Suggestions for Japanese language educational policy: Results of a survey of children who returned to South America
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JALT Presentation, Chiba, June 8, 2012 Report on my Kakenhi Research in South America on Nikkei Returnees from Japan
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Suggestions for Japanese language educational policy: Results of a survey of children who returned to South America
- 1. 大東文化大学教授 NPO法人多言語教育研究所創立者 2012年6月10日 JALP ミックメーヒル カイラン (Cheiron McMahill, PhD) 日本から母国に帰国した日系人家族への現地調査の結果 日本の言語政策に反映すべき外国人の実態と意見 問題提起:なぜ永住しないで帰国したのか？ 日本の言語教育政策のために、これらの家族の経験から 何が学べる？ １、日本の言語・教育政策と出稼ぎ労働者の実態とのギャップ ２、現地調査の結果：日本を出た理由と改善してほしいこと a. 母国のが良い？日本が良い？親子のギャップが苦しい b. 子供は母語を忘れていた c. 日本の学校のいじめが怖かった d. 日本の学校で、こうしたら良いのに
- 2. 研究の理論と背景 文部科学省：定住外国人の子どもの 就学支援事業 A.言語政策に潜んでいる イデ オロギーとは B.日本の言語政策を分析する 趣旨：日本語や教科指導等を行う教室を設置 には、実際にどのような事業に し、不就学・自宅待機等となっている子どもた 補助金と助成金を出しているか ちが公立学校等へ円滑に転入できることを目 指しています。 を調べる必要がある。 http://www.iomjapan.org//act/act_071.cfm （IOM 国際移住機関HPよ り抜粋） 文化庁：「生活者としての外国人」のた めの日本語教育事業 「趣旨：本事業は，日本国内に定住している外 国人等を対象とし，日常生活を営む上で必要 となる日本語能力を習得できるよう（中略）日本 語教育の推進を図ることを目的として平成19 年度から実施しています。」 http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/kyouiku/seikatsusya/index. html (文化庁HPより抜粋) 2
- 3. C. このような事業の裏付けとなっているイ デオロギーとは： 日本に来るのであれば 永住、または長期滞在する 日本の文化と言葉を習う 日本では日本語のみ 3
- 4. D. このようなイデオロギーと矛盾している外国人 （移民者、出稼ぎ労働者、マイノリティなど）の実態 1. 母国へ帰国、日本へ再来日を繰返す。 2. 日本の経済が悪化すると、、 3. 日本の厚生労働省がこのパターンを奨励している（労働 法の無視、帰国支援事業（人数、政策チェック、） ＊帰国支援事業による帰国者数は、２１，６７５人。（厚生労働省HPより抜粋） 4. 子供の日本での教育に不満がある家族が多い。この不 満が高まると帰国してしまうこともある。 ＊「４」について、文部科学省から3年間科研費で、南米の現地 に研究・調査をした。 4
- 6. 6
- 8. 現地調査の結果：ペルーに帰った理由 理由 回答数 個人的な理由（親の離婚、親の健康、親の死亡、家族に会いたい、い ２8 8 じめ、子供が日本人化していた、ホームシック、ビサが切れた） 子供の教育のため（日本での成績が悪かった、高校や大学に行けな 21 いと思った、スペイン語を忘れていた、ペルーの教育レベルの方が高い、 ペルーの方が専門職につく可能性がある） 日本の不景気(親の仕事がない、派遣切り） 17 無回答 ７ 回答人数:71人（ペルーの帰国生48人, その保護者21 人, アルゼンチンの元帰国生2人） 回答理由複数可能
- 9. 親の価値観、親が考える日本とペルーの教育について ペルーの制度や教育レベルは急激に向上しています。 今、ペルーの教育レベルはラテンアメリカでも１、２位を争 うくらいではないでしょうか。 ペルーのほうがいいと思います。日本では子どもは小中 学校で勉強しない。宿題もない。落第もしない。親は休 暇中に子どもを補習のために学校に送らなくていい。日 本の子どもはペルーの子どものようには勉強しません。 どんなに成績が悪くても、同じ学年を繰り返すことはあり ません。 9
- 10. 親の価値観、親が考える日本とブラジルの教育について (２４人のブラジル人の親からの回答２００９－１０） 経済危機で仕事を失ったお母さんは、息子の教育も大 変心配で、夫を日本に残し、ブラジルの実家に帰国し た。 「家では子どもたちとは意図的にポルトガル語だけで会話 していました。でも日本の公立学校へ行くようになると、子 どもたちは日本語を覚えて家でもポルトガル語で会話でき なくなってしまいました。近くにはブラジル人学校がなかっ たので、私は子どもたちを連れてブラジルへ帰りました。」 (2009年のインタビュー) 10
- 11. 子ども(ペルー)のカルチャーショック、ホームシック “私は日本へ帰りたい” ラ・ヴィクトリア校の 14 人の生徒 のうち 12 人が、ラ・ユニオン校の 21 人のうち８人が「イエス」と答えた。 (ペルー、リマ） イエス 自分の国だから。 イエス 日本の友達と遊びたい。日本の学校に通いた い。絶対に！ 戻りたい。この国は汚い。「きっと帰ってくるから」と日本 の友達と約束した。ここでは安心していられない。犯罪 が多すぎる。 イエス、イエス、イエス、友達と遊びたい。もっと思い出を 作りたい。 イエス 戻りたい。理由：空気がきれいだし友達と一緒に いたい。 イエス 友達は向こうにいるから。いとこやおばあちゃん 11 も向こうにいる。
