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今後の IT 動向を考える
  (2013 年度)
1. はじめに

本書は一般的なものではなく、完全に個人的に今後の IT 事情の推移を予測し、私感を述べているものであり、
これによる他社製品への批判や奨励を意味するものではない。故に、個人的に意見を交換したり、ディスカッシ
ョンをすることは Welcome だが、資料を無断で転載したり、内容に関する責任を追求されても責任は持たない
事をはじめに申し上げる。
2. IT の動向に関して

  IT 業界はよくドッグイヤーと言われる。意味するものは移り変わりが早いという事だが、確かに新しい技術
  は日進月歩である。しかし、大きな潮流は 10 年サイクルで回っているような気がする。
  下記の図を見て欲しい。




  これによると 2010 年代はソーシャル革命ということになるが、確かにそうであるとも言える。
しかし、2000 年代に始まったクラウドは本当に成熟したのだろうか?


下記にガートナーの資料を添付する。




ガートナーによると現在は『過度な期待』のピーク期であるそうだ。確かに、クラウドという言葉が横行し
よく意味もわからないけど、使うと様になるから(自分の会社名の事ではないですよ)という意味で一種の
ブームになっている気はする。この後、幻滅期に入るそうだが、確かに ERP の流れを考えるとうなずける部
分がある。個人的には幻滅期は既に入っていて、本物と偽物の選別が始まっている気がする。10 年前からク
ラウドを始めたベンダーは積み重ねにより、確固たる基盤を作っているが、これからジャイアントといわれ
るベンダーがもっと勢いを増してくる。クラウド基盤の標準化も始まっており、この中心に Oracle が入って
いるのは興味深い。10 年というサイクルは多少短くなっている気はするが、今後クラウドが IT 動向の中心
に居座ることだけは間違いがないと断言できる。
3. クラウドの流れ(推測)

 前ページでクラウドが今後も中心になることは確認できたと思うが、中身は複雑に動くと考えられる。
 下記は昨年のパブリッククラウドサービスのユーザー満足度調査の結果であるが(日経 BP 社資料)
                                               、長年力
 を注いできたグーグルとセールスフォースは実績があると言える。だが、ここにはまだマイクロソフトとオ
 ラクルが出てきておらず、彼らが本気になった場合は勢力図に変化がある可能性は否めない。
下記に示すのは最新版ではないが、クラウドの勢力図である。ここで興味深いのはアマゾンに代表する IT が
本業ではないベンダーの参入である。既存の老舗 IT 業者を考えるとかなり生態系が変化しているのがわかる。
しかし、これは2-3年の内に大きく入れ替わることが予想され、クラウドを取り巻く勢力図はこれからも
増して複雑化していくことが予想される。
個人的に注目しているのは VMWare である。Google やセールスフォースのパブリッククラウドはこれまで
の歴史も長く、その間で培われた技術は無視できないほど大きい。しかしながら、企業にとって今まで構築
してきた技術やシステムをスクラップしてパブリッククラウドに移行するのは勇気のいる行動とも言える。
その点、アマゾンや VMWare はオンプレミス型のシステムでも十分対応でき、パブリックとプライベート・
クラウドのハイブリットの実現が現実的と考える大手企業に対して受け入れられている。VMWare は仮想化
技術として他に真似されないような確固たる技術の下支えがあり、今後自社クラウドサービスを充実させて
いくとすると、その動向がとても興味深い。
下記の図にあるような3つのグループが1つになるような事は起きないと思う。しばらくは、この枠の中で
協業と提供を繰り返し、他のグループを牽制する勢力争いが続くと考えられる。マイクロソフトとオラクル
は言わずと知れた IT の雄であるが、まだ本気を出していないのではと思う。彼らは世界中にすごい数の開発
者を抱えているので、彼らが本気を出した時はこの勢力図に変化を出すほどの影響力があると思う。
4. ビッグデータ

