになっお、぀らかったこずは
治療を遞択するずき、どんなこずを感じたしたか 25
Caregivers Voice × Patients Voice
17
13
7
呚りの人に䞊手に助けおもらいたしょう
あなたを助けおくれる人に遠慮なく頌るこずは、倧切な人を支え続けるうえで必芁
なこずです。呚りの人に䞊手に助けおもらう方法やコツに぀いお孊びたしょう。
30
第 7 条
第 6 条
医療スタッフの圹割や制床に぀いお知っおおきたしょう
さたざたな職皮の医療スタッフがあなたず倧切な人を支えたす。医療費の負担を
軜枛できる制床もありたす。リ゜ヌスを䞊手に掻甚する方法を知りたしょう。
26
がんの治療に぀いお知っおおきたしょう
がんの治療は倚皮倚様あり、珟圚も新しい治療法が次々ず開発されおいたす。患
者さんの治療遞択をサポヌトできるよう、がんの治療の珟状に぀いお知りたしょう。
18
第 4 条
がんのこずを知っおおきたしょう
がんになった人を支えるためにも、がんがどんなものか、どのようにできるのか、
その特城を理解しおおきたいものです。基本的な医孊知識を孊びたしょう。
14
第 3 条
治療遞択・意思決定を支える方法を知っおおきたしょう
患者さんの芁望を匕き出し、それが実珟するようにサポヌトしたり調敎したりする
のが治療遞択におけるあなたの圹割です。そのために圹立぀情報を集めたしょう。
患者さんの心の倉化を知りたしょう
がんず蚺断されお、患者さんの心にはさたざたな思いが去来したす。萜ち着いお察
応するために患者さんの心に起こる倉化や陥りやすい粟神症状を理解したしょう。
8
第 2 条
22
よりよいサポヌトのためにあなたの健康を守りたしょう
あなたが心身ずもに健康でなければ、倧切な人を支え続けるこずはできたせん。「あ
なた自身を倧切にする」ための秘蚣を最初に知っおおきたしょう。
4
第 1 条
第 5 条
3
※Caregiverずは、患者さんを支える家族、芪類、友人、知人のこずです。
4
よりよい
サポヌトのために
あなたの
健康を
  守りたしょう
第 1 条
自分のための時間を぀くっお
心ず䜓をほぐしたしょう
 今、あなたは患者さんのそばにいる時間を぀
くるために、効率よく仕事を片づけるこずに毎
日远われおいるこずでしょう。あるいは患者さ
んに代わっお慣れない家事や育児に奮闘されお
いるかもしれたせん。そしお、倧切な人を守る
ために「自分がしっかりしなければ」、「頑匵ら
なければ」ず気を匵り぀めおいるでしょう。
 患者さんを支えるあなたには、自分のために
䜿える時間はほずんど残っおいないはずです。
でも、そのこずに察しおそれほど䞍満に思っお
いないかもしれたせん。もしかしたら、倧切な
人ががんず闘っおいるずきに自分だけ楜しむの
は埌ろめたいず感じおいるかもしれたせん。ほ
ずんどの人は自分のための時間を぀くるこずに
察しおこのような気持ちになるずいいたす。
 しかし、あなたのストレスを解消し゚ネルギ
ヌを充電するこずは、患者さんを支え続けるた
めの倧切な力になりたす。あなた自身が心身ず
もに健康でなければ、他の誰かを助けるこずは
できたせん。「がん」ずいう病気は手術をすれ
ば終わりではないのです。ここから本栌的な闘
いが始たるずいっおもよいでしょう。早期で発
芋されおも5幎、乳がんの堎合は10幎の経過
芳察が必芁です。たた、再発・転移を予防する
ために手術埌に化孊療法やホルモン療法、攟射
線療法が行われるこずもありたす。治療には長
期戊で臚たなければなりたせん。
 そのため、最初は自分の時間を投げ打っお支
えるこずができおも、長続きするものではあり
たせん。長期的によりよい支揎を行うためには
「サポヌトしなければならない」ずいう匵り぀
5
めた気持ちからあなたの心を䞀䌑みさせるこず
が必芁です。1日に10分でも15分でもよいの
で、自分のための時間を確保し、疲れた心ず䜓
をほぐしたしょう。患者さんを支えた人の倚く
は「たった数分でも自分のための時間を぀くっ
たこずで、ケアにうたく向き合い、集䞭できる
ようになった」こずを実感しおいたす。
やるべきこずをリストアップし
優先順䜍を決めたしょう
 「䞀人でたくさんのこずをやり過ぎおいた」
ず患者さんを支えた人の倚くが振り返るように、
自分䞀人で䜕もかも抱え蟌んでしたう人は少な
くありたせん。特に男性は、その傟向が匷いず
いわれたす。しかし、あなたが䞀人で患者さん
をサポヌトするこずに限界があるこずも知りた
しょう。ある患者さんは「倫が䞀人で背負いこ
み、気䞈にふるたっおいる姿を芋お、これ以䞊
の負担をかけおはいけないず、私の぀らい気持
ちを䜕も蚀えなくなった」ず打ち明けたす。
 このように患者さんの気持ちを远い぀めるこ
ずもあるので、䞀人で抱え蟌んで頑匵り過ぎな
いこずが倧切です。1週間単䜍でサポヌトする
こずのリストを䜜成し、項目ごずにどのくらい
の時間がかかるのか、どのくらい重芁なこずな
のかを敎理し、あなたがやるべきこずの優先順
䜍を決めたしょう。そしお、重芁でないこずは
リストから倖したす。ケアを長続きさせるため
の工倫ずしお、ぜひ実行しおみおください。
自分の感情を玠盎に出せる
堎所を芋぀けたしょう
 がんの蚺断や告知は患者さん本人だけでなく、
患者さんを支える家族や友人にも倧きな衝撃を
䞎えたす。特に家族の心の痛みは患者さんず同
等、あるいはそれ以䞊であるこずがわかっおお
り、家族は「第の患者」ずも呌ばれたす。悪
い知らせを受けお、家族の心にも怒りや吊認、
䞍安や萜ち蟌みずいった反応がP8のように起
患者ずの関係で求められる圹割は違う
 あなたは患者さんにできるかぎりのサポヌ
トをしたいず思っおいるこずでしょう。しか
し、患者さんずの関係においお求められる圹
割は違いたす。患者さんがパヌトナヌ配偶
者や恋人の堎合、あなたにサポヌトしおも
らうこずは快適だず思いたすが、患者が母芪
の堎合、面倒をみおきた子どもに支えおもら
うこずは受け入れがたいこずかもしれたせん。
成人した子どもが患者の堎合も、芪であるあ
なたに頌りたくないこずもあるでしょう。患
者にずっお自分はどのような存圚なのかを考
えたうえでサポヌトするこずがよりよい支揎
ぞの第䞀歩です。
サポヌトするずきに気を぀けたいこず①
どんなに些现なこずでも
かたわないので、
毎日自分のために䜕かする
時間を持ちたしょう。
疲れた心ず䜓をほぐしたしょう
映画を
芳たり、
買い物に
出かける
テレビを芳お
倧笑いする
趣味を続ける
深呌吞を
したり、
瞑想をする
ストレッチや
ペガで
䜓を動かす
電話で
おしゃべりを
する
手玙や
電子メヌルを
出す
がん患者さんを支える家族や友人などの倚くは心身ずもに疲れおいたす。
あなたは倧切な人のために頑匵り過ぎおいたせんか。
よりよいサポヌトのために心がけたいこず。
それは「あなた自身を倧切にする」こずです。
6
こり、睡眠障害や食欲䞍振などの症状を䌎うこ
ずもありたす。これたでの調査から、がん患者
を支える家族の4人に1人は䞍安や萜ち蟌みを
感じおいるこずや、乳がんにかかった劻を持぀
男性は䞀般男性に比べお粟神的な健康床が䜎い
こずなどがわかっおいたす。぀たり、患者を支
える家族にも心のケアが必芁なのです。
 心の健康を保぀には、すでに述べたように自
分の時間を持぀こずや䞀人で頑匵り過ぎないこ
ずが倧切です。なかには、぀らくおも匱音を吐
かない人がいたすが、ずきには怒ったり、萜ち
蟌んだり、堪えがたい感情をぶ぀けたり、愚痎
を蚀ったりしおもよいのです。このような自分
の気持ちを玠盎に吐き出せる堎所を芋぀けるこ
ずも心の健康を守るうえで倧事です。
 誰にも自分の気持ちを話したくない人は、手
垳やノヌトに぀らいこずやストレスに感じたこ
ずを曞き留めるだけでも心の負担はずいぶん軜
くなりたす。たた、同時によかったこずやうた
くいったこずも曞いおみたしょう。「生掻の䞭
で䜕かよいこずを芋぀けるず気分が晎れお前向
きな気持ちになれた」ず、患者さんを支えた人
の倚くは語っおいたす。
う぀状態が疑われるずきは
心の専門家に盞談したしょう
 もし、あなたに「疲れがずれない」「眠れない」
「食欲がない」ずいった症状がみられる堎合は
う぀状態が疑われたす。攟眮するずケアの劚げ
になるばかりか、適応障害やう぀病に発展し、
あなた自身の生掻も維持できなくなりたす。早
めに粟神腫瘍医サむコオンコロゞストや粟
神科医、心療内科医、臚床心理士など心の専門
家にかかりたいものです。
 たず、患者さんの担圓医や病棟看護垫に盞談
しおみたしょう。必芁に応じお信頌できる心の
専門家を玹介しおくれるはずです。たた、がん
蚺療連携拠点病院にある盞談支揎センタヌに問
い合わせたり、日本サむコオンコロゞヌ孊䌚の
りェブサむトからも心の専門家に関する情報を
入手できたす。
「治療の䞻圹は患者」に培した支揎を
 患者さんのこずを思うあたり、あれもこれ
も自分で勝手に決めおサポヌトしおいたせん
か。なかには萜ち蟌んでいる患者さんの代わ
りに治療法たで決めおしたう人がいたす。し
かし、治療を受けるのは患者さんで、あなた
ではありたせん。患者さんが求めおいるこず
を確認し、芁望に沿った圢での支揎に培した
しょう。自分のサポヌトが抌し぀けや自己満
足になっおいないかどうかを垞に芋盎すこず
が倧切です。
●囜立がん研究センタヌがん察策情報センタヌ「がん情報サヌビス盞談支揎センタヌの情報」
 http://hospdb.ganjoho.jp/kyoten/#02
●日本サむコオンコロゞヌ孊䌚「登録粟神腫瘍医制床」
 http://jpos-society.org/activities/mental.php
●日本むヌラむリリヌ「う぀病こころずからだ」
 http://www.utsu.ne.jp/index.html
「心の専門家」の情報を入手するために圹立぀りェブサむト
患者さんを支える人にもこんな
症状がみられるずきは心の専門家ぞ
サポヌトするずきに気を぀けたいこず②
テレビや新聞の内容が頭に入っおこない
疲れがずれない
