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時間 GIS のための「時間概念の整理」
同志社大学高等研究開発機構・文化情報学部 藤本悠
「時間」について思うこと色々
1) コンピュータにおける時間管理の限界
 ➢ 扱える範囲に限界がある。縄文時代は扱えない。
 ➢ はるか「未来」も扱えない。永続的なシステムは作れない。
 ➢ 地球でしか使えない時間。月や火星で生活できない。
 ➢ 認知時間、物質の時間、深海生物の時間が扱えない。
 ➢ これらのシミュレーションに問題があるのでは?

2) 討我々は洗脳されている! ... かも?
 ➢ 学校教育における時間励行→労働者のコントロール
 ➢ グローバル社会で世界が繋がると ...??
 ➢ 本当に、未来に向かって進んでいるのか?
 ➢ そもそも、「時間」って存在するのか?
 ➢ ところで、「映画」の時間管理ってどうなってんの?

                        などなど 2/31
「時間」と「空間」について考える




                   3/31
「時間」とは何か?を考える


    Q. 何をしている所でしょう?
    Q. 何をしている所でしょう?
    A1. チーズを手に取ったところ。
    A1. チーズを手に取ったところ。
    A2. チーズ慌てて戻すところ。
    A2. チーズ慌てて戻すところ。


       この「前」との「差」が解ればこの
       答えは解る ... ハズ。この「差」が
       「時間」であり、そのもの自体に
       「変 化 」を認めることができるも
       のは、「時 間 」の概念を持つ。人
       でも、動物でも、植物でも、物で
       も ... 。           4/31
「現象」と「事物」と「出来事」

          「私」が認識する世界

        「私自身」が主体となる「出来事」

        「チーズ」が主体となる「出来事」




            現 象
        個々の「事物」がある視点で投影さ
        れて一つの「空間」に存在している
        状態のことを「現象」とする。
                           5/31
「時間」とは何か?を考える
「グラス」の時間
「グラス」の時間        「ワイン」の時間
                「ワイン」の時間


「ビール」の時間
「ビール」の時間
                  「植物」の時間
                  「植物」の時間
「私」の時間
「私」の時間
                「チーズ」の時間
                「チーズ」の時間
           「クラッカー」の時間
           「クラッカー」の時間
 「皿」の時間
 「皿」の時間
              「テーブル」の時間
              「テーブル」の時間    6/31
「空間」とは何か?を考える
「グラス」の空間
「グラス」の空間        「ワイン」の空間
                「ワイン」の空間


「ビール」の空間
「ビール」の空間
                  「植物」の空間
                  「植物」の空間
「私」の空間
「私」の空間
                「チーズ」の空間
                「チーズ」の空間
           「クラッカー」の空間
           「クラッカー」の空間
 「皿」の空間
 「皿」の空間
              「テーブル」の空間
              「テーブル」の空間    7/31
「時間」について整理してみる
1) ある「事物」の「出来事」は記号化によって「抽象化」できる。


2) 個々の「出来事」と「事物」は「現実」には存在しなくても良い。


3) 「事物」と「出来事」の同時存在は「現象」への「写像」による。


4) 複数の「現象」は最終的に「論議領域」に「写像」される。


  結局のところ、目指すべき「時空間システム」の実装は、結局はこの部分。これが
  結局のところ、目指すべき「時空間システム」の実装は、結局はこの部分。これが
  実現できれば「理念型モデル化分析法( ITMA )」の実装が可能になる。今回
  実現できれば「理念型モデル化分析法( ITMA )」の実装が可能になる。今回
  は、これを実装するための基本的な「時間概念」について整理してみる。
  は、これを実装するための基本的な「時間概念」について整理してみる。
                                           8/31
「論議領域」と「現象」と「事物」と「出来事」
     Universe of discourse                       現実世界をこのような
                                                 現実世界をこのような
         (論議領域)                                  入れ子状の構造として
                                                 入れ子状の構造として
                                                 理解してみる。
                                                 理解してみる。
         O           E           O       O
                             E       E
 P       O           O

