本論文では、日本語学習者の日本語スピーキング能力の測定をインターネット上で実施できる適応型テストシステム SJ-CAT の開発について述べる。SJ-CAT のテスト問題は、日本語教員が作成した (1)文読み上げ問題、(2) 選択肢読み上げ問題、(3) 文生成問題、(4) 自由発話問題の 4 種類の問題で構成されており、音声の特徴量(キーワード、韻律、音響尤度、スピーキングレートなど)と得点との対応関係を表現するモデルを使用して採点を行う。そして、項目応答理論に基づく段階反応モデルで受験者の総合的な日本語スピーキング能力を測定する。本論文では、訓練された人間が評定を行う日本語スピーキングテストの結果と SJ-CAT の結果を比較する被験者実験を行う。被験者実験の結果、両者にある程度の相関があり、SJ-CAT により受験者の日本語スピーキング能力を測定できることを確認した。