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やる気の見える化
エンゲージメント
2
エンゲージメント(ワーク・エンゲージメント)とは、感情とやる気をともなうポジティブな充実状態
のことを指し、活力(Vigor)、熱意(Dedication)、没頭(Absorption)の3つの側面からなる。
活力(Vigor) 熱意(Dedication) 没頭(Absorption)
エンゲージしている人は、仕事
の最中、エネルギッシュで、力
がみなぎり、活気に満ちている
と感じる。自信を持ち、パンチ
を効かせることができ、やすや
すとへこたれない。
エンゲージしている人は、仕事
との間に絆を感じ、仕事に熱中
している。職場で起こることに
対して無関心ではなく、積極的
に自らの職務に意見を出し、仕
事に誇りを持っている。
エンゲージしている人は、自分
の仕事に完全に熱中している。
いわば、仕事に引きこまれてい
るか、没頭している。集中し、
仕事にやりがいを見出し、自分
がすることに喜びを感じる。働
いている時に、しばしば時間を
忘れてしまう。
エンゲージメントが、パフォーマンス
と高い相関があることが様々な調査や
実験から明らかになっている。
Schaufeli(2002)
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やる気の見える化
エンゲージメントの調査
3
エンゲージメントを測定する方法であるユトレヒト・ワーク・エンゲージメント・スケール (UWES) を
もとにした調査方法(アンケート方式)で定期的に個人のエンゲージメントを調査する。
アンケートは図に示すようなフォーマットで、オンライン(ネッ
ト)形式になっています。URL をお知らせしますので、ブラウ
ザーで表示して回答してください。回答が終わったら下段にあ
る「送信」ボタンを押してください。
質問は全部で9つです。仕事に対してどのように感じているのか、
あるいは、思っているのかを記述していますので、この約1ヶ
月を振り返ってみて、それぞれの質問文のように感じた/思っ
た頻度を答えてください。
仕事を振り返ってみたとき、どのような思いや感情があ
らわれるのか、そして、それがどう変化したのかを調査
することで、主観的なものであるやる気を測定する。
調査結果は、活力(Vigor)、熱意(Dedication)、没頭
(Absorption)に分けて定量化(0 - 54)する。点数によりエ
ンゲージメントが「高い」「中間」「低い」の評価とする。
ユトレヒト・ワーク・エンゲージメント尺度(UWES)は 23ヶ国語に
翻訳されており世界各国での調査結果がある。
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エンゲージメントの定量化
4
調査結果は、活力(Vigor)、熱意(Dedication)、没頭(Absorption)に分けて定量化し評価する。
高い�
23%�
中間�
24%�
低い�
53%�
エンゲージメント�
UWES の調査結果によれば(23カ国での調査)、
年齢や性別の相関はなく、平均的には「高い」は
約 20%、「低い」も約 20% である。
高い�
18%�
中間�
35%�
低い�
47%�
活力�
高い�
12%�
中間�
65%�
低い�
23%�
熱意�
高い�
18%�
中間�
41%�
低い�
41%�
没頭�
エンゲージメントは個人により大きくばらつく。
値の大小に注目しがちだが、重要なのは個人ごと
に仕事への意欲・姿勢が違うということ。
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グループ別エンゲージメント
5
グループのエンゲージメントにも差異がある。グループのマネジメントの取り組みは、メンバーに受け入
れられていることが重要で、結果としてエンゲージメント向上につながる必要がある。
グループA
グループB
グループC
グループD
グループE
グループF
実際にグループのパフォー
マンスを見ると、エンゲー
ジメント評価と相関がある。
グループのマネジメントと
してエンゲージメントを上
げることは重要。
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チャレンジ・スキル・モデル
6