         O
                 E       P       O
                                         O


  P
                     E
                                 O
                                         E
                                             P
             E           O               E         実 装     システム
     P           P                   P       P
                                                   最終的に、あらゆる「現象」は
                                                   最終的に、あらゆる「現象」は
                                                   「論議領域」にまとめられる。「論
                                                   「論議領域」にまとめられる。「論
                                                   議領域」はシステムが扱う範囲
                                                   議領域」はシステムが扱う範囲
                                                   として定義される。
                                                   として定義される。


「出来事」は「時間参照系」によって定義され、「事物」は「空間参照系」によって定義される。
そして、「論議領域」と「現象」は、「時間参照系」と「空間参照系」によって定義される。                        9/31
UML クラス図による表現


  空間クエリ
  空間クエリ
                「出来事」と「事物」を追加する度
                「出来事」と「事物」を追加する度
                に、それぞれ現象の参照系に変換
                に、それぞれ現象の参照系に変換
                する必要がある。
                する必要がある。
時間クエリ
時間クエリ




                               10/31
「変化」としての「時間」を考える




                   11/31
「変化」としての「時間」



1) 「時間」の「長さ」は?
 ➢ 「変化」した事実をのみに焦点を当てると長さは常に「 1 」
 ➢ 「変化」の「長さ」を測るための「単位」が必要。

2) 「変化」の「方向」は?
 ➢ 「変化」は「事後」の状態があって成立する。
 ➢ したがって、「変化」は「現在」から「過去」に向かって進む。

3) 「時間」の「比較」は?
 ➢ 現象における「時間」は複数の「変化」の比較を可能に。
 ➢ 異なる「変化」を比較するには「変換式」が必要となる。
                                   12/31
時間の「長さ」を考える
過去                              初期状態

                        この「長さ」を知る必
                        この「長さ」を知る必
                        要がある。
                        要がある。



           この「長さ」を測るた
           この「長さ」を測るた
           めのモノサシが必要!
           めのモノサシが必要!
未来                              終了状態




従来は、地球の公転、自転、水晶の固有振動などがモノサシの
役割を担ってきた。しかし、これらの物理現象に従わない現象
の時間を表すには不十分な点が多い。この部分をより厳密に
定義できれば、多様な時間を扱うことができるのでは無いか?
                                     13/31
物理現象の「同期」で時間を測る
                そもそも、人は時間を知る能力が無い。
                故に、独りで居る限り「時間」は不要。
                 → 「引き籠り」が成立する理由。

                二人以上になると「共働」が必要。
                故に、周期的な運動に同期する。
                 → 「共働」に最適な方法とは?

                精密な「共働」は「精度」が必要。
                故に、高精度の周期運動を開発する。
                 → 「時計」は「共働」のためのもの。




事物の時間を定義するには、より複雑な「同期」の定義が必要!
その同期の方法こそが変化の長さを測るための「単位」であり、
その単位を定義したものが「時間参照系」である。     14/31
「等速運動」に対する「同期」
             質点「 p 」が等速振幅
             質点「 p 」が等速振幅
        Z    運動すると仮定する。                Z
             運動すると仮定する。
+A




-A
                       T
                            ある地点から出発して元
                            ある地点から出発して元
      質点「 p 」の移動速度
      質点「 p 」の移動速度          に戻る区間が「 1 周期」
                            に戻る区間が「 1 周期」




                       初期位相
                       初期位相

     地球の公転、自転、クォーツ時計などの等速振幅運動 /
     等速円運動は、この単振動によって定義することが可能。             15/31
時間概念のための「単振動」
           A=±1 にしてしまう。
           A=±1 にしてしまう。
       Z                              Z

+1




-1

     質点「 p 」の移動速度を関数
     質点「 p 」の移動速度を関数
     として定義できるようにする。
     として定義できるようにする。
                          問題は、時間軸そのものを定
                          問題は、時間軸そのものを定
                          めるための単位。空間参照系
                          めるための単位。空間参照系
                          の定義において「地理原子」
                          の定義において「地理原子」
                          が定義されるように、時間参
                          が定義されるように、時間参
                          照系においても「時 間 原 子 」
                          照系においても「時 間 原 子 」
                          が定義されるハズ。要検討。
                          が定義されるハズ。要検討。

