ビジネス・プロフェッショナルのための
最新ITトレンド
2021年2月
未来を創るために知っておきたいITの常識
2/2
IoT/モノのインターネット
DX次代のビジネスの基盤となる
サイバーフィジカルシステムとIoT
データ収集
モニタリング
データ解析
原因解明・発見/洞察
計画の最適化
データ活用
業務処理・情報提供
機器制御
ヒト・モノ
クラウド・コンピューティング
日常生活・社会活動 環境変化・産業活動
現実世界/Physical World
サイバー世界/Cyber World
Cyber Physical System/現実世界とサイバー世界が緊密に結合されたシステム
アナログな現実世界のものごとやできごとを
デジタル・データで捉えデジタル・ツイン
(現実世界のデジタル・コピー)を作る
狭義のIoT
デジタルとフィジカルが一体となって
高速に改善活動を繰り返す状態を実現
ビジネスの最適化を維持する
広義のIoT
IoTが生みだす2つのループ
4
現実世界のデジタル・コピー
デジタル・ツイン
規則や関係
の見える化
未来予測・最適解
インサイト・示唆
機器制御・指示命令・アドバイス
最適化ループ
効率・省エネ・生産性・時短・コスト削減など
イノベーション
変革ループ
UX(体験価値)向上、新たな連携、利便性向上、驚き・感動など
IoTが生みだす2つのループとテクノロジーの関係
5
現実世界のデジタル・コピー
デジタル・ツイン
規則や関係
の見える化
未来予測・最適解
インサイト・示唆
機器制御・指示命令・アドバイス
最適化ループ
効率・省エネ・生産性・時短・コスト削減など
イノベーション
変革ループ
UX(体験価値)向上、新たな連携、利便性向上、驚き・感動など
センサー
 センサー・チップ
 センサーネットワーク
 センサー・フュージョン など
クラウド
 データの収集・蓄積
 計算処理能力の提供
 アプリケーション など
AI(機械学習)
 データの分析
 最適解の導出
 規則性や関係性の見える化 など
5G(第5世代移動通信システム)
 高速・大容量
 他端末接続
 低遅延 など
アジャイル開発・DevOps
 現場のフィードバックをうけて高速に改善
 ニーズの変化に俊敏な対応
 バグフリー・高品質なソフトウエア開発 など
AIチップ
 自律制御
 自律連携
 リアルタイム処理 など
社会基盤のシフト 「モノ」の価値のシフト
IoTがもたらす2つのパラダイムシフト
1. 現実世界のデジタル・データ化
2. ビッグデータを使ったシミュレーション
3. 現実世界へのフィードバック
1. 「ハード+ソフト」がネットワーク接続
2. モノとクラウド・サービスが一体化
3. システム全体で価値を生成
ハードウェア
ソフトウェア
ハードウェア
モノの価値は、
ハードウェアからソフトウェアへ
そしてサービスへとシフト
アナリティクス
人工知能+シミュレーション
アプリケーション
クラウド・サービス
ビッグデータ
現実世界のデジタルコピー
現実世界のデジタルデータ化
IoT
デジタル・ツインの実現 「モノ」のサービス化
インターネット
クラウド・サービス
デジタルツイン
7
電脳世界
(Cyber World)
現実世界
(Physical World)
Cyber-Physical System
スマートフォン
自動車 ウェアラブル 家電
スマートメーター
263
Kw
○×電力
様々なアクティビティ
スマートフォン
自動車 ウェアラブル 家電
スマートメーター
263
Kw
○×電力
様々なアクティビティ
データ
最適解
シミュレーション
デジタル・ツインを使って最適解を導出
工場でのデジタル・ツイン
デジタル・プラント
フィジカル・プラント
最適解による制御・指示
パフォーマンス・データ
デジタル・ツインを使った
シミュレーション
センサーを使った
リアルタイムなデータ取得
条件を変え実験を繰り返し
最適解を見つけ出す
変更や変化に即応して
最適状態・動きを実現
圧 力
ひずみ
振 動
重 量
電 流
・・・
リアルタイムにフィジカル・プラントの最適化を実現する
リアルタイムにデジタル・ツインを生成する
従来の工場とデジタル・ツインを使った工場の違い
9
 決められた工程に従って進められるライン生産方式が主流。
 混流生産もあるが、多くの製造機械によるラインを組まないと
いけないので、製品の仕様を多様化することは簡単ではない。
 製造実行システムは、本来は生産ラインに柔軟性をもたらすは
ずだが、生産ラインを構成するハードウェアの制約によって活
用できる機能が限定的。
 生産ラインで働く人々も個々の現場で全体像が把握できず、定
められた役割を果たすための作業を行う。
 結果としてリアルタイムで顧客ごとの個別の要望に応えること
は難しく、要望があったとしても、生産現場で動的に実現するこ
とは困難。
 製品個々の仕様ごとに工程の組み替えがダイナミックに行わ
れる(ダイナミックセル・システム)。
 顧客、機械、設備、部材、製品、作業者の情報が全て収集連
携され、製品毎に個別最適化された工程を自動的に作る。
 生産工程は、コンピューター上で構築・検証され、それに合わ
せた実際の工程が実行される(Cyber-Physical System)。
 結果としてリアルタイムで顧客ごとの個別の要望に応えること
ができ、要望があれば、生産現場で動的に実現する。
http://blog.livedoor.jp/ail01u9j10taw/archives/4075532.html
高炉のデジタルツイン開発 数億円の損害出るトラブルを回避
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/mag/nc/18/020600004/110200063/?P=2
製造業のサービス化 :モノ(製品)とコト(サービス)の価値提供
IoTが生み出すデジタルの価値: 監視/保守/制御
製造業のメガトレンド
IoTで目指すこと
「モノ」のサービス化
モノの価値は、
ハードウェアからソフトウェアへ、
そしてサービスへとシフト
ハードウェア
ソフトウェア
サービス
機能・性能を随時更新可能
機能・性能の固定化
機能・性能を継続的更新可能
モノの価値を評価する基準がシフト
ソフトウェア化するモノ
16
物理的・物質的なモノでしか実現できない部分
プログラムで制御または実現できる機能・性能
 レンズ
 シャッター
 ボディなど
 タイヤ
 エンジン
 車体など
 機体・翼
 ジェット・エンジン
 燃料タンクなど
 シャッタースピード
 発色・感度
 フォーカスなど
 ブレーキ・タイミング
 エンジン制御
 機器のオンオフなど
 姿勢や方向の制御
 エンジンの制御
 機内環境の制御など
ソ
フ
ト
ウ
ェ
ア
ハ
ー
ド
ウ
ェ
ア
 製造コストの低減
 故障要因の低減
 保守容易性の実現
できるだけ
シンプルに
 開発コストの低減
 高機能化のしやすさ
 保守容易性の実現
できるだけ
多機能に
IoT化
通信機能を組み込み
インターネットにつ
なげることでモノを
サービス化する
モジュラー化
機能を標準化・部品
化することで、生産
コストの低減と保守
性を向上させる
ソフトウェア化するモノ
17
ダグラスDC7(1953) ボーイング787(2011)
(グラス・コックピット)
ハードウェア ソフトウェア
ハードウェア
遠隔からの保守点検、修理、自律化機能による自己点検や修復
ソフトウェア更新による機能・性能・操作性の改善が可能。
監視・分析・最適化
監視・分析・最適化
全ての作業や操作は人間を介在し、機械の交換や修理などの、
物理的作業を必要とする。
「モノ」のサービス化
自動車メーカー 航空機メーカー 工作機械メーカー
アナリティクス
ソフトウェア改修
データ
収集
ソフトウェア
配信
新
規
開
発
制御ソフトウェア
アナリティクス
ソフトウェア改修
データ
収集
ソフトウェア
配信
新
規
開
発
制御ソフトウェア
アナリティクス
ソフトウェア改修
データ
収集
ソフトウェア
配信
新
規
開
発
制御ソフトウェア
運行データ
走行データ 作業データ
制御 制御 制御
遠隔からの保守点検・修理、自律化機能による自己点検や修復、ソフトウェア更新による機能・性能・操作性の改善
インターネット
使 用
の現場 センサー コンピュータ ソフトウエア
モノ・製品
モノのサービス化の本質
ものづくり
の現場
開 発
製 造
保守
サポート
ソフトウェア
改修・更新
インターネット
直
結
・
連
係
製造業におけるデジタル化
調整や連携:打合せ
調整や連携:打合せ
調整や連携:打合せ
Input :人間→紙の書類
Output:紙の書類→人間
Input :人間→コンピュータ
Output:コンピュータ→人間
Input :機械→コンピュータ
Output:コンピュータ→機械
デジタル化前
人間が主体で行う仕事を
機械が支援する
機械が支援して人間が仕事をする
調整や連携:機械同士
Input :機械→機械
Output:機械→機械
管理 :コンピュータ
目標設定:人間
デジタル化後
自律制御
監視・指示
データ+機械学習
機械にできることは
徹底して機械に任せ
人間しかできないことを
人間が行う
機械と人間が一緒に仕事をする
自律制御
H2H Human to Human
M2H Machine to Human
M2M Machine to Machine
モノのサービス化の構造
21
価値を生産 価値を消費
交換価値
購買
グッズ
ドミナント
ロジック
企業と顧客/パートナーが共創によって、価値を創り出す関係が築かれる
価値を共創
価値を共創
交換価値
文脈価値
使用価値
サービス
ドミナント
ロジック
顧客による使用情報の継続的入手
ソフトウェアの更新、新たなサー
ビスの提供による価値の拡大
January 2016 DAIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー別冊を参考に作成
ビジネス価値の明確化×エコシステムの構築×圧倒的ビジネス・スピード
サプライ・チェーンとデマンド・チェーン
生産
物流
販売
部品・材料サプライヤー/下請け会社
消費者/購入企業
製造業
卸売業
小売業
情
報
の
流
れ
モ
ノ
の
流
れ
正確な需要予測
消費に見合った
円滑な商品の流れ
を実現する
消費現場の
正確でタイムリー
なデータ
消費現場の
データに基づく
最適な商品の流れ
を実現する
POSや販売データだけでは
なく、主義主張、趣味嗜好、
人生観や悩み、ライフログ、
生活圏などを含めて消費者
を深く知るためのデータ
サプライ・チェーン
Supply Chain
デマンド・チェーン
Demand Chain
サプライ・チェーンとデマンド・チェーン
正確な需要予測
消費に見合った
円滑な商品の流れ
を実現する
消費現場の
正確でタイムリー
なデータ
消費現場の
データに基づく
最適な商品の流れ
を実現する
POSや販売データだけでは
なく、主義主張、趣味嗜好、
人生観や悩み、ライフログ、
生活圏などを含めて消費者
を深く知るためのデータ
サプライ・チェーン
Supply Chain
デマンド・チェーン
Demand Chain
日本メーカは、製造現場の改善活動やTQC(Total
Quality Control)活動を中心に、SCM(サプライチェー
ン・マネジメント)に力を入れ、ムダのない効
率的なものづくりで競争優位を確保してきた。
しかし、グローバル競争に突入したいま、日本
メーカのこれまでの競争戦略が通用しなくなっ
ている。とくに価格競争で強みを発揮する中国
やインドがグローバル市場へ進出したことで、
日本メーカの競争力はますます低下している。
ものづくりの付加価値の源泉は、「いかに作る
か」という製造生産プロセス(SCM)から、「何
を作るか」という企画開発プロセス(DCM)へと
大きくシフトしている。日本メーカはこれまで
「下り車線」のSCMには強かったが、「上り車
線」のDCMに弱かった。日本メーカの営業利益率
が低いのはそのためである。デジタル時代のも
のづくりでは、利益率の低いサプライチェーン
よりも利益率の高いディマンドチェーンに強い
企業が生き残るといわれる。
デジタル時代のものづくりでは、利
益率の低いサプライチェーンよりも
利益率の高いディマンドチェーンに
強い企業が生き残る可能性が高い。
「モノのサービス化」ビジネス
コア・ビジネス
 既存ビジネス
 蓄積されたノウハウ
 確実な顧客ベース
付加価値ビジネス
 収益構造の多様化
 既存ノウハウの活用
 顧客ベースの囲い込み
新規ビジネス
 顧客価値の拡大
 ノウハウの創出
 顧客ベースの拡大
製造・販売
製造・販売 製造・販売
走行距離に応じた
従量課金サービス
Pay by Mile
出力×時間に応じた
従量課金サービス
Pay by Power
工事施工
自動化サービス
Smart Constriction
建設機械
遠隔確認サービス
KOMTRAX
安全・省エネ運転
コンサルティング
予防保守・交換
燃料費節約
コンサルティング
予防保守・交換
モノのサービス化
25
TOYOTA MaaS / e-Palette Concept KOMATSU SMART construction
土木工事における作業の自動化と高度化を実現す
ることに加え、前後工程も効率化して、工期の短
縮に貢献できるパッケージ化したサービス
移動、物流、物販など多目的に活用できるモビリ
ティサービス(MaaS)と、これを実現する専用
次世代電気自動車(EV)
モノを売り収益を得るビジネス。サービスはモノ売りビジネスを支援する手段
サービスを提供し収益を得るビジネス。モノはサービスを実現なする手段
MaaS(Mobility as a Service)
26
電車 タクシー バス
レンタカー
自家用車
配車サービス カーシェア 自転車シェア
電車 タクシー バス
レンタカー
自家用車
配車サービス カーシェア 自転車シェア
MaaS
経路検索
支払
予約
配車手配
現 在 MaaS
あなたのポケットに全ての交通を
個人で所有・個別に手配
手段の提供:マイカーの所有や個別の手配・予約ではできない最適化された「移動体験」提供
価値の実現:マイカー利用を減らし環境負荷の低減や移動の利便性・効率化を実現
MaaS(Mobility as a Service)
27
電車 タクシー バス
レンタカー
自家用車
配車サービス カーシェア 自転車シェア
MaaS
経路検索
支払
予約
配車手配
MaaS
交通についての悪しき悪循環
 地方へ行くほどマイカーへの依存度が高くなる。
 自動車は移動手段としては便利だが、保有コストが高いわ
りには、稼働率は低い。
 大気汚染や渋滞による社会的ロス、交通事故の死亡者数は
世界全体では年間100万人を超えている。
 公共の交通機関の運営が、マイカー保有により危機に瀕し
ている。乗り合いバスの利用者は近年大きく減少しており、
赤字で路線廃止に陥るケースが続いている。
 公共交通路線の廃止により、移動手段がますますマイカー
に偏り、公共交通機関の運営をさらに苦しめている。
MaaSによって悪循環を解消
 公共交通が整備されると人々の流れが変わり、ガソリンや駐
車場代に向けられていた支出が、公共交通に回るようになる。
それによって地域全体が活性化する。
 渋滞や交通事故の発生が減少すれば、社会全体のロスも低下、
行動履歴をビッグデータとして把握できれば、道路や都市計
画に活用できる。
 高齢者や障害者などのハンディキャップを抱えた方々の移動
が容易になる。
 運転ができるかできないかで住む場所が限定されるという不
自由さがなくなる。
 マイカーに偏る今の社会が解消され、個人の暮らしは改善し、
街の中心部も活性化して地域が抱える問題の多くが緩和する。
公共交通も含めた交通手段の多様化により、
様々な社会的課題を解決できる可能性がある。
MaaSのレベル定義
28
スウェーデン・チャルマース大学の定義
社会全体目標の統合
Integration of social social
スマートシティーのような上位の政策目標に統合された移動
手段を実現するサービスを提供
提供するサービスの統合
Integration of the service offer
予約や決済に加えて、サービス独自の料金体系を持ち、異な
る移動手段をシームレスにつなぐサービスを提供
予約と支払いの統合
Integration of booking and payment
異なる移動手段をまとめて検索でき、予約や手配も行うこと
ができる統合サービスを提供
情報の統合
Integration of information
異なる交通手段の情報を統合して提供
統合ない
No integration
事業者個別に移動手段や附帯するサービスを提供
レベル
4
レベル
3
レベル
2
レベル
1
レベル
0
個別の交通事業者が提供する移動手段やカー
シェア、自転車シェアなどのサービス
Google Map、NAVI TIME、乗り換え案内
Citymapper、シアトルのTripGo、などによ
るルートや所要時間、料金の検索など
ダイムラーのMoovel、ロサンジェルスのGo
LAなど
フィンランドのWhim、スイスのGreen
Classなど
該当するサービスがない
MaaSに相当するサービス
MaaSエコシステムのフレームワーク
MaaS
プロバイダー
(MaaSオペレーター)
データ
プロバイダー
交通事業者
顧客
ユーザー
コア・ビジネス
クラウド
サービス会社
決済ソリューション企業
チケット発券ソリューション企業
経路検索
サービス企業
通信会社
保険会社
拡張企業体
ビジネス・エコシステム
政府・規制当局
投資家
調査研究機関 大学
メディア&
マーケティング会社
労働組合
The Business Ecosystem of Mobility-as-a-Service/2017
を参考に作成
ビジネスス・モデルの変革
VISION-S Prototype WOVEN City
e-palette
エンターテイメント・デバイス
エンターテイメント空間として
サービスを提供するためのデバイス
サービス・プラットフォームとして
コネクテッドな時代の
社会・生活空間として
コネクテッドな時代のビジネスの可能性・新たな生き残り戦略の模索
コ
ト
づ
く
り
顧客価値
価値実装
体験
更新
 心地良い・使い易い
 もっと使いたい
 ずっと使い続けたい
 継続的な改善
 最適を維持
 顧客の期待を先回り
UX
ソフトウエア
「モノのサービス化」の構造
機能
仕様
モ
ノ
づ
く
り
ハードウェア
UI
サービス・ビジネスとは、コトの価値を提供し続けるビジネスのこと
ビジネス価値の比較
ハードウェア
車両本体
ソフトウェア
制御系
サービス
保守・点検・修理
自動車メーカー
ハードウェア
車両本体
ソフトウェア
サービスの実装
制御系のスマート化
サービス
モビリティ・サービス
生活サービス など
保守・点検・修理の価値向上
ソフトウェアによって実装
汎用部品化
モジュラー化
機能・操作の
ソフトウェア化
サービス価値を高めて
ビジネスを差別化
モビリティ & X
サービス事業者
ビジネス・プロセスの
ソフトウェア化
高速
改善
欠陥
ゼロ
要求
品質
ビジネス価値のシフト
モノづくり:サプライヤー/部品メーカーへの依存拡大
先進運転支援システム/ADAS
Advanced driver-assistance systems
自動運転システム/ADS
Autonomous Driving System
自動運転システム/ADS
Autonomous Driving System
移動サービス/MaaS 等
移動サービス/MaaS 等
車両/ハードウェア
車両/ハードウェア
車両/ハードウェア
コトづくり:自動車メーカーの事業の重心がシフト
データ
Data
差別化の対象 差別化の対象
差別化の対象
ソフトウェア
ソフトウェア
自動車/移動ビジネスの3つの戦略
SONY
Vision S
Concept
UX(体験)
機能(移動)
モノ
(所有)
サービス
(使用)
従来までの
自動車メーカー
サブスク
MaaS Mobility as a Service
?