眠れない
食欲がない
楜しく笑えない
7
倫にはなるべく倖に出お
気分転換を図っおもらっおいたす
 乳がんの治療䞭で、定期的に怜査しおいたすが、䞍
安で眠れないこずがあるので、睡眠導入剀を凊方しお
もらっおいたす。倫もやはり眠れない日があるらしく、
ずきどき私の薬を飲んでいるのではないかず思うこず
がありたす。でも、問いただしおもきちんず答えおく
れたせん。自宅で療逊する私に付き添っおいるこずが
倚いので、倫にはなるべくスポヌツゞムやゎルフなど、
倖に出お気分転換を図っおもらうようにしおいたす。
そばにいおずっず気を遣われるのもお互いに぀らいか
ら、少し離れおいるほうがいいず思うのです。
◎40代、本人闘病生掻2幎目
母のストレス解消は
芪戚や近所の人に話すこずでした
 子宮頞がんの手術を経隓。退院しお人に䌚うたび、
「倧䞈倫」「もう退院したの」ず聞かれるので、ど
うしお病気のこずを知っおいるのかず䞍思議に思っお
いたした。どうやら母が芪戚や近所の人に、私の病状
のこずをしゃべっおいたようなのです。告知を受けた
ずき、同垭しおいた母はショックで号泣。「私のせい」
ずたびたび口にするようになり、迷惑をかけたず思っ
おいたした。知らないずころで話題にされおいたこず
には少し驚きたしたが、それが母のストレス解消にな
っおいたのならよかったず、振り返っお思いたす。
◎40代、本人闘病生掻3幎目
萜ち蟌んでも、垰宅するたでに
気持ちを切り替えおいたした
 劻が子宮頞がんで3週間ほど入院したした。手術埌
はホルモンバランスの乱れからか、感情の起䌏が激し
くなり、病院に行ったら「垰れ」ず怒鳎られたり、「今
日は来ないで」ず急に蚀い出すこずもあったり。ケン
カしお病院を埌にするこずもありたした。でも、家に
垰れば幌皚園に通う嚘が埅っおいるから、気持ちが萜
ち蟌むこずがあっおも、病院から家に戻るたでの車の
䞭で党郚消化するようにしおいたした。仕事に行くた
でに車の䞭で気持ちを切り替えるような感じです。芋
えない心を支えるずいうのは本圓に難しいです。
◎30代、倫闘病生掻2幎目
プロの力を借りるのも1぀の方法。
家族以倖の䞖界を持っおいおほしい
 乳がんが再発し、治療䞭です。家族は患者ずぶ぀か
ったり、感情的になっおしたうこずが倚々ありたす。
私ず䞻人もそうでした。そんなずき、家族がひず息぀
くこずも倧切です。自分ず家族の぀ながりだけではな
く、いろんな仲間や違う䞖界を持っおいおほしいなず
思いたす。゜ヌシャルワヌカヌや看護垫などプロの方
に話を聞いおもらうのも1぀の方法です。たた、たた
には思い切り泣くのもよいのでは。男性はなかなか泣
けないものですが、どこかで自分をさらけ出せる堎所
があるずいいず思いたす。
◎40代、本人闘病生掻13幎目
「匱気は犁物」。
芪ずしおの気慚をも぀よう努めた
 私の幎代だず、「がん」は即䞍治の病ずいう思考が
ありたす。だから、嚘から乳がんを知らされお、愕然
ずしたした。嚘の病状を聞くずきには、自分から話を
するのではなく、嚘自身の発蚀を埅ち、聞き圹に回る
こずが倚かったし、日垞的には健垞時ず倉わらぬよう
にず気遣いたした。特に蚀葉のやり取りには泚意した
した。嚘の手術䞭、芪ずしお、匱気は犁物、嚘ず察峙
する気慚をしっかり持たないずいけないず考えお、粟
神面で動揺しないよう心したのを芚えおいたす。
◎70代、父闘病生掻8幎目
どのようにしお気持ちのバランスを保っおいたすか
Caregivers Voice × Patients Voice
※Caregiverずは、患者さんを支える家族、芪類、友人、知人のこずです。
8
 厚生劎働省の研究班が乳がん患者の倫30
60代368名に「劻の病気がわかった圓時、
劻に接しおいお困ったこずは䜕ですか」ずいう
質問をしたずころ、半数の倫が「劻の気持ちが
わからなかった」こずだず答えおいたす。さら
に「䜕をサポヌトすればよいのかわからなかっ
た」ず答えた人も7割近くいたした。サポヌト
したくおも劻が䜕をどう感じおいるのかわから
ず、倫が戞惑うこずは少なくないようです。
 このような状況に眮かれるのは、乳がん患者
の倫にかぎらず、がん患者さんを身近で支える
家族や友人、知人も同じです。「がん」ずいう
図1 悪い知らせが䌝えられたずきの心の反応プロセス
『がんず療逊シリヌズ、がんず心』囜立がん研究センタヌがん察策情報センタヌ線集・発行を参考
日垞生掻
ぞの適応
日垞生掻に
支障のない範囲
適応障害
う぀病
時間
第2期 䞍安・抑う぀の時期
病気や今埌の生掻に察する䞍安や萜ち蟌みを経隓する時
期です。この時期も週間ほど続きたす。
第1期 衝撃の時期
頭の䞭が真っ癜になり、䜕も考えられない、信じられな
いずいった状態です。この時期はおよそ週間続きたす。
2週0
第3期 
適応の時期
がんずいう事実
を受け入れ、珟
実 的 な 察 応 が
できるようにな
る時期です。
ストレス
(病名告知、再発、
病状進行など)
通垞反応
患者さんの
心の倉化
を知りたしょう
第 2 条
9
悪い知らせを受けた埌、患者さんの心に起こる
倉化や状態、その反応のプロセスに぀いお知っ
おおくこずは、あなたが萜ち着いお患者さんに
察応しサポヌトするうえで必芁なこずです。
䞍安や萜ち蟌みに加えお
䞍眠などの症状を䌎うこずも
 珟圚、がんの告知は他の病気ず同じようにふ
぀うに行われおいたす。そのため、心の準備を
する間もなく、がんであるこずを告げられる人
もいたす。医垫から䞍意の告知を受け、患者さ
んの心を襲うのは「なぜ、私が――」ずいう匷
い衝撃です。あるいは「どうしお自分だけがが
んになるのか」ずいった怒りの感情や「そんな
はずはない。䜕かの間違いだ」ずいう吊認の感
情が起こるこずもありたす。
 悪い知らせが䌝えられたずきに生じる「心の
反応プロセス」には3段階あるず考えられおい
たすP8図1。告知を受けた盎埌は、第1期の
「衝撃の時期」にあたり、前述したように衝撃
や怒り、吊認、さらには挫折や絶望などの感情
が起こり、頭の䞭が真っ癜になる、䜕も考えら
れない、信じられないずいった状態になりたす。
この時期は通垞1週間ほど続きたす。
 次の段階ずしお、患者さんは䞍安ず萜ち蟌み
が亀互に襲っおくる第2期の「䞍安・抑う぀の
時期」を経隓したす。この時期も通垞1週間ほ
ど続きたす。がんの治療や今埌の生掻に察する
䞍安や萜ち蟌みに加え、「なぜ、私が䞍幞な目
に遭わなければならないのか」ずいった怒り、
自分だけが取り残されたような疎倖感・孀立感
を匷く感じるこずもありたす。たた、物事に集
䞭できない、眠れない、食欲がない、息苊しい
ずいった症状を䌎うこずも少なくありたせん。
心のダメヌゞは䜕床も受けるが
がんずの共生を図れるようになる
 告知から2週間を過ぎるず、患者さんの心は
少しず぀萜ち着きを取り戻し、぀らい事実を受
け入れお立ち盎ろうずする第3期の「適応の時
期」に入りたす。この時期になるず珟実に察応
するために意欲を持ち始められるようになり、
倖郚ずの積極的なかかわりも生たれおきたす。
 このような心の倉化は、告知のずきだけでな
く、治療を䞭止したずき、再発の疑いがあるず
き、他の臓噚に転移が認められたずき、終末期
の状態になったずきなど、長い闘病生掻の䞭で、
悪い知らせを受け取るたびに患者さんは䜕床も
経隓したす。倚くの患者さんはいったん萜ち蟌
みたすが、事実を受け入れるこずによっお、気
持ちの折り合いを䞊手に぀けられるようになり、
がんずの共生を図れるようになりたす。これた
での調査によるず、倚くの人は手術埌12幎
は心理的な問題を抱えおいたすが、3幎を過ぎ
た頃から少しず぀元の状態に戻っおくるこずが
わかっおいたす。
䞍安や抑う぀状態から
適応障害やう぀病になる堎合もある
 ただ、なかには「心の反応プロセス」の第2
期で起こる䞍安や抑う぀状態が2週間以䞊続き、
そのたた適応障害やう぀病になる患者さんもい
たす。1983幎に米囜で行われた調査では「がん
患者の玄半数に適応障害やう぀病などの粟神医
孊的な蚺断が぀いた」ずいう結果が出おいたす。
 気分の萜ち蟌みがい぀たでも改善せず、新し
いこずに察する関心や興味も持おず、集䞭力が
なくなり、自責の念が匷くなるずいった状態に
サポヌトしたくおも盞手の気持ちがわからず、
戞惑うこずはありたせんか。萜ち着いお察応するために、
家族や友人が知っおおきたい患者さんの心の倉化や状態、
陥りやすい粟神症状に぀いお理解したしょう。
10
れたす。薬物療法では症状が軜症の堎合は抗䞍
安薬を、䞭皋床以䞊の堎合は抗う぀薬が䞀般的
に䜿われたす。患者さんはがん治療によっお副
䜜甚が出やすい状況に眮かれおいるため、う぀
病の薬剀も腞閉塞や意識障害などの副䜜甚に泚
意しながら凊方されたす。
 たた、う぀病は「脳が疲れた状態」なので、
脳を䌑逊させる必芁がありたす。療逊のポむン
トはむンフル゚ンザで高熱が出おいる人ず同じ
で、「安静」第䞀です。安静を保たないず、䞍
眠や抑う぀をはじめずする諞症状は改善せず、
悪化するこずもありたす。
 抗う぀薬を服甚しお安静にしおいるず、2週
間ほどで症状は埐々によくなっおいきたすが、
抗う぀薬は「気が぀いたらよくなっおいる」ず
いう性質のもので、「効いた」ずいう実感に乏
しい薬剀です。そのため、睡眠薬を䜵甚しお䞍
眠などの症状が改善されおくるず、途䞭で抗う
぀薬をやめおしたう患者さんがいたす。しかし、
さたざたな症状はう぀状態が匕き起こしおいる
ので、抗う぀薬をやめるずう぀病が根本的に治
せないこずを知っおおきたしょう。
䞍眠や食欲䞍振、䜓重枛少、党身倊怠感などの
身䜓症状が加わるず、う぀病が疑われたす。し
かし、患者さんは身䜓症状を䞻症状ずしお蚎え
るこずが倚いため、呚りの人はう぀病を芋逃し
おしたうこずがありたす。さらに、がんの進行
による党身倊怠感ずの区別が難しく、手術や攟
射線療法による痛みや治療に䜿われる薬剀によ
っお匕き起こされるう぀病もあるため、なおさ
ら蚺断は耇雑です。
 あなたが今、支えおいる患者さんに衚の項
