国境なき子どもたち（KnK）が2000年にカンボジアで活動を開始して15年が経ちました。自立支援施設「若者の家」を始めとする活動の他、私たちの支援対象である未成年収監者を取り巻く社会状況を紹介します。

1. 国境なき子どもたち
カンボジア事業15周年記念イベント
美しきカンボジア
- 塀の中の少年たち –
2015年6月20日 熊本晃順

3. について

4. 1997年日本で設立 共に成長するために

5. KnKは、世界の子どもたちに、
教育支援を行うNPO

6. 教育、子どもらしく尊厳のある生活、
青少年の相互理解

7. KnKの支援対象
特に支援の行き届きにくい青少年
もっとも困難な状況下の子どもたち

8. ストリートチルドレン(C)Natsuki Yasuda

9. トラフィックト・チルドレン(C)Atsushi Shibuya

10. 法に抵触した青少年(C)Sayuri Ohkawa

11. 大規模自然災害に被災した青少年

12. 戦乱や紛争の影響を受けた青少年

13. について

14. アンコール・ワット遺跡群

15. 国に関するデータ
面積 18.1万平方キロメートル
（日本の約2分の1弱）
人口 1,514万人（≒九州・沖縄の人口）
首都 プノンペン
宗教 仏教（一部少数民族はイスラム教）
言語 カンボジア（クメール）語
主な産業
観光・サービス（GDPの41.8％)
農業（GDPの34.4％）
鉱工業（GDPの23.8％）

16. 子ども・教育・社会問題に関するデータ
28.7% 2012年
48.9% 2004年
0
20
40
60
80
100
120
140
160
5歳未満児死亡人数
（1000人あたり）
0.0%
10.0%
20.0%
30.0%
40.0%
50.0%
60.0%
児童労働（5-14歳）の
比率
0.00%
5.00%
10.00%
15.00%
20.00%
25.00%
30.00%
35.00%
1日1.25米ドル未満で
暮らす人の比率
40人 2012年
143人 2005年
10.05% 2011年
30.82% 2007年
2011年 2007年2012年 2004年2012年 2005年

17. インドシナ半島諸国の人口比較

18. インドシナ半島諸国のGDP成長率

19. カンボジアの人口増加率

20. カンボジアの歴史
1世紀 扶南王国
6世紀 真臘王国
9世紀
クメール王朝
（アンコール王朝）
19世紀中頃
フランスによる
インドシナ半島
植民地化
カンボジア王国
（1953～1970）
クメール共和国
（1970～75）
民主カンプチア
（1976～ 79）
サムリン政権
（1979～91）
現代カンボジ
ア王国
アンコールワット建設
クメール・ルージュ
による虐殺
内戦～パリ和平協定

21. 国際社会からの支援→経済成長
大量殺戮・内戦（75年～91年）

22. カンボジアにおける
KnKの活動

23. 2000年9月自立支援施設「若者の家」開設

24. 現在の「若者の家」

25. 現在の「若者の家」

26. 「若者の家」：衣食住と教育・就学就業

27. 収入創出活動：訓練と就業を支援

28. 刑務所での教育活動：識字・絵画・縫製訓練、啓発活動

29. 支援の行き届きにくい
困難な状況下
自分の力だけでは、その状況を脱却できない
未成年収監者

30. “未成年収監者”が
生まれる背景

31. 未成年者が逮捕された場合・・・
警察署内に
10-25日間
勾留
家庭
裁判所
少年
鑑別所
少年院
少年刑務所
保護観察
警察署内に
10-25日間
勾留
家庭
裁判所
少年
鑑別所
少年院
少年刑務所
保護観察
日本では
カンボジアでは

32. しかし・・・
カンボジア政府の取り組み
1992年児童の権利に関する国連条約を批准
これにより
– 逮捕・勾留は最後の解決手段
– 勾留は最短期間のみ
– 収監時、成人とは分離される
– 家族との接触が維持される
– 弁護人と接触、裁判所の決定を速やかに受けられる
などが、子どもの権利として認められる

33. 18歳以下の収監件数は年々増加している
2005年403件 → 2010年772件（92%増）
→子どもの権利が侵害され続けている
カンボジア政府の取り組み
これを受けて・・・

34. 2013年8月未成年犯罪に関するガイドライン作成
– 判決前収監を防ぐための未成年鑑別所の設置
– 収監ではなく、少年院、保護観察による更生の推奨
– 司法関係者への研修（弁護士、検察官、裁判官、刑務員）
– 法整備・社会インフラ整備（医療、公教育、職業訓練提供）
カンボジア政府の取り組み
政府の新たな取り組みのはずが・・・
実際には現在も多くの未成年が判決前に収監されている
→では、なぜ未成年収監者・未成年犯罪が生まれるのか？

35. 2014年
未成年犯罪の
87%が
判決前収監
（カンボジア）
未成年収監者が生まれる
理由① ガイドライン運用の困難（先例不足・施設不足）

36. 貧困
教育子どもの労働
窃盗、暴力
薬物、ギャンブル
倫理判断の欠如
社会からの疎外
不法就労
未成年収監者が生まれる
理由② 貧困の悪循環により、新たな未成年犯罪が発生

37. 課題
1. 未成年犯罪に関するガイドラインの運用
2. 貧困の悪循環（貧困、教育、子どもの労働）

38. 達成目標
1. ガイドラインが正しく運用される
2. 貧困の悪循環が解消される

39. 未成年収監者のために
KnKができること
カンボジアの

40. 刑務所内での啓発活動
→草の根レベルでの理解促進
ガイドラインの効果・有効性を確認・共有
→裨益者・関係者に変化を生み出す
1. ガイドラインが正しく運用される

42. 刑務所内での識字、職業訓練
若者の家（受入）、収入創出活動
2. 貧困の悪循環が解消される
収入手段
創出
教育レベル
向上
通学可能
→貧困の悪循環の解消
→再犯を防ぐ
→新たな収監者を防ぐ

46. 家が貧しく、盗みを働いて、お金や食べ物
を得ていました。あるとき警察に見つかり、
そのまま刑務所に連れて行かれました。
自分が今後どうなるかわからずとてもつら
い毎日でした。
そのとき、KnKの識字クラスと絵画クラスに
参加できることになりました。それまでは
読み書きを習ったこともなかったけど、初
めて自分の名前の書き方を知りました。先
生やスタッフと話して行くうちに、自分の過
ちを反省し、ここで更生して、新しい人生を
歩みだしたいと思えるようになりました。
バッタンバン州刑務所
ソンポーン（仮） 16歳

47. 刑務所では、大人たちと同じ場所で生活し
なければならず、暴力や脅しをうけること
もあり、とても不安を感じています。
絵画のクラスに参加できてとてもうれしい
けど、この不安を誰かに話せるようになっ
たことが一番うれしい。
今は裁判をまっているところで、いつ行わ
れるかはわからないけど、これからも絵の
勉強を続けたいです。
バンテアイミエンチェイ州刑務所
ブッティ（仮） 17歳

48. おわりに

49. どんな状況下でも
「子ども」にふさわしい
時間を過ごせるように
子どもらしく尊厳のある生活

50. ??

51. オークンチュラン！（ありがとうございました）
本日の報告会およびカンボジアにおける刑務所事業は、
一般財団法人ゆうちょ財団国際ボランティア貯金センターと
支援者の皆さまのご寄付で実施しております。

52. www.knk.or.jp