SDN Conference Tokyo 2014 講演資料

1. SDNは
何故バズワードになったのか？
小川晃通

2. 自己紹介
• ブロガー
• 近著
– インターネットのカタチ
– マスタリングTCP/IP
OpenFlow編
• 執筆中
– IPv6/IPv4本

3. 最初に
• SDNに関する統一された定義はありません
– 定義しようという動きはありますが
• みんなが各自の定義する「SDN」を語って
います
– 事実上、SDNと言えばSDNになるのが現状
• 私の、今日の発表も独断と偏見です！

4. SDNとは？

5. SDN/OpenFlow
SDN
OpenFlow

6. OpenFlowとSDNの違い
• OpenFlowはプロトコル
– 詳細が明確に既定されている
• 相互接続試験が行われている
• バージョン番号がある
• SDNは概念
– 詳細が明確に既定されているわけではない
– みんなが各々の価値観でSDNを名乗ってる

7. SDNという表現の発生
• 2011年頃にOpenFlowがバズッた
– 日本で最もバズってました
• 米国でOpenFlowを記者に解説していた
– 「OpenFlowはプログラマブルである」
– 「OpenFlowはSoftware-Defined
Networkingということか？」
• という、やり取りがあったと言われている

8. SDN as of 1985
• 「Software-Defined Network」
by AT&T
http://books.google.co.jp/books?id=xhwEAAAAMBAJ&printsec=frontcover&hl=ja#v=onepage&q&f=true

9. 1986年のNetwork World
記事を拡大
http://books.google.co.jp/books?id=xhwEAAAAMBAJ&printsec=frontcover&hl=ja#v=onepage&q&f=true

10. SDN(1985) vs SDN(2011)
• 1985
– Software-Defined Network
• 2011
– Software-Defined Networking

11. と、ここまでは
一昨年ぐらいの議論

12. 以前、こんな言葉がありました
• 「The Network is the computer」
– By Sun Microsystems

13. 「クラウドコンピューテイング」
• 「クラウド」が2006年頃に登場
– 当初は「怪しい表現」と認識される
– しかし、今では誰もが使う表現

14. ユーザから見たクラウド
良くわからないけど、そこと
通信しておけば、やって欲し
いことをやってくれる
クラウド

15. Web 3層構造
インターネット
Webサーバ
アプリケーション
サーバ
データベース
Webサーバ
アプリケーション
サーバ
データベース
プレゼンテーション層
アプリケーション
サーバ
データベース
アプリケーション層
データベース
データ層

16. クラウドが急激に進化

17. 仮想化のトレンド
• 柔軟なスケールアウトが可能に
– 必要な時に必要な部分を増強可能
• 一般ユーザも、クリックだけでサーバを
即座に契約できる
– 色々便利なので、ユーザも増えている

18. ユーザ
空間
ユーザ
空間
ユーザ
空間
OS
OS
OS
仮想マシン
仮想マシン
仮想マシン
ハイパーバイザー
物理サーバ

19. 物理NIC
物理NIC
仮想スイッチ
仮想NIC
仮想マシン
物理サーバ

20. 物理構成
論理構成

21. そのうえ、さらに、、、
ロードバランサ
ファイアウォール
NAT
IPS

22. 「自動化」が大きなポイント？
• ここ数年の技術記事のトレンド
– Chef、Puppet、OpenStack、
Quantum(OpenStack)、CloudStack、
etc
– 大規模管理手法の紹介が人気
• ユースケースによっては、ネットワークの
自動設定等も含まれる

23. Facebook（2009年）
• 管理者一人あたりのサーバ管理台数
– 一人あたり約90台
• 2009年10月
– UC San Diegoでの講義にて
http://video-jsoe.ucsd.edu/asx/JeffRothschildFacebook.asx

24. Facebook（2013年)
• 管理者一人あたりのサーバ管理台数
– 2万台から2万6千台
– 2013年11月の発表
• 7 24 Exchange 2013 Fall Conference

25. コンピュータにはOSが必要！
ユーザ
プロセス
ユーザ
プロセス
ユーザ
プロセス
オペレーティングシステム
CPU
HDD
メモリ
ネットワーク
キーボード
Etc…