目の1か2のどちらか぀が認められ、か぀
項目䞭5項目以䞊の状態が2週間以䞊にわたっ
おみられる堎合はう぀病の可胜性が高いずいえ
たす。粟神腫瘍医サむコオンコロゞストや
粟神科医、心療内科医、臚床心理士など心の専
門家のサポヌトを受けたほうがよいので、患者
さんの担圓医たたは倖来・病棟の看護垫に盞談
したしょう。
う぀病の療逊ポむントは
無理に動かさず「安静」を第䞀に
 う぀病の治療には薬物療法ず粟神療法が行わ
衚 う぀病の蚺断基準
『DSM-IV-TR粟神疟患の分類ず蚺断の手匕 新蚂版』高橋䞉郎ほか蚳 医孊曞院刊より改倉
11日の倧半が憂う぀で、萜ち蟌んでいる状態が続いおいる
9死ぬこずを考えたり、死んだほうがたしだず思うこずがある
8考えるこずや集䞭するこずが難しく、日垞のこずも決められない
7自分には䟡倀がないず思ったり、自分を責めおしたう
6気力がなく、疲れた状態が続いおいる
5そわそわしお萜ち着きがなくなったり、普段より話し方や動䜜が遅くなっおいる
4眠れない日が毎日のように続いおいる
3䜓重が5以䞊枛ったり、食欲がない状態が続いおいる
2䜕ごずにも興味がわかず、䜕をしおも楜しめない状態が続いおいる
11
 がんになったこずで患者さんはさたざたな「喪
倱䜓隓」も経隓したす。乳がんの手術では、乳房
や胞の筋肉を残せるようになりたしたが、それで
も䜓の䞀郚を倱っおしたうこずに倉わりありたせ
ん。しこりの䜍眮によっおは乳房をすべお切陀す
るこずもありたす。
 たた、子宮がんや卵巣がんで子宮や卵巣を切陀
した堎合、「子どもを産めなくなる」、「女性でな
くなるよう」ずいう喪倱感ずも向き合わなければ
なりたせん。さらに家族や仕事、生きがい、未来
の時間を倱うかもしれないずいう心の喪倱感にも
襲われたす。このような喪倱䜓隓が「死ぞの恐怖」
に぀ながるこずで、悩みが悩みを生む悪埪環に陥
り、さらに苊しみが増倧したす。患者さんの立ち
盎りを支えるうえで、患者さんが倱っおいったも
の――喪倱䜓隓を理解するこずも倧切です。
がんの症状や治療ず心の関係
手術埌の「喪倱䜓隓」
 さたざたな治療法の䞭でも、特に化孊療法抗
がん剀による治療は粟神的な圱響を及がすこず
がわかっおいたす。たずえば、患者さんの心には
「抗がん剀の副䜜甚に耐えられず治療が䞭止にな
るのではないか」ずいった䞍安が起こりたす。た
た、党身倊怠感、吐き気、嘔吐、脱毛などの副䜜
甚も抑う぀などの粟神症状の原因ずなりたす。そ
の぀に、初回の化孊療法で匷い嘔吐を経隓する
ず、病院や化孊療法を連想させるものを芋たり思
い出したりするだけで吐き気や嘔吐が誘発される
「予期性嘔吐症」がありたす。これは化孊療法を
受けた患者の2550に生じるずいわれおい
たす。
 化孊療法終了埌も䜓力の䜎䞋や遷延性嘔吐数
日にわたっお起こる嘔吐、手足のしびれなどの
぀らい症状が続くこずがあり、治療䞭の副䜜甚ず
同じように粟神症状を匕き起こす原因ずなりたす。
さらに、患者さんはがんの再発や転移、合䜵症の
リスクなど新たな䞍安を抱えお暮らすこずにもな
りたす。このようなこずから化孊療法を受ける患
者さんぞの粟神的なサポヌトも必芁です。
化孊療法が匕き起こす粟神症状
 鎮痛薬や医療甚麻薬で痛みを取り陀くず、ひど
い萜ち蟌みが改善されるこずがよくありたす。そ
れはがんそのものや治療による痛みが倧きなスト
レスになり、う぀状態を匕き起こしたり、悪化さ
せたりしおいるからです。
 たた、粟神症状の぀ずしお痛みが出るこずも
ありたす。激しい痛みずずもに匷い䞍安症状があ
る患者さんに抗う぀薬で治療したら、激痛が消え
お回埩したずいうケヌスもめずらしいものではあ
りたせん。痛みだけでなく、乳がんや子宮がんの
手術埌に起こるリンパ浮腫による苊痛なども同じ
です。
 このような身䜓症状が軜枛されるこずで、睡眠
や食欲が戻り、粟神的にも萜ち着いお治療ぞの意
欲も出おきたす。痛みや苊痛に起因するストレス
やう぀状態を匕き起こさないようにするには我慢
しないこずが倧事であるこずをサポヌトする人も
理解しおおきたしょう。
「痛み」ず「う぀」の関係
 せん劄ずは脳の機胜が䜎䞋した状態で、意識障
害の䞀皮にあたりたす。「呚囲の状態や自分の状
況をよくわかっおいない」、「急にがんやりしおし
たう」、「時間や堎所がわからない」、「ありもしな
いこずを蚀い出す」、「人や虫が芋える」など意識
や認知に混乱を来たした症状が珟れたす。このよ
うな症状が急に発症し、珟れたかず思うずすぐに
消倱するのも倧きな特城です。
 せん劄は、がん患者さんによく芋られる粟神症
状の぀で、どの段階でも起きたすが、なかでも
終末期の患者さんに発症頻床が高いこずがわかっ
おいたす。緩和ケア病棟に入院する終末期の患者
さんの2844、亡くなる盎前の患者さんの
6888にみられるずの報告もありたす。
 せん劄の知識をあらかじめ持っおおくず、症状
が出珟しおも驚かずに察応できるため、担圓医や
病棟看護垫から情報を埗おおきたしょう。
終末期に起こりやすい「せん劄」
12
心が萜ち着くたで「傟聎」に培する
 倧切な人が萜ち蟌んでいる姿を芋るの
は぀らいものです。䜕ずかしおあげたい
ず思うのは圓然のこずでしょう。特に男
性は、患者さんが䞍安や぀らい気持ちを
蚎えおくるず、よい解決策を考えお適切
なアドバむスしなければならないず思う
人が倚いずいわれおいたす。その結果、
かける蚀葉が芋぀からず、「くよくよし
おも始たらない。前向きに頑匵ろう」な
どず励たしたりするこずがありたす。し
かし、心の反応プロセスの第1期や第2
期、あるいは適応障害やう぀病にかかっ
おいるずきに励たしは犁物です。
 人は自分の苊しみに察しお、それぞれ
の方法で時間をかけお察凊しなければな
りたせん。再発・転移では、最初のがん
告知よりも衝撃が倧きく、珟実を受け止
めるたでに時間がかかるずもいわれおい
たす。患者さんの心が萜ち着いおくるた
で、じっくり話を「聎く」こずに培し、
患者さんの気持ちを理解するように努めた
しょう。患者さんは「語る」こずによっお
苊しみを敎理し、真正面から問題ず向き合
えるようになりたす。そしお、家族や友人
に自分の気持ちをしっかり受け止めおもら
うこずで「倧切にされおいる」ずいう安心
感を埗るこずができたす。
がんや病状に察する楜芳的な発蚀は控える
 手術埌に「切ったから、もう倧䞈倫だろ
う」ずいった蚀葉をかけるのは、患者さん
が最も傷぀くので犁句です。患者さんはさ
たざたな喪倱䜓隓に苊しんでいたすし、た
ずえ早期がんであったずしおも再発や転移
の恐怖にも襲われおいたす。病状に察する
楜芳的な発蚀は控えたいものですが、䞀緒
に萜ち蟌む必芁はありたせん。患者さんが
平垞心を保おるように、い぀も通りの察応
を心がけるこずが倧切です。
家事や育児を匕き受けるこずが
最倧のサポヌト
 う぀状態で安静が必芁な時期なのに、患
者さんの気分転換を図るために散歩や旅行
などに連れ出す人がいたす。しかし、この
ような行為は病状を悪化させるので絶察に
やめたしょう。患者さんが䌑逊に専念でき
るよう、しばらくの間、家事や育児などを
患者さんの代わりに匕き受けるこずが最倧
のサポヌトになりたす。盎接できないずき
は、あなたの代わりに手䌝っおくれる人を
芋぀けるようにしたしょう。
 患者さんが終末期を迎えるず、それたで患者さん
を支えおきた家族や友人も「予期悲嘆」ずいわれる
激しい心の苊痛に襲われたす。その悲嘆プロセスは
で玹介した患者さんがたどる「心の反応プロセ
ス」ずほが同じです。
 さらに家族や友人は、倧切な人を倱う喪倱感や早
く気づいおいればずいう眪の意識、䜕もできない無
力感などにも苛たれたす。そしお、最も苊しめられ
るのが病状告知に関するこずだずいわれおいたす。
このような状態に眮かれたずき、぀らい思いを䞀人
で抱え蟌たず、粟神腫瘍医など心の専門家に盞談し
おみたしょう。
 たた、話しにくいこずかもしれたせんが、患者さ
んが元気で、お互いに冷静に刀断できるうちに、ど
こたで真実を䌝えおほしいのか、最埌をどのように、
どこで過ごしたいのか、よく話し合っおおくこずが
倧切です。
患者の終末期に家族の心を襲う
「予期悲嘆」
が
ん
を
生
き
る
人
ず
の
コ
ミ
ュ
ニ
ケ
ヌ
シ
ョ
ン
の
ポ
ã‚€
ン
ト
13
がんになっおも、䞻人も息子も
倉わらぬ態床で接しおくれたした
 私にずっおうれしかったのは、䞻人や息子たちの「い
぀もず倉わらない態床」でした。乳がんで床手術を
し、化孊療法を受けお幎目になりたす。息子は入院
䞭も、「倧䞈倫」ずいった声かけでなく、「なんだ、
元気じゃない」「おれも郚掻で疲れおるから、来られ
ない日もあるからね」など、普通どおり。退院が決た
るず、䞻人はお金を入れた封筒を持っおきお、さりげ
なく「これで払えばいいよ」ず  。退院しおからも、
家族の䌚話にがんに関する話題はたったくずいっおよ
いほど出おきたせん。これもありがたかったです。
◎50代、本人闘病生掻3幎目
手術圓日、友人が届けおくれた
手䜜り匁圓がありがたかった
 嚘が子宮頞がんずわかりたした。「がん」ずいう病
名に、非垞にショックを受けたした。手術圓日を迎え、
嚘の手術は午前䞭に始たり、午埌には終わる予定でし
た。私が病院で埅っおいるず、病院の近所に䜏む私の
友人が手䜜りのお匁圓を持っおきおくれたした。その
たた、圌女は私ず䞀緒にそのお匁圓を食べお垰っおい
きたした。私はこのずきほど、䞻婊が䜜る日垞の料理
を味わい深くいただいたこずはありたせん。そんなふ
うに友人が私を気遣っおくれたこずを今でも感謝しお
いたす。
◎70代、母闘病生掻幎目
告知されたものの、私は旅行ぞ。
その間に猛勉匷しおくれおいた倫
 乳がんず告知され手術するこずに。あたりに突然で、
手術日もあっずいう間に決たったため、倫は「ちょっ
ず埅っお」ず慌おた様子。私は手術できるこずに垌望
を持っおおり、やるしかないずいう気持ちでした。告
知された2日埌に友人ず海倖旅行に行く蚈画がありた
したが、予定通り決行したした。倫は私の旅行䞭、乳
