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ICANN 51
ロサンゼルス
ビジネスダイジェスト
ビジネスダイジェストを発行する目的
このダイジェストはICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)
の公開会議の主な内容をまとめたもので、 ICANNの成果が及ぶ広範な業界の
ステークホルダーに向けて、ビジネス界の方々に分かりやすくまとめた非網羅的
なダイジェストです。ご意見やコメントは、ICANNのビジネス推進チーム(businesse
ngagement@icann.org)までお寄せください。
関心あるビジネスがICANNの活動、インターネットガバナンス、およびビジネス界の
参加に関する情報を継続的に得ることができるように、情報提供と関心あるビジネス
リーダーとの継続的な意見交換のための、Twitter(@ICANN4biz)とLinkedInグルー
プ(ICANN for Business)という2つのオンラインスペースが、このビジネスダイジ
ェストの補足となります。皆様の積極的なご参加とご意見をお待ちしております。
要約
ICANN 51公開会議は、2014年10月12~16日にカリフォルニア州ロサンゼルスで開催さ
れました。この会議は、オンラインの登録者2,857名、オンサイトの参加者2,282名と
いう大規模なものとなりました。
開催地がロサンゼルスとなったことにより、民間部門からの参加者が増加し、オンラ
インで登録したビジネス関係者は600名を超えました。これは、2014年にロンドンで
先立って開催され、過去最大規模となったICANN会議と同等の人数です。
ICANN会議への参加者の増加は、さまざまな要因によります。要因の1つとして、会議
の内容が挙げられます。ICANNが調整を担うIANA機能(Internet Assigned Numbers A
uthority)の監督権限の移管、およびICANNの説明責任の拡大に関連するICANNコミュ
ニティの継続的な活動は大きく進展し、ステークホルダーが参加できるようになって
います。さらに、ビジネス推進チームがICANN地域対応チームおよび商用ユーザース
テークホルダーグループ(CSG)部会の地域代表と密接に連携し、戦略的な活動と会
議の準備にあたりました。ICANN会議の動向とビジネス部門部会の役割について、ビ
ジネス界からの新規参加者向けとしてICANN 51開催前に提供されたウェビナーは、こ
ちらで聴くことができます。
会議の主要ポイント
 過去数回のICANN会議と同様、議論の多くはIANAの監督権限の移管プロセスとI
CANNの説明責任の強化に集中しました。
 グローバルドメインディビジョンは、第1回の新ジェネリックトップレベルド
メイン(gTLD)プログラムのフィードバックを受けるために多くのセッション
を開催しました。このプログラムは、2014年9月22日に提示されたプログラム
の審議と評価の活動案に従って2017年に終結する予定です。
 ICANNのコンプライアンス部門は、世界規模でドメイン名空間が拡大し、組織
としてのICANNの認知が高まる状況に適合するために、発展および成長し続け
ています
 民間部門の参加は、代表される業界数、地域、および参加形態の面で多様化が
進んでいます。この拡大は、ビジネス団体とTech Dayへの参加者の増大にも表
れています。
頭字語
BRG – Brand Registry Group(ブランドレジストリグループ)
CBUC – Commercial and Business Users Constituency(商用ビジネスユーザー部会)
DNA – The Domain Name Association(ドメイン名協会)
ccTLD – Country code Top Level Domain name(国コードトップレベルドメイン名)
CSG - Commercial Stakeholder Group(商用ユーザー ステークホルダーグループ)
DNS - Domain Name System(ドメインネームシステム)
DNSSEC – Domain Name System Security Extensions(DNSセキュリティ拡張)
GAC – Governmental Advisory Committee(政府諮問委員会)
GDD – Global Domain Division(グローバルドメインディビジョン)
GNSO - Generic Names Supporting Organization(ジェネリックドメイン名支持組織)
gTLD - Generic Top-Level Domain name(分野別トップレベル ドメイン名)