自動車メーカーのUX実現支援
自動運転ソフトウェア
ビジネス・モデル
の転換
ビジネス・モデル
の拡張
ライドシェア
属性データと行動データ
性別・年代・結婚・職業・・・
 女性・20代・独身・事務職・手芸が好き・・・
属性に応じて最適化された
機能・性能・品質の提供
属性データ
属性(静的)データ ✖️ 商品(モノ)
商品力向上=調査✖️技術開発✖️製造技術
個
人
場所・時間・体験・感情・・・
 競技場・夏の夕方・サッカー観戦・勝利の喜び・・・
状況に応じて最適化された
感動・楽しさ・共感の提供
行動データ
行動(動的)データ ✖️ UX(体験)
共感
デジタル接点・取得頻度の
増加によって解像度が上昇
UX向上=多接点✖️高頻度✖️高速改善
状況
主義主張・人生観・価値観・悩み・生活圏・・・
データとモノ/コト・ビジネスの関係
属性データ 商 品 販売代金
属性に最適化された
商品の作り込み
魅力的な商品を作る
属性理解→商品設計→商品開発
行動データ UX サブスク
従量課金
状況に最適化された
UXのアップデート
魅力的な体験を作る
状況理解→UX設計→UX開発
体験を継続したいという想いへの対価
商品を手に入れることへの対価
行動データ 商 品 販売代金
うまくいかないビジネス
行動データを取得する意味がない 商品の機能や性能を
アップデートできなければ意味がない
アップデートのコストをまかなえない
タッチポイントの役割分担
ハイタッチ
ロータッチ
テックタッチ
感動・信頼・ファン
心地よさ・共感・感謝
便利・お得・楽ちん
1対多:オンライン・コンテンツ、メールなど
1対少:イベント、ワークショップなど
1対1:戸別訪問、個別相談など
デジタル接点
人・場所接点
人接点
行動データ
の把握
体験価値
の最大化
体験データを手に入れるためのプラットフォーム
モノ
魅力的な機能・性
能・品質を実装し
たカタチある商品
コト
適切なタイミング
に便利で必要十分
なサービス
生活
楽しい、心地良い、
使い続けたいなどを
感じさせる物語・
ジャーニー
 惣菜パン
 生命保険
 自動車 など
 コンビニ
 ライフランナー
 販売店・営業
など
 決済・ポイント
 コミュニケーション
 移動サービス など
モノとコトをつないだ
体験データを掌握
プラットフォーマー
体験とスーパーアプリ
スーパーアプリ:メッセージングやソーシャルメディア、決済、送金、タクシー配車、飛行機やホテ
ルの予約、Eコマースなど、スマホで一般的に行われるサービスがすべて詰まっている。何かをする度にい
くつもアプリを立ち上げる煩わしい手間が不要となり、ユーザーにとっての利便性は極めて高い。
SNS 配車
決済
送金
その他
アプリ
ビデオ
通話
SNS 配車
決済
送金
その他
サービス
ビデオ
通話
スマートフォン・モバイル端末 スマートフォン・モバイル端末
Apple iPhone,Google android端末
スーパーアプリ
Apple iPhone,Google android端末
Apple App Store,Google Play Store Apple App Store,Google Play Store
Facebook Uber PayPay Zoom 各ベンダー
WeChat,Alipay,Go-Jek,Grab,Paytmなど
Line & PayPay,Uber,Facebookなどが同様のポジションを狙う
スーパーアプリによるユーザー体験の一元的把握により、ユーザー毎のきめ細かな個別最適化され
たUXが提供できるようになり、圧倒的な競争力の確保につながる。
エコシステム(生態系)とは何か
40
共通・共用
秩序やメカニズム
時間:長期間
形成:自律的・自然発生的
参加者:相互依存的(生存)
主導者:なし
自然界におけるエコシステム
共通・共用
秩序やメカニズム
時間:短期間
形成:意図的(企業が主導)
参加者:共栄共存的(収益の拡大)
主導者:排他的利益
ビジネスにおけるエコシステム
自律的・自然発生的 意図的(企業が主導)
プラットフォーム・ビジネスを成功させる3つの要件
ビジネス価値の明確化:
 テクノロジーではなく、Purpose
 魅力的なVisionによる求心力
エコシステムの構築:
 調整力より、リーダーシップ
 囲い込みからオープン・イノベーション
圧倒的ビジネス・スピード:
 外注ではなく内製
 アジャイル開発×DevOps×クラウド
Purpose
Vision
Speed
プラットフォーム・ビジネス
ビジネス・モデル × ビジネス・プロセス × 事業戦略
IoTプラットフォーム
ハブ型社会からメッシュ型社会へ
43
メッシュ型社会 ハブ型社会
 情報の非対称性・権力の偏在
 情報伝達に伴うタイムラグの拡大
 仲介による情報伝達コストの増加
 情報の双方向性・権力の分散
 情報伝達に伴うタイムラグが発生せず
 仲介を無くすことで情報伝達コストが低減
シェアリング・エコノミー ホスティング・エコノミー
安い社会コストとフラット化 高い社会コストと階級化
インダストリー4.0
インダストリー4.0がやろうとしていること
45
 標準化
 複雑なシステムの管理
 通信インフラの高度化
 安全と情報セキュリティ
 労働組織とワークライフバランス
 人材育成、専門能力の開発
 規制の枠組
 エネルギー効率
 通信規格の国際標準化
 サプライチェーンや顧客との間でリアルタイムにデータを共有・分析
 設備稼働率平準化、多品種変量生産、 異常の早期発見、需要予測などが可能に
ドイツの2つの狙い
 国内製造業の輸出競争力強化
 ドイツ生産技術で世界の工場を席巻
 インダストリー4.0仕様の生産システムがコスト競争上優位となり、我が国企業の海外生産
における競争力劣位が発生するおそれあり。
 インダストリー4.0仕様の標準化が進むと、我が国のFA関連機器が海外市場において参入
できなくなるおそれあり。
コレ1枚で分かるインダストリー4.0
46
インダストリー4.0
Industry 4.0
自ら考える工場
製造コストの極小化
個別仕様オーダーでも
量産品と同じコストで対応
カスタマイズ対応
お客様毎に異なる
個別仕様のオーダーに対応
短納期対応
個別仕様オーダーでも
短納期で対応
IoT
Internet of Things
工場内外の設備、機器、
部材からの情報を収集
IoP
Internet of People
工場や関係事業所で働
く人々の情報を収集
IoS
Internet of Service
ECサイト、店舗、
サポート拠点な
どからのサービ
ス情報を収集
Cyber-Physical Systems
他工場 他工場
他工場 他工場
Internet
人工知能
ロボット
産業革命の区分
47
電力
蒸気機関
人力・自然力
大量生産
注文生産
多品種化
マス・カスタマイゼーション
パーソナル・ファブリケーション
機械生産
手作り
コンピューターによる自動化
標準化・規格化
個別仕様
個別仕様
コンピューターによる自律制御
工場・機器・人間の自律連携
産業革命以前
第1次産業革命 第2次産業革命 第4次産業革命
第3次産業革命
 水力
 馬力
 蒸気機関
 鉄道
 化学産業
 科学的管理
 コンピューター
 インターネット
 IoT/ビッグデータ
 人工知能/クラウド
第1次産業革命 第2次産業革命 第3次産業革命
米国での理解
ドイツでの理解
産業革命以前
18世紀中〜 20世紀初〜 2010年代〜
1970年代〜
デジタル・ファブリケーション時代
 農業社会から工業社会への転換
 労働力の田園地帯から都市部への移動
 資本家や企業の台頭と労働者との役割分離
内燃機関
インダストリー4.0(第4次産業革命)とIoT
48
第1次産業革命
Industry 1.0
第2次産業革命
Industry 2.0
第3次産業革命
Industry 3.0
第4次産業革命
Industry 4.0
機械化 効率化 自動化 最適化
水力・蒸気機関
手仕事から機械を利用
電力・科学的管理
統計的手法と電気による制御
コンピュータ
労働力を機械に置き換え
デジタル
生産性を維持し個別最適
製造業 製造業 製造業
製造業
+
非製造業
18世紀後半 20世紀前半 1970年代以降 2015年代以降
科学的管理
ERP
情報の一元管理と連係
前工程 生産 後工程
デジタル
社内外を含めたデジタル連係
自
動
化
自
動
化
自
動
化
自
動
化
自
動
化
第2.5次産業革命
Industry 2.5
ドイツでインダストリー4.0の取り組みが始まった背景
49
経緯:
 少子高齢化による労働人口減少や原発の停止等に起因する国内立地環境の悪化
 ドイツ国内でGDPの約25%・輸出額の約60%を占める製造業の存在感が低下
 EU全域でアジアへの製造業流出の懸念
2011年11月、独政府は“High-Tech Strategy 2020 Action Plan” のプロジェク
トの1つとして、 独製造業の競争力強化のための構想であるIndustry4.0を提示
連邦教育研究省(BMBF)、連邦経済エネルギー省(BMWi)が所管
実施主体:
ドイツ機械工業連盟(VDMA)、ドイツ情報技術・通信・ニューメディア産業連
合会(BITKOM)、ドイツ電気電子工業連盟(ZVEI)を事務局とする、産学連携
プラットフォーム
第4次産業革命(インダストリー4.0)とIoT
50
Recommendations for implementing the strategic initiative INDUSTRIE 4.0
【第1次:機械化】 【第2次:電力活用】 【第3次:自動化】 【第4次:自律連携】
Cyber-Physical System
 蒸気機関
 大量生産
 移動手段の革新
 電力
 科学的管理
 化学産業の発展
 コンピュータ
 自動制御
 大量生産と品質安定
 IoT/M2M
 自律制御
 つながる工場
インダストリー4.0を支える繋がり
51
Recommendations for implementing the strategic initiative INDUSTRIE 4.0
従来の工場とインダストリー4.0がめざす工場の違い
52
 決められた工程に従って進められるライン生産方式が主流。
 混流生産もあるが、多くの製造機械によるラインを組まないと
いけないので、製品の仕様を多様化することは簡単ではない。
 製造実行システムは、本来は生産ラインに柔軟性をもたらすは
ずだが、生産ラインを構成するハードウェアの制約によって活
用できる機能が限定的。
 生産ラインで働く人々も個々の現場で全体像が把握できず、定
められた役割を果たすための作業を行う。
 結果としてリアルタイムで顧客ごとの個別の要望に応えること
は難しく、要望があったとしても、生産現場で動的に実現するこ
とは困難。
 製品個々の仕様ごとに工程の組み替えがダイナミックに行わ
れる(ダイナミックセル・システム)。
 顧客、機械、設備、部材、製品、作業者の情報が全て収集連
携され、製品毎に個別最適化された工程を自動的に作る。
 生産工程は、コンピューター上で構築・検証され、それに合わ
せた実際の工程が実行される(Cyber-Physical System)。
 結果としてリアルタイムで顧客ごとの個別の要望に応えること
ができ、要望があれば、生産現場で動的に実現する。
http://blog.livedoor.jp/ail01u9j10taw/archives/4075532.html
インターストリー4.0を支えるCPS
53
Cyber-Physical Systems
54
製造業とそれに関連する産業
製造業に限らず広範な産業
Industrial Internet と Industry4.0
Industrial Internet Industry 4.0
アメリカとドイツの取り組みの違い
55
Industrial Internet と Industry4.0おける標準化の取り
組み
56
IIRA
IIC Reference Architecture
RAMI4.0
Reference Architecture Model Industrie 4.0
デジュール寄り
国際標準化組織による標準
デファクト寄り
市場の要請などによる事実上の標準
マッピングの比較・分析リーダー by 日本
インダストリー・インターネットのモデルベース開発
57
 自動車の高機能化(電子制御、安全運転支援システム、快適性、ネットワーク化)、パワートレイン
方式の多様化等により、設計開発業務は複雑化。一方で、製品の開発サイクルは短縮化。
 こうした状況に対応するため、モデルベース開発(モデル化、シミュレーションを活用し開発を進め
る手法)がエンジン開発を中心に進展。
 開発環境の変化に対応できない中小サプライヤーが、欧州メガサプライヤー等に淘汰される可能性も
存在。
 航空機分野は、安全性要求の高さ等から自動車に比べモデルベース開発が先行。重工各社は、モデル
ベース開発を踏まえたエンジン部品開発を、エンジンメーカー(GE、P&W、R&R)に提案し付加価値
を獲得。
日本産業システムが抱える課題
58
 製造プロセスのデータ収集・活用によるカイゼン活動(暗黙知の形式知化、不可視知の可視知化)に
は多くの日本企業が取り組んでいるが、カイゼン以上の付加価値提供にまでは至っていない。
 他方GEは、データ解析ツールの外販により、様々な分野で他社製の機器も含めたデータプラット
フォーマーとなる動き。
 今後、付加価値獲得競争が激化する中でビジネスモデルの構築が課題。
 ITを活用した生産自動化により、工場内の生産性向上の分野では世界をリード。必要に応じて、混流
生産(一つのラインで複数の製品を生産)も実施。
→ 大量生産を念頭に置いたもので、機械どうしを繋ぎ自律的に生産ラインを変えて 変種変量生産を実現する動きには至っていない。
 我が国にも、製造物や生産ラインに取り付けたセンサーからデータを取得し、製品の保守や生産ライ
ン効率化に活用する先進的な動きがある。
→ 自社で閉じたシステムで、GEのように競合他社へのシステム提供を通じ付加価値 を獲得しようとする動きにまで至っていない。
 製造業のデジタル化による「つながり(Connectivity)」(工場内の機械や製品などのモ
ノのデジ タルなつながり)が、消費者の多様な需要に対応した変種変量生産ラインの構
築に不可欠。
→ デジタルものづくりのプラットフォームとなるツールやそれを工場内に導入するSIer不足
 データの蓄積・解析による付加価値づけが、競争力の源泉へ。
→ データ蓄積のためのプラットフォーム作りを率先して行うことが必要。
→ データの解析を通じた予測モデル等の付加価値づけにむけた人材が不足。
 国際標準化、サイバーセキュリティへの対応。
→ IEC(国際電気標準会議)で始まっている国際標準化活動に積極的に参画することが必要。
5G (次世代移動体通信システム)
次代を支えるデータ連係基盤
1G 2G 3G 4G 5G
音声 テキスト データ 動画
あらゆるモノがつながることを前提とした
社会課題の解決
通信・コミュニケーションの性能向上
移動体通信システムの歴史
1979〜 1993〜 2001〜 2012〜
2020〜
9.6Kbps 28.8〜384Kbps 2.4〜14.4Mbps 0.1〜1Gbps
10Gbps〜
5Gのビジネスの適用領域
データ量超増大 × 即時性向上
1通信あたりのデータの嵩が増える
 リッチ化する:高精細や高音質になり臨場感、没入感
が増す
 多角化する:同時に取り扱える情報の選択肢が増える
1通信あたりのデータの種類が増える
 制御用の情報(センサーやカメラからの情報)が増え
る:自動○○が実現する
 参考可能な情報(ログ情報)が増える:パーソナライ
ズのパターンが増える、レコメンドの精度が向上する、
対象への理解が深まる
タイムラグがほぼ無くなる
 距離の制約が消える:各地に散らばる人たち同士で同
時に何かやる、今やった/起きたことをすぐに取り込
んですぐ活かす
社会(利便性)向上系
医療分野
 超高信頼低遅延通信の実現で移動中や遠隔地の高度診療が可能になり、
医療格差が解消される
農林水産分野
 超大量端末同時接続の実現で作物や家畜などの状況を把握するセン
サーと散水・薬剤散布や給餌を実施するロボットやドローンの制御が
可能になり、減少する従事人口を補える
土木建築分野
 超大量端末同時接続と超高信頼低遅延通信の実現によって遠隔制御が
可能になり、危険度が高い高所・鉱山・災害地などの現場での安全な
作業が確保でき、またドローンの活用による高精度測量などの精度が