                                              16/31
「有限区間」の「単振動」
              通常の単振動
              通常の単振動   現象が、異なる周期の重なりによ
                       現象が、異なる周期の重なりによ
                       って表すことができる。例えば、観
                       って表すことができる。例えば、観
                       念的な「春夏秋冬」。春と夏の境
                       念的な「春夏秋冬」。春と夏の境
                       界は曖昧。そのような変化を表す
                       界は曖昧。そのような変化を表す
                       ことができる。
                       ことができる。




1周期で完結するよう
 1周期で完結するよう
な単振動も認めてしま
 な単振動も認めてしま
うことにする。
 うことにする。


                                      17/31
合成された「振動」
    複数の通常の
    複数の通常の
    単振動
    単振動




     合成して一つの振動波を作る。
     合成して一つの振動波を作る。




                      18/31
結局、何が言いたいかと言うと ...
                           終了状態
時間参照系を用いた変換が行われる。
時間参照系を用いた変換が行われる。               初期状態


                          e0−e 1=1




未来     現在                     過去

               e0−e 1=1                19/31
「瞬間」と「期間」を定義できる

ある変化が、複数の
ある変化が、複数の
振幅にまたがってい
振幅にまたがってい
る場合は「期間」。
る場合は「期間」。




                         ある変化が、一つの
                         ある変化が、一つの
                         振幅に収まっている
                         振幅に収まっている
                         場合は「瞬間」。
                         場合は「瞬間」。




   「瞬間」 or 「期間」を決定するのは、「出来事」自身で
   はなく「時間参照系」。立場によって変わっても良い 。     20/31
UML クラス図による表現
                    時間参照系
                    時間参照系



                    単振動の連続波。
                    単振動の連続波。

時間原子
時間原子




フーリエ級数に
フーリエ級数に
よる合成波。
よる合成波。

速度が変化する単振動。
速度が変化する単振動。       基本的の単振動。
                  基本的の単振動。




                             21/31
「時間操作」について考える




                22/31
「時間位置」に関する操作
                この時に困る。例え
                この時に困る。例え
ある「出来事」は、確実にあ
ある「出来事」は、確実にあ   ば、ある桜の木は、
                ば、ある桜の木は、
る時点で生じている
る時点で生じている       「春の桜」なのか「夏
                「春の桜」なのか「夏
→ 連続一様分布
→ 連続一様分布        の桜」なのか?
                の桜」なのか?




本当に、このタイミングで起
本当に、このタイミングで起
きた出来事であるかは判ら
きた出来事であるかは判ら
ない→ 何かの確率分布
ない→ 何かの確率分布




                強引に決めない方
                強引に決めない方
                法はあり得るか?
                法はあり得るか?
                         23/31
「時間序列」に関する操作
                                       本当に足りる?時間参
                                       本当に足りる?時間参
                                       照系の種類ごとに検
                                       照系の種類ごとに検
                                       討する必要がある。
                                       討する必要がある。
              E0 ≤E1
                e1     e0

Before
              E1 < E 0 < E 1 ∧E 0 < E1
                e0   e1      e1          e1        e1




              E0 ≤E 1 ≤E 0 ∧E 0 ≤E 1 ≤E 0
Equal           e0     e0         e1          e0        e1     e1

              E1 ≤E 0 ≤E1 ∧E 1 ≤E 0 ≤E 1
                e0      e0        e1          e0        e1     e1




              E0 < E1 < E 0 ∧E 0 > E 1
                e0   e1      e1          e1        e1

After
              E0 ≥E 1
                e0      e1
                                                             24/31
「時間損失量(?)」の検討
       低周波に従う「出来事」を高周
       低周波に従う「出来事」を高周
       波に変換した場合に損失(?)
       波に変換した場合に損失(?)
       する時間。
       する時間。


         Lost clocks
             1    1
           1× −2× =0.366666667
             2   15

             1    1
           1× −2× =0.116666667
             4   15
             1    1
           2× −2× =0.152380952
             7   15