IANA – Internet Assigned Numbers Authority(インターネット番号割当機関)
IDN – Internationalized Domain Name(国際化ドメイン名)
IPC – Intellectual Property Constituency(知的財産権部会)
ISPCP – Internet Service Providers and Connectivity Providers Constituency
(インターネットのサービスプロバイダーと接続プロバイダーの部会)
ITU – International Telecommunications Union(国際電気通信連合)
NGPC – New gTLD Program Committee(新gTLDプログラム委員会)
NTIA – National Telecommunications and Information Administration(米国電気通
信情報局)
RPM – Rights Protection Mechanisms(権利保護メカニズム)
RSSAC – Root Server System Advisory Committee(ルートサーバシステム諮問委員
会)
SSAC - Security and Stability Advisory Committee(セキュリティと安定性に関す
る諮問委員会)
TMCH – Trademark Clearinghouse(商標クリアリングハウス)
URS – Uniform Rapid Suspension(統一早期凍結)
この報告書で使用されている頭字語については、ICANNジェネリックドメイン名支持
組織(GNSO)の略語ヘルプをご覧ください。
1
開催地の概要:ロサンゼルスについての注目点
ロサンゼルスと言うと、真っ先にエンターテインメント産業が連想されますが、地域
経済は非常に多様化しており、航空宇宙、ファッション、生物医学のサービスから消
費者製品、観光まで、さまざまな業界が確立しています。
ロサンゼルス市長の経済労働開発室のデータによると、LA郡は米国最大の製造センタ
ーとなっており、GDPはベルギー、サウジアラビア、ノルウェー、タイを上回ってい
ます。また、ロサンゼルスは西半球最大の港湾を持ち、さらに革新的でクリエイティ
ブなさまざまな業界における主導的存在です。
 Startup GenomeとTelefónica Digitalが作成した2012年のレポートによると、
ロサンゼルスはシリコンバレーとテルアビブに次ぐ世界第3位の新規事業のエ
コシステムを形成しています。
 AngelListの2014年7月のデータは、南カリフォルニアがシリコンバレーとニュ
ーヨークに次ぐ米国第3位の規模の技術ビジネスのエコシステムであり、毎月5.
3%の勢いで成長していることを示しています。
 LA経済開発評議会によるレポートのデータは、ハイテク分野のビジネスが地域
GDPの内の1,083億ドルを占めることを示しています。
 TechCrunchのレポートによると、2013年だけでもLAでの技術ビジネスの起業が
15億ドルのベンチャーキャピタルを呼び入れ、2014年はその数字をさらに上回
ることが予想されます。過去4年間、LAのテクノロジー起業に対する融資は複
利計算で30%の年平均成長率(CAGR)を達成しています。これは、米国全体の
平均(7%)の4倍近くです。
歓迎式典と理事長によるオープニングセッションのまとめ
ICANN 51の開会式では、ICANNの多様なコミュニティを反映する多方面からの講演が
行われました。講演者は、IANAの監督権限の移管におけるICANNの使命と説明責任を
再確認しました。
ICANN理事会議長のスティーブ・クロッカー氏は、式の始めに前回会議以降に達成さ
れたいくつかの事項について述べました。その中には、最終手段としてのgTLDのオー
クションの成功、ICANNアカデミーのリーダーシップトレーニングプログラムの完了、
ルートサーバシステム諮問委員会(RSSAC)の活動、およびWHOISのポリシー策定に向け
た活動の進展が含まれます。
主要講演者には、ICANN会議に参加
した最初の商務長官であるペニー・
プリッツカー氏も含まれていました。
プリッツカー氏は、IANA機能に対す
るNTIAの監督権限の移管を提案する
ことによって米国政府がICANNを支
持していることについて述べ、その
中で米国電気通信情報局(NTIA)の
局長であるラリー・ストリックリン
グ次官補の業績を高く評価しました。
2
プリッツカー氏は、ICANN 51の直後に開催されるITU全権委任会議を踏まえて、マル
チステークホルダーモデルとオープンなインターネットの重要性について強調しまし
た。
日常的な問題に対する技術的な解決を取り上げた以下の2つのビデオでは、グローバ
ルな進展に対するイノベーションの重要性に焦点が当てられました。