向上する
生活分野
 自動運転と遠隔制御によって、細分化された公共交通が実現する
 センサー情報を駆使して状況を把握する店舗運営が可能になる
 遠隔授業や家庭教師の実現によって、学習格差が解消される
 大量センサーと自動判定AIによって、防災・防犯・減災力が向上
 VRオフィスとテレワークが実現する
コンテンツ向上系
スポーツの場合⇒体験が深くなる
 自動制御が可能になってカメラ台数を一気に増やせることで、多地
点・ドローンなどによる多角度撮影ができるようになる
 取得データの種類が増え分析できる情報が増えることで、選手のバイ
タルデータ・顧客のバイタルデータ・環境データが取得できるように
なる
 AIが発達することでデータの有効活用レベルが上がり、多角的な分析
結果を提示できるようになる
エンタメの場合⇒現実を超える仮想実現へ
 即時性が向上することで出演者の居場所を問わない制作環境を実現さ
せることや、同時多人数対応の参加型体験の提供ができるようになる
スポーツ&エンタメに共通
 1通信あたりの送信データの嵩が増え、高画質・高音質・8K360°リ
アルタイムな高臨場感映像が提供できるようになり、また視聴者に合
わせた多種多様な映像・情報を提供できるようになる
生活者データ・ドリブン・マーケテイィング通信より https://seikatsusha-ddm.com/article/10129/
コレ1枚でわかる第5世代通信
1G
2G
3G
4G
高速・大容量データ通信
 10G〜20Gbpsのピークレート
 どこでも100Mbps程度
大量端末の接続
 現在の100倍の端末数
 省電力性能
超低遅延・超高信頼性
 1m秒以下
 確実な通信の信頼性担保
5G
音声 テキスト データ 動画 IoT
多様なサービスへの適用を可能にする
 異なる要件のすべてを1つのネットワークで実現する。
 各要件をに応じてネットワークを仮想的に分離して提供する(ネットワーク・スライシング)。
1979年〜
1993年〜
2001年〜
2012年〜
2020年代〜
5Gの3つの特徴
先送り
高速・大容量
大量端末接続 超低遅延・高信頼性
100万台/k㎡ 1ミリ秒
20Gビット/秒
1Gビット/秒
10万台/k㎡ 10ミリ秒
20
倍
5G
4G
URLLC:
Ultra-Reliable and
Low Latency Communications
mMTC:
massive Machine Type
Communications
eMBB:
enhanced Mobile Broadband
リアリティの再現
光ファイバーの代替/補完
高精細/高分解能な
デジタル・ツインの構築
時空間の同期
リアルタイム連携
5Gの3つの特性
 URLLC:Ultra-Reliable and Low Latency Communications/超低遅延・超高信頼性
 eMBB:enhanced Mobile Broadband/高速大容量通信
 mMTC:massive Machine Type Communications/大量端末接続
第5世代通信の適用例
高速・大容量データ通信
 10G〜20Gbpsのピークレート
 どこでも100Mbps程度
大量端末の接続
 現在の100倍の端末数
 省電力性能
超低遅延・超高信頼性
 1m秒以下
 確実な通信の信頼性担保
5G
多様なサービスへの適用を可能にする
 異なる要件のすべてを1つのネットワークで実現する。
 各要件をに応じてネットワークを仮想的に分離して提供する(ネットワーク・スライシング)。
2020年代〜
2時間の映画を
3秒でダウンロード
ロボット等の
精緻な遠隔操作を
リアルタイムで実現
自宅内の約100個のモノ
がネットに接続
(現行技術では数個)
現在の移動通信システムより
100倍速いブロードバンドサー
ビスを提供
利用者がタイムラグを意識
することなく、リアルタイ
ムに遠隔地のロボット等を
操作・制御
スマホ、PCをはじめ、身の
回りのあらゆる機器がネッ
トに接続
5Gの普及段階
高速
eMBB
低遅延
URLLC
多接続
mMTC
高速
eMBB
低遅延
URLLC
多接続
mMTC
高速
eMBB
低遅延
URLLC
多接続
mMTC
4G(LTE)
4Gコアネットワーク
LTE
基地局
4Gコアネットワーク
LTE
基地局
NR
基地局
マクロセル
スモールセル
既存周波数帯 新しい周波数帯
NSA
NSA: Non-Standalone
5Gコアネットワーク
LTE
NR
基地局
既存周波数帯 新しい周波数帯
SA
SA: Standalone
マクロセル
スモールセル
NR
ユーザー情報
制御情報
ユーザー情報 ユーザー情報
制御情報
SA
LTE: Long Term Evolution
NR: New Radio
5G初期 5G普及期
2010〜 2020〜 2022〜
参考:5Gの社会実装に向けたロードマップ
67
ローカル5G(Private 5G)
5G:住宅街や駅・商業地域等の広域/通信事業者
ローカル5G:「自己の建物内」又は「自己の土地内」/その場所を利用する権利を持つ者
第5世代通信におけるネットワーク・スライス
高速・大容量データ通信 大量端末の接続 超低遅延・超高信頼性
5G
ネットワーク・スライシング
高効率
ネットワーク・スライス
低遅延
ネットワーク・スライス
高信頼
ネットワーク・スライス
セキュア
ネットワーク・スライス
企業別
ネットワーク・スライス
エネルギー
関連機器の
監視や制御
農業設備や
機器の監視
や制御
物流トレー
サビリティ
遠隔医療
各種設備機
器の監視と
制御
ゲーム
災害対応
自動車
TISや自動運転
公共交通
機関
医療
遠隔医療や
地域医療
自治体
行政サービス
金融
サービス
企業内
業務システム
各種クラウド
サービス
・・・
第5世代通信におけるネットワーク・スライス
高速・大容量データ通信 大量端末の接続 超低遅延・超高信頼性
5G
ネットワーク・スライシング
SIM
SIM
SIM
閉域網
閉域網
閉域網
SIM
SIM
SIM(subscriber identity moduleもしくはsubscriber identification module/SIMカード)とは、電話番号を特定するための固有のID番号が記録された、
携帯やスマートフォンが通信するために必要なICカードのこと。
つながることが前提の社会やビジネス
アナリティクス
最適化・予測など
アプリケーション
機器制御・指示命令
情報提供等
データ
クラウド・サービス
AI/人工知能
人に寄り添うITを実現する
AIとは何か
人間は何を作ってきたのか
鳥のように空を飛びたい
馬のように速く走りたい
魚のように海に潜りたい
AIとAGIの関係
汎用型人工知能
AGI : Artificial General Intelligence
特定の領域に特化した
知的処理
汎用的で自律的に拡張する
知的処理
特化型人工知能
AI : Artificial Intelligence
何を知るべきを見つける
どうすればいいかを探す
知能・身体・環境とAI
76
生物/生存と繁殖
自己概念 信念、欲求、感情、理性、自己意識
感覚器 運動器官
骨格、関節、筋肉、靭帯、腱
環境/ガイア仮説
身体
影響
受容
相互作用・適応
エネルギー循環
誕
生
死
滅
進化 遺伝・淘汰・絶滅
IoT ロボティクス
地球と生物が、相互に
関係し合い環境を作る
認識 判断 運動構成
AI/人工知能
繁
殖
長く生き延び
子孫を残す
内分泌系
人間の知能と機械の知能
77
人間は身体性を有す 機械は身体性がない
脳と全身はユニットとして機能し、感覚系や神経
系内分泌機能を介して全身と接続している
人工知能は、特定の知的処理に特化した機能を提
供し、身体を介した相互作用や適応はできない
生存と繁殖のための
進化と適応
収束的思考
数学計算、検索など
機械の知能
統計的/論理的な合理性のための
発展と適応
倫理的な制限
雇用・ジェンダー・人種など
拡散的思考
創造性、芸術性など
人間の知能
コンピュータがコンピュータを作る時代
こんなコンピュータを作ろう!
もっといいやり方はないだろうか?
どこを改善すれば性能は向上するだろう?
この新技術は使えるかもしれないぞ?
設計・実験・製造データ作成など
コンピュータ/AIが 人間を支援
目的やテーマの設定
コンピュータ/AIが 自律的に全てを実行
汎用型人工知能
AGI
79
ある ない
ある ない
ある ない
ある
(少ない学習データ)
ある
(膨大な学習データ)
高い 低い
(ひとつの知的処理に特化)
高い 低い
低い 高い
人間は身体に備わる様々な感覚器からの情報も含め総合して知覚・認識
しているが、機械には身体がないのでそれができない。
自分が現在何をやっているか、今はどんな状況なのかなどが自分でわか
る心の働きである意識により、人間は様々な知的処理を同時に実行し、
それを統合・制御しているが、機械にはできない。
人間は、自分の考えや選択を決心し、実行する能力、あるいは、物事を
成し遂げようとする意志を持っているが、機械にはない。
人間は少ない学習データからでも効率よく学習できる能力をそなえてい
るが、機械は膨大な学習データとそれを処理できる膨大な計算能力(消
費エネルギー)を必要とする。
人間はひとつの脳で様々な種類の知的処理が可能だが、機械は特定の知
的処理に特化している。
人間は、神経の機能単位が消失しても、それを自律的に補填・回復させ
ることができるが、機械にはそれができない。
人間の場合、1千億個のニューロンによる超並列処理がおこなわれてい
るが、その数を増やすことはできない。しかし、機械のプロセッサーは
増やすことはできる。
人間の知性と機械の知性
意識
身体性
意志
学習能力
汎用性
可塑性
スケーラ
ビリティ
高い 低い
人間の脳の消費エネルギーは思考時で21ワット/時程度のエネルギーを
消費するが、機械の場合はその数千倍から数万倍を必要とする。例えば、
GoogleのAlphaGoの消費電力は25万ワット/時とされている。
エネルギー
効率
ある ある 共に記憶能力はあるが、人間の場合は、身体的な感覚を含む記憶が可能
であり、記憶内容やメカニズムは必ずしも同じではない。
記憶能力
機
能
的
特
徴
器
質
的
特
徴
人間の知性 機械の知性 補足説明
AIの役割と人間の関係
多様性の拡大
知的単純労働
からの解放
複雑な業務の
効率と品質の向上
自分とは異なる能力やスキルを
持つものとの協力で問題を解決する
ウエブ情報の収集
提携記事の作成
勤怠管理
書類作成
工事現場の進捗管理
施設の警備
防犯や防火
ケアプランの作成
財務情報の収集と分析
報告書の作成
治療方針の策定
カルテの作成
自分とは異なる視点や洞察を得て
イノベーションを生みだす
通訳や翻訳
判例検索
自動運転
機器制御
商品プランの提案
契約書作成
短期間での問題解決
試行錯誤の高速化
新たな関係や組合せの提示
専門的なアドバイス
質問応答
医療診断支援
AIは、
問題を解決する
人間は
問題を生みだす
AIマップ・AI研究は多様 フロンティアは広大
人工知能学会: https://www.ai-gakkai.or.jp/pdf/aimap/AIMap_JP_20200611.pdf#page=25
AIマップ・AI研究の現在
人工知能学会: https://www.ai-gakkai.or.jp/pdf/aimap/AIMap_JP_20200611.pdf#page=25
人工知能と機械学習
第3次AIブームの背景とこれから
84
1960 1970 1980 1990 2000 2010 2020 2030
第1次AIブーム
推論・探査など
ゲームや迷路などに
用途は限られ実用性は
無かった
第2次AIブーム
ルールベースなど
エキスバーとシステムと
して実用化されたが汎用
性が無かった
第3次AIブーム
機械学習(統計確率論や深層学習など)
汎用性、実用性が高まり、様々な分野の適用
が期待されている
大型コンピューター
メインフレーム
パーソナル・コンピューター
スマート
フォン
IoT
ビッグデータ時代の到来
ARPAnet 米国・インターネット
商用利用開始
日本・インターネット
商用利用開始(IIJ)
World Wide Web
が開発され公開
画像が扱えるWWWブラウザー
Mozaicが開発され公開
Windows95発売
IEが付属し、ブラウザーでの
インターネット利用者が拡大
ISLVRCにて
ディープラーニング圧勝
1969 1990 1993
1995
2012
Googleによる
猫認識
2011
Jeopardyにて
IBM Watson勝利
電脳将棋
竜王戦 開始
1997
チェス・チャンピオンに勝利
IBM Deep Blue
2007
iPhone
発売
1981
IBM PC 5150
発売
汎用人工知能
Artificial General Intelligence
登場の可能性
ムーアの法則/コンピュータ性能の加速度的向上
1965〜
ムーアの法則の限界/新たな選択肢の登場
GPGPU、ニューロモーフィング・チップ
量子コンピュータ等
IBM S/360
メインフレーム
1964
ニューラル
ネットワーク
考案
Intel 404
マイクロプロセッサ
1971
データ流通量
1957
1956
ダートマス
会議
1982
第5世代
コンピュータ
プロジェクト
人工知能と機械学習
人工知能(Artificial Intelligence)
人間の”知能”を機械で
人工的に再現したもの
基礎的
応用的
知識表現
推論 探索
機械学習
自然言語理解
感性処理
画像認識
エキスパートシステム
データマイニング
情報検索
音声認識
ヒューマンインターフェース
遺伝アルゴリズム
マルチエージェント
ニューラルネット
ゲーム
プランニング
ロボット
人工知能の一研究分野
人工知能と機械学習の関係
86
人工知能 Artificial Intelligence/AI
機械学習 Machine Learning
ニューラル・ネットワーク
Neural Network
深層学習
Deep Learning
人間の”知能”を機械で
人工的に再現したもの
強いAI:コンピュー
タに人間と同様の知
能を持たせた仕組み
弱いAI:コンピュー
タに人間と同様の知
的な振る舞い・処理
をさせる仕組み
データからグループ分
けのためのルール(モ
デル)を作る仕組み
脳の仕組みを参考に作
られた機械学習の手法
従来よりも精度の高いモ
デルを作ることができる
ニューラル・ネットワー
クの手法
遺伝アルゴリズム、エキスパートシステム、音声認識、画像認識、感性処理、機械学習、
ゲーム、自然言語処理、情報検索、推論、探索知識表現、データマイニング、ニューラル
ネット、ヒューマンインターフェース、プランニング、マルチエージェント、ロボット
データ
プログラム
モデル
機械学習がやっていること
モデル
入力をどう処理して
出力するかのルール
入力 出力
人間の思考で
ルールを作る
実験・観察・思考
データ分析で
ルールを作る
機械学習
機械学習がやっていること
モデル
レントゲン写真から
「癌」の病巣を
識別するルール
入力 出力
癌
データ分析で
ルールを作る
機械学習 癌の病巣が写っている
大量のレントゲン写真
ある患者のレントゲン写真 「癌」の病巣を表示
レントゲン写真から
「癌」の病巣を見つける「モデル」
機械学習がやっていること
モデル
推論モデル/学習モデル
入力 出力
Y=f(X)
X Y
f 関数
学習:大量のXとYの関係を調べ、統計的に最も確からしい関数 f を見つける計算
推論:関数 f に入力Xを与え、出力Yを導く計算
学習データ
大量のデータを処理するため
の計算資源が必要
学習ほどの計算資源は不要
ルールベースと機械学習
Sheep Dog
を見分ける仕様
やルール
= if XX
Then XXX
else XXX
Mop
を見分ける仕様
やルール
= if XX
Then XXX
else XXX
Sheep Dog
を見分ける仕様
やルール
0101011101010
1110101001011
1110010101010
Mop
を見分ける仕様
やルール
0111100101010
1101010001010
1110100100101
人間が記述 データから生成
GoogleのAI学習教材より
機械学習の仕組み
91
IoT Web
Mobile
データ
モデル
推論
機械学習
Machine Learning
識別
予測 判断
ゾウ or カバ? 正常 or 異常?