- 12. 私はペルーのほうがいい。(子ども） ペルーの教育は日本の教育よりもずっと優れている。 （日本でほど成績優秀には）なれないと思う。（向こうで の）勉強のレベルはとても低かったから。 本当のことを言うと無理（日本ではきっと大学にいけな かった）。向こうでの成績はよくなかったし、お金もなか った。ペルーは（もっといい教育がある）、もっともっと勉 強する努力が必要。 日本だったら大学にはいけなかったと思う。中学では ほとんど勉強しなくていいから、たぶん勉強あきらめて た。ペルー（のほうがいい）、たいていもっと勉強しないと いけないから。 日本語で勉強するのは難しかったから（日本ではたぶ ん大学には行かなかった）。もっと勉強しないといけない 12 し、やることも多いから、ペルーのほうがいい。
- 14. 補足 帰国後、日本語を使う機会はありますか？ ブラジルの公立、私立学校の生徒２４人は： No ペルーの日系人私立学校の生徒４８人は： Yes, (ペルーのラ・ヴィクトリア校とドングリ クラブ） アルゼンチン：２０１１年から日本語が日亜学園で、ようやく単位として認められた。 帰国生の日本語を高いレベルで維持するためには個人の相当な努力や家庭教師 の雇用の必要性などが指摘されている。 14 アルゼンチンで成人した帰国生：日本語は仕事の中で現在使っています。
- 15. 母語を保持したかどうかの違い： ブラジルへの帰国生 2009年にブラジルでインタビューした子どもたちに聞きました。 →日本でポルトガル語能力を維持するために、ブラジル人学校かイン ターナショナルスクールに通学していた１４人の生徒は・・ →日本の学校のみに通っていた10人の生徒は・・ 「ポルトガル語を話していて間違ってるとお母さんは訂正 してくれました。でも、ブラジルに着いて地元の学校に 入ったら、それは十分じゃなかった。」(生徒I.F.T.、2010 年7月、ブラジル、サンパウロ州タクアリチンガ) 15
- 16. 日本の公立学校で、ポルトガル語を保持・発達するため の授業を 開講してほしいですか。(BRAZIL, 2009) ２４人の保護者：はい ２４人の帰国生：はい 日本の発展のために尽くしている日系人移民の子 どもたちに対して、無償で母国語（ポルトガル語）の 教育を与えてやってください。ブラジル人学校はと にかく私たちにはお金がかかりすぎるのです。(S家、 2010年8月、ブラジル、パラナ州アサイー) 16
- 18. 日本の学校で、無料でスペイン語の指導を与えた方が良い？ ( ペルーとアルゼンチンの帰国生 N= 48, NO REPLY= 2) 日本の公立学校でスペイン語を勉強 したかった。 ３６人 １２人 18 日本の公立学校でスペイン語を勉 強したくなかった。
- 19. 週何時間の週 19
- 20. 現地調査で分かったことその③ 日本の学校のいじめが怖かったから、 帰った家族もある。 20
- 21. 日本の学校でいじめられましたか。 （ペルーとアルゼンチン４１人の帰国生が回答） はい=17 人 いいえ=24 人 外国人という理由で、いじめられたと 答えた人：17人 「いじめられなかったが、友達 「外人、黒い」と言われた。 と喧嘩した時に、いつも「外 人」と言われた。実は、それが 日本語が笑われた。 本当に嫌だった」 （1人） 周りの外国人生徒も皆いじめられた。 暴力も振われた人：3人(うち１人は数 年にも渡りつらい経験をした） 21
- 22. よその国から来たから、みんな私の髪を引っ張たり、理由 もない のに 叩たり、生きてるが嫌になりました。 （リマのラ・ ユニオン校の生徒 ） 私がほかの人と違っていて、日本語を知らないから…。馬鹿にし たり、叩いたり、笑いものにしたりしました。 (リマのラ・ユニオン校の生徒） 22
- 23. ブラジル人の親24人からの回答 June 9, 2012 JALP 日本滞在において最も後悔したこと 13 • 日系の祖母 が、子どもに 要聞保 差別やいじ 子どものポ 多くの日本 望い護 はた者 めの経験を 語を要求し ルトガル語 が保持でき あとに した。 8 なかった。 1 ない。（特に 読み書き）, まこ日 6 りろ本 な、滞 日 か本在 っ語中 た 教の 育不 ブラジル人 に満 忙しすぎて 近くにブラジ 学校の学費 対に 子どもとの時 ル人学校が が高い, 5 すつい 間が取れな なかった。, るて 23 かった。 2 1
- 24. 24
- 25. ブラジルの親の提案？文科省・教育委員会・学校・教員 への提案（ペルー、アルゼンチンへの帰国者５０人） 英語だと５０人を対象。日 本語だと３２人（複数回答 有） どっち？ 回答人数親子 32人答えは複数あり
- 26. 今日の発表に基づいた論文は 今月以下の本に出ます： 「日本における言語教育環境の移民への影響─日系人帰国生家族の経験から」 執筆者： ミックメーヒル・カイラン/ 村元 エリカ トランスナショナルな「日系人」の教育・言語・文化過去から未来に向かって 2012 年６月□日 初版第１刷発行 編著者 森 本 豊 富 根 川 幸 男 発行者 石 井 昭 男 発行所 株式会社 明石書店 〒 101-0021 東京都千代田区外神田6-9-5 電 話 03（5818）1171 ＦＡＸ 03（5818）1174 振 替 00100-7-24505 http://www.akashi.co.jp 26
Editor's Notes
- This is a summary of my research concerns.
- It’s important to understand that Nikkei families’ employment is very unstable. They often cannot stay in Japan even if they want to. This means it is very important for them to maintain the L1.