26. SDNはOSの一部？
• 「クラウド」という仮想的な「コンピュー
タ」を制御するOSの一部というアナロジー
Webアプリ
Webアプリ
Webアプリ
全体を制御する「何か」
SDN？
CPU
HDD
メモリ
ネットワーク
キーボード
Etc…

27. 表面化するSDNと
水面下で進行するSDN

28. 2種類のSDN
• ソリューションを販売する人が語るSDN
– Seedsであることが多い
• 自分で整備する人が語るSDN
– Needsに応じて、何を探しているか？
– Needsに応じて、何を試したか？

29. SDNは「Needs」から
• SDNだから使う、ではなく、必要なこと
を考えていたらSDNになっていたが良い
のでは？
• Needsを理解したうえで、適切な
Seedsを探す/採用
参考： http://www.youtube.com/user/sdnjapan/videos

30. 水面下で進むSDNも？
• Needs発見そのものが差別化要因
– こういうところに気をつければ、他社よりも
効率的なことができる
– 価格競争は効率化の競争という側面も
– 先行者利益が確定するまでは内緒？
– 実は、既に水面下でSDNの検討が進んでる？

31. SDNと「コントローラ」

32. OpenFlowの特徴のひとつ
OpenFlowネットワーク
OpenFlowスイッチ
コントロールプレーン用
ネットワーク
OpenFlowコントローラ

33. SDNでも「コントローラ」が
ポイント
• 「中央集権的なコントローラがあるので
SDNである」というプレゼンがある
• 従来の自律分散協調ではない仕組み
– ただし、自律分散システムを補助する仕組み
としてコントローラが使われる事例も

34. こんなSDNも
• TV中継サービスへのMPLS/SDN適用事例
– MPLS Japan 2013（2013/10）
– NTTコミュニケーションズ
• Experiences with BGP in large
Scale Data Centers
– JANOG33 (2014 / 1)
– Design of BGP SDN Controller
– マイクロソフト

35. MPLS/SDN事例
http://www.mpls.jp/presentations/NTTCOM_TV_MPLS-SDN.pdf より

36. BGPによるSDN
http://www.janog.gr.jp/meeting/janog33/doc/janog33-bgp-nkposong-1-en.pdf より

37. 「考え方」としてSDN

38. 年前にSDNの考え方があれば…
• RSVPってどうなっただろう？
• NGNってどうなっただろう？
• マルチキャストって？

39. SDNの考え方で新しいことを
いつ考えるの？
今でしょ

40. 技術というよりプロモーション

41. SDNっぽければSDN
• 10年前からあるような展示内容も。。。
– SNMP等による監視と設定も「SDN」
• 数年前からの研究テーマにも
– 最新論文ではIntroで「SDN」が登場

42. SDNという単語の訴求力

43. 物事には「旬」がある
• 10年前
– ブログを開始するだけでニュースに
• 6年前
– YouTubeチャネルを開始するだけでニュー
スに
• 5年前
– Twitterを開始するだけでニュースに

44. SDNの「旬」
• 恐らく去年がピーク？
– そろそろ下火になる可能性もあり
– 逆に、もっと盛り上がる可能性もある
• 一昨年と去年はSDNと名乗ったもの勝ち
– 上手く流れに乗るのも一興
• 次は「NFV」？
– でも、ちょっとマニアック？

45. 違和感は徐々に薄れる
• 2011年時点で嫌がっていた人々も、そ
こまで文句を言わなくなった
• 「クラウド」が辿った道？
– 「クラウド」も登場当初はエンジニアから酷
評された表現
– 今では、誰もが普通に「クラウド」と言う

46. 結論
トレンドの活用
は戦略的に！

47. まとめ
• SDNという発想は新しいものではない
• SDNは、いまの「流れ」を示したもの
• 「考え方」は大事
• 技術というよりも、プロモーションテク
ニックだと思うので、上手く「波に乗
る」のも一興