下記のグラフを見て欲しい。記憶媒体は劇的に変化しており、これが現在のクラウドやソーシャルネットワーク
の発展を影で支えているといっても過言ではないと思っている。




以前は OLTP とか BI とかデータの解析手法が最先端技術とされ、これを持ったソフトウエアを我先にと導入し
た企業も多いと思う。しかし、ビッグデータといわれるレベルまで達すると従来の手法が通じなくなってきてい
ると思う。実際、Twitter や Facebook のつぶやきを収集して解析するには新技術(Hadoop に代表される色々な
ソフトウエア)が必要不可欠になり、またデータ自身も単なるデジタルデータから RFID やセンサーなど多種に
および包括した事に対応できる技術が求められてくる。これらの技術の取り込みはクラウド・ベンダーにとって
生命線ともいえ、シリコンバレーに存在する新技術を競い合って取り合うことが勢力図に影響してくると考えて
もよい。
今回はその中でもキーワードとなってくる、2つに注目して考えることとする。




  ① 行政オープンデータ
   公共のデータには有効なデータが多い。気象情報や交通情報 等々、または個人情報保護との兼ね合い
   があるが、行政が持っているデータをなんらかの形で2次加工する事ができれば、世の中を変えるほど
   のパワーを持っている。但し、データの量が通常のシステムで処理できる量ではなく、専門の技術およ
   び環境が必要になってくる。2012.07 に政府は『電子行政オープンデータ戦略』として「オープンデー
   タ流通促進コンソーシアム」を発足させた。これにより官民が協力して、標準化や API の整備を進めて
   いき、情報公開で経済を活性化していくことを目指している。しかし、ここにはプライバシーの問題が
   ついてまわり、大きな障壁となっている。ここは、民(IT ベンダー)は技術の発展と官(政府)は法の
   整備と1つのチームとなって成果を出すことが、次の世代の日本にとってより住みやすい、便利な社会
   になってくるはずである。2013年はこれらを始める年としてどれくらい歩み寄れるかが試される重
   要なスタートラインにたったとも言える。
  ② データサイエンティスト
   データサイエンティストは情報分析の専門的な技術を持ちながら、既存業務からは1歩離れた立場で会
   社全体をみて問題解決を図る役割をもっており、企業の中に必要とされている人材である。前述したと
   おり、ビッグデータの解析は最新技術が必要とされ、これを簡単に操ることができ、なおかつ取り出さ
   れたデータをビジネスの視点から読み解く事が求められている。当然、大きな企業はこのような人材を
   探して採用することで他社との差別化を図っていくだろうが、中堅中小の企業にとっては、ある程度デ
   ータサイエンティストの力を借りずとも、自己解析ができるソフトウエアが重宝になってくる。当然、
   自前でこれらを調達するほど財力はないので、クラウドベンダーでこれらを併せ持った者が1歩先を行
   くのではないだろうか?現時点ではどのベンダーも大きな差はなく、これからが勝負だと思っている。
5. スーパーコンピュータ

 富士通の『京』が世界一になったのは皆の記憶に新しいだろう。あいにく昨年は1位の座を IBM に明け渡し
 てしまったが、今年も熾烈な競争が繰り広げられている。確かに、スーパーコンピュータは新薬の開発や宇
 宙工学といった多くの計算能力を必要とする領域でその威力を発揮する。しかしながら、その能力はどれく
 らいなのだろうか、またどれくらいのスペースを必要とするのだろうか? 解はご自分で調べてもらいたい
 が、大事なのは我々とそれほど遠くないということである。世界一を使う必要はないが、その半分の能力で
 も自分のために使えるのであれば世界観が違ってくる。今のコンピュータは Ultra と呼ぶそうである。これ
 らコンピュータは畳2畳分のスペースで日本全体のコンピュータ処理を行うことができるとも言われ、私が
 若い頃   フロア一面に馬鹿でかい真っ黒の巨体でうなっていた30XX から大きく様変わりをしたものだと
 思う。せっかく、世界一になったのだからもっと利用することを考えたい。
                                  『物』から『事』を重視して我々
 の生活を豊かにして欲しいと思うものである。さて、私が言うまでももなくこの様な動きは動き始めており
 どこのクラウド・ベンダーがより早く自分のものにしサービスとして開放していくか今年は注意をもって注
 目していきたい。




