1. 花より男子 / Hana yori Dango (2005)
Episode1
© Nihongo Script, Takashi Nakajima
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nihongoscript@gmail.com
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[英徳学園 / Eitoku Gakuen]
牧野： （なんで？なんで？なんでなの？なんで学校にブランド品？なんでフラ
ンク・ミューラ？なんでヴィトン？なんでオメガ？ピアジェ？なんでシャ
ネル？なんで高校生が運転手付きの送り迎え？ありえないっつの！…と
つっこむのも疲れてきた 2 年の秋。ここは、日本のセレブが通う英徳学
園。幼稚舎から大学までエスカレーター式の超がつく名門私立高校。）
生徒： 素敵！そのストラップどこで買ったの？
生徒： べガス。Dior の限定物があるっていうから、ちょっと行って買ってきち
ゃったの。
生徒： ええっ！？私、L.A.の Willshire ホテルに泊まってたのよ！
生徒： ええ！？
生徒： ニアミス！
牧野： 外から見ているうちは誰もが憧れる学園だけど…。
教師： ごきげんよう。
生徒： ごきげんよう。
牧野： （高校から入学してきた庶民の私には、ついていけないことばかりで…。）
生徒： 赤札だ！赤札だ！2 年 A 組の樹本貴之が赤札貼られたぞ！
担任： ホームルームは終了します。
生徒： 樹本を捕まえに行こうぜ。

2. 牧野： あーあ…。
三条： 牧野…さん？よくわからないけど、行かなくていいんですか？
牧野： （何も知らない転校生。この忌まわしい風習を知って、英徳学園に来た
ことを後悔するだろう。）
三条： みんなどうしたんですか？赤札って何ですか？
牧野： F4 からの宣戦布告の印。
三条： F4？
牧野： この学園を牛耳ってる 3 年生の 4 人組。Flower 4 略して F4 彼らに歯向
かった者は赤札を貼られて、全校生徒からの徹底的ないじめに遭うの。
三条： どうしてみんな、その F4 の言いなりなんですか？
牧野： 4 人とも、大金持ちの御曹司なの。
三条： この学園は、みんなそうじゃないんですか？
牧野： ケタが違うの。学園は彼らの親から莫大な寄付金をもらってる。だから、
先生たちでさえ何も言えない。彼らは学園内ですべての自由を約束されて
る。
生徒： F4 よ！
牧野： だから制服姿なんて見たことがない。F4 のメンバーは、美作あきら。10
歳以上年上の人妻としか付き合わないマダム・キラー。親は闇社会の大ボ
スって噂。西門総二郎。茶道の家元の跡取り。とんでもない女ったらしの
遊び人。花沢類。大商社の箱入り息子。クールで無口で、メンバーいち謎
めいた存在。それと、道明寺司。世界的に有名な道明寺財閥の御曹司。
F4 のリーダーで、この学園の独裁者。
生徒： F4！F4！F4！
生徒： 道明寺さん、こいつが樹本の親友です。
生徒： 立てよ！
道明寺： やれ。
生徒： おおっ！
生徒： やれよ。
生徒： さっさとやれよ。
道明寺： こうしろって言ってんだよ！
西門： あーあ、キレちゃった。
道明寺： モタモタしてんじゃねえよ！

3. 生徒： さすが道明寺さんすばらしいパンチで…。
道明寺： てめえの仕切りは最悪なんだよ。暇つぶしにもならない。
美作： はい、おしまい。
西門： 試合終了。
生徒： かっこいい。
生徒： F4！F4！F4！。
牧野： アホかあいつら。何が F4 だ。陰険なゲームで喜んでんじゃねえよ！この
バカ女ども！友達が殴られてるのにうっとりしてる場合か！もう、どいつ
もこいつも…。ありえねえっつの！よし。
牧野： あと１年半。卒業までの辛抱だ。それまでひらすら目立たず、地味に平
穏無事に過ごす。それが私のたったひとつの願い…だったのに…。
<Opening>
[和菓子屋 / The Japanese Traditional Cake Shop]
松岡： ええ、また赤札貼られたんだ？
牧野： うん。
松岡： その樹本って子、何したの？
牧野： カフェでオレンジ食べてたのよ。
松岡： え？
牧野： その汁が、道明寺の目に飛んだの。
松岡： はあ？
牧野： Flower 4 って花の 4 人組から来てるんだって。ぬけぬけとよく言うわよ
ね。中身は鼻クソの 4 人組のくせして。
松岡： 鼻クソって…。英徳でそんなこと言ったらつるし上げでしょ？
牧野： うん…。優紀、これ食べないんだったらちょうだい。
松岡： 賞味期限切れてるよ。
牧野： 平気、平気。
松岡： でも、よく耐えられるよね？
牧野： うん、一回おなか壊したことあるけどね。
松岡： そうじゃなくて。
牧野： うん？

