テクノロジーとソーシャルメディア:
施設をデジタル時代に対応させる
はじめに
テクノロジーは私たちの生活に大きな変革をもたらしました。仕事や日常
生活などあらゆる場面における変化は目まぐるしく、どの産業も変貌・進化
し続けています。ヘルス・フィットネス業界にも、もはや以前の状況は考え
られないほどこの影響が浸透しています。
ソーシャルメディア、ネットワーク型フィットネス、ウェアラブルデバイス、
スマート技術対応のフィットネスクラブ、オンラインビデオストリーミング
の出現によりフィットネスの世界は大きく変貌を遂げました。今日の新た
なテクノロジーを積極的に取り入れなければ、会員を惹きつけることも、
他の施設より優位に立つこともできません。フィットネス事業を成長させ
るには、最新技術を取り入れ、ソーシャルメディアやオンラインストリー
ミングなどに対応することでサービスを拡張させる必要があります。
Integrus LLC 社の最高経営責任者兼 Fitness Industry Technology Council
(フィットネス技術審議会)議長の Bryan O’Rourke 氏はこう述べています。
「テクノロジー / デジタルを取り入れたサービス導入の最終目標は、既存
会員の定着を促すこと、そして潜在客や見込み客を入会に導くことです。」¹
フィットネス業界の専門家による、テクノロジー導入にあたっての要点を
ぜひご参照ください。テクノロジーを施設にうまく取り入れ、収益を伸ばす
ためのアドバイスが紹介されています。
1 IHRSA2015 education session “Revolutionary Opportunities Through Technology”(国際ヘルス・ラケット&
スポーツクラブ協会 2015 年度研修セッション「テクノロジーを介した革新的なビジネスチャンス」)。
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テクノロジーとフィットネスの融合. .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  . 2
テクノロジーを有効に取り入れ他の施設では
得られない環境を創り上げる. .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  . 4
オンライン技術を積極的に取り入れて事業を拡大させる. .  .  .  .  .  .  . 5
オンラインビデオストリーミングで新たな収益を得る. .  .  .  .  .  .  .  .  .  . 6
ソーシャルメディアでチームと会員の関与を高める. .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  . 7
目次
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テクノロジーとフィットネスの融合
21 世紀のテクノロジーブームを象徴するモバイルテクノロジーや
ソーシャルメディアにより私たちの生活は目まぐるしく変貌しました。
今や、毎日のように、新しいハイテク機器、アプリ、オンラインリソー
スが鳴り物入りで出現しています。新しいテクノロジーの中には一
過性のものもある一方、業界を変貌させるほどの威力を持つものも
存在します。多くの新技術が生み出される中、真に価値のあるもの
を見極めるにはどうしたらよいでしょうか?運動選手のための統合型
トレーニング分野で主導的存在である EXOS 社、および Red Whisk
Marketing 社は、ターゲット層を的確に把握することでテクノロジー
を的確に見極めることができるとの見解を示しています。2
EXOS 社 の 製 品 開 拓 部 門 長 John Golden 氏 は、 テクノロジーを
潜在顧客の分析に活用することができるとの見解を示してい
ます。「フィットネス分野を対象とするテクノロジーを導入する
ためには、ターゲット層を正しく理解していなければなりませ
ん。」² これは、ターゲット市場の競合分析や人口特性分析、また
Google で自施設を検索しインターネット上の知名度やレビューを
チェックすることなどで簡単に把握できます。
Integrus LLC 社 の 最 高 経 営 責 任 者 兼 Fitness Industry Technology
Council(フィットネス技術審議会)議長の Bryan O’Rourke 氏は次の
ように付け加えます。「我々はテクノロジーを通して、従来の境界を
打破するアイデアを探り、業界の常識から抜け出し、事業を異なる
面から捉えることができるようになりました。テクノロジーによって、
Uber や Netflix をはじめとする極めて有効で革新的なビジネスモデ
ルが誕生するに至っています。」¹
2 IHRSA2015 education session “The Transformation of the Fitness Industry Through Technology”
(国際ヘルス・ラケット&スポーツクラブ協会 2015 年度研修セッション「テクノロジーによる
フィットネス市場の変容」)。
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施設に新技術やマーケティング戦略を取り入れるにあたっては、フィット
ネス施設やワークアウトに関する会員の動向を理解することが重要な鍵
となります。動向を的確に把握できたら、会員を触発しチャレンジを
提供できるよう新しい観点から見直すことで、事業を一変できるだけで
なくフィットネス業界全体を変貌させられる可能性があります。
Golden 氏は、「フィットネスプログラムにテクノロジーを統合させるこ
とで、会員の定着を促し、また収益増加が期待できる」² と述べてい
ます。テクノロジーを単なるアプリやガジェットとしてだけではなく、
