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医療DX研究会 9月度月次研究会
事前資料
近畿地区協議会 医療DX研究会 主任研究員
2023年度近畿地区協議会調査研究事業
日時:2023.09.09.(土) 10:00 ~ 12:00
形式:Zoomミーティング
*当日追記して議事録とします。
Ver.1.1
1
済
済
済
済
済
済
本日
2
式次第
0.(振り返り)当研究会の目的、ミッション、ビジョン、バリュー ~10:05
1.医療DX政策動向の調査研究(65分) ~11:10
(1)3グループの検討報告(10分/G)及び質疑応答(10分/G )
(2)その他(5分)
2.研究会提言(たたき台)の改訂(15分) ~11:25
3.「医療DX通信」Medical DX Times02号(案)(15分) ~11:40
4.機関誌JAHMC「医療DXの新しい潮流」(全9回) (10分) ~11:50
3
0.振り返り:当研究会の目的、ミッション、ビジョン、バリュー
■ 当研究会の目的
医療 DX に関して、私たち、認定登録 医業経営コンサルタントは、医業経営者の高度化する要求や期待に応えら
れるよう、新しい知識や経験を積むとともに、互いに切磋琢磨する「場」として、「サイバーセキュリティ演習研究会」を
「医療DX研究会」に拡張し、近畿地区の個人会員及び法人正会員、賛助会員に提供する。
■ 使命(Mission)
医療とITを、医業経営レベルで橋渡しする人材の育成。
■ 将来展望(Vision)
少子高齢化、人口減少下における日本の医療の種々の課題に対して、「医療DX」と言う切り口で、真摯に向き合っ
て取り組み、日本の医療の変革(X)を促進し、健全で持続的可能な日本の医療制度(国民皆保険制度)に貢献。
■ 行動指針(Value)
楽しく、興味深く、真摯に向き合い、対話の姿勢で勇気をもって。
2023年度テーマ=医療DX政策動向の調査研究
医療DX推進政策が講じられている中、
私たちは、日本の医療には種々の課題
があると認識している。
4
式次第
0.(振り返り)当研究会の目的、ミッション、ビジョン、バリュー ~10:05
1.医療DX政策動向の調査研究(65分) ~11:10
(1)3グループの検討報告(10分/G)及び質疑応答(10分/G )
(2)その他(5分)
2.研究会提言(たたき台)の改訂(15分) ~11:25
3.「医療DX通信」Medical DX Times02号(案)(15分) ~11:40
4.機関誌JAHMC「医療DXの新しい潮流」(全9回) (10分) ~11:50
5
2.研究会提言(たたき台)の改訂
(1)研究会提言のストーリーを推敲中。
1.医療DX推進本部「医療DXの推進に関する工程表」(令和5年6月2日)について
今月度は、 「医療DXの
推進に関する工程表」に
的を絞って、推敲中。
医療 DX の推進に関する工程表
Ⅰ はじめに
Ⅱ 基本的な考え方
① 国民の更なる健康増進
② 切れ目なくより質の高い医療等の効率的な提供
③ 医療機関等の業務効率化
④ システム人材等の有効活用
⑤ 医療情報の二次利用の環境整備
Ⅲ 具体的な施策及び到達点
(1) マイナンバーカードと健康保険証の一体化の加速等
(2) 全国医療情報プラットフォームの構築
(3) 電子カルテ情報の標準化等
(4) 診療報酬改定 DX
(5) 医療 DX の実施主体
Ⅳ フォローアップ
出典元:医療DX推進本部「医療DXの推進に関する工程表」(令和5年6月2日)
6
2.研究会提言(たたき台)の改訂
(1)研究会提言のストーリーを推敲中。