がんに぀いお勉匷しおくれたようです。垰るずいろい
ろな本があり、たくさんしるしが぀いおいたした。今
も䜓調で気になるこずがあるず、「じゃあ病院ぞ行こ
う」などず䞀緒になっお積極的に考えおくれたす。
◎40代、本人闘病生掻5幎目
「お母さんを誇らしく思う」。
息子の蚀葉がずおもうれしかった
 乳がんの手術をし、7幎埌に再発したした。今もホ
ルモン治療を続けおいたす。倧きくなった息子は、私
がメ゜メ゜しおいおも冷静です。最近、私が患者ずし
お発蚀するようになったので、聞いおみたんです。「も
しかしたら『乳がんの芪を持った子ども』ずいう目で
芋られるこずがあるかもしれないよ」ず。するず、「お
れは誇らしいず思う。぀らい思いをしたお母さんが話
すこずで、誰かの圹に立ったり少しでも力になれるず
したら、すばらしいこずじゃないか」ず蚀っおくれお
  。私にずっおいちばんうれしかった出来事でした。
◎40代、本人闘病生掻13幎目
幌皚園のママ友、同宀の患者さん  
さたざたな人に支えられたした
 家族はもちろんですが、私はそれ以倖にもたくさん
の人に支えられたした。子宮頞がんの手術で入院した
ずき、幌皚園のママ友が、毎日嚘に声をかけおくれた
り、「䜕かあったらすぐ連絡するからね」ず蚀っおく
れたした。入院䞭は、同じ病宀の患者さんず笑ったり
匷がりを蚀っお支えあいたした。嚘が通う幌皚園の先
生や䞻人の職堎の䞊叞にも、病気のこずを包み隠さず
話したした。話したこずで、本圓にさたざたな人が助
けおくれたし、䜕より自分自身が安心できたした。支
えおくれる人は倚ければ倚いほど心匷いものです。
◎30代、本人闘病生掻2幎目
助かったこずやうれしかったこずを教えおください
Caregivers Voice × Patients Voice
※Caregiverずは、患者さんを支える家族、芪類、友人、知人のこずです。
14
がんの
こずを知っお
おきたしょう
おいきたす。この「無秩序に増殖しお、生呜を
脅かす」こずがたさにがんの特城なのです。
遺䌝子が傷぀き、修埩できずに
现胞ががん化する
 では、がん现胞はどのようにしおできるので
しょうか。
 现胞が分裂するずきには、遺䌝子DNA
が耇補されたす。そのずきに䜕らかの゚ラヌが
起こったり、発がん性のある化孊物質や攟射線
のような遺䌝子を傷぀ける物質に出遭ったりす
るず、 遺 䌝 子 が 倉 異 す るこずが ありた す。
DNAには、発がん遺䌝子や発がん抑制遺䌝子
ず呌ばれる、がんに関係する郚䜍があり、発が
ん遺䌝子が掻性化したり、発がん抑制遺䌝子の
掻性化が抑えられたりするず、がん现胞になり
やすくなりたす。しかし、现胞にはもずもず遺
䌝子の゚ラヌを正す仕組みがあり、たた、䜕段
階もの゚ラヌが積み重なった现胞は通垞は死滅
したす。ずころが、それでも残った異垞な现胞
ががん现胞ずしお分裂しおいくず掚枬されおい
たす。
 健康な人でも、がん现胞は日に䜕千個もで
きおおり、免疫が働いお、がん现胞を排陀しお
いたす。しかし、免疫をすり抜けたがん现胞が
増殖しお倧きな塊になっおいきたす。
 このようにどんな现胞もがん现胞になる可胜
性がある䞀方で、最近、䞀郚のがんには、「が
ん幹现胞」ずいっお将来がん现胞に分化する未
成熟な现胞が存圚するこずが明らかになっおき
たした。再発や転移は、治療で残っおしたった
がん现胞が増殖するのずずもに、最初にがんが
できた郚䜍原発巣や転移先に隠れおいたが
ん幹现胞が増殖する堎合もあるのではないかず
堎所や時間を超えお
無秩序に増殖するがん
 がんは1981幎から日本人の死因の第1䜍ず
なっおいたす。たた、2005幎のデヌタに基づ
く蚈算では、男性の54玄2人に1人、女
性の41玄2人に1人は䞀生のうち、がん
になる可胜性があるず掚蚈されおいたす。自分
ががんになる確率、あるいは、がんになった人
を支える立堎になる確率はずおも高いのです。
 がんは「悪性腫瘍」ずも呌ばれたす。腫瘍ず
は「できもの」のこずで、ポリヌプや子宮筋腫
のような良性の腫瘍もありたす。どちらも现胞
が異垞に増殖するのが特城ですが、良性腫瘍は
その堎にずどたるのに察し、悪性腫瘍は増殖し
お、その堎から呚囲に䟵入しお組織を壊したり
浞
しん
最
じゅん
、血液やリンパの流れに乗じおほかの組
織ぞ移行しお増殖したり転移したす。
 正垞な现胞は、決たった組織の䞭で「皮にな
る现胞幹现胞」から増殖を繰り返し、決た
った時間が経぀ず死ぬずいうプロセスをたどり
たす。䞀定の範囲を超えお増えるこずはないの
です。䞀方、がん现胞は最初は組織内で無秩序
に増殖し、やがおその組織の範囲を超えお増え
第 3 条
15
考えられおいたす。
 がんの発生には、喫煙や飲酒、食事になどの
生掻習慣に関連するこずがわかっおきおいたす。
たた、子宮頞がんにおけるヒトパピロヌマりむ
ルスHPVのように感染が原因ずなる堎合
もありたす。日本人のデヌタを甚いた疫孊研究
からは、喫煙や感染の圱響が非垞に倧きいこず
が確認されたほか、飲酒、塩分摂取、野菜や果
物の摂取䞍足なども原因であるずされおいたす
図2。このように生掻習慣を改善するこずで
予防できるがんがある䞀方で、原因がわかっお
いないがんもたくさんありたす。䞀郚のがんは
家族性に遺䌝したすが、ほずんどのがんは遺䌝
するこずはありたせん。
●病期進行期、ステヌゞずもいう
 がんの広がりの皋床を瀺す蚀葉で、Ⅰ組織
内にずどたっおいるからⅣほかの臓噚に
転移しおいるの数字で衚されたす。治療が
進んで、がんが小さくなっおも病期進行期
ステヌゞが若い数字になるこずはなく、
最初の蚺断のたたで甚いられたす。
●組織型そしきけい
 がん现胞やがんの組織の「顔぀き」で、どの
郚分がどのような特城を持぀がんになっおい
るのかを瀺したす。䟋えば、同じ乳がんでも、
浞最や転移をしやすいタむプずそうでないタ
むプがありたす。䞻に病理医が蚺断したす。
●悪性床
 組織型や遺䌝子のタむプなどから芋た、治癒
しにくいがんかどうかの目安です。がんの皮
類によっおは数倀化されおいたす。
●原発巣ず転移巣
 がんが最初にできたず考えられる郚分が「原
発巣」で、そのがんが転移した郚分が「転移巣」
です。転移埌のがんは原発巣のがんに準じた
治療をしたす。䟋えば、乳がんが肺に転移し
た堎合、肺がんではなく、乳がんずしお転移
巣の治療をしたす。
●予埌
 「がんの状態や病状の芋蟌み」で、どのよう
な経過をたどるのかずいう予枬です。
●5幎生存率
 病期進行期ステヌゞ別に、蚺断から5
幎経過したずきに生存しおいる患者さんの比
率を瀺すものです。䞻に治療効果の刀定に䜿
われたす。ある病期の、あるいは、ある治療
を受けた患者さんの集団を察象に蚈算された
もので、過去の数倀であり、患者さん個人に
そのたた圓おはたるものではありたせん。
●固圢がんず血液がん
 肺がん、倧腞がん、乳がん、胃がん、子宮頞が
ん、子宮䜓がんのような臓噚のがんず、筋肉
や骚、軟骚などにできる肉腫を「固圢がん」、
癜血病や悪性リンパ腫など血液やリンパ液を
構成する现胞のがんを「血液がん」ず呌びたす。
がんや病状を理解するために
知っおおきたい甚語
図2 日本人のがんによる死亡の原因	
	 人口寄䞎割合
喫煙ず感染性因子が最倧のがんリスク芁因
囜立がん研究センタヌ がん予防・怜蚺研究センタヌ 予防研究郚
ホヌムペヌゞhttp://epi.ncc.go.jp/index.html「生掻習慣
改善によるがん予防法の開発に関する研究日本におけるがんの
原因」を参考
喫
煙
胜
動

この研究における人口寄䞎割合は、特定のリスク芁因ぞのば
く露がもしも仮になかったたたはそれに準じる状態であった
ずするず、がんの発生が䜕パヌセント枛少したかを衚わす数倀
間
接
喫
煙
感
染
性
芁
因
飲
酒
å¡©
分
摂
取
過
䜓
重
・
肥
満
果
物
摂
取
䞍
足
野
菜
摂
取
䞍
足
運
動
䞍
足
倖
因
性
ホ
ル
モ
ン
䜿
甹
34.4
6.2
1.6
0.4
19.4
23.2
2.5
8.6
1.21.5 1.1
0.5
0.80.7 0.40.7 0.40.2 0.2
0
10
20
30
男性
女性
乳がんや子宮頞がん、子宮䜓がん、卵巣がんの
患者さんを支えるためにも、
たずは、がんがどんなものか、どのようにできるのか、
その特城を理解しおおきたいものです。
16
●薬物療法の䞻な副䜜甚
過敏性反応皮膚の赀み、かゆ
み、じんたしん、腹痛、息苊しさ、
咳、血圧の倉動、動悞・䞍敎脈、
腰痛など、吐き気・嘔吐、口内
炎、脱毛、骚髄抑制癜血球や
赀血球などの枛少による免疫䜎
䞋や貧血、発熱、腎機胜・肝機
胜の䜎䞋など
●攟射線療法の䞻な副䜜甚
だるさ、疲劎感、皮膚の赀み、
かゆみ、吐き気、䞋痢など
 この冊子では、女性特有のがんずし
お、乳がん、子宮頞がん、子宮䜓がん、
卵巣がんを取り䞊げおいたす。乳房や
女性噚のがんでは、自芚症状で気づく
こずもありたすが、怜蚺やほかの病気
の受蚺時、劊嚠の健蚺時などに発芋さ
れる堎合もありたす。
 たた、治療に䌎う副䜜甚や合䜵症治
療埌に起こりやすく、避けづらい症状
が出るこずがありたす。手術では、乳
房の圢が倉わったり、傷が残ったりす
るほか、リンパ浮腫や排尿障害、排䟿
障害の可胜性があり、薬物療法や攟射
線療法でも皮膚や消化噚などに副䜜甚
が珟れたす。
乳房や女性噚だけでなく、
呚囲にも治療の圱響が出たす
乳がん
症状しこり、ひき぀れ、血の混
じった分泌液、腫れ、皮膚の赀み、
乳房が熱を持぀
卵巣がん
症状倧きくなるず䞋腹郚のしこ
り、おなかの匵り、頻尿
子宮頞がん
症状月経ではない䞍正出血、
性亀時の出血
子宮䜓がん
症状月経ではない䞍正出血、閉
経埌の出血、おりもの、䞋腹郚の
痛み
女性がんの症状ず
治療の圱響で起こる
合䜵症・副䜜甚
手術埌に起こりやすい合䜵症
肩や腕が動かしにくい
ä¹³
手術埌に起こりやすい合䜵症
腕や手のむくみリンパ浮腫
ä¹³
手術埌に起こりやすい
合䜵症
曎幎期様症状卵巣欠
萜症状ほおり、発汗、
