Software Test Technique

ソフトウェア開発の理想と現実
• 理想的な状況で開発できてる？？

• 理想は「トレードオフトライアングルがバランス」

• 現実は「増える工数、減る工期」

• もっとひどいと「コストカット…」

• 削られたスコープ（設計、実装、テスト）は…？

• 「テスト」
「テスト」が削られがち

効率的で精度の高いテスト実施が必要
• 少ない工数で効率的にバグを見つける必要がある

本日の目次
• デシジョンテーブルテスト
• 組み合せテスト

デシジョンテーブルテスト

デシジョンテーブルとは
• 複数の条件によって決定されるソフトフェアの動作を
一覧するための表
ルール (Y: Yes / N: No)
1 2 3 4 5 6 7 …
条
件
キャンペーン Y Y Y Y Y Y Y …
会員 Y Y Y Y N N N …
学生 Y Y N N Y Y N …
書籍 Y N Y N Y N Y …
ア
ク
シ
ョ
ン
20%OFF Y …
10%OFF Y Y Y …
通常料金 Y Y Y …

サンプル
• 密林ショップ配送料の仕様
– 通常配送料、350円
– お急ぎ便指定の場合、360円
– 2000円以上お買い上げの場合、通常配送無料
– プライム会員はお急ぎ便指定の配送料無料

ケース洗い出し方法
1. 「条件」と「アクション」を抜き出し
2. 「条件」のルールを埋める
3. ルールを適用した際の「アクション」を埋める

1. 「条件」と「アクション」を抜き出し
項目内容
条件
プライム会員
2000円以上購入
お急ぎ便
アクション
配送料 = 360円
配送料 = 350円
配送料 = 無料

2. 「条件」のルールを埋める
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件
プライム会員 Y Y Y Y N N N N
2000円以上 Y Y N N Y Y N N
お急ぎ便 Y N Y N Y N Y N
ア
ク
シ
ョ
ン
配送料無料
配送料350円
配送料360円
Y, N は機械的に交互に入れていき
整理は後で行う

3. ルールを適用した際の「アクション」を埋める
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件
プライム会員 Y Y Y Y N N N N
2000円以上 Y Y N N Y Y N N
お急ぎ便 Y N Y N Y N Y N
ア
ク
シ
ョ
ン
配送料無料 Y Y Y Y Y
配送料350円 Y
配送料360円 Y Y

デシジョンテーブルの整理
• 以下の４つの手法で整理する
– 矛盾条件の削除
– 簡略化（類似条件の集約）
– 表の分割
– ３値以上の条件

デシジョンテーブルの整理（矛盾条件の削除）
• 矛盾する条件のアクションには
「N/A」（Not Applicable）を記載
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18歳以下 Y Y Y Y N N N N
65歳以上 Y Y N N Y Y N N
旧作 Y N Y N Y N Y N
ア
ク
シ
ョ
ン
10%OFF N/A N/A Y
20%OFF N/A N/A Y
50%OFF N/A N/A Y Y Y
割引なし N/A N/A Y
DVDレンタル料金の割引のデシジョンテーブル

デシジョンテーブルの整理（簡略化）
• 複数ルールを１つにまとめて簡略化
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ア
ク
シ
ョ
ン
10%OFF N/A N/A Y
20%OFF N/A N/A Y
「旧作」かどうかに関わらず
「アクション」は「N/A」

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件
18歳以下 Y Y Y N N N N
65歳以上 Y N N Y Y N N
旧作－ Y N Y N Y N
ア
ク
シ
ョ
ン
10%OFF N/A Y
20%OFF N/A Y
50%OFF N/A Y Y Y
割引なし N/A Y
「－」（どちらでもよい）
としてまとめる

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18歳以下 Y Y Y N N N N
65歳以上 Y N N Y Y N N
旧作－ Y N Y N Y N
ア
ク
シ
ョ
ン
10%OFF N/A Y
20%OFF N/A Y
50%OFF N/A Y Y Y
割引なし N/A Y
まとめたからテストケースが減る
という訳ではない

デシジョンテーブルの整理（分割）
• 条件の中で関連性の弱いもの（独立性が高いもの）は
別表へ分割する
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18歳以下 Y Y Y Y Y Y Y Y N N N N N N N N
65歳以上 Y Y Y Y N N N N Y Y Y Y N N N N
旧作 Y Y N N Y Y N N Y Y N N Y Y N N
毎月1日 Y N Y N Y N Y N Y N Y N Y N Y N
ア
ク
シ
ョ
ン
10%OFF N/A N/A N/A N/A Y
20%OFF N/A N/A N/A N/A Y
50%OFF N/A N/A N/A N/A Y Y Y Y Y Y Y Y Y
割引なし N/A N/A N/A N/A Y
条件が１つ増えると
ケースは2倍になる

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18歳以下 Y Y Y Y N N N N －
65歳以上 Y Y N N Y Y N N －
旧作 Y Y Y N Y N Y N －
毎月1日 N N N N N N N N Y
ア
ク
シ
ョ
ン
10%OFF N/A N/A Y
20%OFF N/A N/A Y
別表1 N/A N/A Y
独立性が高いものは１つへ集約

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ア
ク
シ
ョ
ン
10%OFF N/A N/A Y
20%OFF N/A N/A Y
別表1 N/A N/A Y
別表へ飛ばす