医療 DX の推進に関する工程表
Ⅰ はじめに
Ⅱ 基本的な考え方
① 国民の更なる健康増進
② 切れ目なくより質の高い医療等の効率的な提供
③ 医療機関等の業務効率化
④ システム人材等の有効活用
⑤ 医療情報の二次利用の環境整備
Ⅲ 具体的な施策及び到達点
(1) マイナンバーカードと健康保険証の一体化の加速等
(2) 全国医療情報プラットフォームの構築
(3) 電子カルテ情報の標準化等
(4) 診療報酬改定 DX
(5) 医療 DX の実施主体
Ⅳ フォローアップ
出典元:医療DX推進本部「医療DXの推進に関する工程表」(令和5年6月2日)
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2.研究会提言(たたき台)の改訂
(1)研究会提言のストーリーを推敲中。
我が国においては、世界的にも類をみない早さで高齢化が進行しており、2021 年現在で 28.9%と
なっている高齢化率は、2050 年には 37.7%に達する見込みである。併せて、総人口についても、長期
にわたる人口減少過程に入っているところである。
世界に先駆けて超高齢社会に直面する中、国民の健康寿命の延伸を図るとともに、社会保障制度を将
来にわたって持続可能なものとし、将来世代が安心して暮らしていけるようにしていくことが、今後の我が
国の継続的な発展のために不可欠である。
こうした中で、保健・医療・介護の情報について、その利活用を積極的に推進していくことが、個人の健
康増進に寄与するとともに、医療現場等における業務効率化の促進、より効率的・効果的な医療等各種
サービスの提供を行っていく上で、非常に重要となっている。
本工程表は、政府が行う医療 DX の取組に関して、その基本的な考え方及び具体的な施策内容を明ら
かにするとともに、その到達点を定め、関係者との認識の共有を図りつつ、今後の進捗状況を確認していく
ための基礎となるものである。
「少子高齢化&人口減少」
「医療DX」は一つの手段
目指す姿(to be)
出典元:医療DX推進本部「医療DXの推進に関する工程表」(令和5年6月2日)
【 前文(「Ⅰはじめに」から抜粋 )】
本工程表の位置付け
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2.研究会提言(たたき台)の改訂
(1)研究会提言のストーリーを推敲中。
我が国においては、世界的にも類をみない早さで高齢化が進行しており、2021 年現在で 28.9%と
なっている高齢化率は、2050 年には 37.7%に達する見込みである。併せて、総人口についても、長期
にわたる人口減少過程に入っているところである。 「少子高齢化&人口減少」
出典元:医療DX推進本部「医療DXの推進に関する工程表」(令和5年6月2日)
【 前文(「Ⅰはじめに」から抜粋 )】
我が国
私たち、日本国民は、
危機感なき茹でガエルなのか?
①少子高齢化&人口減少
②経済の長期低迷、国際競争力の低下
③医療費の増大
④国民の意識(医療保険制度の維持→国民の負担増)
9
2.研究会提言(たたき台)の改訂
(1)研究会提言のストーリーを推敲中。
出典元:厚労省令和4年度 第1回医療政策研修会及び地域医療構想アドバイザー会議資料「第8次医療計画及び地域医療構想に関する状況」
医療を取り巻く状況 ① 少子高齢化&人口減少(1/3)
10
2.研究会提言(たたき台)の改訂
(1)研究会提言のストーリーを推敲中。
出典元:内閣府「選択する未来 -人口推計から見えてくる未来像-」(3)人口急減・超高齢化の問題点
医療を取り巻く状況 ① 少子高齢化&人口減少(2/3)
実際はもっと低下?