 ASAPNet:南カリフォルニアの消
防・救急対応チームに対して、接続
の改善と複数通信のためのツールを
提供しています。
 thrdPlace:ソーシャルテクノロジ
ーを活用して個人、政府、およびビ
ジネスを接続することにより、コミ
ュニティの取り組みを促進するため
のプラットフォームです。
GSNO議長のジョナサン・ロビンソン氏は、ICANNの部会組織の間での連携の向上に対
する貢献により、今年のICANNリーダーシップ賞を受けました。gTLDsに関連するポリ
シーを策定しているGNSOは、改善が必要な分野を特定するための審議を実施すること
を発表し、個人のフィードバックを歓迎しました。
ICANNの理事長兼CEOであるファディ・チャハデ氏は、以下の4つの分野における進捗
状況について、例を挙げて説明しました。
1. 目的の確認:コミュニティの推薦を受け、ICANNは透明性の強化のためにWHOIS
へのアクセス性を向上しています。
2. 運営の卓越:独立した監査では、レジストラとレジストリの98%が契約を遵守
していることが報告されました。
3. 国際化:ICANNは、イスタンブールとシンガポールの新しい拠点でサービスと
リソースを向上させることにより、グローバルコミュニティの強化を目指して
います。
4. マルチステークホルダーモデル:ICANNでは、支持組織、諮問委員会、および
オブザーバー組織が拡大しました。
3
契約遵守
ICANNのコンプライアンスチームでは、3つの拠点(ロサンゼルス、イスタンブール、
シンガポール)で21名のスタッフが活動し、24時間体制で9つの言語によりサポート
を提供しています。コンプライアンスチームの活動に関心のある団体の中には、著作
権などの知的財産の問題に懸念を持つビジネスも含まれます。
ロサンゼルス会議で、コンプライアンスチームは契約遵守オンラインダッシュボード
について発表しました。このツールは、レジストラ、レジストリ、およびICANNコン
プライアンスチームのスタッフ向けに苦情件数、処理件数、解決時間の毎月のデータ
を提供します。
さらに、ICANN 51の冒頭ではコンプライアンスチームの責任者としてアレン・グロー
ガン氏の任命が発表されました。グローガン氏はこの新しい職務において、公益を提
供するというICANNの使命に貢献するコンプライアンスの広範な展望を構築し、純粋
な契約遵守の推進を超えてレジストラントとグローバルインターネットコミュニティ
の保護を支援するために、ICANNが他の団体と連携する方法を模索していくことにな
ります。
詳細:契約遵守の運営:
 ICANN Webサイトの契約遵守
コンプライアンス部門の詳細、苦情の提出、パフォーマンス測定について情報
を得ることができます。
 ICANN 51会議の3日目:コンプライアンスチームによるオンラインダッシュボ
ードの向上
ICANN 51でのコンプライアンスチームによる最新情報についてお読みください。
 契約遵守プログラムの最新情報と質疑応答セッション
ICANN 51会議でのコンプライアンスチームの公開セッション:会議の録音、ト
ランスクリプト、プレゼンテーション。
4
グローバルドメインディビジョンの運営
ICANNのグローバルドメインディビジョン(GDD)の活動は、新gTLDを申請した企業に
とって重要です。また、今後のプログラムでの申請を検討している企業にとっても重
要です。gTLDで利用可能な新しい名前を登録することにより、オンラインビジネスを
進展させることを目指している企業も、活動を注視しています。
500以上の契約が締結され、430の新gTLDがインターネットのルートに委任されている
中で、ICANN 51は14のGDD関連セッションを開催しました。各セッションの概要につ
いては、ブログ記事の「ICANN 51:Los Angeles – Global Domains Division (GDD) S
essions」(GDDプレジデント、アクラム・アタラ氏)をご覧ください。
いくつかのセッションおよびトピックの詳細について、以下に紹介します。
 名前の衝突
ビジネスダイジェストでは、このトピックについて過去に取り上げています。このト
ピックの要約は、こちらをご覧ください。
ICANN 50以降の動き
2014年7月30日に、ICANN理事会の新gTLDプログラム委員会(NGPC)は、名前衝突発生
管理のフレームワークを決議により実施の方向性を定めて承認しました。レジストリ
向けの実施の一般的要件は、次のとおりです。
 TLDの委任から2年間は、ICANNからの名前衝突に関する報告後、2時間内に対応
する。
 プライベートの名前空間向けの問い合わせがパブリックDNSに漏洩している可
能性があるという警告の通知手段として、「計画的中断」を実施する。
理事会はさらに、この決議により委任が影響を受ける名前のための適切な権利保護メ
