シェアハウスにおける共有に着目した環境行動研究

シェアハウスにおける
共有に着目した
環境行動研究
佐藤研究室修士2年佐藤誌津

14年1月21日火曜日

シェアハウスとは
「シェアハウス」として新築され
たり用途変更されたりしている建
築を指す。

友人同士が集まって住むもので
はなく、運営会社の運営とその募
集から成り、住人同士はすみかと
してそこに集まったほぼ他人であ
ることが多い住居とする。


なぜシェアハウスなのか
シェアハウスという欧米文化が流
入され、その数は急増している。

コミュニティ社会の希薄化が嘆か
れている反面、シェアハウスに集
う人々は他人との付き合いを求め
ている。

新しい住まい方として確立されつ
つある

発表次第
1.研究背景と目的
2.調査概要
3.環境行動要素からみた分類
4.所有形態からみた分類
5.行動の発生源からみた分類
6.事例の時間的移行
7.まとめ


1.研究背景と目的
近年シェアハウスは急増し、その数はここ５年で
10倍になった。
本研究では、人々が集まって住むことを目的に設
置されたシェアハウスにおいて、住まうことを通
じた共有の様態を体系的に整理し、人々が集まっ
て住む意味や価値を明らかにすることを目的とす
る。

2.調査概要
調査方法
・シェアハウスSへ2012

WC
3F

年11月∼2013年9月の
11ヶ月間入居者としての
参与観察調査

living room

kitchen
WC
2F

entrance
▽

shower

bath

WC

1F

・入居者へのヒアリング
調査


シェアハウスS平面図

2.調査概要
賃料

5.3万∼6.2万

築年月日

2012年7月

WC
3F

建物面積

198.52㎡
living room

建物構造

kitchen

木造

WC
2F

entrance

建物回数

地上3階地下2階

▽

shower

bath

WC

個人部屋数

13

所在地

東京都練馬区

1F

シェアハウスS平面図


2.調査概要
調査地における筆者の位置づけ
フィールドワーカーとして
完全なる観察者としての
参加者
参加者
＝参与観察者

参加者としての完全なる
参加者
観察者

住人として
異人に対する
ホストの対応

ホスト社会における異人の寄留目的


居住

成員性

＋

ゲスト

寄留者

新参者

フィールドワーカーとしての役割のタイプ

訪問

侵入者

内なる敵

マージナルマン

ストレンジャー関係の類型

2.調査概要
住人パーソナリティ
住人

性別

年齢

職業

雇用形態

休日

入居前居住形態

*011

male

36

UIデザイナー

フリーランス

土日

同棲

*021

male

41

無職

なし

毎日

不明

*031

female

27

アパレルMD

会社員

シフトによる

同棲

*041

female

23

学生

なし

土日

一人暮らし

*051

female

27

不動産管理

会社員

土日

同棲

*061

female

24

営業事務

派遣

土日

単身赴任の父と同居

*071

female

26

ウェディングプランナー会社員

主に火水

妹と同居

*081

female

31

営業事務

派遣

土日

ルームシェア

*091

male

24

企業引越

派遣

土日

シェアハウス

*101

male

35

カメラマン

会社員

不定期

実家

*111

female

27

建築士

会社員

不定期

シェアハウス

*121

male

45

ライター

フリーランス

不定期

同棲

*131

male

27

インテリアデザイナー

フリーランス

不定期

一人暮らし

*112

female

27

アパレル販売

会社員

シフトによる

一人暮らし

*122

female

24

会社経理

会社員

土日

実家


2.調査概要
居住期間
住人
*011
*021
*031
*041
*051
*061
*071
*081
*091
*101
*111
*121
*131
*112
*122


3.環境行動要素(場面の構成要素)からみた分類

人的環境
物的環境
規範(ルール,マナー)