11
2.研究会提言(たたき台)の改訂
(1)研究会提言のストーリーを推敲中。
医療を取り巻く状況 ① 少子高齢化&人口減少(3/3)
出典元:内閣府「選択する未来 -人口推計から見えてくる未来像-」(3)人口急減・超高齢化の問題点
【医療機関】
患者の減少(疾病構造の変化*2) *1
従事者の確保難*3、人件費の増大
*1.入院患者数:2040年にピーク(65歳以上が
2040年には約8割) 。外来患者数: 2025年
にピーク。 (65歳以上が2040年には約6割)
*2.急性期病院によるリハビリテーションの実施を
2024年度の診療報酬改定で促す方針。(誤
嚥性肺炎などでは入院早期からのリハビリが
死亡率の低下や身体機能の改善に有効。)
*3.2040年には就業者数が大きく減少する中で、
医療・福祉職種の人材は現在より多く必要と
なる。
出典元
*1,*3厚労省令和4年度 第1回医療政策研修会
及び地域医療構想アドバイザー会議(2022
年09月15日)資料「第8次医療計画及び地域
医療構想に関する状況」
*2中央社会保険医療協議会令和5年度 第6回
入院・外来医療等の調査・評価分科会(2023
年09月06日)資料
12
2.研究会提言(たたき台)の改訂
(1)研究会提言のストーリーを推敲中。
出典元:世界の経済・統計 情報サイト「世界経済のネタ帳」 https://ecodb.net/
日本
*ドイツ
厳格な国籍管理を敷いてきたドイツが二重国籍の容認にカジを切る。これまで欧州連合(EU)加盟国の
出身者らに絞っていた二重国籍を全面解禁し、外国人が最短3年でドイツ国籍を追加取得できるように
する。複数国籍を認める国が増えており、国際競争力低下への危機感から門戸を開く。
出典元:日経電子版「ドイツ、二重国籍を容認へ 国際競争力低下に危機感」 ( 2023年9月1日)
医療を取り巻く状況 ② 経済の長期低迷、国際競争力の低下
医療を取り巻く状況 ③ 医療費の増大(1/3)
13
2.研究会提言(たたき台)の改訂
(1)研究会提言のストーリーを推敲中。
出典元:厚労省「2040年を見据えた社会保障の将来見通し(議論の素材)」(内閣官房・内閣府・財務省・厚生労働省 平成30年5月21日)
2015年
国民健康保
険法等改正
2023年
健康保険
法等改正
厚労省 加藤大臣会見概要から抜粋
(令和5年9月5日(火)10:40~10:49)
1. 少子高齢化を迎える中で、①給付と負担のバランスを確
保しつつ、②全ての世代が能力に応じて社会保障制度
を支え合う仕組みを構築することが、これからもこうし
た医療制度を持続可能なものにしていくためにも大事
だ。
2. ①医療のイノベーション、②DXの推進、③医療費適正
化に向けた取組、こうしたことを通じて、今申し上げた
国民皆保険制度をしっかりと守り、次の世代に引き渡し
ていくためにも、その持続可能性を高めることが必要だ。
14
2.研究会提言(たたき台)の改訂
(1)研究会提言のストーリーを推敲中。
出典元:厚労省「第四期医療費適正化基本方針について」(第165回社会保障審議会医療保険部会 令和5年6月29日)
医療を取り巻く状況 ③ 医療費の増大(2/3)
15
2.研究会提言(たたき台)の改訂
(1)研究会提言のストーリーを推敲中。
出典元:厚労省「第四期医療費適正化基本方針について」(第165回社会保障審議会医療保険部会 令和5年6月29日)
医療を取り巻く状況 ③ 医療費の増大(3/3)
16
2.研究会提言(たたき台)の改訂
(1)研究会提言のストーリーを推敲中。
出典元:日本総研「公的医療保険制度の持続可能性に関する国民調査の結果を受けて」(2023年08月31日)
医療を取り巻く状況 ④ 国民の意識(医療保険制度の維持→国民の負担増)(1/4)
17
2.研究会提言(たたき台)の改訂
(1)研究会提言のストーリーを推敲中。
出典元:日本総研「公的医療保険制度の持続可能性に関する国民調査の結果を受けて」(2023年08月31日)