カニズム(RPM)に関して、コミュニティに助言を求めるようにスタッフに指示しま
した。この問題に関しては、2014年8月25日にパブリックコメントの募集が開始され、
2014年11月7日に最終文書の「Requirements for Implementing Rights Protection M
echanisms in the Name Collision Mitigation Framework(名前衝突発生管理のフレ
ームワークにおける権利保護メカニズムの実施要件)」が公開されました。
詳細:名前の衝突
 名前衝突に関する情報およびリソースのハブ
ICANN Webサイトのページ。名前衝突に関するすべての情報およびリソースを
収集しています。
 ITプロフェッショナル向けの名前衝突の検出および問題回避の指針
このレポートは、原因と潜在的影響の詳細について説明し、問題回避を開始す
る方法および次期について指針を提供しています。
 名前衝突報告のフォーム
名前衝突の問題を抱えている場合は、このページからICANNに報告できます。
 権利保護のメカニズム:ユーザーのフィードバックセッション
新gTLDの導入のための権利保護メカニズム(RPM)の確立から1年後、GDDチームはRPM
の審議プロセスを開始し、これらのメカニズムについてのユーザーのフィードバック
を集めて記録し、新gTLDプログラムの審議全体についての情報提供に役立てるために、
ICANN 51でセッションを組みました。セッションでは、Trademark Clearinghouse(T
MCH)、サンライズ期間、商標クレームサービス、および統一早期凍結(URS)につい
てのフィードバックを受けることに焦点が当てられました。
5
詳細:RPM
 TMCH
Trademark Clearinghouseは、新gTLDの空間でのメカニズムをサポートするた
めの、グローバルなデータベースとして確立されました。Trademark Clearing
houseは、世界中からの権利情報を検証し、記録します。情報には、登録商標、
法律や条約により保護されたマーク、裁判所により有効とされたマーク、およ
び知的財産(IP)の権利を構成するその他のマークが含まれます。さらにClea
ringhouseは、ドメイン名登録プロセスでこの情報をレジストリとレジストラ
に提供します。
 サンライズ期間と商標クレームサービス
ドメイン登録のサンライズ期間は、新TLDの一般登録開始前に設けられた特別
期間です。この期間中、商標所有者はサイバースクワッティングを防止するた
めに、所有する商標と同一または類似する名前を事前登録できます。商標クレ
ーム期間は、サンライズ期間に続き、一般登録の運用開始後少なくとも90日間
継続します。商標クレーム期間は、Trademark Clearinghouseに記録されたマ
ークに一致するドメイン名を登録しようとする申請者は、関連するマークの情
報を示す通知を受け取ります。
 URS
統一早期凍結システムは、明白な権利侵害を受ける権利所有者に低コストで迅
速な救済を提供することにより、既存の統一されたドメイン名の紛争解決ポリ
シー(UDRP)を補完する権利保護メカニズムです。
 Trademark ClearinghouseのFAQ
 商標保護のインフォグラフィック
 ユニバーサルアクセプタンス
新gTLDプログラムは、キリル文字、アラビア文字、漢字などのラテン文字以外の合法
的トップレベルドメインをより頻繁に追加するための道を開きました。これらの新TL
Dは、ソフトウェア、ツール、ネットワーク構成が原因となるアクセプタンスの問題
に直面します。
新TLDが使用希望者全員に提供されるようになるには、ソフトウェアベンダー、オー
プンソースツール開発者、インターネットサービスプロバイダー、Webサイト開発者
などの協力が必要となります。対応すべき懸念事項は、以下の3点です。
 新TLDの使用を妨げるフィルタの「誤判定」を排除すること。
 すべての名前をネイティブスクリプトで処理(表示および書き込み)する能力。
 急速に変化するDNSにおける安全性と利便性について、意図されたレベルを達
成すること。
この問題でICANNは、ユニバーサルアクセプタンスの取り組みのためのロードマップ
について、2014年6月18日にパブリックコメント期間を開始し、2014年10月3日に公開
しました。
このロードマップにより、以下の活動が促進されることが期待されます。
 新TLD、IDN、および国際化された電子メールに対するアクセプタンスを推進す
る
 議論を推進する
 進捗の「組織記録」をサポートし、ユニバーサルアクセプタンスの問題につい
ての報告ツールを提供する
6
詳細:ユニバーサルアクセプタンス
 ICANNのユニバーサルアクセプタンス用ランディングページ