フロー理論にもとづいたチャレンジ・スキル・モデルにより個別の作業(タスク)に関するエンゲージメ
ントを測定する。
タスクを実行するときの挑戦レベルとスキルレベルで、その
ときの精神状態を計測する。このモデルによって、フロー状
態を生みやすいタスク、すなわち、エンゲージメントを高め
成長につながるタスクを分析する。
チャレンジ・スキル・モデル
フロー
コントロール
くつろぎ退屈無気力
心配
不安 覚醒
フロー理論
フロー理論とはハンガリー出身の心理学者
チクセントミハイが提唱した概念で、フロー
状態をつくることによって、人はモチベー
ション(エンゲージメント)が高まり、成
長や熟達を加速するというものである。
フロー状態とは「一つの活動に深く没入し
ているので、他の何ものも問題とならなく
なる状態、その経験それ自体が非常に楽し
いので、純粋にそれをするということのた
めに多くの時間や労力を費やすような状態」
と定義されている。フロー状態にあると
き、人は高いレベルの集中力を示し、楽し
さ、満足感、状況のコントロール感、自尊
感情の高まりなどを経験する。
•その瞬間にしていることへの、強く
焦点が絞られた集中
•行動と意識の融合
•内省的自意識(社会的行為者として
の意識)の喪失
•自分の行為を制御できるという感覚
•時間的経験のゆがみ(実際より早く
過ぎるように感じる)
•活動を行う経験自体が内発的な報酬
となるので、しばしば活動の最終目
標が活動を行うことの単なる理由づ
けとなる
フロー状態の側面(チクセントミハイ)
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チャレンジ・スキルの調査
7
タスク(作業)ごとの工数入力時に、チャレンジとスキルについての評価も入力してもらうことで、チャ
レンジ・スキル・モデルにもとづいた個別タスクに対するエンゲージメントを調査する。
チャレンジ
0 : 簡単すぎてチャレンジ要素なし
1 : 極めて低いチャレンジ
2 : かなり低いチャレンジ
3 : 比較的低いチャレンジ
4 : 少し低いチャレンジ
5 : 今の自分にあった適度なチャレンジ
6 : 少し高いチャレンジ
7 : 比較的高いチャレンジ
8 : かなり高いチャレンジ
9 : 極めて高いチャレンジ
10 : 高すぎるチャレンジでお手上げ
スキル
0 : 簡単すぎて能力を全く必要としない
1 : 極めて容易に対応できる
2 : かなり容易に対応できる
3 : 比較的容易に対応できる
4 : 少しだけ容易に対応できる
5 : 今の自分の能力・技術で適切に対応できる
6 : 少しだけ高い能力を必要とする
7 : けっこう高い能力を必要とする
8 : かなり高い能力を必要とする
9 : 極めて高い能力を必要とする
10 : 自分にはない高度なスキルが必要
「チャレンジ」は、その作業が自分にとっ
てどのくらいチャレンジなものだったの
か、その度合いを聞いています。「スキ
ル」は、その作業を行うのに自分がどの
程度のスキルを必要としたのか、その度
合いを聞いています。いずれも作業に対
する自分の主観的な姿勢の評価です。
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タスクに対するエンゲージメントの定量化
8
	
 11,275&h
•「無気力」「退屈」「心配」「不安」の作業は全作業時
間の約 50 % にもなっており、大きくエンゲージメント
を低下させていると考えられる。
•「フロー」「覚醒」「コントロール」「くつろぎ」は高
いエンゲージメントをもたらし、個人の成長につながる
作業であり、全作業時間の約 20 % を占めている。
•「適切」は不満のないバランスのとれた状態だが、個人
の成長のためには作業の難易度が少し高い状態になって
いる方がよい。
組織全体の傾向分析
チャンレンジ・スキル・モデルにもとづいた定量化により、個別タスク(作業)に対する意欲や姿勢だ
けでなく、成長機会としてとらえたときのタスクの妥当性を分析する。
定量化した結果は、タスクに対するパフォーマン
スだけでなく、仕事を通じた個人の成長につなが
るタスクをアサインできているかどうかの観点で
評価する。
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開発プロセスのエンゲージメント分析
9
	
 11,275&h
開発工程別の傾向分析