晴れ or 雨?
データ(学習データ)を分析して
特徴が共通するグループに分ける
ための基準/ルール(モデル)を作る
モデルを使ってグループ分けする
音声認識
顔認証
自動運転
創薬支援
天気予報 画像診断 人材採用
故障予測
機械翻訳 競技アドバイス
惑星探査 ヒビ割れ点検
製品品質検査
機械学習アプリケーション
推論モデル/学習モデルという
学習データという
学習と推論
92
大量の学習データ
機械学習 学習済
推論モデル
アプリケーション
対象
データ
推論
エンジン
 CT画像データ
 通話音声データ
 LIDERデータ
など
推論
判別
 画像:癌病巣の発見
 音声:話者の特定
 センサ:障害物回避
など
GPUや専用LSIを使用
消費電力より並列処理性能を優先
FPGAやDSPなどを使用
高速処理と低消費電力を優先
GPU: 大規模並列処理可能なプロセッサ
FPGA:プログラミング可能なLSI
DSP:信号処理に特化したLSI
LIDAR:レーザーの反射光から周辺環境の3次元的な構造を読み取る装置
学習
Learning
推論
Inference
機械学習の2つの課題
93
機械学習の課題
大量の学習データ
が必要
結果が
説明できない
精度を高める高めるためには
大量の学習データを
用意しなければならない。
なぜ、この結果になったのかを
説明できない。
学習データの
精度を上げる
学習データを
水増しする
転移学習
を行う
解決策
説明可能な
手法を使う
説明が必要な用途
には使わない
解決策
人工知能の実用
自動化ツール
Google Cloud AutoML
Microsoft Azure ML
AWS SageMaker など
AIと人間の役割分担
データを準備
意志決定
学習方式の選択
パラメーターの調整
可視化・分類・予測
問いを生みだす
解決したいこと・知りたいことを決める
膨大なデータの中から、人間
の経験に基づく先入観なしに
規則、相関、区分を見つける
新たな問いを生みだす
判断・制御
モデル
公式・ルール・関数など
AI導入/データの戦略的活用における3つの課題
96
事業価値向上
AI導入
データの戦略的活用
良質・大規模な
学習データの収集と整備
データ分析・AI活用に
精通した人材の確保
経営者や業務部門における
データ活用のリテラシーの向上
テクノロジーやツールの問題ではなく、人間の問題が大きい
人工知能の可能性と限界
機械翻訳の現状とそのプロセス
音声認識
Speech
Recognition
機械翻訳
machine
translation
音声合成
Speech
synthesis
2016:人間並み 2018〜19:人間超え 2018〜19:人間との区別困難
プロの逐次翻訳に匹敵(状況による)
60
50
40
30
20
10
一般の人が翻訳した場合よりも高品質であることが多い
非常に高品質で適切かつ流暢な翻訳
高品質な翻訳
理解できる適度な品質の翻訳
主旨は明白だが文法上の重大なエラーがある
主旨を理解するのが困難
ほとんど役に立たない
BLEUスコア
19851990 1995 2000 2005 2010 2015 2020
統計的機械翻訳
SMT(Statically Machine Translation)
ニューラル機械翻訳
NMT(Nural Machine Translation)
BLEU: BiLingual Evaluation Understudy
AIにできること、人間に求められる能力
自分で問いや問題を
作ることができない
与えられた問いや問題には
人間よりも賢く答えられる
問いや問題を作る能力
人工知能を使いこなす能力
結果を解釈し活用する能力
人間に求められる能力
AI
Whyから始める
いかなる問題を解決するのか?
Purpose(目的/存在意義)を
明確にする
どのように問題を解決するのか?
構想や体制、開発や運用の
方針や計画を明確にする
何を使って問題を解決するのか?
技術や手法、製品やサービスなどの
手段を具体化する
WHY
HOW
WHAT
人間と機械の役割分担
WHY
HOW
WHAT テクノロジーにより
置き換えられる領域
AI、ロボット、クラウド、自動化など
人間でなければ
できない領域
なぜ、なんのために、何をしたいかなど
デジタル化 実践のステージ
102
Stage Ⅲ
自律
Autonomy
Stage Ⅱ
自動
Automation
Stage Ⅰ
操作
Operation
Stage 0
監視
Monitor
事実
把握
実行
適用
判断
ルール
設定
修正
最適化
目的
設定
人間とAIの役割分担
人間にしかできないこと AIに任せた方がいいこと
 疑問や興味を持つ
 課題を持ち解決したいと思う
 目的やテーマを設定する
 結果をイメージできる
 行動に意味を与える
 最適な結果を高速に見つける
 大規模データを高速に計算する
 試行錯誤を高速に繰り返す
 膨大な選択肢を絞り込む
 膨大な組合せを検証する
意欲や興味、想像、意味付け 高速・大量な論理演算、検索と比較
マシンは答えに特化し、人間はよりよい質問を長期的に
生みだすことに力を傾けるべきだ。
“これからインターネットに起こる『不可避な12の出来事』” ケビン・ケリー・2016
データサイエンス
データサイエンスに必要とされる能力
データサイエンティストの定義
データサイエンス力、データエンジニアリング力をベースに
データから価値を創出し、ビジネス課題に答えを出すプロフェッショナル
データサイエンティスト業務を整理したタスクリスト
資料:データサイエンティスト協会スキル委員会討議
機械学習の活用プロセス
109
モデル運用
機械学習
モデル作成
学習データ
収集・加工
学習データ
定義
問題定義
 問題発見
 ゴール設定・KPI定義
 業務方針決定
 ノウハウの形式知化
 目的変数の決定
 説明変数決定
 データソース決定
 データ収集
 加工プログラム開発
 アルゴリズム選択
 コーディング
 パラメータチューニング
 環境構築
 コーディング
 デプロイ&テスト
 経営や業務  業務  IT
 計算科学
 統計学
 計算科学
 IT
 業務
プロセス
タスク
スキルや知識
データ・サイエンスの実践プロセス
課題定義 仮説設定 データ
収集・加工
データ探索
モデル運用
施策実施
評価・改善
業務担当者と分析担当者で
ビジネスの要件と課題を共有
ビジネスの要件と課題
を踏まえて仮説を設定
仮説を検証するためのデータ
を選定、収集、洗浄、加工
データを分析し統計的に有意な
データ項目を特定、仮説を検証
モデル構築
施策策定
施策の有効性を評価する
予測モデルを構築する
仮説検証の結果を踏まえ
ビジネス施策を策定
課題定義:「運送事業者に対する交通事故における保険金支払額を減らす」というビジネス要件を満たすために、「交通
事故の発生頻度を減らす」という課題を設定
仮説設定:事故の発生原因として、安全運転を徹底すれば、課題解決になるとの仮説を設定、合わせて何をもって安全運
転かどうかを評価する基準として、事故の発生頻度が、急加速・急減速の発生回数と、「急」の強さを設定
データ収集・加工:契約企業の車両に車両の動きを検知するセンサーを搭載し、丁寧な運転か、乱暴な運転、あるいは、
適切に休憩を取っているかなどを時間帯、運転手の性別、運転時間などとの関係とともにデータを収集、無関係と考えら
れるデータやノイズを除去、利用しやすいデータ形式に加工
データ探索:収集したデータを使って統計あるいは機械学習等の分析ツールを使用し、事故の発生頻度が、急加速・急減
速の発生回数と、「急」の強さが、統計的に有意であることを突き止め、仮説の有効性を検証
施策策定:急加速・急減速の発生回数と「急」の強さを検証する車載センサー開発、契約車両に設置、データ探索で明ら
かになった確率値を前提に「安全運転スコア」を計算、安全度が高い運転者の保険料率を引き下げることで、事業主に安
全運転励行のインセンティブを与える。
モデル構築:データ探索で明らかになった優位なデータ項目と確率分布に基づき「安全運転スコア」算出する。
評価・改善:施策実施の結果や「安全運転スコア」モデルの有効性をデータから評価し、改善のサイクルを回す。
データサイエンティストの業務
後藤真理絵/リクルートマーケティングパートナーズ Data Scientist、Quipper Data Scientist
これからのシステム開発
圧倒的なビジネス・スピードに対処するための
システムの開発と運用とは
システム
開発
Development
アプリケーション
を実行可能にする
こと
 アプリケーショ
ンを企画設計し
プログラムを作
ること。
 最適な技術を目
利きし、その適
用方法を決める
こと
 アプリケーショ
ンを動かすため
の仕組み(プ
ラットフォーム
とインフラ)を
整えること
システム
運用
Operation
アプリケーション
やプラットフォー
ムとインフラを安
定して動かし続け
ること
 稼働状況やトラブ
ルの監視
 万が一のための
バックアップや復
旧(リカバリー)、
安定稼働のための
改善など
 ユーザーからの問
い合わせやトラブ
ル対応に対処する
こと
インフラストラクチャー
サーバー、ストレージ、データセンターなどのハードウェアや設備
プラットフォーム
データ管理、セキュリティ管理、通信、ハードウェア制御、決済などの共通機能
アプリケーション
会計管理、販売管理、オンライン・サービスなどの
業務成果を生みだすソフトウェア/プログラム
開発や実行のための環境の整備
プログラミング・テスト
概要設計・詳細設計
企 画
システム化の対象範囲は「レベルA」以上
レベルD
存在しない
レベルC
初期段階
レベルB
反復可能だが直感的
レベルA
標準プロセスが定義されている
レベルAA
管理が行き届き測定可能
レベルAAA
最適化されている
Source: Capability Maturity Model Integration, CMMI
システム化
の対象範囲
システム化
の対象範囲外
開発する前に「改善の4原則:ECRS」を実践する
115
Eliminate
排除
Combine
統合
Rearrange
交換
Simplify
簡素化
業務の目的を見直し
なくすことを考える
業務をまとめることで
効率化できるかを考える
順序を入れ替えることで
効率化できるかを考える
省力化しても同じ結果が
得られるかを考える
旧来のテクノロジーを前提とした習慣化したプロセス 新しいテクノロジーを前提に再定義したプロセス
デジタル技術を前提に見直す
ECRS(読み:いーくるす)
クラウド前提で開発や運用の負担を軽減
ストラテジック
アプリケーション
コモディティ
アプリケーション
コア・アプリケーション
デジタル・プラットフォーム
機械学習・ブロックチェーン・IoTなど
ERP・SCM
電子メール
オフィスツール
経費精算
スケジュール
ファイル共有
プロジェクト管理など
デザイン思考
リーンスタートアップ
常に最新
メンテナンス・フリー
エコシステム
事業戦略に直結
ジャストインタイム
事業の成果に貢献
クラウド・サービス
を採用
内製チームで開発
アジャイル開発×DevOps
システム開発や運用管理
のための機能やサービス
を部品として提供
企業活動の基本を支える
業務機能の提供
圧倒的な
ビジネス
スピード
ここに
リソースを傾注させよ!
システム構築事例 :大手オンライン・サービス事業者
財務会計・人事
Netsuite
管理会計
Tableau
勤怠・給与
e-Pay
経費精算
Concur
連結会計
Diva
人事ダッシュボー
ド
QlicView
考課・目標管理
Cydas
KPI管理
内製
作画・共有
Cacoo
情報共有
Quita
進捗管理
Tollelo
開発ソース管理
GitHub
開発案件管理
Jira
開発情報Wiki
Confluence
ファイル共有
Box
シングル
サインオン
Okta
メール
G Suite
チャット
Slack
無人受付
Smart at
ワークフロー
kintone
名刺管理
sansan
マーケティング
Marketo
基幹業務
システム開発 コミュニケーション その他
クラウド
SaaS
オンプレミス
パッケージ
オンプレミス
内製
クラウド・サービス利用することで、構築や運用の負担を減らし、「最新」の価値を享受
システム開発とDX
デジタル・トランスフォーメーションのBefore/After
支援
人間主体でビジネスを動かしITが支援する
生産性向上・コスト削減・期間短縮
ITはコスト、削減することが正義
クラウド化+自動化
モダナイゼーション
Before DX
人間とITが一体となってビジネスを動かす
変化への即応力・破壊的競争力・価値の創出
ITは競争力の源泉、投資対効果で評価
新規性と俊敏性の確保
アジャイル+DevOps
プラットフォーム
After DX
省力化とコスト削減
事業を支えるIT 事業を変革するIT
外注
主導
内製
主導
何をするか予め決めることができる 試行錯誤を繰り返し何をするかを見つける
ビジネス・スピードの加速とシステム開発・運用の関係
ビジネス 要件定義
設計
開発
テスト
本番移行
リアルタイムな現場のニーズの変化やフィードバックをうけて、
小さな単位で高速に改善を繰り返し、ビジネスの成果に、いち早く貢献する
将来を予測し緻密な計画を立て、
必要性が高いと考えられるニーズに基づき仕様に固め、その通りに開発する
ビジネス・スピードの加速を支える開発と運用
アジャイル開発
Agile Development
 ビジネスの成果に貢献するコードだけを
 変更に柔軟・迅速に対応して
 バグフリーで提供する
DevOps
Development & Operation
 運用の安定を維持しながら
 本番環境への迅速な移行と
 継続的デリバリー
クラウド
Cloud Computing
 最新・高速・俊敏な開発実行環境の調達
 経費化による不確実性への担保
 運用やセキュリティから解放と人材の再配置
デジタル・トランス・フォーメーション
ITの役割の歴史的変遷
ビジネス
バッチ処理システム
ビジネスの事後で事務処理
オンライン処理システム
ビジネスと同時並行で事務処理
モノとサービスの組合せ
モノが主役・サービスは脇役
インターネット/Webシステム
一方通行発信・受信・会話型EC
サービス中心
サービスが主役、モノが脇役
エンゲージメント型Web
モバイル、ソーシャル、UXなど
〜1970
〜1990
〜2000
2010〜
ハイパー・コンペティション
不確実性の増大・競争原理の変化
モノ中心
モノ、製品が主役
ウオーター
フォール
ウオーター
フォール
アジャイル
アジャイル
& DevOps
IT
モノ中心
モノ、製品が主役
開発手法
生産物(完成品)とサービス(未完成品)
ワ
ー
ク
ロ
ー
ド
ライフ・タイム
ウォーターフォール開発
外注
リリース後の
手戻りが許されない
“完全”な成果物を提供
生産物としての
情報システム
アジャイル開発
内製
リリース後も
継続的に改善
常に最新を維持
サービスとしての
情報システム
アジャイル開発
アジャイル開発の基本構造
100%
0%
時間
仕様書に記載した
全ての機能
100%
0%
時間
予定していた
全体仕様
30%
60%
80%
現場からの
フィードバック
現場からの
フィードバック
現場からの
フィードバック
?