このページでは、ユニバーサルアクセプタンスの取り組みの概要、背景情報、
役立つリンク、およびFAQを提供します。
 TLDのユニバーサルアクセプタンスのホーム(ICANNコミュニティウィキ)
このコミュニティウィキページは、プレゼンテーション、パブリックコメント
などのリソースのリポジトリです。
 次回の新gTLDプログラムに関する最新情報
次回のgTLDプログラムは、2014年9月22日に新gTLDプログラムの審議および評価のた
めの計画案が公開されて以来、憶測を呼んでいます。この文書は、第1回プログラム
で申請されたすべての新規の名前(「文字列」)の委任について、2017年中盤が期限
となると推定し、その後の申請期間を開始する前に必要な作業を示しています。この
作業には以下が含まれます。
 ICANNにより実施されるプログラムについての3つの審議:プログラムの実施、
RPM(前述)、ルートゾーンのスケーリングおよび安定性。
 競争、消費者の信頼、および消費者の選択の審議プロセス:自発的なコミュニ
ティメンバーにより構成されるチームの主導、消費者調査および経済調査によ
る情報提供。
 1つまたは複数の領域に
おける、将来の申請手
続きに適用するためのG
NSOポリシー策定プロセ
ス(PDP)。
詳細:GDDおよび新gTLDプログ
ラム
 GDDウェビナー
ICANNでは、新gTLDプロ
グラムのトピックに関
してさまざまなウェビ
ナーを開催しています。記録を参照したり、音声を聴いたり、プレゼンテーシ
ョンやQ/Aドキュメントをダウンロードしたりできます。今後開催予定のウェ
ビナーについても知ることができます。
 お知らせ
契約の統計など、新gTLDプログラムに関する最新情報を得ることができます。
 新gTLDプログラムの統計
プログラムの各段階における申請のスナップショット。毎週更新されます。
セキュリティと安定性
SAC067およびSAC068
ロンドンでのICANN 50以降、セキュリティと安定性に関する諮問委員会(SSAC)は、
IANAの機能の歴史に関するSAC067とIANA機能の契約に関するSAC068という2つのレポ
ートを公開しました。SSACが木曜日の午前中に開催している通常の公開セッションで、
議長のパトリック・ファルトストロム氏はドキュメントの概要について説明しました。
7
これらのドキュメントは、インターネットの一意識別子システムにおける最上位レベ
ルの管理方法、IANAの契約の概要、およびこのコンテキストにおけるNTIAとIETFの役
割について、関心ある人々が理解する上でのベースラインとすることが意図されてい
ます。SSACは、IANA機能の監督権限の移管について、2014年末までに推奨事項を含む
助言を公開する予定です。セッションではさらに、SSACが公開情報に対するアクセス
と理解を向上する方法についても検討し、同委員会が将来取り上げるトピックに関す
る意見を奨励しました。
詳細:SSAC
 SSACのレポートと助言のリスト
公開されているすべてのドキュメントの詳細リスト(多言語)。
 SSACのランディングページ(ICANNのWebサイト)
SSACの歴史と運営、メンバーシップ、および活動に関する情報を掲載していま
す。
 SSACの公開会議
ICANN 51でのSSACの公開会議の音声、トランスクリプト、およびプレゼンテー
ションを入手できます。
DNSSEC
DNSセキュリティ拡張(DNSSEC)は、全面的な実施によってさらなる効果を発揮しま
す。このため、企業によるDNSSECの導入によってインターネットのセキュリティの強
化が支援されます。インターネット上で活動するレジストリ、レジストラ、レジスト
ラント、ホスト企業、ソフトウェエア開発者、ハードウェアベンダー、政府、ビジネ
ス、および機関、ならびにインターネット技術者および連合は、いずれもこの大規模
な取り組みの成功に責任を負います。
ICANN 51では、人気の高い繰り返しセッションであるDNSSEC for Everybody、および
2つのDNSSECワークショップも行われました。
詳細:DNSSEC
 DNSSEC for Everybody -- 入門ガイド
このセッションは、DNSSECについて分かりやすく説明し、ビジネスにDNSSECを
簡単かつ迅速に導入する方法について示します。
 DNSSECのワークショップ
この1日のワークショップは、レジストリ、レジストラ、およびDNSSECの導入
に携わるISP向けに設計され、ベストプラクティスを共有します。
 DNSSECキーのロールオーバーに関するワークショップ
このワークショップは、ルートのキー署名キーの変更に関連する問題について
議論します。技術的知識のある人々やDNSSECの経験を持つ人々に最適なワーク
ショップです。
 DNSSEC導入のメリットに関するVerisignのページ