4. 松岡： そんなやりたい放題の連中をよく放っとけるなって思って。いつも私や
みんなのことをいじめっこから守ってくれたつくしがさ…。幼稚園の時も。
小学校の時も。中学の時も。そういうつくしのいいとこ、英徳の人たちは
知らないんだね。
牧野： 私だってあんなヤツらさっさと殴って、英徳から出ていきたいよ。でも
…。
[牧野の実家 / Makino’s Parents’ House]
牧野： ママ！炊飯器に卵が入ってるんだけど…。
牧野の母： 別にしてゆでたらガス代かかるでしょ？はい。
牧野の父： はい。
牧野の母： あっ、そうそう、つくし、明日からこれにお弁当詰めてあげるからね！
牧野： ええ！？
牧野の母： 押し入れ整理したら出てきたのよ。
牧野： え、いや、学校のお弁当に重箱って…。
牧野の母： ママがお嫁に来る時、おばあちゃんが持たせてくれた由緒正しいものなの
よ。
牧野の父： お！いい重箱じゃないか！
牧野の母： でしょう？
牧野の父： ああ。
牧野の母： 特別につくしの大好きなエビ入れてあげるからね。
牧野： いいって、そんな贅沢。
牧野の母： 進、ご飯よ。
牧野の弟： はい。
牧野の父： さあ、今日はここまで。これであと 3 日はもつだろう。
牧野の母： パパ、1 週間に 1 本はいいって言ったのに。
牧野の父： さてここで、今回パパは記録更新に挑戦します。このビール 1 本で 10 日
もたせてみせます。
牧野の母： おお！
牧野の弟： さて、ここで僕は日本授業料の安い高校合格に挑戦します！
牧野の母： 偉い！
牧野： あの…。何もそこまでして英徳に行かせてもらわなくてもいいんだけど
…。
牧野の母： 違うわよ、これは節約という名の娯楽よ。

5. 牧野： （家族みんな、私が英徳に通っていることを、心の底から喜んでる。）
<Her Image>
上司： 牧野君？
牧野の父： はい？
上司： 娘さん、英徳学園なんだって？
牧野の父： ええ、まあ…。
主婦： 牧野さん、お嬢さん英徳学園なんですって？
牧野の母： ええ、まあ…。
牧野の弟の友人： なあ牧野？
牧野の弟： うん？
牧野の弟の友人： お前の姉ちゃん、英徳学園なの？
牧野の弟： まあね。
</>
牧野： （私のために笑顔で努力してくれてる。英徳をやめたいなんて絶対に言
えない。やっぱり最初から入学するべきじゃなかった。）
<Makino’s Memory>
藤堂： 平成 12 年度卒業の、藤堂静と申します。本日は、英徳学園へようこそ。
牧野： きれい…。モデルさんみたい。
牧野の母： 藤堂商事の社長令嬢で今はフランスに留学中だって。すんごい人がいるも
んね。
父兄： しっ、お静かに！
藤堂： これからの進路を決めようとしている皆さんに、ぜひ申し上げたいこと
があります。自分らしく、生きてください。そうすればきっと、悔いのな
い学園生活を送ることができますよ。
</>
牧野： （こんな素敵な人になりたいと思って、英徳に入った。もっと楽しい高
校生活を送れると思ってた。英徳学園が嫌い。傍若無人なＦ４が嫌い。残
酷なクラスメトたちが嫌い。でも本当は、何にも言えない自分が番嫌い。）