会員のアクティビティを追跡し有用なデータを得るための総合的な
システムとして活用することができます。こうして得られたデータを
スタジオプログラムの構成に役立てたり、会員が施設にいないとき
でも、直接つながることができます。
O’Rourke 氏は、次のように述べています。「ユーザーがアプリ、ウェア
ラブルデバイス、パーソナライズ機能に惹きつけられ利用者層が広が
るにつれて、フィットネス業界は急激に成長するはずです。収集したデー
タを基にユーザーの利用状況を把握し、一人ひとりのニーズにより合っ
たサービスを提供することができます。テクノロジーを活用して会員の
忠誠心を高め、定着を図ります。」¹
「テクノロジーを活用してフィットネス業界の常識・枠組みを打
破し、事業を異なる面から捉えることができるようになりました。」
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テクノロジーを有効に取り入れ他の施設
では得られない環境を創り上げる
ユーザーは何よりも優れた施設環境に惹きつけられるものです。施設利用者の
誰もが、安全で衛生的かつ活気ある環境づくりに施設が投資してくれることを期
待しています。
近距離無線通信 (NFC) 関連の電子機器を取り扱う Gantner 社の事業開発担当
マネージャーの Gerhard Pichler 氏は、適切な技術の導入が利益の増加につな
がる例をいくつか挙げています。テクノロジーの導入は、極めて大きな価値が
ある一方でより多くの資本投資も伴います。テクノロジーの活用事例をいくつか
ご紹介します。
•	 施設管理システム:会員専用のスペースなどを設けて会員を優遇しま
しょう。
•	 生体認証 : 指紋照合などによる生体認証は大規模の施設で理想的な
ソリューションとなります。瞬時に確実に認証できるため能率的に運用
できる上、会員にとっても会員証を携帯せずに施設を利用できるという
メリットがあります。
•	 ロッカー電子管理技術:ロッカーを有効に管理できるだけでなく、利用者
にとってもより安全で便利なソリューションです。
•	 キャッシュレス課金システム:飲食コーナーやスパで衝動買いを促し、
収益の拡大につなげられます。
•	 施設の自動化:スムーズな自動チェックインと効率的なロッカー運用を
実現し、また施設の使用状況を示すデータを得られます。³
テクノロジーを介して施設の機能を自動化することで効率的な運用を図ると
同時に、ユーザーにとっては高いセキュリティと快適な使用体験を提供すること
ができます。
3 IHRSA2015 education session “Using Technology to Drive Profits in Health Clubs”(国際ヘルス・ラケット&スポーツ
クラブ協会 2015 年度研修セッション「テクノロジーを活用したフィットネス施設の利益拡大」)。
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オンライン技術を積極的に取り入れて事業を拡大させる
技術が進歩した現代社会に住むユーザーを惹きつけるには、事業にテクノロジーを組み込むことが不可欠となります。この場合オンライ
ン戦略が効果的です。パーソナルブランドコーチの Vito Lafata 氏は次のように語ります。「顧客の心を掴むためには戦略的なオンライン
マーケティングの実施が必要不可欠となります。」4
同氏は、Web サイトの訪問者のデータを収集することで訪問者を見込み客に変換できることを強調しています。Web サイトにデータ収集
機能が組み入れられていない場合 Web サイト訪問者をデータ収集用のランディングページにリダイレクトすることで、顧客価値の最適化
(CVO: Customer Value Optimization) を図ることができます。4
マーケティング戦略を成功させるには、オンラインで事業計画を作成することが重要です。Lafata 氏は、オンラインの事業計画作成でリー
ド生成、プログラムの配信、セールス、基本的なカスタマーサービスを自動化できる点について述べています。リード生成機能の活用
は時間の節約になります。人の手を一切使わないわけにはいきませんが、オンライン事業戦略と CVO 戦略で事業をより成功へと導くこ
とができます。4
4 IHRSA2015 education session “Online Strategies to Grow Your Leads, Customers, and Revenue”(国際ヘルス・ラケット&
スポーツクラブ協会 2015 年度研修セッション「リード、顧客、収益を増やすためのオンライン戦略」)。
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テクノロジーとソーシャルメディア:施設をデジタル時代に対応させる
オンラインビデオストリーミングで
新たな収益を得る
今やフィットネス施設に足を運ばなくてもオンラインビデオストリーミ
ングによりパーソナルトレーナーのレッスンを受けられるようになりま
した。施設では、オンラインストリーミングの形態をとることで自宅に
いる会員にもバーチャル形式でワークアウトクラスを提供できます。
「バーチャルのトレーニングや指導、その他のデジタルフィットネストレ
ンドを収益化し、新たな収益源とすることができます」と O’Rourke 氏
は指摘しています。「多くのカーディオ機器メーカーの機器には、最初
からバーチャルトレーニングが直接組み込まれています。ゲームの要素
やフィードバックシステムが日常化しているため、ユーザーの間で競争
や目標設定が促され、独自の楽しい環境が生み出されます。」¹
Wexer Virtual 社の取締役副会長兼創設者である Rasmus Ingerslev 氏は
こう述べています。「今日の消費者は欲しいものをすぐに手に入れるこ
とに慣れているため、バーチャルトレーニングは大きな可能性を持っ
ています。実際のクラスの代わりとしてではなく、施設がダウンタイム