医療を取り巻く状況 ④ 国民の意識(医療保険制度の維持→国民の負担増)(2/4)
18
2.研究会提言(たたき台)の改訂
(1)研究会提言のストーリーを推敲中。
出典元:日本総研「公的医療保険制度の持続可能性に関する国民調査の結果を受けて」(2023年08月31日)
医療を取り巻く状況 ④ 国民の意識(医療保険制度の維持→国民の負担増)(3/4)
19
2.研究会提言(たたき台)の改訂
(1)研究会提言のストーリーを推敲中。
出典元:日本総研「公的医療保険制度の持続可能性に関する国民調査の結果を受けて」(2023年08月31日)
医療を取り巻く状況 ④ 国民の意識(医療保険制度の維持→国民の負担増)(4/4)
20
2.研究会提言(たたき台)の改訂
(1)研究会提言のストーリーを推敲中。
医療 DX の推進に関する工程表
Ⅰ はじめに
Ⅱ 基本的な考え方
① 国民の更なる健康増進
② 切れ目なくより質の高い医療等の効率的な提供
③ 医療機関等の業務効率化
④ システム人材等の有効活用
⑤ 医療情報の二次利用の環境整備
Ⅲ 具体的な施策及び到達点
(1) マイナンバーカードと健康保険証の一体化の加速等
(2) 全国医療情報プラットフォームの構築
(3) 電子カルテ情報の標準化等
(4) 診療報酬改定 DX
(5) 医療 DX の実施主体
Ⅳ フォローアップ
出典元:医療DX推進本部「医療DXの推進に関する工程表」(令和5年6月2日)
実現目標( 2030年度 )
21
2.研究会提言(たたき台)の改訂
(1)研究会提言のストーリーを推敲中。
1.国民のさらなる健康増進
誕生から現在までの生涯にわたる保健・医療・介護の情報を PHR(Personal HealthRecord)
として自分自身で一元的に把握可能となり、個人の健康増進に寄与する。
2.切れ目なく質の高い医療等の効率的な提供
本人の同意を前提として、必要に応じて全国の医療機関等がセキュリティを確保しながら診療情報
を共有することにより、切れ目なくより質の高い医療等の効率的な提供が可能となる。
3.医療機関等の業務効率化
医療機関等のデジタル化が促進され、業務効率化が進み、効率的な働き方が実現するとともに、シ
ステムコストが低減される。さらに、ICT 機器や AI 技術の活用による業務支援や、業務改善・分析
ソフトの活用等とそれによる合理化を通じて、医療機関等自身がデジタル化に伴う業務改革を行うこ
とにより、そこで働く医療従事者にとって魅力ある職場が実現していく。
出典元:医療DX推進本部「医療DXの推進に関する工程表」(令和5年6月2日)
「Ⅱ 基本的な考え方」として、まず、7年後の2030年度を目途に、5つの実現を目指していくとしている。
■ 2030年度の5つの実現目標
① 本人主体の予防・健康づくり、セル
フケア、セルフメディケーションの推
進により、医療保険制度を支える。
① 地域包括ケアシステム(病院・病床
機能の分化・強化と連携など)を情
報インフラで支える。
① 医療機関等自身がデジタル化に伴
う業務改革を行う。
22
2.研究会提言(たたき台)の改訂
(1)研究会提言のストーリーを推敲中。
4.システム人材等の有効活用
診療報酬改定に関する作業が効率化されることにより、医療情報システムに関与する人材の有効活
用や費用の低減を実現し、ひいては医療保険制度全体の運営コストの削減が可能となる。
5.医療情報の二次利用の環境整備
民間事業者との連携も図りつつ、保健医療データの二次利用により、創薬、治験等の医薬産業やヘ
ルスケア産業の振興に資することが可能となり、結果として、国民の健康寿命の延伸に貢献する。
出典元:医療DX推進本部「医療DXの推進に関する工程表」(令和5年6月2日)
① 次項目の「(4) 診療報酬改定DX」
により、医療機関の診療報酬改定に
関する作業が効率化される。
23
2.研究会提言(たたき台)の改訂
(1)研究会提言のストーリーを推敲中。
医療 DX の推進に関する工程表
Ⅰ はじめに
Ⅱ 基本的な考え方