 でも、こうも書いてあります。まだまだ、色々とありそうですね。

             Q7.各国が所有しているスパコンをクラウド型にすることはできないので


             しょうか。




             「クラウド型」を「計算資源の内容については分からずとも、結果を返すも


             の」と考えた場合、技術的には可能だと思います。しかし、最先端のシミュ


             レーションでは、ハードウェアの性能を十分に発揮させることが重要であり、


             利用する計算資源を熟知した利用をしなければ、十分な性能は達成できませ


             ん。また、利用者への資源配分、利用時間の調整など運用面での調整すべき


             課題が多く、現状の「クラウド型」では対応できないと考えます。
6. ソーシャルネットワーク

 P2 で紹介したとおりソーシャルネットワークは大きなトレンドである。Facebook は 20 億人のユーザーを
 目指しているそうである。下記のグラフを見てもコミュニケーションのスタイルが変わってきている。時間
 と場所を束縛されず、物事が動いていくことは“アラブの春”を見ても明らかである。




 後述するスマートフォンの普及の後押しもあり、これが今年も主軸の潮流になることは間違いがない。しか
 し、使う側にとっては本物を見極める力が極めて重要になってくると思う。これは出す側も、見る側もであ
 る。1 日の SNS の利用する時間を考えて欲しい、24時間のうち何時間を SNS に費やしているのだろう?
 その内本当に必要な情報を見ている時間はどれくらいを占めているのだろう?その情報は本当に自分にとっ
 て価値があるものだろうか?
 企業にとって SNS は非常に重要である。昔の媒体で広告するよりより安価で効率的だと言える。その出店先
 が Facebook の様な9億人が使うサイト(私が Facebook を始めた3年前は5億人だった、たった3年で4
 億人も増えた。これは今までの常識を覆している)だったら、夢のような話である。しかし、本当にそれは
 Business にとって有効だろうか?炎上を恐れて、毎日振り回されていないだろうか?
 私は賢い人が勝ち残ると思う。賢い人とは、これらの情報収集能力にたけており、効率的にいる情報といら
 ない情報を嗅ぎ分ける能力を持っている人である。キュレーションなどの技術が発達し、色々と便利になっ
 てくるとは思うが、所詮 人である。必要な情報を必要だと見極めるセンスである。今後、SNS が発展する
 にあたって、これが勝ち組と負け組の有意差を決定するのではなかろうか?
 脱線したが、システムに関しては SNS との連携は必須要件である。これができていないシステム(サービス)
 はいずれ衰退する。ここに長けた技術はシリコンバレーを中心に日々生まれている、ベンダーはこの素晴ら
しい技術に価値を見出し、より早く自分の中に取り込む事が求められる。これは、現在でも熾烈な戦いが繰
 り広げられているが、これからも続く。お金と体力の消耗戦である。私も一員としてこれに参加し、戦況を
 見届けていきたい。SNS は夢であり、夢を叶えるツールであると同時に魔物も潜んでいる。なぜなら、1 万
 6000 円で 5000 イイネを買える時代だから・・・


7. スマートフォン
 端末の変化は私たちのライフスタイルを大きく変えた。昨今の Kindle Fire   HD など、15000 円である。
 これは一体どうなっているかと思う。昨日、新聞を見て驚いた。Dell の新春フェアでノートパソコンが2万
 円台である。大学生時代に8インチの FDD で PC を立ち上げ、IBM の 5550 ワークステーションという機
 械を大学の教授に 200 万円もしたから大事に使えと言われたのはついこの間である。ノートパソコンが 10
 万円を切るのはいつか現実になるとは思っていたが、まさかこんなに早いとは思わなかった。2015 年にはス
 マートフォンが 75%を占めると言われている。スマートフォン=携帯電話と思っている人は多いと思うが、
 スマートフォンは端末なのである。30年前のメインフレーム(10 億円くらいして、これを1台売ると I 社
 の営業は特別ボーナスがでたそうである)の MIPS 値が30MIPS とすると、現在の韓国製の Optims だと
 4600MIPS である。何たることか・・・スマホは昔のメインフレームより処理能力が高いのである。
 Yahoo の取締役の人が面白いことを言っていた。PC=文房具、スマホ=コミュニケーションツールだそうだ。
           IT
 確かにそうだと思う。 ベンダーでこの変化を見て見ぬふりをして開発を進めると大きなしっぺ返しが待っ
 ている。いつも必ず常にスマートフォンを頭において開発を進めることが絶対条件である。