•「手配」「製品化」の無気
力の割合が多く改善の必要
性が高いと考えられる。
•「フロー」「覚醒」「コン
トロール」の比率が高いの
は構想設計、詳細設計であ
り、設計作業に集中できる
環境を整備することが重要
だと考えられる。
•トラブル対応も「フロー」
「コントロール」の比率が
高いが、「心配」の比率も
高いので注意が必要である。
開発プロセスごとの分析により、効率やパフォーマンスを向上するために取り組むべき工程や業務分担
の妥当性などを検討できる。個人のエンゲージメントにもとづいた分析であることが重要。
仕組み改善の観点に個人
のパフォーマンスの観点
を組み込むことが成果に
つながる。
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タスクのエンゲージメント分析
10
「製品化」の「無気力」の作業分類
作業分類 製品化
flow	
 rate 無気力
行ラベル 合計	
 /	
 effort	
 hours
製品マニュアル 408
部品構成表 128
納入仕様書 51
製品仕様書 10
生産検討会 10
ハード設計仕様書 9
仕様と課題(最終形確認) 7
外部I/F図 6
回路図 6
プログラム登録・配布 3
スタッフ会議 3
コンポーネンツリスト 2
原価構成表 2
生産検討会報告書 0
総計 644
•無気力率が高い「製品化」について、無気
力率となっている作業の詳細を分析した。
•「製品マニュアル」「部品構成表」が全体
の約 80 % を占めており、これらの作業改
善の優先順位が高いと考えられる。
ある個人の4月のタスク分析
•無気力率が高く、作業もしくは作業改善の
ための個別打ち合わせなどを計画する必要
があると考えられる。
•無気力のもっとも大きな作業は「出荷検査」
である。
タスク(作業)ベースのより詳細な分析が可能。タスクそのものの改善や、個人に対するタスク・アサ
インの改善などの基礎データとすることができる。
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  • 2. Copyright© 2014 RDPi Corporation Restricted Person Only やる気の見える化 エンゲージメント 2 エンゲージメント(ワーク・エンゲージメント)とは、感情とやる気をともなうポジティブな充実状態 のことを指し、活力(Vigor)、熱意(Dedication)、没頭(Absorption)の3つの側面からなる。 活力(Vigor) 熱意(Dedication) 没頭(Absorption) エンゲージしている人は、仕事 の最中、エネルギッシュで、力 がみなぎり、活気に満ちている と感じる。自信を持ち、パンチ を効かせることができ、やすや すとへこたれない。 エンゲージしている人は、仕事 との間に絆を感じ、仕事に熱中 している。職場で起こることに 対して無関心ではなく、積極的 に自らの職務に意見を出し、仕 事に誇りを持っている。 エンゲージしている人は、自分 の仕事に完全に熱中している。 いわば、仕事に引きこまれてい るか、没頭している。集中し、 仕事にやりがいを見出し、自分 がすることに喜びを感じる。働 いている時に、しばしば時間を 忘れてしまう。 エンゲージメントが、パフォーマンス と高い相関があることが様々な調査や 実験から明らかになっている。 Schaufeli(2002)
  • 3. Copyright© 2014 RDPi Corporation Restricted Person Only やる気の見える化 エンゲージメントの調査 3 エンゲージメントを測定する方法であるユトレヒト・ワーク・エンゲージメント・スケール (UWES) を もとにした調査方法(アンケート方式)で定期的に個人のエンゲージメントを調査する。 アンケートは図に示すようなフォーマットで、オンライン(ネッ ト)形式になっています。URL をお知らせしますので、ブラウ ザーで表示して回答してください。回答が終わったら下段にあ る「送信」ボタンを押してください。 質問は全部で9つです。仕事に対してどのように感じているのか、 あるいは、思っているのかを記述していますので、この約1ヶ 月を振り返ってみて、それぞれの質問文のように感じた/思っ た頻度を答えてください。 仕事を振り返ってみたとき、どのような思いや感情があ らわれるのか、そして、それがどう変化したのかを調査 することで、主観的なものであるやる気を測定する。 調査結果は、活力(Vigor)、熱意(Dedication)、没頭 (Absorption)に分けて定量化(0 - 54)する。点数によりエ ンゲージメントが「高い」「中間」「低い」の評価とする。 ユトレヒト・ワーク・エンゲージメント尺度(UWES)は 23ヶ国語に 翻訳されており世界各国での調査結果がある。
