GIS学会のマイクロジオデータ特別セッションで発表した内容です。

1. クラウドソーシングで拡がる
オープンストリートマップ
OpenStreetMap Foundation Japan
久保田優子

2. Open Street Map（OSM）とは？
 世界規模の世界地図作成プロジェクトとその成果物
 誰でも、好きな時間に、好きなものをマッピングできる
 成果は数分～数日程度で地図画像に反映される
 オープンライセンスのもと、データの二次利用が可能
 地図データはオープンデータライセンス（ODbL）
 地図画像やドキュメントはCCライセンス（CC-BY-SA）
 地図データはオリジナルフォーマット（*.osm）やESRI Shape形式で入
手可能
OSM
SHP
地図画像データサーバデータファイル

3. OSMのコミュニティとその活動
 ユーザ数
 世界で約200万人
 日本で約4000人
 日本での活動
 OpenStreetMap
Foundation Japan
 地域別コミュニティ
 主なイベント
メーリングリスト、
Twitterアカウント、
Facebookのコミュニ
ティ別グループもあり！
 マッピングパーティー
 各種勉強会
 State of the Map
(SoTM)
OSM Wikiでも
情報を公開中！

4. OSMの機能やツール①
 OSMアカウントでできること
 メッセンジャー機能
 友達追加機能
 日記公開機能
 OSMを使ったツール
 成果の確認
How did you contribute to OSM?
 他のマップとの比較
Map Compare
 ランキング
OpenStreetMap stats report

5. OSMの機能やツール②

6. OSMの活用事例
 社会的意義あり楽しくやりがいあるサブプロジェクト
 クライシスマッピング
東日本大震災、伊豆大島、広島土砂災害他
 Wheelmap
POIへのアクセスが
車いすで可能かを地図で表現
 まちづくり
京都府向日市、
愛知県新城市他
 ３D
F4 Map、OSM Building

7. OSMのデータの特徴
 構成図形の種類
 ノード（点）…施設、樹木など
 ウェイ（線）…道路、鉄道、境界線など
 エリア（面）…建物、河川面、土地利用など
 リレーション…ウェイ、エリアの集合体
 属性情報の構造
 キー（Key：属性）
タグの種類。name,landuse,oneway など多数
 値（Value：属性値）
■松屋の例
amenity=fast_food
branch=広島紙屋町店
capacity=33
cuisine=beef_bowl
drive_through=no
name=松屋
opening_hours=24/7
operator=松屋フーズ
smoking=no
takeaway=yes
toilets=yes
wheelchair=limited
ポイント
ウェイ
エリア

8. 使用するエディタ
 Webブラウザ系
 ブラウザから起動するエディタ。
 インストール不要。初心者向きUI。
 オンライン環境が必要。
 デスクトップアプリ系
 ソフトをインストールして起動する。
 オフライン作業や高度な編集が可能。
 モバイルアプリ系
 主にPOI入力に特化したフリーアプリ。
 現地調査しながらのマッピングが楽。

9. OSMのマッピングプロセス
アカウントの
作成
図形の描画タグの付与
データの
アップロード
アカウントの
作成
図形の描画タグの付与
データの
アップロード
 マッピング～データアップロードの繰り返し
 複数ユーザで同時に同じ図形を編集すると競合する
→データの整合性はどうやって維持する？
ユーザA
ユーザB

10. 競合回避対応
 Tasking Managerを使う
 複数人で局所的マッピングを
するためのサービス
 対象地域をマス目で分けて、
担当のマスを決める
→競合回避可能
 マッピングの進捗の把握が
しやすい
 競合対応コマンドを使う
 一部のソフトに競合チェック機能あり
 競合した場合、
どの編集内容を採用するかを選択可

11. まとめ
 OSMは時代が求めるマップである
 オープンな地図データの代表格
 防災、まちづくりなどの分野などで
幅広く活躍
 2014年グッドデザイン賞受賞
 OSMはクラウドソーシングの有力な活用例
 地域コミュニティ等によるマッパーの支援体制
 ゲーミフィケーション、ツール等を活用した成果の可視化、
モチベーションの維持
 お金や時間の制限を受けない強力な活動
 今後の課題
 迅速な災害対応
 アクティブユーザの育成・・・特に西日本