12. 安全・安心(主観・客観)二元論は、本当に有効か
リスクコミュニケーション現場におけるリスクの比較
• 自然放射線/医療被曝 vs. 原発事故由来の被曝
• タバコの害 vs. 原発事故由来の被曝
分かれる見解
「物理的には同じであっても、認知と倫理的視点では異なる。一部のステー
クホルダーは、放射線被ばくによるリスクについてのコミュニケーションの際
に『通常の』自然バックグラウンド被ばくが有用な状況を提供できると示唆し
たが、他のステークホルダーはそのようなアプローチに対して警告した。」
(Keeping the ICRP Recommendation Fit for Purpose. Clement C et al., JRP 2021)
有用: 物質に還元し定量化することで、リスクを客観的に比較可能
リスクの程度を正しく理解し、「過剰な」不安を取り除くことができる
警告: 質が異なるリスクの比較は、しばしば、被災者を憤らせる
13. 安全・安心(主観・客観)二元論は、本当に有効か
リスクコミュニケーション現場におけるリスクの比較
• 自然放射線/医療被曝 vs. 原発事故由来の被曝
• タバコの害 vs. 原発事故由来の被曝
分かれる見解
「物理的には同じであっても、認知と倫理的視点では異なる。一部のステー
クホルダーは、放射線被ばくによるリスクについてのコミュニケーションの際
に『通常の』自然バックグラウンド被ばくが有用な状況を提供できると示唆し
たが、他のステークホルダーはそのようなアプローチに対して警告した。」
(Keeping the ICRP Recommendation Fit for Purpose. Clement C et al., JRP 2021)
有用: 物質に還元し定量化することで、リスクを客観的に比較可能
リスクの程度を正しく理解し、「過剰な」不安を取り除くことができる
警告: 質が異なるリスクの比較は、しばしば、被災者を憤らせる
安全性の問題 安心感の問題
14. 安全・安心(主観・客観)二元論は、本当に有効か
リスクコミュニケーション現場におけるリスクの比較
• 自然放射線/医療被曝 vs. 原発事故由来の被曝
• タバコの害 vs. 原発事故由来の被曝
分かれる見解
「物理的には同じであっても、認知と倫理的視点では異なる。一部のステー
クホルダーは、放射線被ばくによるリスクについてのコミュニケーションの際
に『通常の』自然バックグラウンド被ばくが有用な状況を提供できると示唆し
たが、他のステークホルダーはそのようなアプローチに対して警告した。」
(Keeping the ICRP Recommendation Fit for Purpose. Clement C et al., JRP 2021)
有用: 物質に還元し定量化することで、リスクを客観的に比較可能
リスクの程度を正しく理解し、「過剰な」不安を取り除くことができる
警告: 質が異なるリスクの比較は、しばしば、被災者を憤らせる
安全性の問題 安心感の問題
• 被災者の憤り/不安を、心/倫理の問題(主観)と決めつけていいのだろうか
• 物質に還元する客観的リスクは、本当に正しいのだろうか
20. 病気に対する考え方を、180度変える必要あり
ü ストレッサーの種類が多いほど、病気になりやすく、重篤化しやすい
• シンデミック: 病原体/栄養不良/暴力/社会経済格差などの相互作用
→うつ病/糖尿病/心臓病などを併発、病状増悪 (Singer M et al., 2017)
• 子ども時代の過酷な体験の種類(虐待/貧困/親の死…)が多い人ほど、
→炎症関連遺伝子の発現数↑ (Slavich GM & Cole SW, 2013)
→がん/心臓病/糖尿病のリスク↑ (Hughes K et al., 2017; Lin L et al., 2021)
ü コロナ禍で、世界のトップジャーナルが公衆衛生対策の抜本的改革を提言
• COVID-19の重篤化因子は生活習慣病
→生活習慣病の原因である貧困/格差を解消しない限り、流行は止められない
(ロックダウン/緊急事態宣言は必要なかった) (Lancet. Vol 396 October 17, 2020)
• Nature / New England Journal of Medicine / JAMA が同様の見解示す
※ 拙著でも提案: 『なぜ社会は分断するのか』(2021)
ü COVID-19の流行で分かったこと
• 生活習慣病/強い精神的苦痛のある被災者:放射線の影響受けやすい
※ SARS-CoV-2と低線量被曝:両者とも炎症反応(急性か慢性かの違いしかない)
※ 4年前に拙著で指摘: 『復興ストレス』(2017)