 個人的にスマートフォンはもっと進化すると思う。音声認識はすでに実現されているが、生体認証、車の自
 動運転、HEMS との連動、ロボットへの組み込み 等 次の世代の我々の生活を変えていく中心にあるもの
 だと思っている。
8.セキュリティ・ガバナンス

次世代のシステムを考えるにあたり、これは一番大事なことである。昨今の News で Andriod の電話帳ソフトが
XX 万人のデータを漏えい、第3者による PC の乗っ取りと冤罪 等々、これらは毎日起きている。これをへー
と言って、でも自分には関係ないから、PC にはウイルスバスターが入っているから大丈夫と思っている人は少
なくないと思う。下記は昨年のベライゾンのセキュリティ白書の抜粋だが、びっくりした。2年前まで、情報漏
えいは政府機関や一流の大企業が対象だった。でも、最近は違う。身の回りで起きているのである。しかも、知
らず知らずの内に・・・最近のマルウエアは表面上は悪いことはしない。でもデータをわからないように盗む。
前述のようにスマホが流通し、データが氾濫し、SNS 上で想像を絶するつぶやきが発生しても、これを使うシス
テムが十分なセキュリティを持っていないとするとどうだろう。怖くてなにもできない。私はシステムの選定の
際に、これは一丁目一番地で確認することだと思う。少しでも不安があれば、やめたほうがよい。私は、システ
      .........................
ム屋として、これができていないソフトをお客様に勧める事はない。
9.その他、規制、政治情勢      等

IT の進歩は規制や政治情勢に密接に連携している。どんな革新的なアイディアも役人の首が横に振れた時点で実
現が不可となる。将来の IT システムを考える中で、この部分の見通しが重要になってくる。


   消費税の増税: 消費税の増税は決まっていることである。このような事象を既存の IT ベンダーは IT 特需
    という、言葉巧みにユーザーに擦り寄って、半ば脅しに近い内容で専門用語を並び立てお客様を麻痺させる。
    これはおかしい。お客様は時代の流れで必死にビジネスの存続をかけて戦っているのに、弱った人間の弱み
    に漬け込んで金儲けをするなど言語同断である。システムはサービスである、状況が変わっても臨機応変に
    対応できないといいサービスとは言えない。消費税が変わってシステムが変わるのなら、無償で対応するの
    が本当のサービスである。
   重点施策: 昨年末 政権が交代し、安倍政権が打ち出しているのは、産業再興、国際展開、市場創出であ
    る。我が日本が岐路に立たされている時に自分の利欲だけを追求してはいけない。私は IT システムは人を
    幸せにできるという事を信じている。政府が打ち出す施策が末端まで降りてくるのは時間がかかる。そこま
    で待てずに倒産に追い込まれる企業もあるだろう。私は、そのようなちょっとした工夫で仕事のやり方をか
    え、ゲームを逆転できる人を応援したい。ここには、自分の利欲ではなく、お客様の為を思い、最終的には
    日本全体の幸せを思い身を粉にして働く。
   Global 化: これからは Global 化が加速する。日本は鎖国であってはいけない。システムはどの場所で、
    どんな人種の人を前にしても同じように動かなくてはならない。せっかくみんなが Global に出ていこうと
    する意欲をシステムの技術的な問題がストッパーになってはいけない。私は、常にこれを念頭にシステムの
    設計を行う。
10.まとめ

色々と偉そうな事を書きましたが、まとめると下記のような事がポイントです。
2013年はこれを頭において仕事します!