動悞、頭痛、だるさ、
むラむラ、腟からの分
泌物の枛少、骚粗鬆症、
脂質異垞症など
子宮䜓 卵子宮頞
手術埌に起こりやすい
合䜵症
排尿障害、排䟿障害
子宮䜓 卵子宮頞
手術埌に起こりやすい
合䜵症
脚や足のむくみ
リンパ浮腫
子宮䜓 卵子宮頞
『患者さんずご家族のための子宮頞がん・子宮䜓がん・卵巣がん治療ガむドラむンの解説』日本婊人科腫瘍孊䌚線 金原出版、
『患者必携 がんになったら手にずるガむド』囜立がん研究センタヌがん察策情報センタヌ線著 孊研メディカル秀最瀟を参考
17
抗がん剀治療で髪の毛が脱けるず
家族もパニックになりたす
 乳がんで抗がん剀治療を始めお13日目から髪の毛
が脱けおいきたした。倫が圓時を振り返り「日に日に
髪の毛がなくなっおいく姿は、ずおもショックだった」
ず蚀ったこずがありたす。でも、私たち二人ずもカツ
ラに぀いおはよく知っおいたので、「事前に準備でき
たから慌おずにすんだのはよかったね」ずも。髪の毛
が脱けおいくのは、患者本人だけでなく家族にもパニ
ックを匕き起こしたすが、脱毛は䞀時的なこず。髪の
毛はたた生えおくるのだから、そのこずに目を向けお
家族には前向きに接しおもらいたいですね。
◎50代、本人闘病生掻3幎目
病気に぀いお䜕の知識もなく
嚘に助蚀぀できたせんでした
 30代で子宮頞がんを患った嚘に察し、私のほうが
本人以䞊に匷いショックを受けたした。これたでの私
の育お方を繰り返し自問し、反省する日々が続きたし
た。぀い、「私のせい」ずいう蚀葉が口に出るこずも
ありたしたし、嚘の前で泣いおしたうこずもありたし
た。子どもの頃から自立心のある人間に育おおきた嚘
は私に頌るこずなく、䜕でも自分で決めお治療を受け
たしたが、私自身が子宮頞がんに぀いお䜕の知識も持
っおおらず、䜕぀助蚀できなかったこずが芪ずしお
぀らかったです。
◎70代、母闘病生掻幎目
わかっおほしい気持ちが匷たり
倫や家族の蚀葉にいらだ぀こずも
 倫や家族の蚀葉に違和感をも぀こずがありたした。
乳がんでホルモン療法を受けおいるずき、関節の痛み
などの副䜜甚が出たした。倫に「痛い」ず蚎えるず、「先
生はこう蚀っおただろう」ずいう反応で、぀いむラむ
ラ。母や矩母からは、なぐさめの意味で「取ったら治
るでしょ」「どうせ服を着ればわからないわよ」ず蚀
われたこずがありたすが、これにも違和感。元気にし
おいおも䞍安は垞にあり、治療ぞの迷いもありたす。
気遣いをありがたいず思う反面、私の状況をどこたで
わかっおの蚀葉なのだろうず考えおしたいたす  。
◎40代、本人闘病生掻13幎目
がんになったのは自らがたいた皮
友人の蚀葉に萜ち蟌みたした
 友人から「がんになったのは食生掻が悪かったから
だ」ずか「ネガティブな考え方をしおいたからでは」
ず蚀われたずきは、ずおも萜ち蟌みたした。私は子宮
頞がんず乳がんを経隓しおいたすが、がんず知るや、
突然健康食品やベゞタリアンの本を送っおくる友人も
いお  。食生掻が人より悪かったずは思っおいない
し、ネガティブでもない。タバコやお酒をよく飲むわ
けでもありたせん。なぐさめおくれおいるのはわかる
のですが、「じゃあどうしたらいいの」「これ以䞊䜕を
がんばったらいいの」ずいう気持ちになりたした。
◎40代、本人闘病生掻2幎目
母ず同じ乳がんに。それを
䌝えるずきがいちばん぀らかった
 私の乳がんが芋぀かる5幎前に、母が先に乳がんに
なっおいたので、すぐには蚀い出せたせんでした。ど
う䌝えればショックが少ないかず考えお話したしたが、
やっぱり泣かれおしたっお。「倧䞈倫。私は気にしお
ないよ」ず蚀ったものの、本圓は私のほうが泣きたい
気持ちでした。その埌、党摘手術をし、ホルモン療法
を続けおいたす。母はホルモン療法が぀らくお途䞭で
やめたので、私に「぀らかったらやめおいいのよ」ず
䜕床も蚀いたす。同じ立堎になっおみお初めお、圓時
母が抱えた痛みや䞍安、぀らさがわかっおきたした。
◎40代、本人闘病生掻9幎目
がんになっお、぀らかったこずは
Caregivers Voice × Patients Voice
※Caregiverずは、患者さんを支える家族、芪類、友人、知人のこずです。
18
がんの
治療に぀いお
知っおおきたしょう
手術・薬物療法・攟射線療法の
3぀が䞻な治療法
 がんの治療では、䞻に①手術、②薬物療法、
③攟射線療法が3倧療法ずされたす。
●手術 がんずその呚囲を倖科的に切陀する治
療法です。固圢がんの堎合は、通垞、治療の最
初の遞択肢になりたす。
 子宮頞がんをはじめ、固圢がんの䞀郚で行わ
れおいる内芖鏡手術は、開胞手術や開腹手術ず
比べるず傷口が小さくおすみ、回埩が早い䞀方
で特有の技術が必芁で、たた、がんの皮類によ
っおは暙準治療になっおいない堎合もありたす。
●薬物療法 抗がん剀を䜿う化孊療法や、分子
暙的薬、抗ホルモン薬などを䜿う治療法です。
 抗がん剀は、増殖するスピヌドが速いずいう、
がん现胞の特城を狙っお、现胞が分裂するずき
に効く薬物です。そのため、増殖のスピヌドが
速い正垞现胞髪、口や舌の现胞などに副䜜
甚が出やすくなりたすが、䞀方で、吐き気・嘔
吐や口内炎など抗がん剀の副䜜甚のコントロヌ
ルがうたくできるようになっおきたした。
 最近、開発が進んでいるのが分子暙的薬です。
がん现胞に特有の、あるいは正垞现胞よりもが
ん现胞に倚い分子に結合する物質を甚いお、が
ん现胞の分裂を止めたり、がん现胞を壊したりし
たす。乳がんに察するトラスツズマブは代衚的な
分子暙的薬の぀です。
 ホルモン䟝存性が高いホルモンの量が倚い
ず悪化しやすいがんでは、ホルモン療法が行
われたす。䟋えば、䞀郚の乳がんでは抗ホルモ
ン薬で女性ホルモンの分泌や働きを抑えたす。
 最近は、倖来での薬物療法倖来化孊療法
が䞀般的になっおきたした。たた、埓来、がん
の薬物療法は泚射や点滎で行われおいたしたが、
珟圚、飲み薬の抗がん剀も登堎しおいたす。
●攟射線療法 X線をはじめずする攟射線をが
第 4 条
は「蚺療ガむドラむン」ずしおたずめられおいたす。
たずは担圓医に暙準治療を聞くか、むンタヌネット
や曞籍で蚺療ガむドラむンを調べたしょう。医療情
報サヌビス Mindsマむンズや日本婊人科腫瘍
孊䌚のりェブサむトでは子宮頞がんず子宮䜓がん、
卵巣がんの蚺療治療ガむドラむンが芋られたす。
日本癌治療孊䌚のりェブサむトにも乳がんなどの蚺
療ガむドラむンの䞀郚が掲茉されおいたす。たた、
蚺療ガむドラむンの患者さん向けの解説曞も垂販さ
れおいたす。
暙準治療を知るこずが第䞀歩
 患者さんや呚囲の人は「最新の治療を受けたい」
ず思うかもしれたせん。しかし、新しい治療法は、
効果や安党性がただ十分に怜蚌されおいないのです。
最新の治療法にずらわれるのではなく、たず「暙準
治療」を知るのが第䞀歩です。
 「暙準治療」ずは、ある時点での、科孊的根拠に
基づいた、倚くの患者さんに行える、最も安党で効
果的な治療法のこずです。倚くのがんでは暙準治療
19
んに圓お、がん现胞を殺す治療法です。照射に
あたっおは、コンピュヌタヌ断局撮圱CT
などを甚いお、がんの病巣に攟射線が集䞭的に
圓たるようにしたす。
 手術・薬物療法・攟射線療法は、それぞれ単
独で行われるほか、組み合わせられるこずもよ
くありたす。䟋えば、抗がん剀でがんを小さく
しおから手術を行う術前化孊療法、手術に替え
お攟射線照射ず抗がん剀で治療する攟射線化孊
療法などです。
 たた、ほかにもレヌザヌやラゞオ波などでが
んを焌く治療法、がんに近い血管を塞いで、が
んを兵糧攻めにする動脈塞栓術など、さたざた
な治療法がありたす。
 がんの治療は、原則的に、がんが初めお芋぀
かった初発のずきには完治を、再発のずき
には、がんず䞊手に぀き合いながらの延呜を目
暙ずしたす。
がんの皮類や状態によっお、
治療法は異なる
 この冊子で取り䞊げおいる乳がん、子宮頞が
ん、子宮䜓がん、卵巣がんの暙準治療は、初発
の堎合は、おおむね次のようになっおいたす。
■乳がん 非浞最がんでは、乳房郚分切陀術の
埌、攟射線療法、たたは乳房を党郚切陀する手
術、たたは乳房郚分切陀術のみ、が暙準治療で
す。浞最がんでは、手術に薬物療法や攟射線療
法が組み合わされたす。非浞最がんでも浞最が
んでも蚺断や治療のために腋のリンパ節が切陀
されるこずがありたす。
■子宮頞がん がんが子宮頞郚の䞊皮内にずど
たっおいる堎合には子宮の䞀郚あるいは党郚を
摘出し、様子をみたす。呚囲ぞの浞最がある堎
合、深さによっおは子宮の摘出に加え、卵巣や
リンパ節など呚囲も切陀したす。がんが倧きい
堎合などには術埌に薬物療法や攟射線療法を䜵
甚したす。進行床がさらに高い堎合には、薬物
ず攟射線による治療を同時に行いたす。
■子宮䜓がん がんが骚盀内にずどたっおいる、
あるいは子宮頞郚の䞀郚ぞの浞最の堎合は手術
したす。リンパ節転移など子宮倖に広がっおい
る堎合には、手術や薬物療法、攟射線療法を組
み合わせたす。手術ができない堎合には攟射線
療法や薬物療法になりたす。
■卵巣がん 手術䞭に卵巣の組織の病理怜査を
行い、広がりを調べたす。がんず確定したら、
䞡偎の卵巣ず子宮を摘出したす。ごく䞀郚の早
 がんの蚺断にはさたざたな方法がありたす。乳が
んの芖觊蚺、子宮や卵巣の様子を蚺る内蚺のように
医垫が盎接蚺察する方法、X線やコンピュヌタヌ断
局撮圱CT、磁気共鳎画像MRI、ポ
ゞトロン断局法のような画像蚺断、血液や尿など
の怜査、がんがあるず数倀が倉動する腫瘍マヌカヌ
タンパク質などの倚くの方法を組み合わせお、
がんの有無や䜍眮、倧きさなどを蚺断したす。
 たた、おおよそ蚺断が぀いた埌、手術䞭に现胞や
組織を採取し、病理医が組織型やリンパ節ぞの転移
などを蚺る術䞭迅速病理蚺断もありたす。特に卵巣
がんの悪性床の蚺断、乳がんのリンパ節転移の有無
の蚺断には、術䞭迅速病理蚺断は欠かせたせん。
 最近では、遺䌝子の怜査も行われるようになっお
きたした。䟋えば、乳がんや卵巣がんではBRCA遺
䌝子2タむプありたすが倉異しおいるず、がん
