The cove
- 3. の男性。映画のなかでは、イルカの肉に含まれる水銀について監督からインタ
ビューを受けている。
この研究者は、自分が出ているシーンをカットしてほしいと監督側と交渉中
だという。だがもちろん、映画はすでに世界中で封切りされている「この映 画
。
に出ているほかの人たちからも、ちゃんと許可をもらったのかどうか教えてほ
しい」通訳の英語を聞き終えると、オバリーは声を張り上げた。
「私は監督じゃないから(許可を取ったかどうかは)知らない。映画を撮った
のは私ではない。ただ、このことは逆に言いたい。この映画の中で、たった一つ
でも真実じゃない部分があるのか、ということだ」
『ザ・コーヴ』 日本のイルカ漁を隠し撮りした映画。
は、 当局の度重なる警告に
もかかわらず進入禁止区域に立ち入るなど、日本の法を犯して撮られたものだ。
映画そのものも 本当のところを言うと、
、
「 私たち自身もこういうやりかたで 撮
影したくなかった」という印象的なくだりから始まる。だがそんな合法か、非合
法か、といった問題すら見過ごされてしまうほど、この映画は強烈な印象を持
って、見る者を圧倒する。あるいはイルカを含めた捕鯨は、それだけ国際的にセ
ンシティブ(微妙)な問題に発展してしまったということなのだろうか。
この会見が行われる数日前 『ザ・コーヴ』は東京国際映画祭 (10 月 17~25
、