  • 4. Copyright© 2014 RDPi Corporation Restricted Person Only やる気の見える化 エンゲージメントの定量化 4 調査結果は、活力(Vigor)、熱意(Dedication)、没頭(Absorption)に分けて定量化し評価する。 高い� 23%� 中間� 24%� 低い� 53%� エンゲージメント� UWES の調査結果によれば(23カ国での調査)、 年齢や性別の相関はなく、平均的には「高い」は 約 20%、「低い」も約 20% である。 高い� 18%� 中間� 35%� 低い� 47%� 活力� 高い� 12%� 中間� 65%� 低い� 23%� 熱意� 高い� 18%� 中間� 41%� 低い� 41%� 没頭� エンゲージメントは個人により大きくばらつく。 値の大小に注目しがちだが、重要なのは個人ごと に仕事への意欲・姿勢が違うということ。
  • 5. Copyright© 2014 RDPi Corporation Restricted Person Only やる気の見える化 グループ別エンゲージメント 5 グループのエンゲージメントにも差異がある。グループのマネジメントの取り組みは、メンバーに受け入 れられていることが重要で、結果としてエンゲージメント向上につながる必要がある。 グループA グループB グループC グループD グループE グループF 実際にグループのパフォー マンスを見ると、エンゲー ジメント評価と相関がある。 グループのマネジメントと してエンゲージメントを上 げることは重要。
  • 6. Copyright© 2014 RDPi Corporation Restricted Person Only やる気の見える化 チャレンジ・スキル・モデル 6 フロー理論にもとづいたチャレンジ・スキル・モデルにより個別の作業(タスク)に関するエンゲージメ ントを測定する。 タスクを実行するときの挑戦レベルとスキルレベルで、その ときの精神状態を計測する。このモデルによって、フロー状 態を生みやすいタスク、すなわち、エンゲージメントを高め 成長につながるタスクを分析する。 チャレンジ・スキル・モデル フロー コントロール くつろぎ退屈無気力 心配 不安 覚醒 フロー理論 フロー理論とはハンガリー出身の心理学者 チクセントミハイが提唱した概念で、フロー 状態をつくることによって、人はモチベー ション(エンゲージメント)が高まり、成 長や熟達を加速するというものである。 フロー状態とは「一つの活動に深く没入し ているので、他の何ものも問題とならなく なる状態、その経験それ自体が非常に楽し いので、純粋にそれをするということのた めに多くの時間や労力を費やすような状態」 と定義されている。フロー状態にあると き、人は高いレベルの集中力を示し、楽し さ、満足感、状況のコントロール感、自尊 感情の高まりなどを経験する。 •その瞬間にしていることへの、強く 焦点が絞られた集中 •行動と意識の融合 •内省的自意識(社会的行為者として の意識)の喪失 •自分の行為を制御できるという感覚 •時間的経験のゆがみ(実際より早く 過ぎるように感じる) •活動を行う経験自体が内発的な報酬 となるので、しばしば活動の最終目 標が活動を行うことの単なる理由づ けとなる フロー状態の側面(チクセントミハイ)