に陥ったときにも活用できます。」5
沢山のクラスを受け持つインストラクターは、バーチャルトレーニング
を活用することで、実際のクラスの参加者基盤を築きつつ自身の負
担を軽減できることが、Ingerslev 氏の調査から明らかになっています。
また、バーチャルトレーニングを最初の時期に導入したインストラク
ターが競争で優位に立つこともわかっています。5
仮想コーチングの導入には時間とコストが伴うものの、同氏は、長い
目で見ればコストは 1 クラスにつき高くて 1ドル程度ではないかと述
べています。
5 IHRSA2015 education session “Virtual Class: The End of Empty Studio Space”(国際ヘルス・ラケット&
スポーツクラブ協会 2015 年度研修セッション「仮想クラス:人気のないワークアウトセッションに
終わりを告げる」)。
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ソーシャルメディアでチームと会員の関与を高める
ソーシャルメディアは、近代極めて大きなインパクトをもたらした技術のうちの一つではないでしょうか。Facebook、Twitter、Instagram、
ブログやその他ソーシャルメディアなどの普及により、私たちが想像する以上にコミュニケーションの形は多様化しました。ソーシャルメディ
アのアカウントを持たない事業は多くの潜在顧客を逃しているのが現状です。
ソーシャルメディア戦略を立てることで、Web サイトトラフィックを増加させ、まったく新しい方法で会員を惹きつけるコンテンツを低いコス
トで構成することができます。
フィットネス分野の著名な起業家である Trina Gray 氏は、ソーシャルメディアで存在を確立し活発なオンラインコミュニティを構築する
ためのコツを挙げています。	 	
• Web サイトへのトラフィックを増やす:ソーシャルメディアに問い合わせリンクを設定し、リード生成を図ります。
• 施設を建設的に紹介する:Web サイト来訪者が施設に興味を持つよう紹介し、既存の会員や潜在会員と施設を繋げる方法を提
供します。
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テクノロジーとソーシャルメディア:施設をデジタル時代に対応させる
•	 実現できる目標を立てる:ソーシャルメディアページは気張りすぎない構成にします。カレンダーを組み込み、来訪者を惹きつける
情報や有用な情報を定期的に公開しましょう。
•	 セールス口調は避ける:読み手が興味を覚える内容を投稿することで、意義のある意思疎通を図ります。内容に関する反応や質問が
あったら、サイトで回答しましょう。
•	 サイト構成:既存顧客と潜在顧客がサポートや情報を得られるオンラインコミュニティを構築します。雑誌感覚でページを構成し、
栄養のアドバイス、健康の秘訣、その他質の高い記事、イベント情報や割引チケットなどを掲載しましょう。
「ソーシャルメディアを事業の戦略に活用して収益を	
伸ばすことができます。」
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•	 施設のプログラムについて触れ、関心を高める:. プログラムにイベントの色合いを持たせ、関心を持った会員や潜在会員とソーシャ
ルメディアを通して繋がりを作りましょう。
•	 スタッフとのコミュニケーションに活用する:オンラインでスタッフとのコミュニケーションを深める方法を探りましょう。
Gray 氏は留意すべき事項として以下を挙げています。「施設のページには読み手を惹きつける有用な情報やコンテンツを掲載します。
割引クーポン券などの宣伝ばかりでは、関心をなくされてしまいます。施設ブランドを広め、読み手がブランドを共有したくなるようなコン
テンツを提供しましょう。ソーシャルメディアを事業の戦略に活用して収益を伸ばすことができます。」6
フィットネス事業にテクノロジーを組み込む方法は数限りなくあります。デジタル時代に歩調を合わせることで、施設の気風、会員の関与、
そして収益を飛躍的に向上させることができます。
6 IHRSA2015 education session “Using Social Media to Engage Your Team and Members”(国際ヘルス・ラケット&
スポーツクラブ協会 2015 年度研修セッション「チームや会員とコネクトするためのソーシャルメディア活用法」)。
Precor は Amer Sports Corporation のブランドです。
詳細については www.amersports.com をご参照ください。
© 2016 Precor Incorporated. 本書に記載されている内容は、発行時点での正しい情報を反映するものです。
Precor は、事前通知なしに内容に変更を加える権利を留保します。2017 年 7 月 10 日、午後 5 時 8 分。
米国ワシントン州ウッディンビルを拠点とする Precor は、質の高い商用、家庭用フィットネスソリューションの
開発および製造を担っています。1980 年以来、Precor は EFX® Elliptical、Adaptive Motion Trainer® (AMT®)、
Preva® Networked Fitness などの革新的なフィットネスソリューションの開発における先駆者となっています。
Precor は、世界的に有名な Wilson、Atomic、Suunto、Salomon、Arc'teryx、Mavic などの姉妹ブランドを
擁する世界最大級のスポーツ用品会社、Amer Sports Corporation の傘下の会社です。
詳細については、以下をご参照ください。
precor.com

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