          STDEV: 0.135212100

                       縮尺精度の
                       縮尺精度の
                       ようなもの?
                       ようなもの?
                                 25/31
「時間損失量(?)」の検討
       高周波に従う「出来事」を低周
       高周波に従う「出来事」を低周
       波に変換した場合に損失(?)
       波に変換した場合に損失(?)
       する時間。
       する時間。


         Lost clocks
                 1    1
           7×      −1× =0.033333333
                15    2

              1   1
            2× −1× =0.000000000
              4   2
              1   1
            4× −1× =0.071428570
              7   2

          STDEV: 0.035740730

                        縮尺精度の
                        縮尺精度の
                        ようなもの?
                        ようなもの?
                                      26/31
今後の検討課題




          27/31
「時間関係」について

1) 「 時間原子」の定義
 ➢ 定義に必要な要件とは?
 ➢ 「原子」そのものを新しく定義する方法は?

2) 「時間序列」の再検討
 ➢ 「時間参照系」の種類ごとの検討。
 ➢ 長さの異なる「出来事」の関係の検討。

3) 「 時間位相」の検討
 ➢ 異なる「出来事」間の接続関係が重要。

4) 「事物」と「時間」の関係の検討
➢ 本当の意味での「時空間」の検討
                          28/31
実装方法の検討

1) DBMS への実装
 ➢ 常識的な方法。
 ➢ 基本的な問い合わせ文が整備されている。
 ➢ UDF/UDT による定義が必要。複雑なものは厄介。
                     「妄想」に終わる
                     「妄想」に終わる
                     可能性は否定で
                     可能性は否定で
2) 動画としての実装          きない ... 。
                     きない ... 。
 ➢ 意外に使えるかも ... 現在検討中。
 ➢ 動画、静止画、音声、テキストを扱える。
 ➢ 異なるタイムラインを扱える(?)
 ➢ 多国語字幕の機能も使えそう。
 ➢ 空間データの取り扱い方法を考える必要がある。
 ➢ 基本的な問い合わせ方法を検討する必要がある。
                                 29/31
最後に ...




          30/31
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  法などについて検討してみようかと ... 。具体
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  的なことは未定。
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                         31/31