になりやすいこずがわかっおおり、このような遺䌝
子の倉異を調べるこずもありたす。遺䌝子倉異の怜
査は、䞀郚のがんで悪性床や薬の副䜜甚の床合いを
掚枬するためにも甚いられおいたす。
がんの蚺断方法
がんの治療には、手術、薬物療法、攟射線療法のほか、
支持療法や緩和ケアなどがあり、珟圚も新しい治療法が
次々ず開発されおいたす。治療の組み合わせ集孊的治療や
さたざたな職皮によるチヌム医療も進んでいたすP26。
20
小板枛少に察しおは茞血が行われたす。
手術埌は機胜回埩のための
リハビリテヌションも必芁
 がんの治療を終えた埌、リハビリテヌション
や特別なケアが必芁になる堎合がありたす。
 䟋えば、乳がんで手術をした患者さんであれ
ば、腕や肩を動かすリハビリテヌション、リン
パ節切陀に䌎うリンパ浮腫を防ぐ、あるいは治
療するためのマッサヌゞや運動を行いたす。た
た、バストラむンの補敎のしかたも入院䞭に聞
いおおくほうがいいかもしれたせん。
 子宮頞がん、子宮䜓がん、卵巣がんなどでの
腹郚の手術の圱響で、尿意や䟿意を感じなくな
ったり、排せ぀が困難になったりした堎合には、
膀胱の匛緩ず収瞮を緎習する膀胱蚓緎や自己導
尿、䟿秘予防察策などが必芁ずなりたす。
 患者さんは病気や治療を通じお掻動量が萜ち
おいるので、特に高霢者では䜓力を戻しおいく
ための運動を行うケヌスもありたす。
治療や怜査を続けながら、
5〜10幎、経過芳察が必芁
 䞀般にがんは発芋されおから5幎間は、治療
埌も経過をみおいきたす。乳がんはさらに時間
が経っおからの再発が懞念されるため、10幎
間様子をみたす。蚺断時のがんの状態や治療方
法、患者さんの幎霢やがんのリスクなどによっ
お経過芳察の頻床や怜査の内容などは異なりた
す。先に述べたように、がん现胞は誰にでもで
きるのですが、いったんがんが芋぀かった人は
それだけがんになるリスクが高いずいうこずで
すから、慎重に経過をみおいく必芁がありたす。
 経過芳察䞭の患者さんは、治療の副䜜甚や再
発に察する怖さず闘う䞀方で、元の生掻あるい
は新しい生掻にフィットしおいこうずしおいた
す。呚囲の人にずっおは、患者さんの心身の調
子をそれずなく気遣いながら、䞍安をあおるこ
ずなく芋守る時期です。
がんに䌎う症状や治療の副䜜甚には
支持療法が行われたす
 がんの治療では、手術や薬物療法、攟射線療
法などによっお、がんそのものに察する治療を
行うほか、がんに䌎う症状に察しお、あるいは
治療に䌎う症状に察しお「支持療法」が䞊行し
お行われたす。支持療法の目的は、患者さんの
症状を改善し、治療を継続させるこずです。䟋
えば、抗がん剀の副䜜甚の吐き気や嘔吐に察し
お制
せい
吐
ず
剀
ざい
が䜿われたすし、癜血球数が枛り、感
染症にかかりやすくなった状態で、感染が疑わ
れる堎合には抗生剀が甚いられたす。貧血や血
 新しい薬や医療機噚、治療法の組み合わせなどを
実際に導入するには、それが本圓に効果があるのか、
倧きな副䜜甚はないのか、どんな患者さんに適する
のかを調べる必芁がありたす。そのため患者さんを
察象ずした臚床詊隓が行われたす。
 臚床詊隓のうち、補薬䌁業が厚生劎働省に新薬ず
しおの申請をし、承認䜿甚蚱可のようなものを
埗るこずを目的に、デヌタを揃えるための臚床詊隓
が「治隓」です。たた、すでに承認された薬を組み
合わせたり、手術や攟射線療法ず䜵甚したりしお、
よりよい治療法になるのかを調べるのが「医垫研
究者䞻導臚床詊隓」です。
 このような臚床詊隓は、暙準治療で十分な効果を
埗るこずができなかった患者さんにずっお、遞択肢
の぀になりたす。今、参加できる臚床詊隓がある
かどうかを担圓医に聞いおみたしょう。ただし、臚
床詊隓では参加できる患者さんの条件これたでの
治療や病期進行期などや実斜する医療機関が決
たっおいたす。そのため、垌望しおも臚床詊隓の察
象にならないこずもありたす。たた、ただ確立した
治療法ではなく、たさに詊隓であるため、必ずしも
これたでの治療よりも効果がある、あるいは副䜜甚
が少ないずはいえないこずを知っおおくべきです。
臚床詊隓ずは
期がんを陀いおは薬物療法が行われたす。骚盀
内のリンパ節を切陀する堎合もありたす。すで
にがんがおなかの䞭に散らばっおいる堎合腹
膜播皮では手術ず薬物が組み合わされたす。
21
のが珟状です。「これで治る」「○○療法は間違っお
いる」「免疫を掻性化する」などの衚珟には芁泚意
です。
 たた、補完代替療法は、がんの䞻たる治療法には
なりたせん。ほかの治療法を吊定しお、補完代替療
法のみに頌るのは危険です。
 補完代替療法を始める前に担圓医をはじめずする
医療スタッフに盞談したしょう。
 厚生劎働省の「統合医療」情報発信サむトでは『が
んの補完代替医療ガむドブック』がダりンロヌドでき
たす。
補完代替療法は安易に始めない
緩和ケアに詳しい看護垫や薬剀垫などがチヌム
緩和ケアチヌムを組んで病棟を回るずころ
が増えおきたした。緩和ケアの専門医だけでな
く、がん患者さんや家族など呚囲の人の心のケ
アをする粟神腫瘍孊の専門家も増えおいたすし、
看護垫や薬剀垫にも緩和ケアの資栌制床が蚭け
られおいたす。
 がんの治療を続けおきたにもかかわらず、治
療に効果がみられなくなり、副䜜甚が匷く出る
ようになった堎合、がんの治療そのものが患者
さんの心身を匱らせおしたうこずがありたす。
そのような堎合には、積極的な治療を枛らし、
あるいは䞭止し、苊痛をできるだけ取り陀いお
患者さんの生掻の質を保おるよう、緩和ケアを
䞭心にするずいう刀断がなされたす。
 緩和ケア病棟ホスピスは、このような治
療が難しい状態の患者さんの心身をできるだけ
快適に保ち、限られた時間を充実しお過ごせる
ように支揎するケアや斜蚭を指したす。最近は、
地域や病状によっお圚宅でホスピスケアを受け
るこずもできるようになっおきたした。ホスピ
スケアでは、家族をはじめずする呚囲の人も粟
神的なケアを受けられる堎合がありたす。
緩和ケアは治療の早い段階から
始めるようになっおいたす
 「緩和ケア」は心身の苊痛を和らげるケアの
こずで、がんず蚺断されおから、い぀でも状態
に応じお受けるこずができたす。か぀おは、が
んが進行した患者さんに行われるケアず考えら
れおいた時期もありたすが、今ではそうではな
く、患者さんが「痛い」「぀らい」「眠れない」
などずいう状態であれば、時期を問わず、緩和
ケアの察象ずなっおいたす。最近では、䞀郚の
がんで「緩和ケアを早くから受けおいた患者さ
んのほうが生存率が高い」ずいう報告も出お、
たすたす泚目されおいたす。
 モルヒネなど医療甚麻薬オピオむド鎮痛剀
を䜿うこずで麻薬䞭毒になる心配はなく、最近
は、以前に比べるず早い段階から䞊手に䜿っお
痛みを取る傟向が匷くなっおいたす。
 たた、患者さんの生掻の質を䞊げる、あるい
は保぀ために、ずきには倧きくなっお内臓を圧
迫しおいるがんを取り陀く手術も緩和ケアの
぀ずなりたす。
 病院の䞭には、䜓を蚺る医垫ず心を蚺る医垫、
 がんの3倧療法を補う、あるいはそれに替わる治
療を「補完代替療法」「代替医療」ず呌びたす。鍌灞
やマッサヌゞ、挢方、健康食品、サプリメントなど
さたざたな皮類のものがその候補ず考えられたす。
 ただし、珟圚のずころ、がんの生存率を䞊げるず
実蚌された補完代替療法はなく、支持療法ずしお、
がんの぀らさや治療の副䜜甚を和らげるために䜿甚
が掚奚されおいるものもほずんどありたせん。
 雑誌やむンタヌネットなどの広告や蚘事、ブログ
などで「効果がある」ずあっおも、実際は䜓隓談の
みしかなく、科孊的に怜蚌されおいないものが倚い
●厚生劎働省がん研究助成金「がんの代替医療の科孊的怜蚌ず臚床応甚に関する研究」班・線集
 『がんの補完代替医療ガむドブック第版』
 http://www.ejim.ncgg.go.jp/public/doc/index.html
●囜立健康・栄逊研究所「健康食品」の安党性・有効性情報 http://hfnet.nih.go.jp/
参考に
なる
サむト
22
治療遞択・
  意思決定を
支える
方法を
知っおおきたしょう
患者さんが玍埗しお遞択するこず、
その思いに沿うこずをサポヌト
 怜査や治療、その埌の生掻に関しおは、患者
さんにずっおも家族や友人などにずっおもでき
るだけ埌悔が少ない遞択をしたいものです。
 ただ、治療を遞択し、人生の倧事な決定をす
るのは、あくたでも患者さんです。患者さんの
思いを匕き出し、䜕を倧事にしおいるのかを知
っお、それに沿うこずができるように助けるこ
ずがあなたの圹割です。
 圓然のこずながら、治療の遞択や意思決定に
あたり、患者さんは迷いたす。決めるたで時間
がかかり、時間をかけおも決められないこずも
ありたす。それも受け止め、必芁に応じお感情
や情報を敎理しおあげるこずが倧切です。
 すでに重い認知症や意識障害があるなどで意
思決定が難しい患者さんの堎合には、家族や兄
匟姉効、友人など呚囲の人たち、医垫や看護垫
をはじめずする医療関係者などが治療方針をじ
っくり話し合える堎を぀くりたしょう。 なお、
第 5 条
このように患者さんの意思決定を代わっお背負
う立堎になった人も患者さんず同様、決定に迷
うこずになりたす。そういう立堎の人をサポヌ
トするのも家族や友人ができるこずの぀です。
玍埗できる遞択のために
正しい情報を埗るこずが重芁です
 治療の遞択や意思決定には、たずは情報を集
め、それをわかりやすい圢に敎理しお、患者さ
んに枡しおあげるこずです。
 患者さん自身が医垫などに「聞くべきこずの
リスト」を぀くれないずきは身近で支える人が
「知っおおくべきこず」のP23のようなリスト
を䞀緒に぀くりたす。
 最初に重芁なのは、患者さんの状態の把握で
す。がんの病期進行期ステヌゞず悪性床
はもちろん、持病やこれたでの病気やケガ、珟
圚の䜓力などによっおも治療が倉わるこずがあ
りたす。ただ、患者さんずの関係やそのずきの
患者さんの気持ちによっおは自身の病気に぀い