仕様書に対して100点満点狙い
ビジネスの成果に対して合格点狙い
途中の成果からフィードバックを得て、
仕様や優先順位の変更を許容する。
ウォーターフォール開発の考え方
アジャイル開発の考え方
現場からのフィードバック
最後になって訂正・追加などが集中
目標としていたビジネスの成果が
達成できていれば完了
仕様凍結(確定)させて仕様書通りに開発が100%完了したら、
現場からのフィードバックを求める。
仕事の仕組みは確定できるを前提にした開発
仕事の仕組みは変化するを前提にした開発
ウォーターフォールとアジャイルの違い
 用意されたプロセスやツール
 全てを網羅したドキュメント
 お互いの妥協点を探る契約交渉
 一度決めた仕様や計画に従うこと
 システムを納品すること
計画通りに完成させること
「計画通り」が正義という信念
 自律的な判断と行動
 実際に使う動くソフトウェア
 顧客との対話と協調
 変更や変化への柔軟な対応
 ITサービスを提供すること
ビジネスを成功させること
「計画通り」は無理という現実
ウォーターフォールとアジャイルの違い
 ユーザーと開発者はプロジェクトを通して、日々一緒
に働く
 ユーザの満足を優先し価値あるソフトウェアを早く継
続的に提供する
 要求の変更はたとえ開発の後期であっても歓迎する
 動くソフトウェアをできるだけ短い間隔( 2〜3週間
あるいは2〜3ヶ月)でリリースする
 動くソフトウェアこそ進捗の最も重要な尺度
 技術的卓越性と優れた設計に対する普段の注意が機敏
さを高める
 シンプル(無駄なく作れる量)に作ることが基本
 最良のアーキテクチャ・要求・設計は自己組織的な
チームから生み出される
 チームが最も効率を高めることができるかを定期的に
振り返り、それに基づいて自分たちのやり方を最適に
調整する
アジャイルな思想
 ユーザと開発者はいつもは別の場所にいてプロジェク
トを通して定例ミーティングを行う
 ユーザーの満足や価値のあるなしではなく、とにかく
ソフトウェアを提供する
 要求の変更を開発の後期に出すの勘弁して欲しい
 パワポ、エクセル、ワードの仕様書を丁寧に清書して
( 2〜3週間あるいは2〜3ヶ月)納品する
 動くソフトウェアこそ進捗の最も重要な尺度
 技術的卓越性と優れた設計に対する普段の注意が機敏
さを高める
 仕様書通り(間違っていようが)に作ることが基本
 最良のアーキテクチャ・要求・設計は自己組織的な
チームから生み出される
 チームがもっと稼働率を高めるように監視し、それに
基づいて自分たちへの批判や不満を回避するために、
念のため納期を厳しめに設定する
ウォーターフォールな思想
https://speakerdeck.com/kawaguti/flipped-agile-manifest
Yasunobu Kawaguchi氏 資料を参考に作成
開発と運用:従来の方式とこれからの方式
128
価値観
スピード
働き方
時間の使い方
計画
プロジェクト
リスク
役割
進捗管理
見える化
評価基準
要求
設計
コード
開発
品質
ドキュメント
デプロイ&リリース
運用
運用管理
リーダーシップ
計画重視
遅い
働き方仕事はまとめた方が効率が良い
残業を認める仕事の目的を達するまでの時間
計画重視、全期間にわたる計画立案(計画通りことは運ぶ)
しっかりと計画を立て、理論的に進める
プロジェクト後半に増大
専門家による分業
管理指標
作業が終わらないと見えない
計画に対して
管理可能、100%定義可能
機能中心設計
属人化する
基本は個人(専門家)
管理強化(当たり前品質)
多種多様、管理基準
半自動
分離独立
ITIL
統率型(指示&命令)
ウォーターフォールを中心とした従来の方式
リソース重視、適応性重視
早い
仕事は1つ筒こなした方が効率が良い、残業は認めない
区切られた時間内で仕事の目的を達成(タイムボックス)
計画作り重視、朝令暮改、詳細1か月(計画通り事は運ばない)
フィードバック重視、反復的(イタラティブ)に進める
プロジェクト広前半に増大
多能工型(T型人材)
現地・現物管理(動くプログラムのみ)
ほぼいつでも見える(徹底した透明性)
ビジネス価値(ビジネスの成果)に対して
管理不能、定義不能(標的は動くが前提)
プロセス中心設計
属人化排除
チームの連帯責任
向上の可能性あり(魅力的な品質)
MRI(必要最低限)、使用目的の明確化
自動(ディプロ医メント・パイプライン)
オペレーションの一体化
計量化したサービス管理 & ISO20000
侍従型(サーバント・リーダーシップ/ファシリテーション)
アジャイル開発&DevOpsによるこれからの方式
ウォーターフォール開発とアジャイル開発(1)
129
要件定義
開 発
テスト
膨大なドキュメント
動くソフトウェア
保守
本気で検証
改修を要求
真面目に考える
よく分からない
納期遅延
品質問題
リソース
時間
ユーザーは
はじめて本気
ソフトウェアを使う
ユーザー
マジ
アジャイル開発の進め方
130
1.まずは人が通れるほどのトンネルを貫通させる。
2.大きな工事機械が入れるように拡げてゆく。
3.二車線の道路に拡張し、設備を整備する。
ウォーターフォール開発とアジャイル開発(2)
131
リソース
動くソフトウェア
動くソフトウェア
動くソフトウェア
動くソフトウェア
ソフトウェアを使う
ユーザー
動くソフトウェア
を作り続けるれば
ユーザーはずっと本気
マジ!
マジ!
マジ!
マジ!
テ
ス
ト
時間
アジャイル開発
ウォーターフォール開発
最初に要件をあらかじめ
全て決めてから開発
要件
設計
コーディング
単体テスト
結合テスト
ウォーターフォール開発とアジャイル開発(3)
リリース
ビジネス上の重要度で要件
の優先順位を決め、これに
従って必要機能を順次開発
反復(イテレーション)1
反復 2
反復 3
反復 4
リリース
リリース
リリース
リリース
Continues Integration
品質の作り込み
ウォーターフォール開発とアジャイル開発(5)
◎
〇
△
X
反復 1 ビジネス価値 ◎
反復 2 ビジネス価値 〇
反復 3 ビジネス価値 △
反復 4 ビジネス価値 X
「MVP(Minimum Viable Product:仮説を検証することができる最低限のプ
ロダクト)」かつ、ビジネス価値の高い機能・プロセスを優先して開発する。
ウォーターフォール開発とアジャイル開発(6)
プラン
ドリブン型
バリュー
ドリブン型
リソース
アジャイル
納期
リソース 納期
実現仕様
ウオーターフォール
要求仕様
要件 設計
コーディング
単体テスト
結合テスト
リ
ス
ク
時間
反復1
リ
ス
ク
時間
反復2 反復3 反復4
前提条件
原理的に
不良が起きない
納期が守られる
コストと納期を
守ること
機能と品質を実
現すること
ゴールは何か?
アジャイル開発の目的・理念・手法
135
高品質で無駄がなく、変更要求に対応できるきるソフトウエアを作成する為
 適切な一連の手順に従う
 高い協調と自律的なプロジェクト関係者によって実施される
 イタラティブ(反復/周期)、インクリメンタル(順次増加部分を積み上げていく)方式
 ダイナミックシステムズ開発技法(Dynamic Systems Development Method) Dane Faulknerほか
 アダプティブソフトウェア開発(Adaptive Software Development) Jim Highsmith
 クリスタルメソッド(Crystal Methods) Alistair Cockburn)
 スクラム(Scrum) Ken Schwaber、Jeff Sutherland
 エクストリームプログラミング(XP/eXtreme Programing) Kent Beck、Eric Gammaほか
 リーンソフトウェア開発(Lean Software Development) Tom and Mary Poppendieck
 フィーチャ駆動開発(Feature-Driven Development) Peter Code、Jeff DeLuca
 アジャイル統一プロセス(Agile Unified Process) Scott Ambler
 反復(周期)的(Iterative) --- 定期的なリリース
 漸進的(Incremental) --- 徐々に機能を増加
 適応主義(Adaptive) --- 変化に対応(即応)
 自律的(Self-Organized) --- 学習する組織
 多能工(Cell Production) --- 一人多役(SE、プログラマー、テスター)
目的と理念
手 法
共通する要素
自律型の組織で変化への柔軟性を担保する
136
 さまざまな専門性を持った人がチームを組み、最初
から最後まで一緒に働く。
 人とチームを重視し、彼らが自律的に働ける環境を
与えることでブレークスルーが起こりやすくなり、
同時に製品化までの時間が短くなる。
 リーダーは、自律するチームの障害を取り除くこと
が仕事であり管理しない。
日本で行われている
新製品開発のプロセスを
米国のやり方と比較した論文
1986,Harvard Business Review
Scrum(スクラム)
1990年代、Jeff Sutherlandらが
ソフトウェア開発のに適用
アジャイル開発
 不安定
高い自由裁量と困難なゴールを持つ
 自己組織化
情報ゼロから相互交流し自律的に仕組みを作る
 全員多能工
分業を共有しメンバーがプロジェクトの責任を自覚する
イノベーションを
生みだす方法論
スクラム:特徴・3本の柱・基本的考え方
137
システム開発のフレームワーク(1995)/ Ken Schwaber & Jeff Sutherland
 特徴
 軽量
 理解しやすい(シンプル)
 会得するのは比較的難しい
 三本の柱
 Transparency (透明性)
 Inspection (視察、検査)
 Adaptation (適応、順応、改作)
 基本的考え方
 タイム・ボックス(Time Box)
時間を区切って、その時間内に目的を果たす仕事を行う仕事の仕方
 機能横断的な固定化されたチーム
チーム内で役割分担を決めず、全員が必要な仕事をこなす多能工(T型人間のチームででき
るだけチームメ ンバーを固定化した方がよい
 持続可能なペース
徹夜や残業を排除して安定した持続可能な一定のペースで開発し、定期的にリリースを行う
スクラム:スクラム・プロセス
138
イテレーション(反復) 4
1〜4週間
イテレーション(反復) 3
1〜4週間
イテレーション(反復) 2
1〜4週間
イテレーション(反復) 1
1〜4週間
納品 納品 納品 納品
プロダクト・オーナー
プロダクト・バックログ
1. --------------------
2. --------------------
3. --------------------
4. --------------------
5. --------------------
6. --------------------
スプリント・プラン
イテレーション毎の
内容区分
2時間程度の単位
スクラム・マスター
タスク・リスト
スプリント・バックログ
1. --------------------
2. --------------------
3. --------------------
4. --------------------
5. --------------------
開発チーム
バーンダウン
チャート
デイリー
スクラム
開発・テスト
インテグレーション
To Do On Going Done Keep
Problem
Try
スタンドアップミーティング & スプリント・レビュー・振り返り
スクラム:プロダクト・オーナー
139
ミッションと責任
 プロダクトの完成図と方向性を示す
 プロダクトに必要な機能の詳細を決める
 リリースの内容と日程を決める
 市場価値に基づくプロダクト・パックログの優先順位を決める
 スプリント毎に優先順位を変更できる権限を持つ
 プロダクトの収益性(ROI)の責任を持つ
プロダクト・オーナーが行う事
 プロダクトのビジョンを作成し、関係者に示し、共有する
 対象プロダクトのビジネス要求(ビジネス環境)の説明
 エピック、ユーザーストーリーの確定とペルソナの作成
 ユーザーストーリー毎の受け入れ基準の承認
 プロダクト・バックログの優先順位付けとプロジェクト期間中の維持管理
 開発チームへのユーザーストーリーの説明
 開発チームのDoD(完了の定義)作成の支援
 リリース計画の承認
 稼働環境の定義
 EOL(プロダクトの終焉)条件の設定
スクラム:スクラム・マスター
140
 チームの機能や効率化を支援する
 チームが最大パフォーマンスを発揮できる環境を作る
= 妨害からチームを守る
 チームがスクラム・プロセス通りに作業を実施できる様に支援する
 チームに気付きを与える
 チームの自律を支援する
 チームの能力をユーザーに売り込む
 プロジェクト関係者間の信頼感を醸成する
 お客様(ユーザー)第一の思想
 ジャスト・イン・タイムの徹底
 カイゼン活動の促進
 チームのモチベーションの向上
スクラム・マスター
スクラム:開発チーム
141
 自己組織的なチームである
 自律性
メンバーが自ら日々の仕事を管理する
 自己超越
常に目標を達成するように自らを追い込み、常に自身のプラクティスを改善する
 相互交換作用
機能横断的かつ定めた役割がない
 目標にコミットする義務がある
 チームはスプリント計画ミーティングでコミットした目標を達成する責 任
を持つ
 目標達成につながるならば方法を限定しない
 チームは全ての決断を下す権限、必要なことを何でも行う権限、あらゆる障
害の除去を依頼する権限を持つ
 争議はチーム内で解決する
 作業規約を作る
エクストリーム・プログラミング(XP)
142
 テスト駆動開発(Test-Driven Development:TDD)=テストファース
ト・プログラミング
 実装する機能をテストするプログラムを書く
 コードを書いてテストする
 デザインを見直す
 信号が青になる(テスト・コードが成功する)まで繰り返す
 リファクタリング
 完成したコードの見直し(実装された機能を変えずに、コードをシンプルに、
見やすくする)
 任意の作業(全員が行う&時間が空いたら行う)
 ペアプログラミング
 ドライバー(コードを書く人)
 ナビゲーター(コードをチェックする人、ナビゲーションをする人)
 この役割を1日の中でペア間で、途中で交代する
 ペアの組み合わせを毎日替える
 10分間ビルド
 自動的にシステム全体をビルドして、全てのテストを10分以内に実行させる
Kent Beck(1999年)によって提唱された開発手法
アジャイル開発で品質が向上する理由
143
 ムダ取りの原則を徹底する。
作業にムラがあるから、ムリをするようになる。
ムリな作業をした結果、ムダが生じる。
ムラを防止するのは、一定の作業リズム(タクトタイム=タイムボックス)
 タスクの粒度を小さくする。
作業手順(工程設計)を考えなければタスクは小さくできない。
タスクが小さくなれば、ミスを容易に発見できる。手戻りも小さい。
タスクを小さくするとムダが見えてくる。
正味(本来の価値を作り込む)作業、付帯(事前、事後の)作業、ムダな作業
タスクを小さくすることで、整流化が容易になる。(ボトルネックの解消: 一個流し生産)
 全員での作業で透明性が高まる。
一人で抱え込む仕事がなくなる。
事前に他人の目が届く(チェック)
 トヨタ生産方式(TPS)の自働化の思想をプロセスに組み込める。
不良作業をしない。不良品を流さない。不良品を受け取らない。(自工程完結)
不良が起こったらラインストップをして、関係者全員が異常に気づく。(見える化)
 作業者(開発者)に直接フィードバックする仕組みが構築できる。
『擦り合わせ』をしながら作業が進む。
アジャイル開発で品質が向上する理由
144
タスクの粒度を小さくすることはTPSにおける小ロット化と同様
 「流れ」を作り、負荷を平準化し、柔軟性を高める
タスクの粒度は小さいほど良い
 1日以内、理想は1時間
 責任を持って見積ができる
 バグを作り込まない(簡単にテスト可能)
 他のペアと同期がとれる
 ダイナミックなプロジェクト運営が可能となる(チーム編成の増減、分散開発など)
 タスクが小さくできないのは、作業対象の内容把握に問題が存在するのではないか?
 タスクを小さく分割するという事は、作業指示書を作成する事。
Statements of Source
code
Test Cases Test Coverage
1 1 100.00%
10 2 100.00%
100 5 95.00%
1,000 15 75.00%
10,000 250 50.00%
100,000 4,000 35.00%
1,000,000 50,000 25.00%
10,000,000 350,000 15.00%
Application size, Test Cases, and Test Coverage. Logical source code statements
By Caper Jones
DoD (Definition of Done) 完了の定義
145
 各作業の完了基準
 閾値(標準値)を決める。
 作業経過、結果を計測する。
 自工程完結の基本的な姿勢(現場での意思決定)
 仁=他人の努力を無駄にしない思いやり
検
査
検
査
検
査
発生防止
流出防止
プロセス プロセス プロセス 検
査
納入
検査 検査 検査
DoD
ウォーターフォールとアジャイル
要件 設計 実装 テスト
ウォーターフォール
アジャイル
デンソー・デジタルイノベーション室長・成迫剛志 作成資料
ソフトウェアV&V(ベームのVチャート)
要件 設計 実装 テスト
ウォーターフォール
コンセプト
探索
コンセプト確認
要求
要求ベースライン
要求確認 設計確認 確認テスト
製品設計
製品設計検証
詳細設計
プログラム設計検証
コード 単体テスト
統合テストと
システムテスト
受け入れテスト
バリデーション(確認)
ベリフィケーション(検証)
導入 運転試験と評価
利用と
サポート
デンソー・デジタルイノベーション室長・成迫剛志 作成資料
アジャイル
設計 に対する 検証(ベリフィケーション)ではなく、
要求(要件) に対する 確認(バリデーション)を繰り返す
要求 確認 要求 確認 要求 確認 要求 確認 要求 確認
デンソー・デジタルイノベーション室長・成迫剛志 作成資料
アジャイル開発(スクラム開発)の体制(理想)
Product
Owner
Developer
End
Users
Agile Team
要求(要件) に対する 確認(バリデーション)を直接実施
デンソー・デジタルイノベーション室長・成迫剛志 作成資料
アジャイル開発(スクラム開発)の体制(実際)
Product
Owner
Developer
End
Users
Agile Team
要求(要件) に対する 確認(バリデーション)を直接しにくい/頻繁にはできない
Business
Unit
要求(要件) に対する 確認(バリデーション)を間接的に行うこととなりがち
デンソー・デジタルイノベーション室長・成迫剛志 作成資料
アジャイル開発(スクラム開発)の体制(さらに複雑となったある事例)
Product
Owner
Developer
End
Users
Agile Team
Project
Manager
要求(要件) に対する 確認(バリデーション)を正しく行うことができない状況
Sales
Project
Leader
Project
Owner
Project Member
Customer
その結果、短期間のイテレーション(反復)を繰り返していても、後になって仕様変更、仕様追加が発生
❓
デンソー・デジタルイノベーション室長・成迫剛志 作成資料
アジャイル開発(スクラム開発)の体制(複雑なケースへの対応)
Product
Owner
Developer
End
Users
Agile Team
Project
Manager
エンドユーザーとの直接対話パスを確保し、
要求(要件)に対する確認(バリデーション)を実施できる体制とすべき
Sales
Project
Leader
Project
Owner
Project Member
Customer
デンソー・デジタルイノベーション室長・成迫剛志 作成資料
DevOps
ビジネス 開発 運用
アジャイル開発 DevOps
アプリケーション開発環境
マイクロ・サービス、ルールエンジン、AI、APIなど
ITインフラストラクチャー
IaaSなどのクラウド
アプリケーション実行環境
コンテナ・オーケストレーション・ツール
サーバーレス・FaaS
Infrastructure as Code
運用の自動化
SRE
Site Reliability Engineer
アイデアの創発
 デザイン思考
 リーンスタートアップ
トライ・アンド・エラー
のサイクルを高速で回す
ビジネス・スピードを加速する方法
 ビジネスの成果に貢献するコードのみ
 現場のニーズにジャストインタイム
 バグフリーと変更への迅速・柔軟な対応
 開発されたコードを直ちに本番移行
 安定稼働の維持
 変更やスケールへの迅速・柔軟な対応
開発と運用の協調・連携を実現するDevOps
155
情報システムに求められること
 システムによってビジネスの成功に貢献すること
 ビジネスの成功のための貢献を確実、迅速にユーザーに届けること
 ユーザーの求める貢献の変化に迅速・柔軟に対応すること
開発チーム(Development)
システムに新しい機能を追加すること
運用チーム(Operation)
システムを安定稼働させること
迅速にアプリケーションを開発・更新し
すぐにユーザーに使ってもらいたい
確実に本番システムに安定させ
安心してユーザーに使ってもらいたい
対立
アジャイル開発 SDI/IaaS(インフラのソフトウエア化)
ツール と 組織文化 の融合
開発チーム(Development)と運用チーム(Operations)が、お互いに協調し合い
「情報システムに求められること」を実現する取り組み
いますぐ変更を
反映したい!