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時間GISにおける時間概念の整理

  • 2. 「時間」について思うこと色々 1) コンピュータにおける時間管理の限界 ➢ 扱える範囲に限界がある。縄文時代は扱えない。 ➢ はるか「未来」も扱えない。永続的なシステムは作れない。 ➢ 地球でしか使えない時間。月や火星で生活できない。 ➢ 認知時間、物質の時間、深海生物の時間が扱えない。 ➢ これらのシミュレーションに問題があるのでは? 2) 討我々は洗脳されている! ... かも? ➢ 学校教育における時間励行→労働者のコントロール ➢ グローバル社会で世界が繋がると ...?? ➢ 本当に、未来に向かって進んでいるのか? ➢ そもそも、「時間」って存在するのか? ➢ ところで、「映画」の時間管理ってどうなってんの? などなど 2/31
  • 4. 「時間」とは何か?を考える Q. 何をしている所でしょう? Q. 何をしている所でしょう? A1. チーズを手に取ったところ。 A1. チーズを手に取ったところ。 A2. チーズ慌てて戻すところ。 A2. チーズ慌てて戻すところ。 この「前」との「差」が解ればこの 答えは解る ... ハズ。この「差」が 「時間」であり、そのもの自体に 「変 化 」を認めることができるも のは、「時 間 」の概念を持つ。人 でも、動物でも、植物でも、物で も ... 。 4/31
  • 5. 「現象」と「事物」と「出来事」 「私」が認識する世界 「私自身」が主体となる「出来事」 「チーズ」が主体となる「出来事」 現 象 個々の「事物」がある視点で投影さ れて一つの「空間」に存在している 状態のことを「現象」とする。 5/31
  • 6. 「時間」とは何か?を考える 「グラス」の時間 「グラス」の時間 「ワイン」の時間 「ワイン」の時間 「ビール」の時間 「ビール」の時間 「植物」の時間 「植物」の時間 「私」の時間 「私」の時間 「チーズ」の時間 「チーズ」の時間 「クラッカー」の時間 「クラッカー」の時間 「皿」の時間 「皿」の時間 「テーブル」の時間 「テーブル」の時間 6/31
  • 7. 「空間」とは何か?を考える 「グラス」の空間 「グラス」の空間 「ワイン」の空間 「ワイン」の空間 「ビール」の空間 「ビール」の空間 「植物」の空間 「植物」の空間 「私」の空間 「私」の空間 「チーズ」の空間 「チーズ」の空間 「クラッカー」の空間 「クラッカー」の空間 「皿」の空間 「皿」の空間 「テーブル」の空間 「テーブル」の空間 7/31
  • 8. 「時間」について整理してみる 1) ある「事物」の「出来事」は記号化によって「抽象化」できる。 2) 個々の「出来事」と「事物」は「現実」には存在しなくても良い。 3) 「事物」と「出来事」の同時存在は「現象」への「写像」による。 4) 複数の「現象」は最終的に「論議領域」に「写像」される。 結局のところ、目指すべき「時空間システム」の実装は、結局はこの部分。これが 結局のところ、目指すべき「時空間システム」の実装は、結局はこの部分。これが 実現できれば「理念型モデル化分析法( ITMA )」の実装が可能になる。今回 実現できれば「理念型モデル化分析法( ITMA )」の実装が可能になる。今回 は、これを実装するための基本的な「時間概念」について整理してみる。 は、これを実装するための基本的な「時間概念」について整理してみる。 8/31
  • 9. 「論議領域」と「現象」と「事物」と「出来事」 Universe of discourse 現実世界をこのような 現実世界をこのような (論議領域) 入れ子状の構造として 入れ子状の構造として 理解してみる。 理解してみる。 O E O O E E P O O O E P O O P E O E P E O E 実 装 システム P P P P 最終的に、あらゆる「現象」は 最終的に、あらゆる「現象」は 「論議領域」にまとめられる。「論 「論議領域」にまとめられる。「論 議領域」はシステムが扱う範囲 議領域」はシステムが扱う範囲 として定義される。 として定義される。 「出来事」は「時間参照系」によって定義され、「事物」は「空間参照系」によって定義される。 そして、「論議領域」と「現象」は、「時間参照系」と「空間参照系」によって定義される。 9/31
  • 10. UML クラス図による表現 空間クエリ 空間クエリ 「出来事」と「事物」を追加する度 「出来事」と「事物」を追加する度 に、それぞれ現象の参照系に変換 に、それぞれ現象の参照系に変換 する必要がある。 する必要がある。 時間クエリ 時間クエリ 10/31