  • 7. Copyright© 2014 RDPi Corporation Restricted Person Only やる気の見える化 チャレンジ・スキルの調査 7 タスク(作業)ごとの工数入力時に、チャレンジとスキルについての評価も入力してもらうことで、チャ レンジ・スキル・モデルにもとづいた個別タスクに対するエンゲージメントを調査する。 チャレンジ 0 : 簡単すぎてチャレンジ要素なし 1 : 極めて低いチャレンジ 2 : かなり低いチャレンジ 3 : 比較的低いチャレンジ 4 : 少し低いチャレンジ 5 : 今の自分にあった適度なチャレンジ 6 : 少し高いチャレンジ 7 : 比較的高いチャレンジ 8 : かなり高いチャレンジ 9 : 極めて高いチャレンジ 10 : 高すぎるチャレンジでお手上げ スキル 0 : 簡単すぎて能力を全く必要としない 1 : 極めて容易に対応できる 2 : かなり容易に対応できる 3 : 比較的容易に対応できる 4 : 少しだけ容易に対応できる 5 : 今の自分の能力・技術で適切に対応できる 6 : 少しだけ高い能力を必要とする 7 : けっこう高い能力を必要とする 8 : かなり高い能力を必要とする 9 : 極めて高い能力を必要とする 10 : 自分にはない高度なスキルが必要 「チャレンジ」は、その作業が自分にとっ てどのくらいチャレンジなものだったの か、その度合いを聞いています。「スキ ル」は、その作業を行うのに自分がどの 程度のスキルを必要としたのか、その度 合いを聞いています。いずれも作業に対 する自分の主観的な姿勢の評価です。
  • 8. Copyright© 2014 RDPi Corporation Restricted Person Only やる気の見える化 タスクに対するエンゲージメントの定量化 8 11,275&h •「無気力」「退屈」「心配」「不安」の作業は全作業時 間の約 50 % にもなっており、大きくエンゲージメント を低下させていると考えられる。 •「フロー」「覚醒」「コントロール」「くつろぎ」は高 いエンゲージメントをもたらし、個人の成長につながる 作業であり、全作業時間の約 20 % を占めている。 •「適切」は不満のないバランスのとれた状態だが、個人 の成長のためには作業の難易度が少し高い状態になって いる方がよい。 組織全体の傾向分析 チャンレンジ・スキル・モデルにもとづいた定量化により、個別タスク(作業)に対する意欲や姿勢だ けでなく、成長機会としてとらえたときのタスクの妥当性を分析する。 定量化した結果は、タスクに対するパフォーマン スだけでなく、仕事を通じた個人の成長につなが るタスクをアサインできているかどうかの観点で 評価する。
  • 9. Copyright© 2014 RDPi Corporation Restricted Person Only やる気の見える化 開発プロセスのエンゲージメント分析 9 11,275&h 開発工程別の傾向分析 •「手配」「製品化」の無気 力の割合が多く改善の必要 性が高いと考えられる。 •「フロー」「覚醒」「コン トロール」の比率が高いの は構想設計、詳細設計であ り、設計作業に集中できる 環境を整備することが重要 だと考えられる。 •トラブル対応も「フロー」 「コントロール」の比率が 高いが、「心配」の比率も 高いので注意が必要である。 開発プロセスごとの分析により、効率やパフォーマンスを向上するために取り組むべき工程や業務分担 の妥当性などを検討できる。個人のエンゲージメントにもとづいた分析であることが重要。 仕組み改善の観点に個人 のパフォーマンスの観点 を組み込むことが成果に つながる。
  • 10. Copyright© 2014 RDPi Corporation Restricted Person Only やる気の見える化 タスクのエンゲージメント分析 10 「製品化」の「無気力」の作業分類 作業分類 製品化 flow rate 無気力 行ラベル 合計 / effort hours 製品マニュアル 408 部品構成表 128 納入仕様書 51 製品仕様書 10 生産検討会 10 ハード設計仕様書 9 仕様と課題(最終形確認) 7 外部I/F図 6 回路図 6 プログラム登録・配布 3 スタッフ会議 3 コンポーネンツリスト 2 原価構成表 2 生産検討会報告書 0 総計 644 •無気力率が高い「製品化」について、無気 力率となっている作業の詳細を分析した。 •「製品マニュアル」「部品構成表」が全体 の約 80 % を占めており、これらの作業改 善の優先順位が高いと考えられる。 ある個人の4月のタスク分析 •無気力率が高く、作業もしくは作業改善の ための個別打ち合わせなどを計画する必要 があると考えられる。 •無気力のもっとも大きな作業は「出荷検査」 である。 タスク(作業)ベースのより詳細な分析が可能。タスクそのものの改善や、個人に対するタスク・アサ インの改善などの基礎データとすることができる。