OpenDolphin海を渡る
ライフサイエンス コンピューティング(株)
オープンドルフィン・ラボ
皆川 和史
今日の内容
• OpenDolphin の歴史
• サポート状況
• オープンソースとしての特徴
• 開発の着眼点から誤解を解く
• ソフト及び配備のアーキテクチャーについて
• 海外展開の必要性
• 提案
歴史(1)
• 2001年 経済産業省の公募事業で採択された案件(通称Dolphinプ
ロジェクト)から開発を受託
• 2001年 ORCAと接続成功
• 2002年 実証実験報告
• 2003年 改良報告
• 2004年 Dolphinプロジェクトから独立 オープンソース化 
• 2005年 JavaEE対応 JBoss 3.2.6+EJB2.0
• 2006年 Mac 対応 JDK1.4
歴史(2)
• 2007年 ASPサービス開始
• 2008年 コロケーションクラブ設立
• 2009年 iPhoneアプリ EHRTouch発売
• 2010年 iPad対応
• 2011年 日本IBMの認定ソルーション
• 2012年 モダンホスピタルショー初出展
• 2013年 ライフサイエンス OpenDolphinクラウドサービス開始
• 2014年 10周年記念 OpenDolphin クラウドZERO発売
サポート状況
• ライフサイエンス・コンピューティング(株)の例
• 1)サーバー自己構築 手順書 CDROM提供     ¥20万/年
• 2)従量課金制のクラウドサービス(自己導入)   ¥50/カルテ
• 3)フルサポート導入              ¥36,000/月
• 4)OEM コニカミノルタ様 
• 5)オプション ライフサイエンスPACS連携、Osirix連携、訪問看護システム連携、検査
オーダーシステム連携、病名禁忌システム連携、iOSアプリ(5種)              
• 医師1名から総数41端末を使用するクリニックまで
• 福島県の健康福祉ネットワーク きびたん健康ネット でご採用
• YouTubeで事例紹介 各地でセミナー開催 代理店様の数 27 総導入件数 300 
2015年
看板完成
池袋ドルフィンクリニック協業開始
医療法人社団 清陽会様
都内 6クリニック
沖縄 1クリニック
豊島区の新庁舎 2F
医療モール
前田清貴 先生
医療とITの融合をテーマに協業
PHRアプリの実験から
• 受診歴をタイムライン化
• タイムラインから処方と検査結果参照
• 医療講演のビデオライブラリーと融合
オープンソース
• ライセンス GNU GPL Ver. 3.0
• コミッタは存在しない
• それぞれが独立した開発者
• Git Hub 等でソースを共有
• ニーズにマッチした成果を組み込むことが可能
• コミュニティは計画しつつも伸び伸び MOSS、出版等に
期待
利用させていただいている成果
• 札幌市 元町皮ふ科 松村先生(シェーマエディタ)
• 和歌山市 増田内科 増田先生(排他制御、GUI)
• 新宿ヒロクリニック 英先生(処方箋印刷)
• 日本RedHat社 Takayoshi Kimura さん (JBoss
AS 7 へのポーティング)
• 吉井クリニック當房様、高東ソフトウェアサービス様
Dolphin=シンプル
• 機能が少ないのでシンプルと思われている > 誤解
機能1 機能2 機能3 … … 機能N
OpenD
olphin X X X X X X
他社製
開発の着眼点
• 2000年頃の状況
• 電子カルテへの要件や好み
• 病院の数 x 診療科の数 x 医師の数 = 膨大
• 上記を ボタン、コンボボックス、メニュー、テキス
トボックス等の組み合わせで実現しようとしていた
• 業務アプリで電子カルテは無理
知的作業者に必要なUI
• 白い紙やキャンバスのようなフラットなユーザー
インターフェイス
• 階層がなく必要なツールは周辺にある
• 作成手順がなく好きなところから作成できる
• 編集がいつでも止められ、いつでも再開できる
• 上記論文に出会う
コンテナを開発した
• どんな情報でも入る2号カ
ルテコンテナを開発した
• 周辺に入力ツールを配置
• ドラッグ&ドロップで挿入
• 順番の入れ替え、削除、追
加が自由
• 作成手順なし
• 中止、再開が自由
• 実装はSwingでしかできな
い
例)情報を問わない
• 禁忌、アレルギー・アナフィラキシー
• 診断名、ステージ
• 手術記録、放射線治療履歴、化学療法履歴
• 感染症情報、家族歴、生活習慣、既往歴
• QOL、PS、副作用情報
• アナムネーゼ、看護記録、電話対応記録
• 等々の情報が入る電子カルテを受託開発した
例)作成手順がない