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ア
ク
シ
ョ
ン
10%OFF N/A N/A Y
20%OFF N/A N/A Y
別表1 N/A N/A Y
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件
18歳以下 Y Y Y Y Y Y Y Y
65歳以上 Y Y Y Y N N N N
旧作 Y Y N N Y Y N N
ア
ク
シ
ョ
ン
10%OFF
20%OFF
50%OFF Y Y Y Y Y Y Y Y
割引なし

デシジョンテーブルの整理（3値以上の条件）
• 同値クラスの考え方を用いて条件/アクションを設定
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ア
ク
シ
ョ
ン
10%OFF N/A N/A Y
20%OFF N/A N/A Y
「年齢」で同値クラスが作れる
「割引率」で同値クラスが作れる

デシジョンテーブルの整理（3値以上の条件）
• 同値クラスの考え方を用いて条件/アクションを設定
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年齢（y） y≧65 y≧65 65＞y＞18 65＞y＞18 18≧y 18≧y
旧作 Y N Y N Y N
ア
ク
シ
ョ
ン
割引率 50%OFF 20%OFF 50%OFF 0% 50%OFF 10%OFF

因子と水準
• 因子
– テスト対象の機能名や設定項目名など
• 水準
– 因子が持つ選択肢や設定値など

因子と水準
• 因子
– テスト対象の機能名や設定項目名など
• 水準
– 因子が持つ選択肢や設定値など
年齢新旧日付
65≦y 新作 1日
18＜y＜65 旧作 1日以外
y≦18
DVDレンタル料金の因子水準一覧
因子
水準

因子間網羅
• 「考えられるすべての組合せを網羅する」方法
– 全網羅
• 「2つの因子間の組合せをすべて網羅する」方法
– 2因子間網羅
• All-Pairs法
• 直行表

因子間網羅
• 「考えられるすべての組合せを網羅する」方法
– 全網羅（＝12パターン）
• 「2つの因子間の組合せをすべて網羅する」方法
– 2因子間網羅
• All-Pairs法（＝6パターン）
• 直行表（＝8パターン）
年齢新旧日付
65≦y 新作 1日
18＜y＜65 旧作 1日以外
y≦18
DVDレンタル料金の因子水準一覧
手法によって
ケース数が変わる

PictMasterを用いたケース洗い出し方法（準備）
1. 必要ファイルのダウンロード
2. 「pict33.msi」をインストール
3. 「PictMaster 7.0.2J.zip」を解凍
4. 必要ファイルを「PICT」フォルダへコピー

1. ダウンロード
– https://ja.osdn.net/projects/pictmaster/
– http://download.microsoft.com/download/f/5/5/f55484df-8494-
48fa-8dbd-8c6f76cc014b/pict33.msi

1. ダウンロード
– https://ja.osdn.net/projects/pictmaster/
– http://download.microsoft.com/download/f/5/5/f55484df-8494-
48fa-8dbd-8c6f76cc014b/pict33.msi
ここからダウンロード

2. 「pict33.msi」をインストール

3. 「PictMaster 7.0.2J.zip」を解凍

4. 以下のファイルを「PICT」フォルダへコピー
– nkf.exe
– oalib
– oalibmix

PictMasterを用いたケース洗い出し方法（設定）
• 環境設定

PictMasterを用いたケース洗い出し方法（設定）
• 環境設定
All-Pairs法（ペアワイズ法）
の場合は何因子網羅にするか設定
生成方法を選択

PictMasterを用いたケース洗い出し方法（作成）
• 因子と水準を設定
因子を記述水準をカンマ区切りで記述

PictMasterを用いたケース洗い出し方法（作成）
• 「実行」ボタン押下

組み合わせ表を作成する際の注意点
• 適切な因子水準の選択
• 禁則回避
• 重要な組み合わせの追加
• 無理して組み合わせテストを行わない

適切な因子水準の選択
• すべての因子水準を選べばよいわけではない
⇒ケースが膨大になる
• テスト目的「何をテストするのか」を踏まえて
因子水準を選択する

禁則回避
• 「禁止になっている組合せ」「不可能な組合せ」を回避
– 2因子を1因子に見立てる方法
– 禁則行をコピーして置換する方法
– 禁則を除外した因子水準表で作成する方法

禁則回避
• 「禁止になっている組合せ」「不可能な組合せ」を回避
– 2因子を1因子に見立てる方法
– 禁則行をコピーして置換する方法
– 禁則を除外した因子水準表で作成する方法
禁則関係にある因子水準を１つの因子に見立てて
因子水準表を作成、ケース作成を行う方法

重要な組み合わせの追加
• 2因子網羅は完ぺきではない
重要な組合せがある場合、そのケースを追加実施する
• 機能の重要度でN因子網羅を変更することも検討する

無理して組み合わせテストを行わない
• 以下のようなケースでは無理に組合せテストを行わない
– テストの期待結果を確認できない
– 禁則が多すぎる

テスト技法
• デシジョンテーブルは以下の方法で整理する
– 矛盾条件の削除
– 簡略化（類似条件の集約）
– 表の分割
– ３値以上の条件
• 組み合せはPictMaster使って作成
– ペアワイズ
– ２因子網羅100%

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