代表的なエピソード
・新入居者に伴う
ウェルカムパーティー
・所有者が明らかな
食べ物を食べる

人的環境

・挨拶がない
・集まりに対する嫌気


・新入居者に伴う
ウェルカムパーティー

人的環境
→人が集まるきっかけであ
り、人が散るきっかけとなる

・挨拶がない
・集まりに対する嫌気


・家の中で音がたつことに
腹を立てる住人がものに当たる
・住人数に対して
冷蔵庫や靴棚の容量が足りない

物的環境


・住人の退居に伴う
家電,調理器具の不足

・家の中で音がたつことに
腹を立てる住人がものに当たる
・住人数に対して
冷蔵庫や靴棚の容量が足りない

物的環境
→トラブルの元となるもの。
解決にはMLが主に使われた。


・住人の退居に伴う
家電,調理器具の不足

・ルールが守られていない
・消耗品を購入する人が偏る

・掃除をする人が偏る




→ルール：守れない際には許
可を得ることで、問題回避
マナー：相互補完



⇅

→ルール：守れない際には許
可を得ることで、問題回避
マナー：相互補完


人的環境
物的環境
○：パーティーや感謝が起きるような明るい場面
×：注意喚起や煙たがられることがおきる場面
要素と場所における行動場面頻度

永続的独占
一時的独占
一時的共有
永続的共有


永続的独占
一時的独占
一時的共有
永続的共有


共有スペースに置いている個人所有のカトラ
...
リーや傘の独占

永続的独占

...

一時的独占 ... 共有スペースの独占、洗濯機乾燥機の独占
一時的共有
永続的共有


永続的独占

...

一時的共有 ... 個人のドライヤーやアイロン等の一時的共有
永続的共有


永続的独占

...

永続的共有


個人所有の冷蔵庫や調理器具の共有スペース
...
における共有


トラブルのもと

永続的独占

...


許可の有無
永続的共有


個人所有の冷蔵庫や調理器具の共有スペース
...
における共有


意図モデル

偶発モデル



意図モデル ... パーティーを開く

偶発モデル ... 夕食会や飲み会が起こる



→ML等で日程調整し、
事前に開催が決まっている




→ML等で日程調整し、
事前に開催が決まっている

→リビングに人が集まると
始まる


偶発モデル


偶発モデル

2人の際の食事時



偶発モデル



→3人目の出現により
[1人あたり１テーブル] がくずれ
3人が１つのテーブルに集まり、夕食会が始まる

13
12

12

12
11

10

パーティーの形式
9

→住人間でお金のやり取り
をできるだけなくしたい

割り勘

ポトラック

16

→ポトラック
11

12
住人数


1

2

3

4

5

住人の増加

13
12

12

12
11

10

パーティーの形式
9

→住人間でお金のやり取り
をできるだけなくしたい

割り勘

ポトラック

16

→ポトラック
11

12
住人数


1

2

3

4

5

13

下着事件

12

12

12
11

・他人が住んでいるシェア
ハウスのため、住人が疑わ
れる

10
9

9

20

19

・人的環境の問題となり、
事件による退居者が4名
あった
・安全面に関するルールが
追加された


11

21

18
17

11

12
住人数

1

2

3

4

5

6

冷蔵庫
13
12

12

12
11

11

10

10

9

9

1
1

2

4

3

5

備え付け冷蔵庫

共有用冷蔵庫

11

12
住人数


1

2

3

4

5

6

7


13

冷蔵庫
・住人の増加と共に容量不
足,不衛生な食品等の問題
が起こる
・冷蔵庫の減少に伴い話し
合いが持たれる
・棚卸しの定例化

12
11

11

10

10

9

9

1
1

2

4

3

5

備え付け冷蔵庫

共有用冷蔵庫

11

12
住人数


12

12

1

2

3

4

5

6

7

冷蔵庫の棚卸し

→

before


after

冷蔵庫の棚卸し
他人の食べ物には触れない
共有物にはシール／
共有したくないものは
そのまま入れる

before

→

不衛生なものがあれば捨てる

→

共有したくないものには記名／
共有するものはそのまま入れる

after


短期間で住人が増加
→問題が起きる
→問題の事実を知らせる(ML)
→解決する方向へ持って行く
→環境変化を起こし、ルールを整える


7.まとめ
シェアハウスに人々と住むことで...

新たな価値との出会い
対人能力
トラブル対応能力・未然回避能力
環境適応能力
許容力
人々を通じて自らを知る


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