• 他システムとOpenDolphinでファイル共有
• 例)モダリティ等から実施情報を出力
• ファイル監視からカルテ作成
• 新規カルテ作成モード(空白、前回処方、全コピー)
• カルテ画面分離、何処にでも置ける、サイズ自由
• カルテを並べて Drag & Drop
シンプルは結果*
• 機能が少ないのでSimpleー>真でもあり偽でもある
• クリニック用に機能を絞り
込んでいるが
• 最初からシンプルなカルテを作ろうとしたら…
• 単に機能や装飾が少ないアプリケーションになっていた*
• 知的作業者に優しいソフトを目指した結果シンプルになった
• *ジョナサンアイブの言葉
コンポジットデザインパターン
コンテナ コンポーネント
エントリ
1 1…
確定日
担当医等…
左(SOA) かP(右)
順番
エンティティ
ソフトの問題点
• ターミノロジーが Janglish
• (今にして思えば)不要なJava Interface Classが多数
• バイナリでDBへ格納している部分があり後利用が難しい
• 入院版への要望が多いが2号カルテとの統一感が出にくい
• 紹介状等、文書作成と管理機能が弱い
• ドキュメントが不足している
JavaEEベース
• 典型的な3ティア構成
• 通信はREST、データはJSON形式
• セッション管理なし(完全ステートレス)
• デリゲータとファサードによる通信部のプラグイン化
DelegaterClient
Session
Bean
Entity
Bean
Database
REST/JSON
きびたん健康ネットでご採択
• 通信はHTTP -> REST
• SSO(シングルサインオン)-> セッション管理なし
• リバースプロキシー通過 -> REST (ポート80のみ)
SSO
R.P. 各社クラウド
Open
Dolphin
ORCA
JBoss/WildFly
• 伝統的にJBoss/WildFlyを採用
• 開発環境は NetBeans
• 最初は JBoss 3.2.6 + EJB 2.0
• その後、JBoss 4 5 6 7 
• 現在は WildFly 8.2.0
• メッセージ送信、定時処理、ログ管理  今後もWildFlyを
使用
海外展開の必要性
• 日本の電子カルテは診療報酬請求業務の複雑さに本来あ
るべき姿を見失っていないか?
• Dolphin - CLAIM - ORCA の構造でもなお引きずられて
いる部分が大きい
• TPPで医療、人材が自由化されても使っていただけるか?
• 海外には12のオープンソース電子カルテがある
• ORCA 新API でカルテと一体化推奨…?
医療制度等
• 旧イギリス領
• 病院と医師が個々に契約
• 病院は場所と施設を提供、医師が診療報酬も決める
• 患者は民間の医療保険へ加入
• 在留邦人限定のクリニックでは、医師免許の取得、現地スタッフの雇用
等で国ごとに開業条件が異なる
• タイ、マレーシアは中東からの医療ツーリズムで高い医療技術を持つ国
• 文化の違いに起因し全世界的にメンタルヘルスケアの必要性が高まって
いる
渡航準備
• お客様がマレーシアで開業
• ターゲットは在留邦人
• 主にメンタルヘルスケア
• OpenDolphinクラウドで日本との連携をご希望
• OpenDolphin国際化対応(済)
• シンガポールのデータセンターにクラウドを構築(済)
海を渡っていません
• 開業はされましたがDolphinは延期になりました
• 現地医師1名以上の雇用が許可条件
• マレーシアの電子カルテを使われたいとのこと
• スタンドアロンなので日本との連携ができない
• 時期をみてOpenDolphinへ移行予定
• ターゲットをベトナムへ変更し進行中…
日本発医療のネットワーク
• 再生医療等、日本発医療の国際ネットワーク化へ目標を設定
Tokyo
Singapore
Sydney
London
San Jose Dallas
Washington, DC
Queretaro
D.C.
Private LAN
Dolphin
メンタルケア
再生医療
現地クラウド
Sao Paulo
Paris
Amsterdam
Hong Kong
Frankfurt Tront
提 案
• クリニックへの販売、サポートは大変
• 実証実験の場も必要(質の追求、患者の同意等…)
• ビッグデータ解析、人口知能、IoT 等々 協業システムの市
場は大きい
• ResearchKit 等による社会インフラの後押し
• OpenDolphinをインフラとして使用して欲しい
• openEHRをサポートしお互いに疎結合で通信

OpenDolphin at MOSS10