日本と韓国の間の現実を、韓国で2013年から2015年までの2年間を韓国で過ごした日本人として、まとめてみました。

1. 現在のアジア・韓国と日本
講演者Profile
三田 典玄
(みた のりひろ)
日本で1980年代から90年代にかけて日本にインターネットを持ってきた研究者・技術
者の一人。
産総研：特別研究員などを経た後、韓国・慶南大学校コンピュータ学科教授。2015年
2月末退官。日本と韓国の比較記事を多く執筆。

2. 中国とアジア
● 大前提として ： 5年前のアジアの情勢と今は全
然違うので、5年以上前の知識はほとんど役に立
たない。従って5年以上前の「昔話」は一切通用し
ないと思ってよい。

3. 現代・大陸中国の変遷
● 人口13億人のパワー
●
共産主義
●
大陸中国は鄧小平の「改革・開放」政策以来、大陸中
国と資本主義社会のGatewayが必要。
● 2008年まで： 深セン・香港
● 2008年-2014年： 台湾
● 2015年-： 韓国

4. 韓国の位置
● 北朝鮮をはさんで陸路での物流が可能
(大量・即時)
● 諸外国に認められている資本主義国
(FTA締結国最多)
● 大陸中国の経済規模に合った地域経済の規模
● 米国資本主義とロシア・中国との微妙な距離の取
り方がうまい

5. 韓国の規模
● 人口 約5千万人(日本のほぼ半分)
● GDP 日本の約１/数
● 国民一人あたりGDP 日本の約1/2
● 政府よりも民間に多く資本がある

6. 韓国の現状実感
●
非常に景気が良い。
日本のバブル時代を彷彿とさせる
工場の操業率の高さ
休日のデパートの賑やかさ
NYブロードウェイのCATSの来韓公演
● 講演者のいる場所：
釜山の西・約50kmにある「昌原(Changwon)市」
隣の馬山(Masan)市と合併(慶南大学校は馬山にある)
韓国最初の自由貿易港(馬山)
韓国最大の工業団地(朴正煕大統領の功績)

7. 釜山
● 釜山市・韓国第二の都市

8. 釜山
● 日本との深い関わりのある都市。日本語も多い。

9. 釜山
● 海雲台海岸・韓国でも有名なビーチ

10. 釜山
● 休日のロッテの東釜山ショッピングモール

11. 昌原市の両側10車線道路
● 朝のラッシュの風景です。

12. 韓国人に聞くと
●
韓国の経済は李明博大統領のときが一番良かった
●
韓国の経済は中国経済の発展による
●
そのため、中国経済の行方が非常に気になる
●
日本への「反日感情」は今の人にはほとんどない
- テレビで放映されるソウル大使館前の反日デモは毎回人数が減っていて、参加者を集めるのに苦労している
- 韓国の人は基本的に「自分が大事」。国の政府はどうでもいい。国の政府と国民は違う
●
生活水準の劇的な向上
●
学生の学力の劇的低下
● 大学生の就職率は平均で60%
●
民主主義の徹底

13. ただし。。。
● 原発の管理は非常にルーズ
実際に線量計を持っていってガンマ線を釜山の街
なかで測定したところ・・・・・
● それでも日本が好き
東京は夢の街
日本のものは売れる
2013年の韓国のカーオブザイヤーはトヨタ車
2014年の日本への韓国人観光客は500万人

14. その他(1)
● 2014年の日本からの対韓国投資は過去最大
● DENSO、コニカミノルタ、などの日本企業は昌原市では就
職人気企業。
● DENSO支社長は昌原市の表彰を受けている
●
昌原以外でも多くの日本企業が投資
(住友化学など)
●
生活費は交通費は安く、自動車の路上駐車も多い
●
国家公務員・地方公務員のほとんど、大学教授などでも、ほ
とんどが「年間契約社員」。終身雇用はない。役所のリストラ
もドラスティックに行われる。

15. その他(2)
●
日本と韓国の数千年に渡る交流の歴史
●
「国」ではなく「地域」の交流
●
時代の変遷とともに急激に変わる社会
●
日本のマスコミと韓国のマスコミ
- 「竹島の日」の報道は韓国では30秒ほど。
●
日本語で読める韓国情報源：朝鮮日報オンライン等
●
外国からの投資が多い
● サムソンは韓国のGDPの20%。
しかし株の54%を外資が握る世界企業
●
韓国のお金は政府よりも民間でまわっている

16. 韓国の人
●
日本人とメンタリティが似ている
●
貯蓄をしない→経済の好循環を作る
●
時間にルーズ
●
基本的に「親切」
●
子供をすごく大切にする
●
自分のことだけ考えるのが普通
● お金の価値はいつでもなくなる→IMF経済の経験
●
命を大切に→戦争の経験・目の前に北朝鮮がある現状

17. 韓国の人と日本の人
● 日本人の平均寿命と韓国人の平均寿命
現状、日本は世界一の長寿国
● 人間関係で職場が決まる。仕事ではない。
● 「堪忍袋」がない。その場で発散する。

18. 最後に
この2年間で日本人として韓国の大学にいて外部
の企業とも仕事をしたけれども、日本人であること
で不愉快な思いをしたことは一切ありませんでし
た。