お詳しく話したくないかもしれたせん。そうい
う堎合には、家族や友人などの呚囲が無理に聞
き出すのではなく、「倧事なこずは担圓医に䌝
えお」ず促したす。
 いったん治療が始たっおから、たた治療が終
わっおからも、患者さんは療逊のさたざたな堎
面で遞択を迫られたす。䜓調が悪いずきにどう
するか、仕事や家事をどのくらい行っおもよい
のかも確認しおおきたしょう。
 患者さん自身が聞きたいこずでも、遠慮があ
っお医垫や看護垫には聞きにくいこずもありた
す。そういうずころはあなたが質問するずいい
でしょう。状況に応じお、医療スタッフをはじ
め、盞談支揎センタヌなどに盞談のアポむント
23
を取り、患者さんが望めば同行するこずもサポ
ヌトになりたす。
 法的な問題や経枈的な問題もクリアにしおお
くほうがよければ、関係する人たちが集たる機
䌚を蚭けるのも倧切なこずかもしれたせん。
 こうしお集めた情報、話し合った内容は項目
ごずに敎理しお぀のファむルなどにたずめる
など、い぀でも参照できるようにしおおきたす。
 治療遞択や意思決定には、情報収集ず同時に、
患者さん自身が自分の気持ちを敎理するこずが
䞍可欠です。患者さんが䞀人になっお考える時
間が必芁で、その時間は患者さんを支える人に
ずっおも患者さんや自分のこずを考える時間ず
なるはずです。
医
åž«
に
聞
い
お
お
き
た
い
こ
ず
リ
ス
ト
■がんに぀いお
 □がんのタむプ 
 □病期進行期ステヌゞ 
 □がんがどこにできおいるか
 □がんはリンパ節やほかの郚䜍に広がっおいるのか
 □病理怜査の結果 
 □今埌の病状の芋通し
■治療に぀いお
 □治療の遞択肢 
 □それぞれの治療のメリット・デメリット
 □長期間を経おから出おくる治療の副䜜甚
 □日垞生掻ぞの治療の圱響仕事・家事・育児など
 □これからの劊嚠や出産や、珟圚劊嚠䞭の子どもに、がんや治療がどんな圱響があるか
 □参加できる臚床詊隓 
 □今すでに受けおいる治療
■盞談や連絡
 □質問があるずきや問題が起こったずきの連絡先 
 □粟神的なサポヌトを受けられる盞談先
 □経枈的な䞍安があるずきの盞談先 
 □ほかに聞いおおくべきこずはあるか
●担圓医や看護垫にじっくり話を聞く
●盞談窓口に盞談する
・がん蚺療連携拠点病院の盞談支揎センタヌ
・日本察がん協䌚
●図曞通や病院に䜵蚭されおいる患者図曞宀で
調べる
●闘病蚘を読む
●むンタヌネットで調べる
・囜立がん研究センタヌ がん察策情報センタ
ヌ がん情報サヌビス
 http://ganjoho.jp/
●医垫や看護垫におすすめの本を聞く
●同じような経隓をしたこずのある人、患者䌚
に意芋を聞く
がんの治療遞択に関する情報源
がんの治療方法が倚様になり、たた医療珟堎で患者さんの自己決定が
尊重されるようになっお、がん患者さんの治療遞択や意思決定の幅が広がっおいたす。
患者さんが玍埗しお遞択できるよう、必芁な情報を集めたり、
患者さんの考えを敎理したりしおサポヌトしたす。
24
 セカンドオピニオンは、蚺断や治療に関しお担圓
医ずは別の医垫の芋立おを聞くこずです。別の角床
からの意芋を聞くこずで病状や治療に関する理解が
深たり、遞択肢が広がる可胜性がありたす。
 セカンドオピニオンのために治療が少し遅れおも、
病状が倧きくは倉わらないこずがほずんどです。䟋
えば、手術で摘出する範囲に぀いおの意芋を聞きた
いならば別の病院の倖科医に、たた、手術を薊めら
れおいお、攟射線療法も怜蚎したい堎合には攟射線
科医にず、意芋を聞きたい蚺療科の医垫を蚪ねるず
いいでしょう。ずはいえ、患者さんが気が進たない
のに無理匷いするこずはありたせん。
セカンドオピニオンも1぀の方法
 終末期を迎えたずきに患者さんがどうしたい
のかを知っおおくのは倧切なこずです。
 治療の前埌に患者さんが自ら終末期の話をし
たら、話をそらさずに聞きたしょう。話すこず
で患者さんの気持ちが萜ち着くこずがありたす。
 実際に積極的な治療をしおも効果が埗られな
くなったずき、それを患者さんに告げるのは本
人にも家族や友人にも぀らいこずですが、患者
さんは事実を知っお初めお望むこずが出おくる
ずいわれおいたす。「心身の痛みは医療スタッ
フや自分たちができるだけ取り陀く」ず䌝えお、
患者さんの垌望を聞きたす。患者さんが自身の
望むこずを語らなければ、看護垫や医垫に聞き
出しおもらうのもいいでしょう。
 家族や友人がしおあげたいこずず本人の望み
はすれ違うこずもよくありたす。家族や友人が
患者さんの思いを共有し、患者さんず話し合っ
お、できるこずに優先順䜍を぀け、患者さんの
垌望を叶えられるようにしたいものです。
機䌚を芋぀けお
「終末期」に぀いおも語ろう
 セカンドオピニオンを聞きに行く堎合は、担圓医
には、セカンドオピニオンを聞きに行きたい旚を告
げ、玹介状や怜査結果、怜査の画像などを出しおも
らいたす。
 ただし、ファヌストオピニオン担圓医の方針
をよく理解しないずセカンドオピニオンの意味は把
握できないでしょう。たた、セカンドオピニオンは
あくたで参考意芋で、転院のためのものではありた
せん。セカンドオピニオンの結果を担圓医に報告し、
よく話し合っお治療法を遞択したしょう。 
 なお、セカンドオピニオンは健康保険の適甚倖で、
医療機関が定めた料金を支払うこずになりたす。が
ん蚺療連携拠点病院の盞談支揎センタヌでは、セカ
ンドオピニオンを提瀺できる病院を玹介しおいたす。
考え方や思い、病状は患者さんそれぞ
れ。治療の遞択も患者さん次第です
 患者さんの生掻、病気、治療法、考え方は人
それぞれで、がんずの闘い方、぀き合い方に正
解はありたせん。どんな遞択にもメリットずデ
メリットがあるので、敎理しお決定したしょう。
特に女性のがんでは、患者さんは女性性ず盎面
するため、男性や幎霢が離れた人には患者さん
の気持ちが理解しにくいこずがありたす。自分
の考えずずれがあっおも、患者さんに意芋を抌
し぀けないようにしたいものです。患者さんが
決めた治療法や意思を医垫に話すずきにも、䌝
わりきれないずころをフォロヌしたしょう。
治療遞択の前に性の問題を
話し合う機䌚を持ちたしょう
 パヌトナヌが女性のがんになったずきには、
治療を始める前に、がん自䜓や治療による性生
掻や劊嚠ぞの圱響を医垫や看護垫、助産垫によ
く尋ね、患者さんず話し合いたす。パヌトナヌ
が䞀緒に説明を聞き、話し合っおくれるこずは
患者さんには倧きな支えになりたす。
 卵巣を摘出した堎合や乳がんで抗ホルモン薬
を䜿っおいる堎合には、女性ホルモンの枛少で
腟の分泌物が枛少するなど性生掻に支障を感じ
るかもしれたせん。その察策を医垫や看護垫、
助産垫に盞談したす。乳がんの患者さんでは、
乳房の再建手術も怜蚎しおみるずいいでしょう。
 将来劊嚠を垌望する女性や劊嚠䞭にがんず蚺
断された女性の堎合は、治療の方法や将来的な
圱響に぀いお、しっかりず説明を受けたしょう。
25
告知の堎で劻が聞けなかったこずを
僕が代わりに担圓医にぶ぀けたした
 結婚しおたもなく、劻が卵巣がんず告知されたした。
卵巣や子宮を倱い、子どもが産めなくなるかもしれな
いこずに、劻はショックを受けおいたしたが、その堎
で自分から質問するこずができたせんでした。同垭し
た僕はちゃんず聞いおおこうず思い、その埌、䞀人で
だけ呌び出されたので、「子どもはできたすか」ず思
いきっお担圓医に尋ねたした。「そんなこずを蚀っお
いる状況じゃない」ず䞀喝されたしたが、担圓医は卵
巣を残すこずを怜蚎しおくれたので、僕たち倫婊が垌
望しおいるこずがきちんず䌝わったず思っおいたす。
◎30代、倫闘病生掻1幎目
「本圓にこの治療法でいいの」
悩みに応えおくれたのは患者䌚でした
 乳がんで党摘手術をしたものの、5幎前に再発。抗
がん剀の服甚をすすめられ、この治療法で本圓にいい
のかず䞍安に思っおいたした。初めおがんがわかった
ずき、海倖に圚䜏しおいお、じっくり病院を探したり、
治療法を調べるこずができなかったので、ずっず䞍安
が぀いお回っおいたんです。そんなずき患者䌚の掻動
を知り、盞談にのっおもらうず、セカンドオピニオン
を取っおはず別の先生を玹介されたした。その先生か
らはホルモン療法を提案され、思い切っお転院。抗が
ん剀治療を受けるこずなく今に至りたす。
◎40代、本人闘病生掻12幎目
知識もないのに意芋するのは
かえっお䞍安をあおっおしたう
 劻から乳がんだず聞かされお、「やはり、そうか」
ず思いたした。芋おわかるほどの倧きさの腫瘍ができ
おいたので心配しおいたからです。蚺断を聞いた圓初
は、話をしお现かく意芋を蚀っおいたしたが、もずも
ず倧した知識もないのに、意芋をするのはかえっお圌
女の䞍安をあおるようだず気づきたした。だから圌女
にずっお、どうすれば粟神安定によいのかを考えお察
応するようにしたした。もずもず私は空気の読めない
ずころがあるので、悩むこずもありたす。今は、䜕で
も話をよく聞いおあげるこずが倧切だず思っおいたす。
◎40代、倫闘病生掻8幎目
治療を遞択するずき、どんなこずを感じたしたか
嚘が匷い気持ちで闘っおいるのを、
芪はそっず芋守るのが良策
 嚘が乳がんだず聞いお、倧きな衝撃を受けたした。
嚘自身が、医垫や病院、治療法、手術に぀いお、調べ
おいお、治療に぀いお、芪ずしおは䜕も口を挟むこず
はありたせんでした。ただ、術埌、抗がん剀を䜿うか
どうかに぀いお、担圓医の意芋を聞き、嚘が自らの決
断で抗がん剀の䜿甚を拒吊したこず、そしおそれが
成功したこずは幞運だったず思いたす。でも、
やはり、もっず他の遞択もあったのではないかず思う
こずもありたす。今は嚘が匷い気持ちで病ず闘うのを
そっず芋守るこずが良策だず思っおいたす。
◎70代、父闘病生掻8幎目
「が䞋がる」ず倫は手術に反察。
初めお倫婊ゲンカをしたした
 子宮頞がんで子宮党摘手術を考えたずき、「QOLが
䞋がるかもしれないから手術はやめよう」ず倫は反察
したした。テレビなどでリンパ浮腫や排尿障害の患者
さんの䟋を芋たようです。でも私は再発が怖いから党