- The economic crisis forced many Nikkei families to return to Brazil, etc.
- The response of the government was contradictory. There was a tendency to blame the victim.
- I am very grateful for the support of Erica Muramoto regarding our research in Brazil. In Peru and Argentina, I am indebted to the help of Jose Galvez, La Victoria, and La Union schools as well as the Donguri Club. In Argentina, the help of Nichia Gakuin was invaluable.
- Peruvian parents in particular preferred the Peruvian educational system, especially after returning and comparing it with the Japanese. Parents who had been away for years might have been surprised at improvements in their home countries.
- Brazilian parents felt strongly that Portuguese was the mother tongue, regardless of their Nikkei ancestry. Nikkeis cannot be assumed to desire cultural and linguistic assimilation in Japan.
- Many Peruvian students did not want to go back to Peru. They had assimilated to Japanese language and culture. It was hard for them to understand that their parents felt they had no choice. Perhaps parents were ashamed to tell their children how powerless they were to settle down in Japan and provide stability for their children.
- Returnees to Brazil are more spread out, often in rural areas. They have few options to use or maintain their Japanese. There are few Japanese-speaking teachers who can help them.
- Each time a child “returns” he or she must go through the painful cycle of re-adaption, a cycle which might be repeated five or six times in childhood.
- Parents and children realized the importance of maintaining the L1. Bilingual education is the simple solution to alleviating the suffering of returnees.
- Peruvian students in particular lacked access to ethnic schools, compared to Brazilians in Japan. Some parents turned to the PEAD program to help them maintain Spanish.
- Many Peruvian returnees recognized the benefits of being bilingual.
- Even one hour a week of L1 instruction would be very appreciated. Would it be so hard to allow this within Japanese schools?
- Parents and children were even more upset about anti-foreigner bullying than they were about the loss of the L1.
- This type of behavior would be considered a crime if it happened to adults…It can be seen as a major cause of Nikkei children dropping out of school.
- Brazilian parents also regretted their experiences with racism, ijime and discrimination.
- Returnee children themselves recognize the need for social support, even more than language support. Schools need clear anti-bullying, multicultural policies, that can be actually enforced.