   クラウド技術の啓蒙
   最新技術の取り込み
   性能のよいシステムの構築(セキュリティ、ガバナンス、サポート 等)
   お客様の利益のために

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  • 3. 2. IT の動向に関して IT 業界はよくドッグイヤーと言われる。意味するものは移り変わりが早いという事だが、確かに新しい技術 は日進月歩である。しかし、大きな潮流は 10 年サイクルで回っているような気がする。 下記の図を見て欲しい。 これによると 2010 年代はソーシャル革命ということになるが、確かにそうであるとも言える。
  • 4. しかし、2000 年代に始まったクラウドは本当に成熟したのだろうか? 下記にガートナーの資料を添付する。 ガートナーによると現在は『過度な期待』のピーク期であるそうだ。確かに、クラウドという言葉が横行し よく意味もわからないけど、使うと様になるから(自分の会社名の事ではないですよ)という意味で一種の ブームになっている気はする。この後、幻滅期に入るそうだが、確かに ERP の流れを考えるとうなずける部 分がある。個人的には幻滅期は既に入っていて、本物と偽物の選別が始まっている気がする。10 年前からク ラウドを始めたベンダーは積み重ねにより、確固たる基盤を作っているが、これからジャイアントといわれ るベンダーがもっと勢いを増してくる。クラウド基盤の標準化も始まっており、この中心に Oracle が入って いるのは興味深い。10 年というサイクルは多少短くなっている気はするが、今後クラウドが IT 動向の中心 に居座ることだけは間違いがないと断言できる。
  • 5. 3. クラウドの流れ(推測) 前ページでクラウドが今後も中心になることは確認できたと思うが、中身は複雑に動くと考えられる。 下記は昨年のパブリッククラウドサービスのユーザー満足度調査の結果であるが(日経 BP 社資料) 、長年力 を注いできたグーグルとセールスフォースは実績があると言える。だが、ここにはまだマイクロソフトとオ ラクルが出てきておらず、彼らが本気になった場合は勢力図に変化がある可能性は否めない。
  • 6. 下記に示すのは最新版ではないが、クラウドの勢力図である。ここで興味深いのはアマゾンに代表する IT が 本業ではないベンダーの参入である。既存の老舗 IT 業者を考えるとかなり生態系が変化しているのがわかる。 しかし、これは2-3年の内に大きく入れ替わることが予想され、クラウドを取り巻く勢力図はこれからも 増して複雑化していくことが予想される。 個人的に注目しているのは VMWare である。Google やセールスフォースのパブリッククラウドはこれまで の歴史も長く、その間で培われた技術は無視できないほど大きい。しかしながら、企業にとって今まで構築 してきた技術やシステムをスクラップしてパブリッククラウドに移行するのは勇気のいる行動とも言える。 その点、アマゾンや VMWare はオンプレミス型のシステムでも十分対応でき、パブリックとプライベート・ クラウドのハイブリットの実現が現実的と考える大手企業に対して受け入れられている。VMWare は仮想化 技術として他に真似されないような確固たる技術の下支えがあり、今後自社クラウドサービスを充実させて いくとすると、その動向がとても興味深い。 下記の図にあるような3つのグループが1つになるような事は起きないと思う。しばらくは、この枠の中で 協業と提供を繰り返し、他のグループを牽制する勢力争いが続くと考えられる。マイクロソフトとオラクル は言わずと知れた IT の雄であるが、まだ本気を出していないのではと思う。彼らは世界中にすごい数の開発 者を抱えているので、彼らが本気を出した時はこの勢力図に変化を出すほどの影響力があると思う。