① 国民の更なる健康増進
② 切れ目なくより質の高い医療等の効率的な提供
③ 医療機関等の業務効率化
④ システム人材等の有効活用
⑤ 医療情報の二次利用の環境整備
Ⅲ 具体的な施策及び到達点
(1) マイナンバーカードと健康保険証の一体化の加速等
(2) 全国医療情報プラットフォームの構築
(3) 電子カルテ情報の標準化等
(4) 診療報酬改定 DX
(5) 医療 DX の実施主体
Ⅳ フォローアップ
出典元:医療DX推進本部「医療DXの推進に関する工程表」(令和5年6月2日)
2026年度までの具体的な施策
24
2.研究会提言(たたき台)の改訂
(1)研究会提言のストーリーを推敲中。
(1)マイナンバーカードと健康保険証の一体化の加速等
①マイナンバーカードの機能の搭載によるスマートフォンでの健康保険証利用の仕組みの導入等の取
組を進め、2024年秋の健康保険証の廃止を目指す。
②2023年度中に生活保護(医療扶助)でのオンライン資格確認の導入など。
(2)全国医療情報プラットフォームの構築(別紙:イメージ図参照)
①電子カルテ情報共有サービス(仮称)を構築。2024年度中に、電子カルテ情報の標準化を実現した
医療機関から順次運用を開始。(既に電子カルテが導入されている医療機関における、標準規格に
対応した電子カルテへの改修や更新を推進。)
②介護保険、予防接種、母子保健、公費負担医療や地方単独の医療費助成などに係るマイナンバー
カードを利用した情報連携。
出典元:医療DX推進本部「医療DXの推進に関する工程表」(令和5年6月2日)
■ 2026年度までの具体的な施策
次に、これらの実現目標を達成するため、「Ⅲ 具体的な施策及び到達点 」で、3年後の2026年度までの
具体的な施策を示している。
① 標準的な仕様に準拠した電子カルテへの改修や新規の導入について
は、医療情報化支援基金を活用し、一定の補助を行うことを現在検討
している。(中央社会保険医療協議会・総会2023年04月26日)
25
2.研究会提言(たたき台)の改訂
(1)研究会提言のストーリーを推敲中。
③2024年度中に、自治体の実施事業に係る手続きの際に必要な診断書等について、電子による提出
を実現。
④PHRとして、本人がマイナポータルを通じ情報を確認できる仕組みを整備するとともに、民間PHR事業
者団体やアカデミアと連携したライフログデータの標準化や流通基盤の構築等を通じ、ユースケース
の創出支援。
⑤全国医療情報プラットフォームにおいて、共有される医療情報の二次利用について、2023年度中に
検討体制を構築など。
(3) 電子カルテ情報の標準化等
①2023年度に、透析情報及びアレルギーの原因となる物質のコード情報について、2024年度に蘇生
処置等の関連情報や歯科・看護等の領域における関連情報について、共有を目指し標準規格化。
②2024年度中に、特に救急時に有用な情報等の拡充を進めるとともに、救急時に医療機関において
患者の必要な医療情報が速やかに閲覧できる仕組みを整備。薬局との情報共有のため、必要な標
準規格への対応等を検討。 出典元:医療DX推進本部「医療DXの推進に関する工程表」(令和5年6月2日)
26
2.研究会提言(たたき台)の改訂
(1)研究会提言のストーリーを推敲中。
③標準規格に準拠したクラウドベースの電子カルテ(標準型電子カルテ)*2について、2024 年度中に
開発に着手し、一部の医療機関での試行的実施。電子カルテシステムを未導入の医療機関を含め、
電子カルテ情報の共有のために必要な支援策を検討しつつ、遅くとも 2030年には概ねすべての医
療機関において必要な患者の医療情報を共有するための電子カルテの導入を目指す。
(サイバーセキュリティの確保が非常に重要であり、診療報酬改定DXや標準型電子カルテの提供等
を通じた医療機関システムや薬局システム等のクラウド化を進めていく。)
(4) 診療報酬改定DX
①2026年度に共通算定モジュールを本格的に提供。共通算定モジュール等を実装した標準型レセコ