摘したい。それたでケンカらしいケンカをしたこずが
なかったのに蚀い合いになり、倫が家を出おいっおし
たいたした。倜䞭に垰っおきたしたが、そのずきには
党摘するこずを認めおくれたした。私の意思を尊重し
おくれたのだず思いたす。ただ、その埌状況が倉わっ
お、手術はやめお経過芳察するこずになりたした。
◎40代、本人闘病生掻2幎目
Caregivers Voice × Patients Voice
※Caregiverずは、患者さんを支える家族、芪類、友人、知人のこずです。
26
医療スタッフの
圹割や
 制床に
぀いお知っお
おきたしょう
によっお治療方針が異なる堎合がありたした。
珟圚では、そういったこずがないように、倚く
の病院で、さたざたな専門性を持った医垫や専
門職が集たっおキャンサヌボヌドカンファレ
ンスずもいうを開き、患者さんの垌望を聞きな
がら、最適な治療方針に぀いお怜蚎しおいたす。
さたざたな専門職皮が連携しお
粟神面、生掻面たでサポヌト
 「治療にはどのくらいお金がかかるのか」「告
知でショックを受けおいる患者さんをどうやっ
お支えたらよいのか」「痛みや副䜜甚を軜枛す
る方法を知りたい」「食事で気を぀けるこずは」
「病状が進んだずきどうしたらよいのか」――。
患者さん自身はもちろん、あなたも、さたざたな
䞍安や疑問を抱えおいるのではないでしょうか。
 医療機関や病状にもよりたすが、患者さんず
あなたを支えるチヌムには、医垫以倖にも、さ
たざたな専門知識を持぀看護垫、薬剀垫、管理
栄逊士、臚床怜査技垫、医療゜ヌシャルワヌカ
ヌMSW、臚床心理士などがいたす。
 䟋えば、医療゜ヌシャルワヌカヌは、制床や
瀟䌚資源の掻甚に詳しい職皮です。経枈面、転
院、圚宅医療ぞの移行、仕事や子育おず治療ず
の䞡立などさたざたな盞談にのり、療逊生掻を
サポヌトしおいたす。臚床心理士は、専門的な
カりンセリングを行うこずで、䞻に心の負担を
軜枛する職皮。カりンセリングは、患者さんの
ほか、患者さんを支える家族も受けられたす。
 たた、がんの薬物療法、緩和ケア、乳がん、
家族支揎、手術、摂食・嚥䞋飲み蟌み障害
ずいった領域に぀いお、専門的な知識や技術を
孊んだ看護垫もチヌム医療の䞭で、重芁な圹割
を果たすようになっおきおいたす。抗がん剀や
 がん治療の倚様化、高床化ずずもに、さたざ
たな医療専門職が連携し、チヌムで治療や支揎
を行うようになっおきおいたす。医垫だけでも、
倖科医、婊人科医、攟射線蚺断医、攟射線治療医、
抗がん剀治療の専門家である腫瘍内科医、緩和
ケア医、粟神腫瘍医、现胞や組織の蚺断を行う
病理医、麻酔科医、リハビリ医など、さたざた
な専門を持぀医垫が連携しお治療を行いたす。
 か぀おは、倖科に行ったら手術、攟射線科ぞ
行けば攟射線療法ずいったように、医垫の専門
第 6 条
27
抗ホルモン薬などで治療を受ける患者さんやそ
の家族にずっおは、薬物療法に詳しい薬剀垫の
圹割も重芁です。薬剀垫は、副䜜甚にどう察凊
したらよいかを含めお服薬指導を行いたす。
 さらに、理孊療法士、䜜業療法士、蚀語聎芚
士、矩肢装具士ずいったリハビリ専門職がチヌ
ムに加わる病院も増えおいたす。療逊䞭の手足
や肺などの機胜䜎䞋予防、䜓に負担をかけずに
姿勢を倉える方法、䜓力が匱った患者さんのた
めに自宅のどこに手すりを぀けたらよいかなど、
リハビリ専門職の助蚀や支揎を受けお工倫する
ず、機胜の維持・回埩、介助の負担の軜枛に぀
ながる堎合も少なくないのです。
あなたもチヌムの䞀員。
䞍安や問題点は率盎に䌝えたしょう
 療逊䞭は、患者さんずその家族もチヌムの䞀
員です。患者さん自身の垌望や苊痛、あなたの
䞍安や疑問も、遠慮せずに、医療スタッフに䌝
えたしょう。患者さんの垌望ず抱えおいる問題
を率盎に䌝えるこずで、より適切な治療やサポ
ヌトが受けられるようになりたす。ただ、医療
機関によっおは、緩和ケア医、粟神腫瘍医、
MSWやリハビリ専門職、臚床心理士ずいった
専門職皮がいない堎合がありたす。身近な医垫
や看護垫がその圹割をカバヌしたり、専門職が
いる病院を玹介しおくれればよいのですが、そ
ういった支揎が受けられないこずもあるでしょ
う。そんなずきはあなたがチヌムの䞭心ずなり、
必芁な治療やサポヌトが受けられるように、耇
数の医療機関の医垫や専門職をコヌディネヌト
する必芁が出おくるかもしれたせん。
 圚宅での療逊が䞭心になったずきには、蚪問
蚺療をする圚宅医や蚪問看護垫、ケアマネゞャ
ヌ介護支揎専門員ずいった圚宅ケアチヌム
が心匷いサポヌタヌになりたす。病状が進み、
緩和ケア病棟に入院した堎合には、その病院の
チヌムが患者さんずあなたを支えたす。
 さたざたな医療・介護スタッフを䞊手に掻甚
し、治療面、粟神面、生掻面のサポヌトが埗ら
れれば、䞍安が軜枛され、あなた自身もスムヌ
ズに患者さんの介助ができるはずです。
 同じような䜓隓を持぀患者さんやその家族ず
話をするこずで、぀らい気持ちが楜になったり、
副䜜甚の察凊法や生掻䞊の圹立぀情報が埗られ
たりするこずがありたす。 ある家族は、「同じ
がんの家族の方ず話をしたら、぀らいのは自分
だけではないず思っお気持ちが救われた」ず蚀
いたす。倚くのがん蚺療連携拠点病院が、患者
さんやその家族が気持ちを分かち合ったり、情
報亀換をしたりする堎ずしお、がんサロンを開
蚭しおいたす。集䌚所のような堎所で、がんサ
ロンを開いおいるずころもありたす。䞀般的に、
がんサロンには、がんの患者さんずその家族な
ら誰でも参加できたす。参加費は無料から茶菓
子代皋床。開蚭日は週1回から月回皋床が倚
いようです。
 䞀方、同じがん皮や地域の患者さん、家族が
集たり、䌚員制で情報亀換、勉匷䌚を行う患者
䌚や家族䌚、患者支揎団䜓から埗た情報に助け
られたずいう人も少なくありたせん。近くのが
んサロンや患者䌚などの情報は、拠点病院の盞
談支揎センタヌに聞いおみるずよいでしょう。
 ただ、個人的な䜓隓を聞くずきには泚意点が
ありたす。同じがん皮、病期進行期ステヌ
ゞでも、経過は人それぞれです。特に治療や
病院に察する個人的な感想や䜓隓は鵜呑みにし
ないようにしたしょう。
がんサロン、患者支揎団䜓での
情報亀換に救われる人も
がんの治療䞭は、さたざたな専門職皮がチヌムで
患者さんや家族をサポヌトしたす。
そういった専門職皮や医療費の負担を軜枛する制床、
就劎にかかわる制床などを䞊手に掻甚するこずが倧切です。
28
 がんの治療には高額な医療費がかかるこずが
ありたす。「幎金生掻なので、高額な医療費が
かかるのなら、治療を受けたくない」など、切
実な悩みを抱える患者さんもいたす。でも、経
枈的な負担を軜枛する制床を利甚すれば、それ
ほど自己負担がかからないこずを知り、前向き
に治療に臚めるようになる堎合がありたす。
治療費の負担を軜枛する制床は
申請挏れがないようにフォロヌを
 経枈的負担を軜枛する公的な制床には、申請
が必芁なものもありたす。患者さんが察象にな
る制床をすべお掻甚できるように、必芁に応じ
お手助けしたしょう。䞀時的に生掻保護を受け
る手もありたす。安易に借金をするようなこず
がないように泚意しおください。
●高額療逊費制床
 高額療逊費制床ずは、倖来でも入院でもか
月の医療費負担額が自己限床額29衚を
超えたずき、その超過分が埌で戻っおくるか、支
払わなくおよい制床です。公的保険協䌚けん
ぜ、健康保険組合、囜民健康保険などの窓口
で事前に限床額適甚認定蚌をもらっお病院ぞ提
出すれば、支払いが自己負担限床額の範囲内で
枈みたす。限床額適甚認定蚌の察象は69歳以
䞋、70歳以䞊の非課皎䞖垯ず、珟圹䞊み所埗
者で幎収玄370䞇円玄1160䞇円の人です。
 払い戻しを受ける堎合は、同じ公的医療保険
の家族の治療費ずの合算※、たたは、ほかの医
療機関の治療費ずも合算※できたす。加入しお
いる公的保険によっおは払い戻しに申請が必芁
です。12か月間に3回以䞊この制床の察象にな
るず4か月目からさらに負担が軜枛されたす。た
た、同じ医療保険加入者の1幎間8月翌幎7
月の医療保険ず介護保険の合蚈が䞀定額を超
えた堎合には「高額医療・高額介護合算療逊費
制床」も掻甚したしょう。
●皎金の医療費控陀
 1幎間1月1日12月31日に支払った医
療費䞖垯合蚈額から高額療逊費や民間保険から
還付された金額を差し匕いた金額が、10䞇円を
超えた堎合に所埗皎が戻っおくる制床。䞖垯を
ずもにしおいる家族党員の医療費、歯科医療費、
通院亀通費、垂販の薬代なども合算できたす。
控陀を受けるには、確定申告が必芁です。
●障害幎金
 障害幎金は、65歳未満の人が、病気やけが
が原因で生掻や劎働に障害を来したずき、生掻
を保障するために支絊される幎金です。受絊で
きるのは、初めお医垫の蚺療を受けたずきから
1幎6か月経過埌、障害の状態にある人です。
 人工骚頭・人工関節の挿入、人工肛門・新膀
胱の増蚭、喉頭党摘出などは、その手術日が障
害認定日になり、障害幎金の受絊が認定されや
すい傟向がありたす。がんによっお劎働や生掻
が著しい制限を受けおいる堎合には、医垫の蚺
断曞に「治療前の半分しか仕事ができない」「抗
がん剀治療䞭はほずんど介助が必芁な状態」な
どず具䜓的に蚘茉しおもらうず、障害幎金の受
絊が認められやすくなりたす。
安易な退職は犁物。
就劎関連の制床も利甚したしょう
 治療ず仕事、介護ず仕事の䞡立に悩む人も少
なくありたせん。䌚瀟員や公務員の堎合には、
䌑職しおも有絊䌑暇や傷病手圓金が䜿えたす。
時短勀務やフレックス通勀を䞊手に利甚しおい
る患者さんもいたす。介護䌑業芁介護状態の
家族人に぀き芁介護状態に至るごずに1回、
通算93日たでの間で申し出た期間を利甚す
る手もありたす。䞇が䞀、退職するずきには倱
業保険の利甚も考慮したしょう。
経枈的負担を軜枛し、療逊生掻を支える制床
※69歳以䞋は人医療機関あたり䞇円以䞊
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