  • 7. 4. ビッグデータ 下記のグラフを見て欲しい。記憶媒体は劇的に変化しており、これが現在のクラウドやソーシャルネットワーク の発展を影で支えているといっても過言ではないと思っている。 以前は OLTP とか BI とかデータの解析手法が最先端技術とされ、これを持ったソフトウエアを我先にと導入し た企業も多いと思う。しかし、ビッグデータといわれるレベルまで達すると従来の手法が通じなくなってきてい ると思う。実際、Twitter や Facebook のつぶやきを収集して解析するには新技術(Hadoop に代表される色々な ソフトウエア)が必要不可欠になり、またデータ自身も単なるデジタルデータから RFID やセンサーなど多種に および包括した事に対応できる技術が求められてくる。これらの技術の取り込みはクラウド・ベンダーにとって 生命線ともいえ、シリコンバレーに存在する新技術を競い合って取り合うことが勢力図に影響してくると考えて もよい。
  • 8. 今回はその中でもキーワードとなってくる、2つに注目して考えることとする。 ① 行政オープンデータ 公共のデータには有効なデータが多い。気象情報や交通情報 等々、または個人情報保護との兼ね合い があるが、行政が持っているデータをなんらかの形で2次加工する事ができれば、世の中を変えるほど のパワーを持っている。但し、データの量が通常のシステムで処理できる量ではなく、専門の技術およ び環境が必要になってくる。2012.07 に政府は『電子行政オープンデータ戦略』として「オープンデー タ流通促進コンソーシアム」を発足させた。これにより官民が協力して、標準化や API の整備を進めて いき、情報公開で経済を活性化していくことを目指している。しかし、ここにはプライバシーの問題が ついてまわり、大きな障壁となっている。ここは、民(IT ベンダー)は技術の発展と官(政府)は法の 整備と1つのチームとなって成果を出すことが、次の世代の日本にとってより住みやすい、便利な社会 になってくるはずである。2013年はこれらを始める年としてどれくらい歩み寄れるかが試される重 要なスタートラインにたったとも言える。 ② データサイエンティスト データサイエンティストは情報分析の専門的な技術を持ちながら、既存業務からは1歩離れた立場で会 社全体をみて問題解決を図る役割をもっており、企業の中に必要とされている人材である。前述したと おり、ビッグデータの解析は最新技術が必要とされ、これを簡単に操ることができ、なおかつ取り出さ れたデータをビジネスの視点から読み解く事が求められている。当然、大きな企業はこのような人材を 探して採用することで他社との差別化を図っていくだろうが、中堅中小の企業にとっては、ある程度デ ータサイエンティストの力を借りずとも、自己解析ができるソフトウエアが重宝になってくる。当然、 自前でこれらを調達するほど財力はないので、クラウドベンダーでこれらを併せ持った者が1歩先を行 くのではないだろうか?現時点ではどのベンダーも大きな差はなく、これからが勝負だと思っている。
  • 9. 5. スーパーコンピュータ 富士通の『京』が世界一になったのは皆の記憶に新しいだろう。あいにく昨年は1位の座を IBM に明け渡し てしまったが、今年も熾烈な競争が繰り広げられている。確かに、スーパーコンピュータは新薬の開発や宇 宙工学といった多くの計算能力を必要とする領域でその威力を発揮する。しかしながら、その能力はどれく らいなのだろうか、またどれくらいのスペースを必要とするのだろうか? 解はご自分で調べてもらいたい が、大事なのは我々とそれほど遠くないということである。世界一を使う必要はないが、その半分の能力で も自分のために使えるのであれば世界観が違ってくる。今のコンピュータは Ultra と呼ぶそうである。これ らコンピュータは畳2畳分のスペースで日本全体のコンピュータ処理を行うことができるとも言われ、私が 若い頃 フロア一面に馬鹿でかい真っ黒の巨体でうなっていた30XX から大きく様変わりをしたものだと 思う。せっかく、世界一になったのだからもっと利用することを考えたい。 『物』から『事』を重視して我々 の生活を豊かにして欲しいと思うものである。さて、私が言うまでももなくこの様な動きは動き始めており どこのクラウド・ベンダーがより早く自分のものにしサービスとして開放していくか今年は注意をもって注 目していきたい。 でも、こうも書いてあります。まだまだ、色々とありそうですね。 Q7.各国が所有しているスパコンをクラウド型にすることはできないので しょうか。 「クラウド型」を「計算資源の内容については分からずとも、結果を返すも の」と考えた場合、技術的には可能だと思います。しかし、最先端のシミュ レーションでは、ハードウェアの性能を十分に発揮させることが重要であり、 利用する計算資源を熟知した利用をしなければ、十分な性能は達成できませ ん。また、利用者への資源配分、利用時間の調整など運用面での調整すべき 課題が多く、現状の「クラウド型」では対応できないと考えます。