ンや標準型電子カルテの提供により、医療機関等のシステムを抜本的に改革し、医療機関等の間接
コストを極小化など。
(5) 医療DXの実施主体
①社会保険診療報酬支払基金を、審査支払機能に加え、医療DXに関するシステムの開発・運用主体
の母体とし、抜本的に改組など。
*2.小規模な医療機関向け(第1回医療DX推進本部 幹事会(令和4年11月24日)資料2「医療DXに関する施策の現状と課題」)
出典元:医療DX推進本部「医療DXの推進に関する工程表」(令和5年6月2日)
① 小規模の医療機関の電子カルテ普及率の低迷に対する対策の一つとして、期待される。
(参考)電子カルテ普及率(2020年厚労省)
400床以上:91.2%、200-399床:74.8%、200床未満:48.8%、般診療所:49.9%
② 標準的な仕様に準拠した電子カルテへの改修や新規の導入については、医療情報化支援基金を活用し、
一定の補助を行うことを現在検討している。(中央社会保険医療協議会・総会2023年04月26日)
27
2.研究会提言(たたき台)の改訂
(1)研究会提言のストーリーを推敲中。
ⅰ.政策上の「医療DX」は、国、地方自治体、社会保険診療報酬支払基金などの行政等の業務改革、
効率化が主で、従として、各ステークホルダーが当該「医療DX」の恩恵、影響を受ける構図になって
いる。
ⅱ.また、国は、PHRの利活用による本人主体の予防・健康づくり、セルフケア、セルフメディケーション
の推進(医療保険外)により、医療保険制度を支える将来像を描いている。。
ⅲ.医療機関は、政策上の「医療DX」に協力すると共に、少子高齢化&人口減少下における種々の経
営課題に対して、医業経営上の「医療DX」も避けられず、公定価格(保険診療)や人員配置基準が
ある中で、初期投資・運用費用を業務改革、効率化で賄う必要がある。
ⅳ.尚、標準規格に準拠したクラウドベースの電子カルテ(標準型電子カルテ)の提供は、小規模の医療
機関の電子カルテ普及率の低迷に対する対策の一つとして、期待される。
ⅴ.一方、PHR+生成AI(人工知能)の利活用により、本人と医師との情報格差が縮小し、本人と医療
機関の関係が変わる可能性を秘めている。
【 考 察 】
28
2.研究会提言(たたき台)の改訂
(1)研究会提言のストーリーを推敲中。
Ⅵ.ところで、厚労省「医療費の将来見通し」*3では、2040年度医療費は約76~80兆円と2021年度
医療費 44.2 兆円の1.7~1.8倍近くまで増大する予測である。人口ボーナス期に設計された医療
保険制度について、人口オーナスの今、ステークホルダー間の真摯な対話を通した見直しが求めら
れている。
*3 2040年を見据えた社会保障の将来見通し(議論の素材)(内閣官房・内閣府・財務省・厚生労働省 平成30年5月21日)
「少子高齢化&人口減少」という今までに経験したことのない厳しい時期に入
り、医療だけではなく、日本の全業種は、変革しなければ生き残れない時代に既
に入っている。
私たちは、日本の全業種が変革する上でも、「医療、介護、福祉」は、すべての
業種の基盤「健康で安心して経済活動ができる」であり、「医療、介護、福祉」の
変革が正しく進むことが重要であると考える。
29
2.研究会提言(たたき台)の改訂
(1)研究会提言のストーリーを推敲中。
1.「D」単体には、有用性はない。
2.「D」は、標準化⇒連携、結合⇒ネットワーク化して初めて、有用性が確保できる。
3. 個別最適で作った行政機関等のデータベースに保存している標準化されていない国民情報を一意
で紐づける「マイナンバー」が機能すべきところ、マイナンバー提供義務の法的ルールを整備しない
まま*4、情報連携を急いだ結果、マイナンバー提供がない場合、基本情報から手作業で紐づける作
業を強いられている。
4.アナログな人海戦術において、他人に紐づく潜在的リスクが顕在化、一致せず紐づけできない場合
もあり、「人的ミス」というよりも、「マイナンバー法令上の脆弱性」*4であると言える。