6. [英徳学園 / The High-School]
牧野： （ありえない。これもある意味ありえないけど…。）
三条： これ、何？
牧野： え？ふりかけ…なんですけど。やっぱりお嬢様か…。食べてみる？
三条： いただきます。おいしい。
牧野： ほんと？桜子ってきれいな名前だよね。いいな。
三条： つくしちゃんだって、可愛いじゃないですか。
牧野： どこが？雑草だよ、雑草。なんでおひたしにして食べるような物の名前
付けるかね。
(Sanjo stand up and spills the juice on Doumyouji’s chest.)
三条： ごめんなさい…。
道明寺： 珍しい歓迎だな。
三条： あの…。クリーニング代をお支払いします。
道明寺： クリーニング代を？何のジョークだ、そりゃ？
三条： あ！
西門： まあまあ司、こんな可愛い子いじめるなよ。
美作： うーん惜しい。10 年後の君に会いたかったな。ねえ、お姉さんいない？
道明寺： あーあ。冷たい。肺炎でも起こして死んだらどうするんだよ？日本を支え
てる道明寺財閥の跡取りだぞ。日本の未来を何だと思ってんだよ？何だと
思ってんだって聞いてんだよ！
牧野： やめてください。許して、あげてください。わざとじゃなかったんです
から。（あれほど、あれほど平穏を願っていたはずの私が、あいつらのゲ
ームに、巻き込まれてしまった。）
生徒： 赤札だ！2 年 C 組の牧野つくしが赤札貼られたぞ！
生徒： あんな女、今日中に追い出しますよ。
美作： 女で赤札貼るのは初めてだよな？
西門： そうなんだよな。
三条： どうしたんですか？
教師： Haiku popular in Japan? Outside Japan? Number 2..
牧野： やめてよ！
教師： 牧野さん、授業中ですよ！

7. 牧野： すみません…。
牧野： 桜子。
(Sanjou leaves.)
生徒： お友達にも見捨てられちゃったようね？
生徒： あんた元々めざわりだったのよね。庶民の分際で、この英徳に通うなん
て。
生徒： さっさと出ていきな！
3 人： 貧乏人！
牧野： ちきしょう！ちきしょう！ちきしょう！
花沢： や…めて…くれないここでワーワー言うの。やっぱりあんたか。
牧野： え？
花沢： ここでストレス解消するのもやめてくれない？
牧野： いつも…。聞いてたの？
花沢： 悪いけど、この非常階段、おれの場所だから。
牧野： は？
花沢： 気に入ってるんだ。邪魔、されたくない。
(Makino leaves.)
花沢： あんたの方が非常事態か。
道明寺： あの女、まったく堪えてないみたいだな。どうなってんだよ！？
生徒： 申し訳ありません。明日には必ず…。
道明寺： できなかったらどうなるか、わかってんだろうな？
[和菓子屋 / The Japanese Traditional Cake Shop]
松岡： 絶対今すぐ転校した方がいいって！
牧野： やっぱりそう思う？
松岡： 当たり前でしょ。ねえ、つくし…。
女将： その道明寺って、道明寺財閥の息子でしょ？
松岡： 女将さん、いつから話聞いてたんですか？
女将： 財界の大物っていうのは、往々にして裏社会とも通じてるからね。どん
な手を使ってあんたを消そうとするかわからないよ。
牧野： け、消す？
女将： 私がかつて愛した男も、巨大権力に逆らったばっかりに知らない間にヤ

8. クの運び屋にされててね…。
松岡： ちょ、ちょっと女将さん、どんな世界で生きてたんですか！？
女将： つくしちゃん、本気で気を付けた方がいいよ。
[英徳学園 / The High-School]
牧野： うわっ！何よ？
生徒： ちゃんと押さえろよ！
牧野： やめてよ！触らないで！やめて！
生徒： 暴れんじゃねえよ！
花沢： 何してんの？
生徒： あの…。えっと…。
花沢： 放してあげなよ。
生徒： いやでも、こうでもしないとこの女…。
花沢： いいから。放せって言ってんだよ。
花沢： 掃除のおばさんがさ、掃除してんだよ。非常階段やっと静かな場所見つ
けたっていうのにさ。
牧野： あ、ありが、ありがと…。
花沢： 誤解しないでよね。おれ、こういうの嫌いいなだけなんだ。
[道明寺の実家 / Doumyouji’s Parents’ Mansion]
道明寺： 類が？
生徒： ＜はい。あと一歩のところに現れまして…。＞
道明寺： なんであんな女人さっさと追い出せないんだよ！？
(His mother enters.)
道明寺の母： いたの？
秘書： 失礼します。
道明寺： それが半年ぶりに会った息子に言うセリフかよ？
道明寺の母： シェフを呼んでくださる？
西田： はい。かしこまりました。

