Editor's Notes
- OECD がデータを比較している 18 カ国のうちで、 1 日当たりの平均睡眠時間( 15 歳以上が調査対象)が最も長いのは、フランス( 530 分)。 9 時間近く睡眠を取っているわけで、日本人の感覚で言えば、子ども並みの長さである。もっとも、「愛の国」とされるフランスのデータであるだけに、本当に睡眠に充てられているのか、疑問に感じてしまう面もあろう。以下、米国( 518 分)、スペイン( 514 分)、ニュージーランド( 513 分)、トルコ( 512 分)、オーストラリア( 512 分)の順である。 ここで 1 つ気がつくのは、出生率が高い国ほど睡眠時間が長い傾向が観察されるということである。 OECD 報告書にある 2006 年のデータで比較すると、フランス( 1.98 )、米国( 2.10 )、ニュージーランド( 2.01 )、トルコ( 2.18 )、オーストラリア( 1.81 )という具合。一般に、中高年は若者よりも、睡眠時間が少なくてすむことが多い。人口構成の違い(若年人口が多いか、老年人口が多いか)が、平均を取った睡眠時間のデータに影響しているのだろう。ただし、睡眠時間第 3 位のスペインは、例外的に出生率が低い( 1.38 )。同国の場合は、シエスタ(昼寝)という伝統的な生活習慣ゆえの長時間睡眠だと考えられる。 逆に、睡眠時間が最も短いのは韓国( 469 分)。次いで日本( 470 分)、ノルウェー( 483 分)、スウェーデン( 486 分)、ドイツ( 492 分)、イタリア( 498 分)の順になっている。韓国と日本が平均睡眠 8 時間未満である。 これら短時間睡眠の国々には、出生率の低い国が数多く含まれている。 OECD の 2006 年データで見ると、韓国( 1.13 )、日本( 1.32 )、ドイツ( 1.33 )、イタリア( 1.35 )となっている。ただし、ノルウェーとスウェーデンという北欧 2 カ国については、出生率はそれぞれ 1.90 、 1.85 であり、高めである。緯度が高いところに国土が位置しており、白夜があることが影響していると考えられる。