  • 10. 6. ソーシャルネットワーク P2 で紹介したとおりソーシャルネットワークは大きなトレンドである。Facebook は 20 億人のユーザーを 目指しているそうである。下記のグラフを見てもコミュニケーションのスタイルが変わってきている。時間 と場所を束縛されず、物事が動いていくことは“アラブの春”を見ても明らかである。 後述するスマートフォンの普及の後押しもあり、これが今年も主軸の潮流になることは間違いがない。しか し、使う側にとっては本物を見極める力が極めて重要になってくると思う。これは出す側も、見る側もであ る。1 日の SNS の利用する時間を考えて欲しい、24時間のうち何時間を SNS に費やしているのだろう? その内本当に必要な情報を見ている時間はどれくらいを占めているのだろう?その情報は本当に自分にとっ て価値があるものだろうか? 企業にとって SNS は非常に重要である。昔の媒体で広告するよりより安価で効率的だと言える。その出店先 が Facebook の様な9億人が使うサイト(私が Facebook を始めた3年前は5億人だった、たった3年で4 億人も増えた。これは今までの常識を覆している)だったら、夢のような話である。しかし、本当にそれは Business にとって有効だろうか?炎上を恐れて、毎日振り回されていないだろうか? 私は賢い人が勝ち残ると思う。賢い人とは、これらの情報収集能力にたけており、効率的にいる情報といら ない情報を嗅ぎ分ける能力を持っている人である。キュレーションなどの技術が発達し、色々と便利になっ てくるとは思うが、所詮 人である。必要な情報を必要だと見極めるセンスである。今後、SNS が発展する にあたって、これが勝ち組と負け組の有意差を決定するのではなかろうか? 脱線したが、システムに関しては SNS との連携は必須要件である。これができていないシステム(サービス) はいずれ衰退する。ここに長けた技術はシリコンバレーを中心に日々生まれている、ベンダーはこの素晴ら
  • 11. しい技術に価値を見出し、より早く自分の中に取り込む事が求められる。これは、現在でも熾烈な戦いが繰 り広げられているが、これからも続く。お金と体力の消耗戦である。私も一員としてこれに参加し、戦況を 見届けていきたい。SNS は夢であり、夢を叶えるツールであると同時に魔物も潜んでいる。なぜなら、1 万 6000 円で 5000 イイネを買える時代だから・・・ 7. スマートフォン 端末の変化は私たちのライフスタイルを大きく変えた。昨今の Kindle Fire HD など、15000 円である。 これは一体どうなっているかと思う。昨日、新聞を見て驚いた。Dell の新春フェアでノートパソコンが2万 円台である。大学生時代に8インチの FDD で PC を立ち上げ、IBM の 5550 ワークステーションという機 械を大学の教授に 200 万円もしたから大事に使えと言われたのはついこの間である。ノートパソコンが 10 万円を切るのはいつか現実になるとは思っていたが、まさかこんなに早いとは思わなかった。2015 年にはス マートフォンが 75%を占めると言われている。スマートフォン=携帯電話と思っている人は多いと思うが、 スマートフォンは端末なのである。30年前のメインフレーム(10 億円くらいして、これを1台売ると I 社 の営業は特別ボーナスがでたそうである)の MIPS 値が30MIPS とすると、現在の韓国製の Optims だと 4600MIPS である。