安定運用したい!
「ビジネス×IT」環境の変化 + ビジネス・スピードの加速
ITニーズの変化:「効率化×生産性×低コスト」から「差別化×競争優位」へのシフト
IT環境の変化 :モバイル、IoT、ビッグデータなどの新しいテクノロジーへの対応
IT利用の変化 :ITリテラシーの拡大やデジタル・ビジネス、ビジネスとITとの一体化
DevOpsとは何か?
156
業務部門
開発部門 運用部門
依頼
業務部門
開発部門 運用部門
情 報
システム
情 報
システム
連係・協力
対応に長いリードタイム
 組織の間を隔てる意思疎通の壁
 煩雑な業務プロセス
 手間のかかる構築や確認などの作業
ビジネス・ニーズに迅速・柔軟な対応
 役割や関係などの組織文化の変革
 ビジネス・プロセスの変革
 自動化ツールの整備・活用
DevOps
DevOpsとは何か?
157
業務部門
開発部門 運用部門
情 報
システム
連係・協力
継続的デリバリー
Continuous Delivery
継続的インテグレーション
Continuous Integration
バージョン管理
自動構築
動的テスト
非機能テスト
サーバー構築
オートスケール
自動運用
コミュニケーション
ツール
ビジネス・ニーズ
開
発
要
望
フ
ィ
ー
ド
バ
ッ
ク
ツールによる自動化
DevOpsとは何か?
158
お互いを尊重する(Respect):
一緒に働く相手のことを心から思いやる、相手を一人の人間として扱い、能力や功績を評価する
お互いを信頼する(Trust):
自分以外の人は優秀で、正しいことをすると信じる。信じて仕事を任せる
失敗に対して健全な態度を取る(Healthy attitude about failure):
新しいことに挑戦すれば自ずと失敗は起こってしまうものであり、相手のミスだと責めない
相手を非難しない(Avoiding Blame):
相手に非があると断じて言葉で責めるのではなく、次に同じ問題が起こらないように建設的な批判を行う
自動化されたインフラストラクチャ(Automated infrastructure):
インフラの構築を自動化する。よく使われているツールにはAnsibleやChef、Dockerなどがある
バージョン管理システムの共有(Shared version control):
GitやMercurialなどの同じバージョン管理システムをDevとOpsで共有する
ワンステップによるビルドとデプロイ(One step build and deploy):
手順書などを使い、手動でビルドやデプロイをするのではなく、ビルドやデプロイを自動化する。よく使われているツールや
サービスにはJenkinsやCapistranoなどがある
フィーチャーフラグ(Feature flags):
詳細は後述のコラムで説明。コード中の機能の有効/無効を設定ファイルで管理する
メトリクスの共有(Shared metrics) :
取得したメトリクスの結果をダッシュボードでお互いに共有する。よく使われているサービスにはNew RelicやApplication
Insightsなどがある
IRCとインスタントメッセンジャーのBot(IRC and IM robots):
SlackやHipChatなどのチャットツールに自動的にビルドやデプロイのログ、アラート内容を投稿する仕組みを
作ることで情報をお互いに共有する
ツ
ー
ル
組
織
文
化
改善
サーバー仮想化とコンテナ
OS
ハードウェア
ハイパーバイザー
仮想サーバー
ミドルウェア
OS
仮想サーバー
ミドルウェア
OS
仮想サーバー
ミドルウェア
サーバー仮想化
ハードウェア
コンテナ管理ソフトウエア
OS
ミドルウェア
アプリ
ミドルウェア
アプリ
ミドルウェア
アプリ
コンテナ コンテナ コンテナ
コンテナ
ライブラリ
環境変数
ライブラリ
環境変数
カーネル カーネル カーネル
カーネル
ライブラリ
環境変数
ライブラリ
環境変数
ライブラリ
環境変数
ライブラリ
環境変数
隔離されたアプリケーション実行環境を提供(クラッシュの分離、独自のシステム管理とユーザー・グループ)
実行イメージのスナップショットをパッケージとしてファイルにして保存できる
アプリケーションに加えて仮想マシン・OS
の実行イメージを持つ必要がある
アプリケーションとOSの一部
の実行イメージを持つ必要がある
デプロイするサイズ
大きい
起動・停止時間
遅い
デプロイするサイズ
小さい
起動・停止時間
早い
異なるOS
可
異なるOS
不可
メモリーやディスクの消費量が大きい = リソース効率が悪い メモリーやディスクの消費量が大きい = リソース効率が良い
構成の自由度が高い
異なるOS・マシン構成を必要とする場合など
軽量で可搬性が高い
実行環境への依存が少なく異なる実行環境で稼働させる場合など
サンド・ボックス化
Sand Box
アプリケーション アプリケーション アプリケーション
仮想マシンとコンテナの稼働効率
ハードウェア
仮想マシン
ミドルウェア
OS
仮想マシン
OS
仮想マシン
OS
ミドルウェア ミドルウェア
ハードウェア
OS
コンテナ管理機能
カーネル
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
カーネル カーネル カーネル
ライブラリ
環境変数
ライブラリ
環境変数
ライブラリ
環境変数
コンテナ
仮想マシン
アプリケーション アプリケーション アプリケーション
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
仮想マシンとコンテナの稼働効率 1/2
161
仮想マシン
ハードウェア
仮想マシン
ミドルウェア
OS
仮想マシン
OS
仮想マシン
OS
ミドルウェア ミドルウェア
カーネル カーネル カーネル
ライブラリ
環境変数
ライブラリ
環境変数
ライブラリ
環境変数
アプリケーション アプリケーション アプリケーション
OSの維持コストが高いので
1つのOSに複数のアプリケーションを同居させる
あるいは基盤更改などで移行する時も分離できず
再構築することもおおい
ライブラリが共通で依存関係があり
アップグレードもパッチ適用もできず塩漬けになりがち
仮想マシンごとに
OSを稼働させとハードウェア・エミュレーションがあり
ハードウェアとOS起動+運用が必要となり
オーバーヘッドが大きい・起動は分単
ハードウェア
OS
コンテナ管理機能
カーネル
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
仮想マシンとコンテナの稼働効率 2/2
162
コンテナ
アプリ+ミドルウェア+ライブラリを
一体として管理できる
ライブラリの依存関係を気にせずに
OSのアップグレードやパッチを適用できる
アプリ+ミドルウェア+ライブラリの塊(コンテナ)
は相互に独立している
各コンテナのライブラリは分離・独立しているので
好きなバージョンを組み合わせられる
OSは1つだけでオヘバーヘッドが少ない
OSの1プロセスとして稼働・起動は秒単位
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
コンテナのモビリティ
ハードウェア
OS
コンテナ管理機能
カーネル
いま使っているシステム環境
163
ハードウェア
OS
コンテナ
管理機能
カーネル
ハードウェア
OS
コンテナ
管理機能
カーネル
ハードウェア
OS
コンテナ
管理機能
カーネル
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
コンテナ・レベルで稼働は保証されている
他のシステム環境
DevOpsとコンテナ管理ソフトウエア
アプリケーション
開発・実行環境
ミドルウェア
オペレーティング
システム
サーバー
(ハードウェア)
ハイパーバイザー
アプリケーション
開発・実行環境
ミドルウェア
オペレーティング
システム
サーバー
(ハードウェア)
コンテナ管理
そのまま本番で動かしたい(動作保証)
開発から本番以降への時間を短くしたい
実行に必要な最小のサイズで移行したい
仮想マシン
コンテナ
仮想化環境
動
作
保
証
動
作
保
証
オーバーヘッド
物理マシン(ハードウェア)
との依存関係を切り離す
OSとの依存関係を切り離す
DevOpsとコンテナ管理ソフトウエア
オペレーティング
システム
サーバー
(ハードウェア)
コンテナ管理
動
作
保
証
オペレーティング
システム
サーバー
(ハードウェア)
コンテナ管理
動
作
保
証
オペレーティング
システム
サーバー
(ハードウェア)
コンテナ管理
アプリケーション
開発・実行環境
ミドルウェア
コンテナ
動
作
保
証
Build,Ship and Run
Any App,Anywhere
アプリケーション開発者は、OSやインフラを意識することなくアプリ
ケーションを開発し、どこでも実行できるようになる
開発しテストが完了したアプリは、すぐに本番環境で実行させることができる
本番環境
テスト環境
開発環境
コンテナ連係
その運用管理
コンテナとハイブリッド・クラウド/マルチ・クラウド
コンテナ管理
コンテナ管理
コンテナ管理
Microsoft Azure
自社所有システム
AWS
コンテナ連係
その運用管理
コンテナ連係
その運用管理
アプリケーション
開発・実行環境
ミドルウェア
コンテナ
アプリケーション
開発・実行環境
ミドルウェア
コンテナ
アプリケーション
開発・実行環境
ミドルウェア
コンテナ
モビリティの高いコンテナ
167
デバイス
エッジ
サーバー
オンプレミス
サーバー
クラウド
ハードウェアやOSに依存することなくソフトウェア機能を配置・移動できる
DockerとKubernetes の関係
168
 コンテナの作成
 コンテナの実行
 コンテナ内でファイルシステ
ムとして使われるイメージの
作成および管理 など
 関連するコンテナのグルーピング
 コンテナに割り振られるIPアドレスの管理
 コンテナ間ネットワークルーティング管理
 複数のコンテナを利用した負荷分散
 コンテナに割り当てるストレージの管理
 コンテナの監視 など
ネットワークのルーティングや複数コンテナの
連携、複数台のサーバーを対象にコンテナを横
断的に管理する機能などは提供されていない。
クラスタ環境でDockerを利用する場合は別途何らかの管理手法を用意する必要がある。
Dockerと連携して利用できるデプロイ/オーケストレーションツールのひとつ
By Google
Manage a cluster of Linux containers as a single
system to accelerate Dev and simplify Ops.
Linuxコンテナのクラスタを単一のシステムとして管理して
開発を加速し、運用を簡素化します。
意味:ギリシャ語で「人生の道標」
読み方:クーベルネイテス(koo-ber-nay'-tace)
Twelve Factorsとの関係
169
Ⅰ. コードベース
バージョン管理されている1つのコードベースと複数のデプロイ
Ⅱ. 依存関係
依存関係を明示的に宣言し分離する
Ⅲ. 設定
設定を環境変数に格納する
Ⅳ. バックエンドサービス
バックエンドサービスをアタッチされたリソースとして扱う
Ⅴ. ビルド、リリース、実行
ビルド、リリース、実行の3つのステージを厳密に分離する
Ⅵ. プロセス
アプリケーションを1つもしくは複数のステートレスなプロセスとして実行する
Ⅶ. ポートバインディング
ポートバインディングを通してサービスを公開する
Ⅷ. 並行性
プロセスモデルによってスケールアウトする
Ⅸ. 廃棄容易性
高速な起動とグレースフルシャットダウンで堅牢性を最大化する
Ⅹ. 開発/本番一致
開発、ステージング、本番環境をできるだけ一致させた状態を保つ
Ⅺ. ログ
ログをイベントストリームとして扱う
Ⅻ. 管理プロセス
管理タスクを1回限りのプロセスとして実行する
アジリティーの高いWebサービスを構築するための方法論
コンテナ Kubernetes
https://12factor.net/ja/
Kubernetes
Master
全体のコンテナの稼働
状況などを把握し、運用
管理者が指定したよう
に、コンテナ配置、削除
などを指示
Kubernetes の全体構造
170
コンテナ
ライブラリ
環境変数
アプリや
ミドルウェア
コンテナ
ライブラリ
環境変数
アプリや
ミドルウェア
コンテナ
ライブラリ
環境変数
アプリや
ミドルウェア
コンテナ
ライブラリ
環境変数
アプリや
ミドルウェア
コンテナ
ライブラリ
環境変数
アプリや
ミドルウェア
コンテナ
ライブラリ
環境変数
アプリや
ミドルウェア
Kubernetes
Node
Kubernetes
Node
Kubernetes
Node
Kubernetes
Pod
Kubernetes
Pod
Kubernetes
Pod
Kubernetes
Pod
コンテナ管理システム
コンテナ管理システム
が稼働しているマシン
/サーバーの単位
コンテナの
まとまりの単位
Kubernetes
Cluster
Nodeの集まりの単位
物理マシン/仮想マシン
 yaml形式記載された設定
ファイル
 kubectlコマンドを使って、
設定をKubernetes
Masterに反映
 Kubernetes Masterは反
映された内容を元に、
NodeやPodを操作
マニフェスト
意味:ギリシャ語で「人生の道標」
読み方:クーベルネイテス
略称:K8s
マイクロサービス(Micro Service)
171
ユーザー・インターフェイス
顧客管理
注文管理
在庫管理
出荷管理
Webブラウザ Webブラウザ
Webブラウザ
共有データ
顧客管理
注文管理 在庫管理
出荷管理
Webブラウザ Webブラウザ
Webブラウザ
個別データ
ユーザー・インターフェイス
個別データ
個別データ
個別データ
モノリス型アーキテクチャ マイクロサービス型アーキテクチャ
マイクロ
サービス
巨大な1枚岩のような
複数の独立した機能(マイクロサービス)を
組み合わせることでひとつの処理を実現する
大きな単一の機能によって
ひとつの処理を実現する
単一の機能
独立した機能
内
部
は
複
数
の
機
能
で
構
成
マイクロサービス(Micro Service)
172
ユーザー・インターフェイス
顧客管理
注文管理
在庫管理
出荷管理
Webブラウザ Webブラウザ
Webブラウザ
共有データ
顧客管理
注文管理 在庫管理
出荷管理
Webブラウザ Webブラウザ
Webブラウザ
個別データ
ユーザー・インターフェイス
個別データ
個別データ
個別データ
モノリス型アーキテクチャ マイクロサービス型アーキテクチャ
マイクロ
サービス
巨大な1枚岩のような
単一の機能
独立した機能
内
部
は
複
数
の
機
能
で
構
成
マイクロサービス単位でマシンが必要
各機能の単位でマシンが必要
*「マシン」とは物理マシンだけではなく仮想マシンやコンテナも含む。
マイクロサービス・アーキテクチャの6つのメリット
修正
修正
リリースの同期は必須 個別にリリース可能
Java Java Java
Java Java Java
Java Ruby php
C++
Java
Script
C#
言語は統一 機能にふさわしい言語を選択
影響? 影響? 影響?
影響? 変更 影響?