9. シェフ： お呼びでしょうか、奥様？
道明寺の母： 明日から、来なくて結構よ。
シェフ： …。
道明寺の母： 西田？
西田： はい。
道明寺の母： すぐに新しいシェフを雇いなさい。
西田： かしこまりました。
[牧野の実家 / Makino’s Parents’ House]
牧野の父： おお！鶏の皮のパリパリ揚げじゃないか！
牧野の弟： いただきます。
牧野の父： ちょっと待って進！まずは匂いだけでご飯半分食べるんだ。
牧野の弟： そっか、そうすれば二度おいしいね！
牧野の父： よし、嗅げ、嗅げ。どうだどうだ？つくしも嗅げ、つくし、嗅げ！
牧野： やめてよ！節約なんて本気で楽しいわけじゃないんでしょ！？
牧野の弟： お姉ちゃんどうしたの？
牧野： 押しつけがましいの。もう迷感なのよ！！だいたい、そこまでして通わ
なきゃいけない学校じゃない英徳は！
[クラブ / The Club]
女性： あきら君？
美作： うん？
女性： あきら君にプレゼントがあるの。
美作： え？なんだろう？
女性： これであきら君が卒業したら、結婚…。
美作： 今までありがとう。楽しかったよ。
女性： ちょっと待ってよあきら君！待ってお願い！
美作： この人帰るから送って。
女性： やだ、あきら君！あきら君！
西門： ああ…。ひどいね、あきらは。
美作： 21 股とかかけてるお前よりマシだろ？
女性： え？そうなの総二郎？
西門： 男と女は、一期一会でしょ？キメの細かい肌だ。きれいに点った抹茶み

10. たいだね？
女性： 何それ？
(Doumyouji comes.)
美作： よう。
西門： オッス。
道明寺： 類は来てないのか？
美作： ふーん、まあ、あいつ潔癖なところあるからな。
西門： でもさ、レイプはないでしょ司君。
道明寺： あいつらが勝手にやったんだよ！
美作： なに荒れてんだよ？
道明寺： あの女が出ていかないとゲームが終わらない！
西門： ムキになるなよ、たかが暇つぶしでしょ？
美作： まあでも、いずれ道明寺財閥をしょって立つのに、あんなちっこい学園
ひとつ完璧に支配できないんじゃまずいっしょ？
(Tsukasa breaks the dish.)
西門： まあまあ…。
[牧野の実家 / Makino’s Parents’ House]
(Makino’s mother makes a lunch for Makino.)
牧野の父： 毎朝大変だな。
牧野の母： 何言ってんの。
牧野の父： あ、花形ニンジンか、かわいいね。
牧野の母： 進ったらね、「自分はくりぬいたヘタの方でいいから、全部お姉ちゃんに」
って。
牧野の父： そうか。
牧野の母： かまぼこパパの分よけとかないと。
牧野の父： いや僕のはいいから、つくしに入れてあげて。
牧野の母： でも…。
牧野の父： うんすき間なく詰めた方が見栄えいいだろう？
牧野の母： そうね…。ああ、それからつくしの大好きなエビ、忘れないように入れな
いと。
牧野の父： つくし、喜ぶぞ
牧野の母： ほらほらパパ、だから寝てていいって言ったのに。

11. [通り / The Street]
男： 火貸してくんない？兄ちゃん、火貸してくんない？お前聞こえてんだ
ろ？なあ！
(Domyouji knocks down the men.)
[英徳学園 / The High-School]
牧野： 極端なんだよ。いただきます。
道明寺： 庶民が、必死で上流階級のマネか？オレほどの男になればな、見ればわか
るんだよ。中産階級のババアが作ったメシだってことぐらいよ！おい、銀
座行くぞ。
美作： なんで？
道明寺： 靴が汚れちまったんだよ。
<Tsukushi’s Memory>
牧野の母： つくしの大好きなエビ、忘れないように入れないと。
牧野の父： つくし、喜ぶぞ。
</>
牧野： 待ちなさいよ。
道明寺： あ？何か言ったか？
牧野： 財閥の息子かなんか知らないけどね。自分で稼いだこともないガキが、
調子こいてんじゃねえよ！もう私は逃げない。宣戦布告よ！どっからでも
かかってきな！
<Doumyouji’s Memory>
道明寺の姉： 司！調子に乗ってんじゃないよ！
</>
[牧野の実家 / Makino’s Parents’ House]
牧野： （えらいことしちゃったよ。これからどんな仕返しをされるのかと思う
と、正直恐ろしい。でも、踏まれても蹴られても、もう負けない。私は
雑草のつくしだから。）
牧野の母： 何があったか知らないけど、大事に使ってよ。

12. 牧野： うん。
牧野の母： はい。
牧野： 行ってきます。
牧野の母： 行ってらっしゃい！
(The car stops and the men come out.)
牧野： え？ちょっと、ちょっと…。やだ！
The End
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