何たることか・・・スマホは昔のメインフレームより処理能力が高いのである。 Yahoo の取締役の人が面白いことを言っていた。PC=文房具、スマホ=コミュニケーションツールだそうだ。 IT 確かにそうだと思う。 ベンダーでこの変化を見て見ぬふりをして開発を進めると大きなしっぺ返しが待っ ている。いつも必ず常にスマートフォンを頭において開発を進めることが絶対条件である。 個人的にスマートフォンはもっと進化すると思う。音声認識はすでに実現されているが、生体認証、車の自 動運転、HEMS との連動、ロボットへの組み込み 等 次の世代の我々の生活を変えていく中心にあるもの だと思っている。
  • 12. 8.セキュリティ・ガバナンス 次世代のシステムを考えるにあたり、これは一番大事なことである。昨今の News で Andriod の電話帳ソフトが XX 万人のデータを漏えい、第3者による PC の乗っ取りと冤罪 等々、これらは毎日起きている。これをへー と言って、でも自分には関係ないから、PC にはウイルスバスターが入っているから大丈夫と思っている人は少 なくないと思う。下記は昨年のベライゾンのセキュリティ白書の抜粋だが、びっくりした。2年前まで、情報漏 えいは政府機関や一流の大企業が対象だった。でも、最近は違う。身の回りで起きているのである。しかも、知 らず知らずの内に・・・最近のマルウエアは表面上は悪いことはしない。でもデータをわからないように盗む。 前述のようにスマホが流通し、データが氾濫し、SNS 上で想像を絶するつぶやきが発生しても、これを使うシス テムが十分なセキュリティを持っていないとするとどうだろう。怖くてなにもできない。私はシステムの選定の 際に、これは一丁目一番地で確認することだと思う。少しでも不安があれば、やめたほうがよい。私は、システ ......................... ム屋として、これができていないソフトをお客様に勧める事はない。
  • 13. 9.その他、規制、政治情勢 等 IT の進歩は規制や政治情勢に密接に連携している。どんな革新的なアイディアも役人の首が横に振れた時点で実 現が不可となる。将来の IT システムを考える中で、この部分の見通しが重要になってくる。  消費税の増税: 消費税の増税は決まっていることである。このような事象を既存の IT ベンダーは IT 特需 という、言葉巧みにユーザーに擦り寄って、半ば脅しに近い内容で専門用語を並び立てお客様を麻痺させる。 これはおかしい。お客様は時代の流れで必死にビジネスの存続をかけて戦っているのに、弱った人間の弱み に漬け込んで金儲けをするなど言語同断である。システムはサービスである、状況が変わっても臨機応変に 対応できないといいサービスとは言えない。消費税が変わってシステムが変わるのなら、無償で対応するの が本当のサービスである。  重点施策: 昨年末 政権が交代し、安倍政権が打ち出しているのは、産業再興、国際展開、市場創出であ る。我が日本が岐路に立たされている時に自分の利欲だけを追求してはいけない。私は IT システムは人を 幸せにできるという事を信じている。政府が打ち出す施策が末端まで降りてくるのは時間がかかる。そこま で待てずに倒産に追い込まれる企業もあるだろう。私は、そのようなちょっとした工夫で仕事のやり方をか え、ゲームを逆転できる人を応援したい。ここには、自分の利欲ではなく、お客様の為を思い、最終的には 日本全体の幸せを思い身を粉にして働く。  Global 化: これからは Global 化が加速する。日本は鎖国であってはいけない。システムはどの場所で、 どんな人種の人を前にしても同じように動かなくてはならない。せっかくみんなが Global に出ていこうと する意欲をシステムの技術的な問題がストッパーになってはいけない。私は、常にこれを念頭にシステムの 設計を行う。
  • 14. 10.まとめ 色々と偉そうな事を書きましたが、まとめると下記のような事がポイントです。 2013年はこれを頭において仕事します!  クラウド技術の啓蒙  最新技術の取り込み  性能のよいシステムの構築(セキュリティ、ガバナンス、サポート 等)  お客様の利益のために