  • 12. 「変化」としての「時間」 1) 「時間」の「長さ」は? ➢ 「変化」した事実をのみに焦点を当てると長さは常に「 1 」 ➢ 「変化」の「長さ」を測るための「単位」が必要。 2) 「変化」の「方向」は? ➢ 「変化」は「事後」の状態があって成立する。 ➢ したがって、「変化」は「現在」から「過去」に向かって進む。 3) 「時間」の「比較」は? ➢ 現象における「時間」は複数の「変化」の比較を可能に。 ➢ 異なる「変化」を比較するには「変換式」が必要となる。 12/31
  • 13. 時間の「長さ」を考える 過去 初期状態 この「長さ」を知る必 この「長さ」を知る必 要がある。 要がある。 この「長さ」を測るた この「長さ」を測るた めのモノサシが必要! めのモノサシが必要! 未来 終了状態 従来は、地球の公転、自転、水晶の固有振動などがモノサシの 役割を担ってきた。しかし、これらの物理現象に従わない現象 の時間を表すには不十分な点が多い。この部分をより厳密に 定義できれば、多様な時間を扱うことができるのでは無いか? 13/31
  • 14. 物理現象の「同期」で時間を測る そもそも、人は時間を知る能力が無い。 故に、独りで居る限り「時間」は不要。  → 「引き籠り」が成立する理由。 二人以上になると「共働」が必要。 故に、周期的な運動に同期する。  → 「共働」に最適な方法とは? 精密な「共働」は「精度」が必要。 故に、高精度の周期運動を開発する。  → 「時計」は「共働」のためのもの。 事物の時間を定義するには、より複雑な「同期」の定義が必要! その同期の方法こそが変化の長さを測るための「単位」であり、 その単位を定義したものが「時間参照系」である。 14/31
  • 15. 「等速運動」に対する「同期」 質点「 p 」が等速振幅 質点「 p 」が等速振幅 Z 運動すると仮定する。 Z 運動すると仮定する。 +A -A T ある地点から出発して元 ある地点から出発して元 質点「 p 」の移動速度 質点「 p 」の移動速度 に戻る区間が「 1 周期」 に戻る区間が「 1 周期」 初期位相 初期位相 地球の公転、自転、クォーツ時計などの等速振幅運動 / 等速円運動は、この単振動によって定義することが可能。 15/31
  • 16. 時間概念のための「単振動」 A=±1 にしてしまう。 A=±1 にしてしまう。 Z Z +1 -1 質点「 p 」の移動速度を関数 質点「 p 」の移動速度を関数 として定義できるようにする。 として定義できるようにする。 問題は、時間軸そのものを定 問題は、時間軸そのものを定 めるための単位。空間参照系 めるための単位。空間参照系 の定義において「地理原子」 の定義において「地理原子」 が定義されるように、時間参 が定義されるように、時間参 照系においても「時 間 原 子 」 照系においても「時 間 原 子 」 が定義されるハズ。要検討。 が定義されるハズ。要検討。 16/31
  • 17. 「有限区間」の「単振動」 通常の単振動 通常の単振動 現象が、異なる周期の重なりによ 現象が、異なる周期の重なりによ って表すことができる。例えば、観 って表すことができる。例えば、観 念的な「春夏秋冬」。春と夏の境 念的な「春夏秋冬」。春と夏の境 界は曖昧。そのような変化を表す 界は曖昧。そのような変化を表す ことができる。 ことができる。 1周期で完結するよう 1周期で完結するよう な単振動も認めてしま な単振動も認めてしま うことにする。 うことにする。 17/31
  • 18. 合成された「振動」 複数の通常の 複数の通常の 単振動 単振動 合成して一つの振動波を作る。 合成して一つの振動波を作る。 18/31
  • 19. 結局、何が言いたいかと言うと ... 終了状態 時間参照系を用いた変換が行われる。 時間参照系を用いた変換が行われる。 初期状態 e0−e 1=1 未来 現在 過去 e0−e 1=1 19/31
  • 20. 「瞬間」と「期間」を定義できる ある変化が、複数の ある変化が、複数の 振幅にまたがってい 振幅にまたがってい る場合は「期間」。 る場合は「期間」。 ある変化が、一つの ある変化が、一つの 振幅に収まっている 振幅に収まっている 場合は「瞬間」。 場合は「瞬間」。 「瞬間」 or 「期間」を決定するのは、「出来事」自身で はなく「時間参照系」。立場によって変わっても良い 。 20/31
  • 21. UML クラス図による表現 時間参照系 時間参照系 単振動の連続波。 単振動の連続波。 時間原子 時間原子 フーリエ級数に フーリエ級数に よる合成波。 よる合成波。 速度が変化する単振動。 速度が変化する単振動。 基本的の単振動。 基本的の単振動。 21/31