一部機能変更・全体テスト 一部機能変更・対象機能のみテスト
変更
全体で拡張 個別に拡張
正常 正常 正常
正常 障害 正常
正常 正常 正常
正常 障害 正常
一部障害で全体停止 一部障害でも正常箇所は稼働
流用 流用
特定の機能流用は困難 特定機能の流用は容易
1.機能の独立性
2.言語の独立性
3.保守の容易性
4.拡張の柔軟性
5.障害時の可用性
6.再利用の容易性
「これなら分かる! マイクロサービス(入門編)〜モノリスと比較した特徴、利点と課題(CodeZin)」を参考に作成
マイクロサービス・アーキテクチャの3つの課題
174
機能間で通信は発生しない 機能間で通信が行われる
全体をひとつのチームで行うので
人の入替えやノウハウ共有が容易
各機能個別に組織が分かれるの
人の入替えやノウハウ共有が困難
過剰分割の影響は内部に留まる
一貫したユーザー体験を提供
過剰分割はパフォーマンスを劣化
機能別に異なるユーザー体験のリスク
1.機能間の通信によりパフォーマンスが出にくい
2.人の入れ替えやノウハウの共有が難しく”人”や”知見” の活用効率が低くなる
3.プログラム構造次第でパフォーマンスやユーサー体験に悪影響
 通信により組み合わせるという仕組みから、パフォーマンス
を出しにくい。
 性能向上のため各機能間は非同期通信とし、機能をまたがっ
たトランザクション保証はしないため、正常終了した後に後
続処理がエラーとなることも想定した設計が必要。
 個人ユーザー向けの決済処理のような再試行が難しい業務の
場合は、実装が難しい。
 マイクロサービスを適用したアプリケーションを作るには、
個々の機能と同じように独立し完結した組織でなければなら
ないが、それができる保証はない。
 チームごとに独自文化が形成されチーム間でスキルの共用が
難しい。
 文化の違いから人的ローテーションも難しくなる。
 マイクロサービスの利点を生かすには、機能の境界を適切に
設定することが必須となるが、分ける範囲を誤れば機能間の
通信が大量に発生する。
 分けるべきであった機能を一つにしてしまえば保守性や再利
用性などのメリットが満たせない。
 独自性がすぎるとユーザー体験がちぐはぐになってしまう。
「これなら分かる! マイクロサービス(入門編)〜モノリスと比較した特徴、利点と課題(CodeZin)」を参考に作成
オーケストレーションとコレオグラフィ
175
オーケストレーション(Orchestration) コレオグラフィ(Choreography)
オーケストレーション・プログラム
リ
ク
エ
ス
ト
リ
プ
ラ
イ
サービス
(アプリケーション機能)
サービス
(アプリケーション機能)
全体の処理の流れを制御する指揮者にあたるプログラム
が存在し、指揮者からのリクエストによってサービスを
実行し、実行結果をレスポンスとして指揮者に返して処
理を継続させるプログラム実行方式。
全体の処理の流れやサービスの呼び出しを制御する指揮
者は存在せず、個々のサービスに予め与えられた動作条
件や次にどのサービスを起動させるかといった振り付け
に従って自律的に動作させるプログラム実行方式。
指揮者の指示に従う演奏方式 演劇や踊りなどの振り付け
リクエスト・リプライ方式で実行されるのが一般的
 利用する全てのサービスは、指揮者であるプログラムが
処理の順序や得られた結果に続く処理を制御。
 各サービスは、そのサービスを制御する指揮者が行って
いる同一の処理のためだけに利用され、他の指揮者が制
御する別の処理を引き受けて実行することはない。
 サブルーチン・コールやメソッド・インボケーション
(呼び出し)と同様の考え方。
イベント・ドリブン方式に向いている
 イベントの発生によって特定の業務処理サービスが駆動
される方式。 イベントの例
 新規に注文が入った
 倉庫に商品が入庫した
 新規顧客が登録された など
 発生したイベントを他のサービスに通知することで、必
要な処理を継続的に実行させる。
Version 1.3
Version 2.0 Version 1.5 Version 1.4
エンジニアの役割分担
176
ITインフラ ITインフラ ITインフラ ITインフラ
開発エンジニア 開発エンジニア
SRE
テスト・エンジニア
マイクロ・サービス×コンテナによる独立したプロセス
クラウド・ベースでの
組織横断的な仕組み作り
「クラウド・ネイティブ」とは
177
開発者は他社と差別化できるビジネスロジックに集中したいのに
付加価値を生み出さない作業で負担を強いられる
 ミドルウェアの設定
 インフラの構築
 セキュリティ・パッチの適用
 キャパシティ・プランニング
 モニタリング
 システムの冗長化
 アプリケーションの認証・認可
 APIスロットリング など
この負担から開発者を解放
DevOps
マイクロ・サービス
アーキテクチャ
コンテナ
サーバーレス/FaaS(Function as a Service)
アプリケーションを継続的・高速にアップデートし
ビジネス・ニーズに即座に対応
クラウド・サービスの区分
自社所有 IaaS
仮想マシン
CaaS PaaS FaaS
ユーザー企業が管理
ハードウェア
仮想マシン
コンテナ
管理機能
ミドルウェア
アプリケーション
OS
SaaS
ランタイム
データ
ハードウェア
仮想マシン
コンテナ
管理機能
ミドルウェア
アプリケーション
OS
ランタイム
データ
ハードウェア
仮想マシン
コンテナ
管理機能
ミドルウェア
アプリケーション
OS
ランタイム
データ
ハードウェア
仮想マシン
コンテナ
管理機能
ミドルウェア
アプリケーション
OS
ランタイム
データ
ハードウェア
仮想マシン
コンテナ
管理機能
ミドルウェア
アプリケーション
OS
ランタイム
データ
ハードウェア
仮想マシン
コンテナ
管理機能
ミドルウェア
アプリケーション
OS
ランタイム
データ
ハードウェア
仮想マシン
コンテナ
管理機能
ミドルウェア
アプリケーション
OS
ランタイム
データ
IaaS
ベアメタル
クラウドサービス事業者が管理
連携機能
CaaS PaaS FaaS SaaS
お客様が開発と運用に求めていること
179
情報システムの
品質
成 果
生産量
スピード 最大
新しいビジネス・プロセスに対応し
データをいち早く生みだすために
できるだけ作らないで使用の拡大へシフトする
運用技術者からSREへ
180
ITの実務上の利用方法について問い合わせを受けて対応する
窓口業務
定められたオペレーションを繰り返し実施する定常業務
ITに関するトラブルに対応する障害対応業務
インフラ(ネットワークやOS・ハードなどの基盤部分)に関
する管理業務(構成管理やキャパシティ管理など)
積極的にソフトウェアで
置き換えていく
 クラウド・サービス
 自動化/自律化ツール
ビジネスもアプリも要件がどんどん変わっ
ていくので、継続的に改善して手作業をソ
フトウェアに置き換えていく必要がある
 変更への即応性や信頼性の高いシステム基盤を設計
 運用管理の自動化/自律化の仕組みを設計・構築
 開発者が利用しやすい標準化されたポリシーやルールの整備
運用技術者
Operator / Operation Engineer
SRE
Site Reliability Engineer
組織横断的なインフラ整備
作業者から
ソフトウェアエンジニア
への変身!
http://japan.zdnet.com/article/35090649/
http://torumakabe.github.io/post/bookreview_site_reliability_engineering/
参考になる記事:
DevOpsのための取り組み
ノーコード開発
ローコード開発
ノー・コード/ロー・コード/プロ・コード
182
ノー・コード
No-Code
ロー・コード
Low-Code
プロ・コード
Pro-Code
プログラム・コードを書くことなく、GUIを操作してシステム
を開発する
プログラム・コードを書く
ことでシステムを開発する
機能制限があるためユース
ケースを絞った開発に限定
され、広範囲のシステムに
向いていない
小さなアプリケーションを
構築するのに適したシンプ
ルなツールで 基本的な機能
のユースケースの解決に最
適。また、専用のもので
あったり機能が限られてい
る傾向がある。
拡張性が高く、他のソフト
ウェアとの統合機能も豊富
なので広範囲のシステムに
向いている
拡張性のあるアーキテク
チャ、再利用可能なオープ
ンAPIを使用してプラット
フォームの機能を拡張する
機能、クラウド環境やオン
プレミス環境にデプロイで
きる柔軟性がある。
コードを書くことで、あら
ゆる機能を実装できるので
広範囲のシステムに向いて
いる
拡張性のあるアーキテク
チャ、再利用可能なオープ
ンAPIを使用してプラット
フォームの機能を拡張する
機能、クラウド環境やオン
プレミス環境にデプロイで
きる柔軟性がある。
開発生産性
高 低
ローコードとプロコードの違い
 プログラミングの専門スキルが必要
 開発スピードはスキルに依存
 変更への対応は開発のしかた次第
プロコード開発
 業務に精通していれば開発ができる
 開発スピードが速い
 変更に迅速に対応できる
ローコード開発
https://www.automatigo.co.jp/solution/platform/outsystems
株式会社オートマティゴ ホームページより
ローコード開発ツール
184
インフラ・プラットフォーム構築 手組によるアプリケーション開発
クラウド 手組によるアプリケーション開発
クラウド
ローコード
開発ツール
ビジネスニーズの変化に即応
 新規アプリケーションの開発期間の短縮
 日々改善に対応できる保守・改修の実現
 業務プロセス可視化による属人性の排除
 経営視点を持ち、ビジネスゴールを設定できる能力
 業務を分析・整理して、業務プロセスを描ける能力
 現場のニーズを引き出せるファシリテーション能力
ローコード開発ツール
185
要件定義 概要設計 詳細設計 単体テスト 結合テス
ト
プログラミング 結合テスト
従来型
開 発
要件定義 運用・保守
(高速化・効率化)
結 合
テスト
ローコード
開 発 ローコード開発
人手による作業
ツールによる
自動化
プログラム生成型
統合環境型
プラットフォーム型
画面や業務ロジック、データ構造などセグメント
毎に機能が独立
アプリケーション層よりも上位に特化、システム
を統一的に構築、抽象化モデルを使いGUIで開発
システム開発だけではなく、ライフサイクル全体
を統一的に管理・支援
NTTデータ・TERASOLUNA
NEC・SytemDirector Enterprise
FUJITSU・Software Interdevelop Designer
など
GeneXus
キヤノンITS・Web Performer
住友電工情報システム・楽々Framework3
ジャスミンソフト・Wagby
SCSK・FastAPP
など
OutSystems
ServiceNow
Mendix AppPlatform
サイボウズ・kintone
Microsoft PowerApp/Datahlex
Salesforce・Lightning Platform
AWS・Honeycode
Google・AppSheet
など
運用・保守
自動生成
ローコード開発ツールの 基本的な構造
186
要件定義 概要設計 詳細設計 単体テスト 結合テス
ト
プログラミング 結合テスト
設 計
リポジトリ
画 面
業 務
ロジック
データ
構 造
アプリケーション
データベース
運用・保守
アプリケーション
実行基盤
運用管理
ツール
運 用
レポート
プラットフォーム型 ローコード開発ツール
人手による
作業
ツールによる自動化
GUI
画面・業務ロジック
・データ構造を管理
クラウド・サービス
オンプレミス
DXの実践
ビジネスの常識を再定義する
新規事業開発とは
何をすることか
デジタル・トランスフォーメーションとは何か
189
不確実性の常態化
予測不可能なビジネス環境 と 競争原理の流動化
圧倒的なビジネス・スピードの獲得
高速に見える化 高速に判断 高速に行動
企業の存在意義/Purposeを貫くこと
自分たちは何者なのか?いかなる価値を社会や顧客に提供するのか?
デジタル・トランスフォーメーション
デジタル技術を前提に
考え方や働き方、ビジネス・モデルやビジネス・プロセスを変えてゆくこと
CX : Customer Experience
お客様の事業の成果に貢献し
お客様の社員の幸せを支える
EX : Employee Experience
従業員のやり甲斐を与え
自己の成長の喜びを感じさせる
いまの社会や
ビジネスの状況は?
この状況に
対処するには?
そのために
実現すべきことは?
目指すべき
あるべき姿は?
必ず失敗する新規事業
新規事業を行うことを目的にしている新規事業
お客様の幸せのためではなく、
× AIやIoTを使って、何か新しい事業を始めることが目的になっている。
× 3年後には、10億円くらいになる事業を作ることが目的になっている。
× 他社がやっていない、目新しい新しいビジネスをすることが目的になっている。
新規事業を成功させることではなく、
× 新規事業計画を作ることが目的になっている。
× 経営者を納得させることが目的になっている。
× 新しいことをやっていることを世間に知らしめることが目的になっている。
新規事業は目的ではなく手段
目的は事業課題の解決
自分たちには、
何ができるか?
自分たちには、
何ができないか?
お客様は誰?
「お客様」は誰か?
自分たちのできることに都合が良い
市場・顧客・計画
お客様の
あるべき姿?
自分たちのできることに都合が良い
お客様の「あるべき姿」
お客様のあるべき姿を実現するために
何をすべきか?
具体的にイメージできる
お客様の「あるべき姿」
ニーズ起点
シーズ起点
〇山 △男 39歳
▢▢株式会社
西日本営業部
営業業務課
「手段」と「目的」をはき違えてはいけない
 イノベーションの創出
 新規事業の開発
 ビジネス・モデルの転換
 AIを活用する
 IoTビジネスを実現する
 クラウドで稼ぐ など
手段
であって目的ではない
 何が問題なのか
 何を解決すべきなのか
 何を目指すべきなのか
あるべき姿
 10年後の自分たちの事業
 お客様が実現すべき事業
 解決したい社会課題 など
できること・できそうなこと
目的
は自分たちで作り出す
未来をどうするかは
自分で決める!