DNSSEC導入のメリットについて、レジストリ、レジストラ、およびISP向けに
説明している、Verisignの便利なマイクロサイトです。
8
GACの勧告
政府諮問委員会(GAC)の声明は、2014年10月15日に出されました。
GACは、IANA機能の監督権限の移管および新gTLDに関するいくつかのトピックについ
て、ICANN理事会に助言を提供しました。さらに、声明では以下の点についても強調
されています。
 GACは、NGPCが新gTLDに関する保護策に関するGACの提案、およびカテゴリ1と
カテゴリ2の文字列(ロンドン声明で指定)を採用していないことについて、
引き続き懸念を表明しています。)これらのカテゴリは、規制対象部門(金融、
教育、専門サービスなど)を示していたり、特別の保護策を必要としていたり、
財、サービス、グループ、組織、または物の一般分類を表示または説明する
(他者による財、サービス、グループ、組織、または物から特定ブランドを区
別するのとは対照的)単語や用語から成る一般名の文字列に関連しています。
 第1回の新gTLDプログラムの審議後、GACは次回以降のgTLDプログラムのポリシ
ーを策定する前に、審議プロセスを終了させること、および適切な時間枠を適
用することを助言しました。
 コミュニティグループの代表としての検討を求める多くのgTLD申請が却下され
た後、GACはコミュニティ優先順位の評価プロセスの一貫性について懸念を表
明しました。
その他にも、以下のようなトピックについて議論されました。
 ドメイン名のトップおよびセカンドレベルでの政府間組織の名前および頭字語
の保護
 国際赤十字・赤新月社、およびすべての赤十字/赤新月社団体の名前の保護
 GACおよび広範なコミュニティに対して大きなワークロードの影響がある、WHO
IS関連の問題
 gTLDレジストリオペレータによる2文字のラベルの申請
 ICANNの活動に対する人権および国際法の適用の可能性
 将来の新gTLD適用プログラムにおける地名の保護
GACによるロサンゼルス声明の全文は、こちらをご覧ください。
過去のGACの声明は、こちらをご覧ください。
GACとそのメンバーについての詳細は、gacweb.icann.orgをご覧ください。
9
インターネットガバナンスの展望
ICANN 51は、プサン(韓国)での国際電気通信連合(ITU)の全権委任会議(PP-14)
の直前に開催されました。4年おきに開催される全権委任会議は、ITUの最上位のポリ
シー策定フォーラムです。この会議で、ITUのメンバー国は組織の将来の優先事項を
決定し、その後4年間の任期の上級リーダーを選出し、予算およびその他の計画を承
認します。
準備として、また2015年の一般的環境の討議のために、ICANN 51では関与するすべて
のステークホルダーカテゴリを代表する2つの異なるパネルによる公開セッションが
開催されました。ITU全権委任会議の他、パネルはWSISの審議プロセス、2014年のイ
ンターネットガバナンスフォーラム(IGF)で得られた成果を取り上げ、次回のフォ
ーラム(ブラジルで2015年に開催)に備えました。さらにパネリストは、2014年4月
にサンパウロで開催されたNETmundial会議の結果と影響、およびインターネットガバ
ナンスの議論における学界の役割について討議しました。
詳細:インターネットガバナンス
 ITU PP-14のWebサイト
会議に関するすべての情報(選出の結果、文書、セッションの録音、およびそ
の他の役立つリンク)を掲載しています。
 NETmundialの原則
NETmundialの原則は、インターネットガバナンスの将来に関するグローバルマ
ルチステークホルダー会議の後に公開されたNETmundialマルチステークホルダ
ー声明に基づきます。個人および組織による、これらの原則の適用に対する支
持と奨励が促されています。
 2015年以降 - インターネットガバナンスの最新情報
ICANN 51公開セッションの録音、トランスクリプト、およびプレゼンテーショ
ンを提供しています。
 インターネットガバナンスに関するCCWG
インターネットガバナンスに関するコミュニティ横断ワーキンググループ(CC
WG)でも、NETmundial会議以降、イベントを開催しています。IGに関するCCWG
は、さまざまな支持組織、諮問委員会、およびスタッフの垣根を越えてICANN
コミュニティが団結するために、ブエノスアイレスでのICANN 48会議の直後に
形成されました。
10
民間部門の参加コーナー
冒頭で述べたとおり、ICANN会議での民間部門からの参加は、数の上でも多様性の面
からも拡大しています。ICANN会議への参加のための新しいチャネルが発展し、GNSO
の商用ユーザーステークホルダーグループ(CSG)への正式な参加以外にまで拡大し
ています。
擁護グループ
