「新しいLinuxの教科書」を読む会 オンライン #6 で行った発表の資料です。 https://linuxbook.connpass.com/event/192158/

1. lessコマンドのちょっと便利な使い方
2020年10月24日

2. 自己紹介
名前: 三宅 英明
Twitter: @mollifier
神戸のプログラマ

3. lessコマンド
lessコマンドとは

4. lessコマンド
lessコマンドとは、よく使われるページャーコマンドで
す。
この本でも紹介しています。

5. lessコマンド
基本的な使い方は、この本の読者なら分かっている
でしょう。
まだの人は読んでください。

6. lessコマンド
実は、lessは高機能、多機能です。いろんな使い方が
できます。

7. lessコマンド
ここでは一歩進んだlessコマンドの使い方を紹介しま
す。

8. lessコマンド
目次
終了しても表示していた内容をクリアしない
ファイル全体の真ん中に移動する
マークをつけて移動する
検索ハイライトを消す
検索で大文字/小文字を区別しない

9. プロンプトに情報を表示する
起動中にオプション設定を変更する
オプションを自動的に有効にする
ヘルプを表示する

10. 終了しても表示していた内容をクリアしない

11. 終了しても表示していた内容をクリアしない
lessを終了すると、表示していた内容は画面から消え
ます

12. 終了しても表示していた内容をクリアしない
しかし起動オプションに -X または --no-init を指
定すると、終了した後も表示していた内容が残るよう
になります

13. ファイル全体の真ん中に移動する

14. ファイル全体の真ん中に移動する
今表示しているファイルの、だいたいあのへんに移動
したいなー、ということありませんか?

15. ファイル全体の真ん中に移動する
そういうときは % コマンドが便利です

16. ファイル全体の真ん中に移動する
<数字> % で、ファイル全体の<数字>%の位置に移動
します。
たとえば 50% で、ファイル全体の50%の位置に移動
します。

17. ファイル全体の真ん中に移動する
% の代わりに p でも同じです

18. 検索ハイライトを消す

19. 検索ハイライトを消す
lessで / を使って単語を検索すると、マッチした部分
がハイライトされます

20. 検索ハイライトを消す
分かりやすくなるのですが、検索が終わるとハイライト
を消したくなることがあります

21. 検索ハイライトを消す
そういうときはESCのあとuと押します。
そうするとハイライトが消えます。

22. マークをつけて移動する

23. マークをつけて移動する
lessでは、現在位置に印を付けて後からそこに戻る、
という移動方法があります

24. マークをつけて移動する
この印のことをマークと呼びます

25. マークをつけて移動する
マークにはaからzまたはAからZまでの1文字の名前
を付けます。
m <文字>で、現在表示している位置に<文字>という
名前のマークを付けます。

26. マークをつけて移動する
' <文字>で、<文字>という名前のマークの位置に移
動します

27. マークをつけて移動する
例

28. マークをつけて移動する
ファイルを読んでいて、検索で単語を探したくなったと
き
一旦 mt で現在位置にtというマークを付けます

29. マークをつけて移動する
検索で単語を探して移動します
検索が終わって元の位置に戻りたくなったとき、 't
で戻れます

30. 検索で大文字/小文字を区別しない
標準では、検索 / の単語指定では大文字/小文字の
違いが区別されます

31. 検索で大文字/小文字を区別しない
起動オプションで -i または --ignore-case を指定
すると、大文字/小文字が区別されなくなります

32. 検索で大文字/小文字を区別しない
ただし検索する単語に1文字でも大文字が入ってい
れば、大文字/小文字が区別されます

33. 検索で大文字/小文字を区別しない
例えば、 -i オプションを指定した状態で /home と検
索すると、 home 、 HOME 、 Home などにマッチします。
/Home と検索すると、 Home にマッチしますが
home 、 HOME などにはマッチしません。

34. 検索で大文字/小文字を区別しない
この動作がいやな人は、代わりに -I または --
IGNORE-CASE オプションが使用できます。
こちらは検索する単語によらず常に大文字/小文字を
区別しません。

35. プロンプトに情報を表示する

36. プロンプトに情報を表示する
lessコマンドを起動しているとき一番下に表示される
欄をプロンプトと呼びます

37. プロンプトに情報を表示する
標準では、起動直後にプロンプトに開いたファイル名
が表示されます。
その後は : が表示され、ファイルの最後であれば
(END) と表示されます。

38. プロンプトに情報を表示する
起動オプションで -m または --long-prompt を指定
すると、今ファイル全体の何%の位置にいるのかがプ
ロンプトに表示されます

39. プロンプトに情報を表示する
代わりに -M または --LONG-PROMPT オプションを指
定すると、ファイル名、行数、%が表示されます

40. 起動中にオプション設定を変更する
ここまでで色々とlessの起動オプションを紹介しまし
た

41. 起動中にオプション設定を変更する
実は、このオプションはlessを起動した後にも切り替
えできます

42. 起動中にオプション設定を変更する
単純に、lessを起動中に - から始まるオプションを入
力すると、それを指定したことになります

43. 起動中にオプション設定を変更する
もう一度入力すると無効になります

44. 起動中にオプション設定を変更する
例

45. 起動中にオプション設定を変更する
lessを起動中に -N と入力すると、行番号が表示され
ます。
さらにもう一度 -N と入力すると、行番号が表示され
なくなります。

46. オプションを自動的に有効にする

47. オプションを自動的に有効にする
ここまで紹介したオプションで、毎回使いたくなるもの
があったとします。

48. オプションを自動的に有効にする
例えば -M オプションで詳しいプロンプトを表示した
いとして、lessを起動するたびに毎回指定するのは大
変です。

49. オプションを自動的に有効にする
そういうときは環境変数 LESS にオプションを指定し
ます

50. オプションを自動的に有効にする
bashの例
export LESS=`-M -N`
これで、lessを起動すると自動的に-M、-Nオプション
が指定された状態になります

51. ヘルプを表示する

52. ヘルプを表示する
最後にヘルプ表示

53. ヘルプを表示する
lessを起動中にhでヘルプが表示されます
qでヘルプを終了して元に戻ります

54. ヘルプを表示する
hのヘルプはman lessより説明が少なくなっていま
す。
細かい仕様までは書かれていませんがその分表示が
コンパクトなので、ちょっと使い方を思い出したいとき
に便利です。

55. ヘルプを表示する
今日紹介したことはヘルプやman lessに全部書かれ
ています

56. ヘルプを表示する
興味がある人はそちらも見てみてください。
もっと便利な使い方が見つかるかもしれません。

57. まとめ
lessは高機能なので、いろいろな使い方があります

58. まとめ
よく使うコマンドなので、便利な使い方を試してみてく
ださい

59. まとめ
ありがとうございました