DXを実現する4つの手法と考え方
デザイン思考
リーン・スタートアップ
アジャイル開発
DevOps
デザイナー的なクリエイティ
ブな視点で、ビジネス上の課
題を解決する
最小限の機能に絞って短期間
で開発しフィードバックをう
けて完成度を高める
ビジネスの成果に貢献するシ
ステムを、バグフリーで変更
にも柔軟に開発する
安定稼働を維持しながら、開
発されたシステムを直ちに・
頻繁に本番環境に移行する
イノベーションの創発
ジャスト・イン・タイム
での提供
イノベーションと
ビジネス・スピード
の融合
変化に俊敏に対応できる企業文化・体質を実現すること
最適な解決策を見つけ出すためのデザイン思考
194
共感
Empathize
定義
Define
概念化
Ideate
試作
Prototype
検証
Test デザインするときの
思考方法を使って
ビジネスや社会の問題を
解決するための思考方法
新規事業の成功確率を高めるリーン・スタートアップ
195
Idea
Code
Data
構築
Build
学習
Learn
計測
Measure
素早くコードを書く
素早く学習する
素早く計測する
アイデア検証のための
MVPを短期間で作成
MVP:Minimum Viable Product
MVPを顧客に提供して
その反応を観察しデータを収集
データを分析し
MVPを改善
新規事業開発の
成功確率を高めるための
マネージメント手法
DXの実践に求められる
個人と組織
DXによる新規事業創出組織に求められる資質
197
1. 企業会計の基本を理解しており、事業計画立案やレビューに際して貸借対照表および損益計算書を元に検討ができること。
2. 既存の製品・サービスとの比較検討に際して、ユーザー視点に立ち、中立的かつ客観的に考えることができること。
3. ユーザーが満足しよろこんでお金を支払う気になるレベルの製品・サービスの機能や品質を実現できる技術および体制を持つこと。
4. ゼロからイチを創るセンスを持ち、かつ事業が軌道に乗せるまでやり切るパッションと責任感をもつこと。
5. 既存のしがらみを一旦忘れ、物事をシンプルに考え、整理できること。その上で既存のしがらみを打破できること。
6. 正解がないことに挑むことを理解し、正解が誰もわからない前提で仮説検証サイクルを回すマインドがあること。自分の中に軸を
持って自分の頭で考えを整理することができること。
7. 過度な投資を志向するのではなく、リーンスタートアップを実践できること。
8. 市場規模の予測をリーズナブルにできること。また、予測した市場規模に対する獲得目標シェアを実現可能性を保守的過ぎずアグ
レッシブ過ぎずに考えらえること。
9. 売上だけでなく、むしろ利益を主眼に事業計画を検討し、事業が軌道に乗るまでのキャッシュフローを見積もることができ、また
損益分岐点を超えた後の営業利益率を高めるプランを描けること。
10.自社だけで製品・サービスを開発・提供できない場合には、必要十分かつ最適な最低限のパートナーを選び、交渉し、双方が十分
な利益を得られる事業構造を構築できること。むやみやたらにステークホルダーを増やさないこと。
11.開発だけでなく、維持保守および運用に関して、低コストで必要十分な体制を構築できること。
12.グローバル展開を視野に入れるが、まずは特定の市場において利益を得られる事業立ち上げを考え、実践できること。
13.現状の否定に終始することなく、自ら未来を切り開くことを志向し、その意気込みや構想、計画について、ステークホルダーから
共感および同意、賛同を得るための論理的説明ができること。
14.うまくいかないことを他責にしないこと。阻害要因がある場合、それを自ら取り除くことができること。
15.変化に柔軟に対応できること。間違いや失敗を早い段階で自ら認め、必要なピボットができること。
16.様々な視点を持つ多様なアドバイザーを持ち、様々な意見に対して真摯に耳を傾けられること。反論されても折れない心を持つこ
と。
17.焦らず余裕を持つこと。努力や自己犠牲をアピールせざるを得ない状況に追い込まれることのないように振る舞えること。
18.うまくいかない状況となった場合に、傷が浅いうちに止める決断ができること。あらかじめ決めた撤退要件に従うことができるこ
と。
19.プラットフォーマー、エコシステム、データを持つ者が勝ち、マイクロサービスが売れる、等の流行り言葉、バズワードに惑わさ
れることなく、事業計画を立案できること。
20.そして、人に好かれる愛嬌を持つこと。困った時に助けてくれる応援団を持つこと。孤軍奮闘とならないこと。あのひとのプロ
ジェクトに参加したい、あの人のためなら一肌脱ぎたいと思われる人間的な魅力を持つこと。
21.上記20項目を意識しながらも、それでも「人々のためになることを自分が信念を持って創る。」という強い想いを通すために必要
な場合には、キチンと「NO!」と言えること。
デンソー・MaaS開発室長・成迫 剛志
経営者が新規事業を失敗させてしまう7つの罠
1.沢山の関係者を入れる
新規事業には人が少ないくらいがいい
2.進捗の管理をしっかりする
事業として価値を生みだしていなければ、進捗はゼロである
3.結果よりも制約を重視させる
あらゆるものを逸脱したとしても、結果を出せば良い
4.既存事業と数字で比較する
どんな事業も最小は小さく始まる
5.新規事業の狙いが他にある
企業の思惑を入れてうまくいくほど、新規事業は甘くない
6.ロジカルにリスクを排除する
仮説検証こそ、新規事業
7.事業毎にチームを組み替える
継続させたチームの中でいくつもの事業を取り組む方がいい
ソニックガーデン・社長 倉貫義人
事業を開発する3つの原則
第1原則
課題の実感
第2原則
トレンドの風を読む
第3原則
試行錯誤
現場に出向いて現物
に触れ現実を見て、
ものごとの本質を見
極め課題を実感し解
決策を見出す
従来へのこだわりを
廃しニーズの変化を
知る/いまできる最
適な手立てを見過ご
さない
絶対正解はなく、最
適判断や最後まで見
通した完璧な計画は
無理。素早く実践し
試行錯誤を繰り返す
ステップ1:戦略(Strategy):目指すべきゴール、すなわち「あるべき姿」を明ら
かにし、それを実現するためのシナリオである「ビジネス・モデル」を描く取り組み。
ステップ2:作戦(Operation):この戦略を実現するためのひとつひとつのプロジェ
クトである「ビジネス・プロセス」を組み立てる取り組み。
ステップ3:戦術(Tactics):そのプロジェクトを遂行するための手段や道具である
「使い勝手や見栄え」を作り込む取り組み。
どこに狙いを定めるか
市場拡大の
加速度に着目
きっと誰かがやる
ことに着目
汎用目的技術
に着目
汎用目的技術(GPT)
General Purpose Technology
いまは規模が小さくても加速度
のある市場にいち早く参入する。
自分たちも未熟だが競合他社も
未熟。一歩先んじれば、市場で
のイニシアティブを確保できる。
市場に加速度があれば、ちょっ
としたアドバンテージが短期間
で大きな差を生みだす。
確立された市場では、先行企業
の圧倒的競争力で価格競争を強
いられ、参入する魅力に乏しい。
誰かがやるなら、まずは自分た
ちが一歩先んじれば、先行して
実績とノウハウを積み重ね、市
場でのイニシアティブを確保で
きる。
他会もいずれやり始めるなら、
自分たちが先んじて、先行者利
益を確保することが得策。
市場の課題を先取りすることで
需要は拡大し、市場の拡大を優
先的に業績に取り込める。
様々な分野で広く適用可能な技術
「汎用目的技術(GPT)」に着目
し、ノウハウ蓄積すれば、幅広い
適用範囲でビジネスに関われるよ
うになる。
社会や経済の変革の土台となる
GPTの動向に着目すれば、未来を
的確に予測することができる。
GPTを土台に、ビジネスへの応用
をすすめてゆけば、そのノウハウ
は、様々な分野への応用が利く。
「両利きの経営」とDX戦略(1)
201
新しいビジネスモデルや商品・サー
ビスを生みだすために、いろいろな
組合せを試し、知の範囲を拡げる。
いま業績のあがっている事業領域の収益の確保と増大に注力し、
知の範囲を深化させる。
知の深化
知の探索
サクセス・トラップまたはコンピテンシー・トラップ
「知の探索」には手間やコストがかかるわりに、収益に結びつくかど
うかが不確実。そのため、収益の確保が見通しやすい「知の深化」に
偏りがちになってしまう。
経営レベルで 知の探索 と 知の深化 のバランスを調整する
1. 探索チームには、ビジネスに必要な機能(たとえば
開発・生産・営業)をすべて持たせて「独立性」を
保たせること
2. トップレベル(たとえば担当役員レベル)では、そ
の新規部署が既存の部署から孤立せずに、両者が互
いに知見や資源を活用し合えるよう「統合と交流」
を促すこと新規事業部署にはなるべく「知の探索」
を好きなようにやらせて、他方で「知の深化」との
バランスを取り、既存事業分野との融合を図る
1. 自社の定義する「ビジネスの範囲」を狭め
ず、多様な可能性を探求できる広い企業ア
イデンティティーを持つこと
2. 「知の探索」部門と「知の深化」部門の予
算対立のバランスは経営者自身が取ること
3. 「知の探索」部門と「知の深化」部門の間
で異なるルール・評価基準を取ること
「両利きの経営(東洋経済新報)」を参考に作成
「両利きの経営」とDX戦略(2)
202
知の深化
知の探索
サクセス・トラップ
コンピテンシー・トラップ
経営レベルで「知の探索」と「知の深化」のバランスを調整する
支援
Before DX
After DX
1. 「探索事業」が新規の競合に対して競争優位
に立てるような、既存事業の資産や組織能力
を突き止める。
2. 「深化事業」から生じる惰性が新しい取り組
みの勢いを削がないように、経営陣が支援し
監督する。
3. 「探索事業」を正式に切り離して、成熟事業
からの邪魔や「支援」なしに、成功に向けて
必要な人材、構造、文化、資本を調整できる
ようにする。
成功しているほど知の深化に偏って結局は、イノ
ベーションが起こらなくなる。
成功すればするほど深化に傾斜
「両利きの経営(東洋経済新報)」を参考に作成
事業戦略を考える
自分たちの事業モデルを
破壊するものは何か?
自分たちの事業モデルを
どのように変革すればいいのか?
事業戦略
自分たちの未来は
どうあるべきか?
うちも、IoTで何かできないのか?
“何か”て言われてもなぁ?
何をすればいいのだろう?
いまうちの抱える課題は何だろう?
競争力強化には何をすべきだろう?
現状のプロセスをそのままに
使えそうなところを探す
使えそうなところに使って
使えるかどうかを検証する
使えることは確認できたが、
これで何が実現できるの?
何かを解決/実現することではなく
“使ってみる”ことが目的となっている
何を解決すれば、
ブレークスルーできるのか?
業績を向上させられるのか?
そのための最適な手段は?
IoTは最適な手段なのか?
事業の成果(売上や利益)に
どれだけ貢献できたのか?
短期長期の経営課題や事業課題を
解決することが目的となっている
「使ってみた」という成果は残るだけで次に続かない!
「ビジネスの成果」で評価し改善のサイクルを回す!
失敗するPoCと成功するPoCの違い
PoC成功のサイクル
205
事業課題の洗い出し
適用可否の見極め
適用
評価
チューニング
何を解決すべきか?
成果を出せるか?
この技術で
ふたつのイノベーション(1)
206
顧客は誰か?
現状に満足していない顧客 存在していない顧客
機能・性能の向上 新たな需要の創出
持続的イノベーション 破壊的イノベーション
ハイエンド戦略(足し算戦略)
高付加価値・高利益
ローエンド戦略(引き算戦略)
価値限定・低利益
新機能、高機能、多機能、省エネ、
高コストパフォーマンス、新デザイン
簡単、便利、低価格、新鮮、
画期的、面白い、これだったら使える
事業の拡大
ふたつのイノベーション(2)
207
市場規模
機能・性能
持続的イノベーション
既存顧客
現状に満足していない
存在していない顧客
消費していない(無消費者)
顧客の流失
顧客の流失
顧客の流失
衝突
既存事業基盤の維持
既存の顧客・スキル・収益構造
新規事業基盤の創出
新たな顧客・スキル・収益構造
過剰
満足
破壊的イノベーション
新規事業のふたつのタイプ
208
実施するチームを分ける
異なる業績評価基準で評価する
スポンサーシップを明確にする
持続的イノベーション 破壊的イノベーション
新規市場
での事業拡大
既存市場
での事業拡大
性能指標の連続性
〜価値指標の継続〜
性能指標の非連続性
〜価値指標の転換〜
性
能
指
標
の
向
上
投入する労力や時間
性
能
指
標
の
向
上
投入する労力や時間
性
能
指
標
の
向
上
性
能
指
標
の
低
下
資金シフトの進める(1)
導入 成長 成熟 衰退
資金
資金
採算ライン
新規事業が成功する条件は、
成功するまで失敗を
繰り返すことができる
資金力があること。
資金シフトの進める(2)
継続的成長のライン
初期投資のベースライン
事業1
事業2
事業3
「一時的競争優位」
の継続的確保
DXの実現に立ちはだかる課題
情報システムの部分最適化や複雑化
 各事業の個別最適化優先した結果、システムが複雑となり、企業全体での情報
管理・データ管理ができず、全体最適が困難になっている。
 業務に合わせ1からシステムを開発することが多用され、カスタマイズするこ
とが好まれ、その結果、個々のシステムの独自化/特殊化(ガラパゴス化)が
進み、新しい技術を取り込むことが困難になっている。
先送りを許容する意識の定着
 現状は問題なく稼働しているので誰も困っていないとの認識があり、時代遅れ
(レガシー)になってしまっていることに自覚がない。
 レガシーが問題であるとの自覚があっても、根本的な解決には長時間と膨大な
費用が要するうえ、失敗のリスクもあるため、刷新に着手しない。
経営者のコミットメントが不十分
 改善して使い続けた方が安全であるという意識が強く、デジタル技術を前提に
したビジョンが不明瞭で、コミットが稀薄である。
 DXやビジネスのデジタル化に取り組む組織を作るも、デジタル技術やそのビジ
ネスへの影響についての理解が不十分で、かれらに明確な指示をだせない。
『DXレポート 〜ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開〜 経済産業省・2018年9月』の指摘を参考に作成
変革のリーダーたるよき抵抗勢力となる
212
 ビジネスやテクノロジーのトレンドについて好奇心を絶やさず、情報
収集や勉強を怠らない。
 分析的に物事を捉え、自分の理屈を語れる。
 人の意見に耳を傾け、それについて自分の意見を示すことができる。
 社内外に人的なネットワークを持ち、特にコミュニティや勉強会など
で、社外との広い緩い繋がりを持っている。
 自分の職掌範囲を自覚し、その達成に誠実に向きあっている。
評論家やアウトロー、あるいは単なる批
判者ではなく、自分の与えられた職務の
中で批判的な精神を持ち、改善策を探し、
これを実践する人。
ローコンテクスト文化
ハイコンテクスト文化
空気を読む文化
前提となる文脈(言語や価値観、考え方な
ど)が非常に近い状態のこと。コミュニケー
ションの際に互いに相手の意図を察し合うこ
とで、「以心伝心」でなんとなく通じてしま
う環境や状況のこと。
前提となる文脈や共通の価値観が少ない常態
のこと。コミュニケーションの際に、言語で
表現された内容が高い価値を有する傾向にあ
り、思考力や表現力、論理的な説明能力や
ディベート力といった能力が重視される。
言葉で伝え合う文化
アメリカの文化人類学者・エドワード.T.ホールが唱えた「ハイコンテクスト文化とローコンテクスト文化」
日
本
人
中
国
人
ア
ラ
ブ
人
ギ
リ
シ
ャ
人
ス
ペ
イ
ン
人
イ
タ
リ
ア
人
イ
ギ
リ
ス
人
フ
ラ
ン
ス
人
ア
メ
リ
カ
人
ス
カ
ン
ジ
ナ
ビ
ア
人
ド
イ
ツ
人
ド
イ
ツ
系
ス
イ
ス
人
聞き手の能力を期待する
 直接的表現より単純表現や凝った描写を好む
 立場や状況、人間関係などに配慮する姿勢を示す
 曖昧な表現を好む
 多く話さない
 論理的飛躍が許される
 質疑応答の直接性を重要視しない
話し手の能力を重要と考える
 直接的・明示的で解りやすい表現を好む
 言語に対し高い価値と積極的な姿勢を示す
 単純でシンプルな理論を好む
 寡黙であることを評価しない
 論理的飛躍を好まない
 質疑応答では直接的に答える
コンテクスト文化から考えるリモートワーク
五感を総動員
言語を駆使
DXを学び
実践するための方法
Krebs Cycle of Creativity Age of Entanglement(もつれ時代)
時代の先端を行こうとする個人、もしくは組織にとっては、肩書など一言で説明できない状
況になっている。脱専門的な態度が”スタンダード”になろうとしている。
実用性(Utility)を最
大化することで我々の
行動変容を生み出す
我々の行動変容を批評
することで新たな認識
を世界に生み出す
我々の世界を説明・予
測することで、
“Engineering”で活用
可能な知識を生み出す
課題解決に科学的知識
を活用することで実用
性を生み出す
もつれ時代における創造性
「変身資産」を積み上げる
独学力
自らを成長させる3つの力
つながり力
アウトプット力
多様な価値観やロールモデルの発見
ビジネス・チャネルの開拓
共感と深い学び
陳腐化するスキルの新陳代謝
直感力の育成
客観性と論理性の醸成
インプットの増大
人脈の拡大
ストーリー化能力の強化
経験の蓄積に頼った「ベテラン」の不良資産化が加速する時代
独学力:DXを理解するために読むべき3冊
来たるべき未来を知るための3冊 イノべーションを知るための3冊
新規事業の実践を知るための3冊
競争原理の本質を理解するための3冊
独学力:DXを理解するために読むべき3冊
これからの経営を考えるための3冊
日本と西欧の組織文化や思想を考える3冊
組織変革の実践を学ぶための3冊
歴史からいまと未来を知るための3冊
独学力:DXを理解するために読むべき3冊
ITのトレンドを味方にするための3冊
VUCA時代の思考法を考えるための3冊
これからのマーケティングを考える3冊
DXの実践を考えるための3冊
つながり力:計画された偶発性理論
成功した人のキャリア形成のきっかけは80%が「偶然」
 移動は、自宅と職場/客先との間だけ
 つき合う相手は、同僚かお客様、家族だけ
 いつも聞き手、質問や議論を避ける など
偶然を
呼び込めない
残念なケース
 社内外を問わず、コミュニティや勉強会に参加する
 社内外を問わず、自分のやっていることを人に話す
 社内外を問わず、自ら発表する機会を持つ など
偶然を
呼び込むための
効果的な行動
 自分とは異なる能力やスキルを持つ人の助けを得て問題を解決できる
 多様な価値観やロールモデルを知り、きっかけや勇気を得られる
 アウトプットの何倍もの情報が、効率よく手に入る など
つながり力:計画された偶発性理論
好奇心:自分の専門分野だけではなく、いろいろな分野に視野を広げ、関心
を持つことでキャリアの機会が増える。
粘り強さ:最初はうまくいかなくても粘り強く続けることで、偶然の出来事、
出会いが起こり、新たな展開の可能性が増える。
柔軟性:状況は常に変化する。一度決めたことでも状況に応じて柔軟に対応
することでチャンスを掴むことができる。
楽観性:意に沿わない移動や逆境なども、自分が成長する機会かも知れない
とポジティブに捉えることでキャリアを拡げることができる。
リスティング:未知なことへのチャレンジには、失敗やうまくいかないこと
が当たり前。積極的にリスクをとることでチャンスを得られる。
成功した人のキャリア形成のきっかけは80%が「偶然」
中長期的なゴールを設定して頑張るのはむしろ危険。いい「偶然」を引き寄
せる努力が大切。
計画された偶発性理論/Planned Happenstance Theory
米スタンフォード大学 J.D.クランボルツ教授が提唱したキャリア理論
「木こりのジレンマ」に陥ってはいないだろうか
木こりが木を切っていた。
通りがかった旅人がその様子を眺めていると、
斧を振るう勢いの割に、木が切れていないようだった。
よく見ると木こりの使っている斧が刃こぼれしている。
そこで、旅人は言った。
「斧を研いだほうがいいのではないですか?」
すると、木こりはこう答えた。
「そんなことは分かっていますが、木を切るのに忙しくて
斧を研ぐ時間がないんですよ。」
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