  • 23. 「時間位置」に関する操作 この時に困る。例え この時に困る。例え ある「出来事」は、確実にあ ある「出来事」は、確実にあ ば、ある桜の木は、 ば、ある桜の木は、 る時点で生じている る時点で生じている 「春の桜」なのか「夏 「春の桜」なのか「夏 → 連続一様分布 → 連続一様分布 の桜」なのか? の桜」なのか? 本当に、このタイミングで起 本当に、このタイミングで起 きた出来事であるかは判ら きた出来事であるかは判ら ない→ 何かの確率分布 ない→ 何かの確率分布 強引に決めない方 強引に決めない方 法はあり得るか? 法はあり得るか? 23/31
  • 24. 「時間序列」に関する操作 本当に足りる?時間参 本当に足りる?時間参 照系の種類ごとに検 照系の種類ごとに検 討する必要がある。 討する必要がある。 E0 ≤E1 e1 e0 Before E1 < E 0 < E 1 ∧E 0 < E1 e0 e1 e1 e1 e1 E0 ≤E 1 ≤E 0 ∧E 0 ≤E 1 ≤E 0 Equal e0 e0 e1 e0 e1 e1 E1 ≤E 0 ≤E1 ∧E 1 ≤E 0 ≤E 1 e0 e0 e1 e0 e1 e1 E0 < E1 < E 0 ∧E 0 > E 1 e0 e1 e1 e1 e1 After E0 ≥E 1 e0 e1 24/31
  • 25. 「時間損失量(?)」の検討 低周波に従う「出来事」を高周 低周波に従う「出来事」を高周 波に変換した場合に損失(?) 波に変換した場合に損失(?) する時間。 する時間。 Lost clocks 1 1 1× −2× =0.366666667 2 15 1 1 1× −2× =0.116666667 4 15 1 1 2× −2× =0.152380952 7 15 STDEV: 0.135212100 縮尺精度の 縮尺精度の ようなもの? ようなもの? 25/31
  • 26. 「時間損失量(?)」の検討 高周波に従う「出来事」を低周 高周波に従う「出来事」を低周 波に変換した場合に損失(?) 波に変換した場合に損失(?) する時間。 する時間。 Lost clocks 1 1 7× −1× =0.033333333 15 2 1 1 2× −1× =0.000000000 4 2 1 1 4× −1× =0.071428570 7 2 STDEV: 0.035740730 縮尺精度の 縮尺精度の ようなもの? ようなもの? 26/31
  • 28. 「時間関係」について 1) 「 時間原子」の定義 ➢ 定義に必要な要件とは? ➢ 「原子」そのものを新しく定義する方法は? 2) 「時間序列」の再検討 ➢ 「時間参照系」の種類ごとの検討。 ➢ 長さの異なる「出来事」の関係の検討。 3) 「 時間位相」の検討 ➢ 異なる「出来事」間の接続関係が重要。 4) 「事物」と「時間」の関係の検討 ➢ 本当の意味での「時空間」の検討 28/31
  • 29. 実装方法の検討 1) DBMS への実装 ➢ 常識的な方法。 ➢ 基本的な問い合わせ文が整備されている。 ➢ UDF/UDT による定義が必要。複雑なものは厄介。 「妄想」に終わる 「妄想」に終わる 可能性は否定で 可能性は否定で 2) 動画としての実装 きない ... 。 きない ... 。 ➢ 意外に使えるかも ... 現在検討中。 ➢ 動画、静止画、音声、テキストを扱える。 ➢ 異なるタイムラインを扱える(?) ➢ 多国語字幕の機能も使えそう。 ➢ 空間データの取り扱い方法を考える必要がある。 ➢ 基本的な問い合わせ方法を検討する必要がある。 29/31
  • 30. 最後に ... 30/31
  • 31. ちょっと宣伝 もっと、実践的な活動。第一回は、調査にお もっと、実践的な活動。第一回は、調査にお けるマルチメディアフォーマット、 NFC の可 けるマルチメディアフォーマット、 NFC の可 能性、フィールド調査における AR の利用方 能性、フィールド調査における AR の利用方 法などについて検討してみようかと ... 。具体 法などについて検討してみようかと ... 。具体 的なことは未定。 的なことは未定。 31/31

Editor's Notes

  1. f_{(O_k, S^S_k, S^S_i)} : O_k(S^S_k) \\mapsto P_i(S^S_i) f_{(E_j, S^T_j, S^T_i)} : E_j(S^T_j) \\mapsto P_i(S^T_i)
  2. P_i(S^T_i, S^S_i) \\in U(S^T, S^S) E_j(S^T_j), O_k(S^S_k) \\in P_i(S^T_i, S^S_i)
  3. f_{(O_k, S^S_k, S^S_i)} : O_k(S^S_k) \\mapsto P_i(S^S_i) f_{(E_j, S^T_j, S^T_i)} : E_j(S^T_j) \\mapsto P_i(S^T_i)