ブランドレジストリグループ(BRG)は、新gTLDプログラムに対して統一的な意見を
表明するため、多くの主要ブランドの要望により形成されました。このグループは特
に、「.Brand TLD」としての資格を持つTLDのレジストリオペレータの受け入れを制
限する仕様13を2013年レジストリ契約に含めることを提唱しました。BRGは日曜日に
公開セッションを開催して、新しい.brandの潜在的申請者、および第2回のgTLDプロ
グラムを待っている人々を歓迎し、集団行動の利点を強調しました。BRGのメンバー
は、一定の基準(商標権を所有し、申請時に「.brand」として申請された文字列を運
営することを意図し、第2レベルのオープン登録を販売する意図がないことなど)を
満たす必要があり、Alibaba、Amazon、BBC、Deloitte、Gucci、LEGO Juris、Microso
ft、Philips、Richemont、Shell、Virgin Enterprises、およびYahoo!が含まれます。
詳細:BRG
 ブランドレジストリグループ(BRG)の潜在的メンバー会議
ICANN 51公開セッション。
 BRGのFAQ
BRGのメンバー、サービス、および使命についての詳細。
 仕様13のFAQ
ドメイン名産業協会(DNA)はドメイン名産業全体の利益を代表する初の産業グルー
プであり、プロビジョニング、ドメイン名の導入の拡大、およびドメイン名の使用の
拡大に関する業界の共通の利益を推進、前進、サポートします。DNAのメンバーシッ
プは、地理的、およびビジネスセグメントや代表される専門性の観点から多様です。
この協会は現在、レジストリとレジストラ間の協力の枠組みの実施に焦点を当ててお
り、ICANN 51ではこのトピックに関する会議を開催しました
詳細:DNA
 DNAのWebサイト
DNAの使命、メンバーシップ、今後のイベントについての詳細を提供してい
ます。
 DNAのSlideShareおよびTwitter
ドメイン名産業協会に関する最新ニュースを入手したり、関連するプレゼンテ
ーションをダウンロードしたりできます。
商用ユーザーステークホルダーグループ部会
通常のように、GNSO商用ユーザーステークホルダーグループとその部会は、ICANNの
一連の議題について活発な議論を展開しました。CSGはビジネスユーザーと接続プロ
バイダーの視点を代表するグループです。このグループの役割は、企業、ユーザー、
消費者が高い信頼の下、企業間/企業消費者間の取引やコミュニケーションを行う場
としてインターネットを発展させるという方向性に沿ってICANNの方針や契約が設定
11
されていることを検証することです。LAの会議では、CSGはICANNのコンプライアンス
部門における進展を歓迎し、ICANNの説明責任プロセスの強化、新gTLDプログラムの
審議、およびセキュリティ、安定性、耐障害性の問題に焦点を絞って討議しました。
商用ビジネスユーザー部会(CBUC)
商用ビジネスユーザー部会(CBUC、ビジネス部会、またはBCとも呼ばれます)は、第
2回を見越してプログラムを審議するコンテキストから、主として新gTLDの問題に焦
点を当てています。討議された問題には、サンライズ登録の高額な料金設定、RPMの
効果、および名前のオークション手続きが含まれます。さらにBCのメンバーは、部会
の活動による大きな負担に優先順位を付ける方法や、ICANNコミュニティの新規メン
バー向けにより容易な参加を実現する方法について検討しました。BCは、GNSOのプラ
イバシーおよびプロキシサービス認定問題ワーキンググループでも積極的に活動して
います。プライバシーおよびプロキシサービスにより、ドメイン名のレジストラント
と受益権を持つ所有者は、公共のアクセスが可能なグローバルなWHOISのgTLDデータ
ディレクトリに含まれる連絡先情報を一部非公開にできます。BCは、このようなデー
タに対するアクセスに関連して、多様な利害関係の均衡をとる明確なポリシーの指針
が必要であると考えます。
詳細:BC
 BCのWebサイト
BCの使命、メンバーシップ、および会議について情報を提供しています。
 BCニュースレター(2014年10月)
ロサンゼルス会議でBCが関心のあるトピックについて概要を紹介しています。
 CBUCの会議
ICANN 51の公開セッションの録音、トランスクリプト、およびアジェンダ。
知的財産権部会(IPC)
IPCセッションには、ダッシュボードツールおよび関連する進展についてのコンプラ
イアンスチームからの概要説明が含まれます。さらにIPCは、新gTLDプログラムの審
議計画、および第2回に向けて予想される手続きについて討議し、地名、およびRPMと
その指標に関するフィードバックに関してGACにコメントを提出しました。
詳細:IPC
 IPCのWebサイト