5.これらも含めた種々の障害を乗り越えた先に、「D」の有用性を享受できる。
6. 医療DXのメリットは、種々の障害を乗り越えた先にあり、ステークホルダーはそれぞれの立場で「覚
悟」を決め、真摯に取り組む姿勢が、健全で持続可能な社会を創造する。
7.変革「X」は、「D」ではなく、意思「W」(Will)によって起こすもので、「D」は、手段の一つでしかない。
*4 マイナンバー提供義務について、健康保険法施行規則等を一部改正。(令和5年6月1日(木)施行)ただし、事業主に対する記載義務で、被
保険者本人(従業員)のマイナンバーの提供に関する義務条項はない。
D(デジタル)の有用性について
ニュースレター「医療DX通信」
Medical DX Times02号の
コラム記事案。
30
2.研究会提言(たたき台)の改訂
(参考)全国医療情報プラットフォームの全体像(イメージ)
出典元:「医療DX令和ビジョン2030」厚生労働省推進チーム第4回(2023年8月30日)資料
31
2.研究会提言(たたき台)の改訂
(参考)医療DXの推進に関する工程表を踏まえた今後の進め方(1/5)
出典元:「医療DX令和ビジョン2030」厚生労働省推進チーム第4回(2023年8月30日)資料
32
2.研究会提言(たたき台)の改訂
(参考)医療DXの推進に関する工程表を踏まえた今後の進め方(2/5)
出典元:「医療DX令和ビジョン2030」厚生労働省推進チーム第4回(2023年8月30日)資料
33
2.研究会提言(たたき台)の改訂
(参考)医療DXの推進に関する工程表を踏まえた今後の進め方(3/5)
出典元:「医療DX令和ビジョン2030」厚生労働省推進チーム第4回(2023年8月30日)資料
34
2.研究会提言(たたき台)の改訂
(参考)医療DXの推進に関する工程表を踏まえた今後の進め方(4/5)
出典元:「医療DX令和ビジョン2030」厚生労働省推進チーム第4回(2023年8月30日)資料
35
2.研究会提言(たたき台)の改訂
(参考)医療DXの推進に関する工程表を踏まえた今後の進め方(5/5)
出典元:「医療DX令和ビジョン2030」厚生労働省推進チーム第4回(2023年8月30日)資料
36
2.研究会提言(たたき台)の改訂
(参考)医療DXの推進に関する工程表を踏まえた今後の進め方(5/5)
出典元:「医療DX令和ビジョン2030」厚生労働省推進チーム第4回(2023年8月30日)資料
37
2.研究会提言(たたき台)の改訂
(参考)診療報酬改定DXの今後の進め方(案)(1/2)
出典元:「医療DX令和ビジョン2030」厚生労働省推進チーム第4回(2023年8月30日)資料
38
2.研究会提言(たたき台)の改訂
(参考)診療報酬改定DXの今後の進め方(案)(2/2)
出典元:「医療DX令和ビジョン2030」厚生労働省推進チーム第4回(2023年8月30日)資料
39
2.研究会提言(たたき台)の改訂
(参考)電子カルテ情報共有サービス(仮称)(1/3)
出典元:厚生労働省健康・医療・介護情報利活用検討会 医療情報ネットワークの基盤に関するワーキンググループとりまとめ(2023年3月29日)資料
40
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(参考)電子カルテ情報共有サービス(仮称)(2/3)
出典元:厚生労働省健康・医療・介護情報利活用検討会 医療情報ネットワークの基盤に関するワーキンググループとりまとめ(2023年3月29日)資料
41
2.研究会提言(たたき台)の改訂
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出典元:厚生労働省健康・医療・介護情報利活用検討会 医療情報ネットワークの基盤に関するワーキンググループとりまとめ(2023年3月29日)資料

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