IPCの情報、意見書、およびニュースを提供しています。
 (IPC)
ICANN 51のIPC公開セッションのアジェンダ、録音、およびトランスクリプト。
ISP・接続プロバイダー部会(ISPCP)
ISPCPはメンバーシップの申請が良好に拡大し、ICANN 51の討議では、この勢いに乗
ってアウトリーチを最大限に高める方法について討議しました。特に、ISPCPで技術-
ISPコミュニティを確立する方法、および関心とインプットに合致する作業トラック
の定義方法について話し合いました。ポリシーの問題については、ユニバーサルアク
セプタンスと名前衝突に討議時間の大部分が割かれ、これらの運用問題に対応するた
12
め、リソースについて説明して連絡するための資料を作成することなど、大きな進展
がありました。
詳細:ISPCP
 ISPCPのWebサイト
ISPCPの使命、メンバーシップ、ポリシーのリソース、および意見書。
 ISPCP 2014 Bulletin
関連するすべての問題を取り上げる部会のニュースレター。
 ISP・接続プロバイダー部会の会議(ISPCP)
ICANN 51でのISPCP公開セッションのアジェンダ、録音、およびトランスクリ
プト。
Tech Day
ICANN 51では、DNSの運用分析および研究センター年次会議とのコラボレーションで、
第25回のTech Dayに技術コミュニティからの参加者(多くは主要インターネット企業
から)が集まりました。1日のワークショップには200名が一堂に会し、また過去のIC
ANN会議以上に多くの人々がオンラインで参加しました。最初に、ポール・モカペト
リス氏が「崩壊とDNS」というテーマで基調講演を行いました。ロサンゼルス市のCTO、
ピーター・マークス氏は、同市によるモノのインターネットの使用について興味深い
プレゼンテーションを行いました。Tech Dayでは、インターネットの監視と攻撃の増
大への対応にに焦点を当てたジョー・サリバン氏(Facebookの最高セキュリティ責任
者)やアレックス・スタモス氏(Yahoo!の最高セキュリティ責任者)など、さまざま
な企業から多くのセキュリティ専門家が参加し、プレゼンテーションを行いました。
詳細:Tech Day
 満席となったICANN 51のTech Day
ワークショップに関するブログ記事(パトリック・ジョーンズ)をご覧くだ
さい。
 Tech Day
ICANN 51セッションのトランスクリプトを入手したり、すべてのプレゼンテ
ーションをダウンロードしたりできます。
13
継続的なつながりと関与
ICANNフェローシッププログラム
ICANNフェローシッププログラムは、発展途上の地域および国における経験を反映さ
せる有識者の広範な基盤を形成するために、それぞれの地域から参加者を募っていま
す。シンガポールでのICANN 52のために、50名のフェローが最近発表されました。こ
のグループには、ビジネス部門から7名が含まれます。ICANN 53会議は、2014年12月5
日から2015年1月16日まで申し込みを受け付けています。民間部門からの参加が奨励
されています。こちらから登録できます。
詳細:フェローシッププログラム
 フェローシッププログラムのリソースページ
プログラム、卒業生、各回のプログラムの情報、およびFAQを提供してい
ます。
 ICANN 51フェローシップストーリー – 米国ロサンゼルス、2014年10月
ICANN 51のフェロー、オサマ・タミーミ氏が、LAでの経験について直接語っ
ています。
ICANNオンライン学習プラットフォーム
ICANN Learnは、ICANN 48で立ち上げられました。この無料の公開オンライン学習プ
ラットフォームは、新しい参加者に対して基礎知識とICANN組織に関する知識を共有
する場を提供することにより、知識を身につけたICANNステークホルダーの裾野を広
げることを目的としています。ICANN学習システムをできるかぎり有用なものにして
いくために、ご意見とご要望をお寄せください。 ビジネスからの参加者向けの導入
コースは、現在開発中であり、2015年に提供予定です。
learn.icann.orgでは、アカウントを作成し、コースに登録して、学習を開始できま
す。
詳細:
 ICANNのポリシー策定に関する毎月の最新情報
 ICANNのニュースレターとアラート
 ソーシャルメディアでフォローしてください。
 Twitter:@ICANN4biz
 LinkedInグループ:ビジネス向けのICANN
 SlideShare
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参考インフォグラフィック(クリックすると拡大します)
IANAの機能 商標の保護
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