第18回日本野生動物医学会大会 Japanese Society of Zoo and Wildlife Medicine 25/8/2012 同一産卵巣内で孵化したアカウミガメ幼体の血中テストステロン濃度と孵化温度の関係 The relation of　the　serum　concentration　of　teststerone　and　incubation　temperature　in　the　loggerhead　turtle (Caretta caretta) hatching from the same nest

1. 同一産卵巣内で孵化した
アカウミガメ幼体の
血中テストステロン濃度と孵化温
度の関係
The relation of the serum concentration of
testosterone and incubation temperature in
the loggerhead turtle (Caretta caretta) hatching
from the same nest
○八田しおり¹、齋藤純康²、岡田勇治²、勝俣悦子²、唐木伊助³、渡辺元¹、田谷
一善¹
¹東京農工大学獣医生理学研究室、
²鴨川シーワールド、³セイコーエプソン株式会社CS品質保証環境

2. Introduction

3. Introduction
アカウミガメ
―Caretta caretta (Loggerhead turtle)
―IUCN Red List : Endangered
―5-8月産卵
―産卵巣：直径20cm×深さ
60cm
―70-150個×1-5回/年（隔年）

4. Introduction
千葉県鴨川市
―鴨川シーワールド
平成14年～ウミガメ保護活動
6-8月：保護
8-9月：孵化

5. Introduction
温度依存性性決定機構
―Temperature-dependent
Sex Determination
―臨界点：29.4℃
29.4℃以上 雌が多い （T：低
E2：高）
29.4℃ 雄：雌＝1：1 （臨界
点）
性判定法
29.4℃以下 雄が多い （T：高
29.4℃以上
Teststerone（T）：男性ホル
E2：低） 雌が多い （T：低
モン E2：高）
Estradiol 29.4℃
（E2）：女性ホル 雄：雌＝1：1 （臨界

6. Objective

7. Objective
同一巣内の性比分布
1. 同一巣内の深度毎の経時的温度測定
上層：30cm／中層：40cm／下層：
50cm
2. 同一巣内から孵化した幼体の
深度別血中テストステロン濃度測定
3. 光量の産卵巣への影響

8. Materials and
Methods

9. Materials and Methods

10. Materials and Methods
30cm
→
40cm
→
50cm
→

11. Materials and Methods
※精度±0.125℃

12. Materials and Methods
採血
―場所 ：背側頚洞
―注射器：1.0mlシリンジ、26G注射針
―量 ： 0.3-0.5ml
ラジオイムノアッセイ（RIA）法
―血漿中テストステロン濃度

13. Results

14. Results
自然光巣 遮光巣
産卵日（保護 2011年7月3日（7月18日） 2011年6月20日（6月25日）
日）
産卵場所 東条海岸 東条海岸
鴨川グランドホテル前 鴨川グランドホテル前
掘り起し 9月1日（初回脱出8月30日） 9月1日、5日
n数 51個体 129個体
（上：24、中：23、下：4） （上：44、中：43、下：
42）

15. 51個体
Results：自然光巣 （上：24、中：23、
下：4）

16. Results：遮光巣 129個体
（上：44、中：43、下：
42）

17. Results：平均温度

18. Results：テストステロン濃度
上：1個体(2.3%)
中：9個体
(20.9%)
下：7個体
(16.7%)
0個体(0%)

19. Summary

20. Summary
1. 同一産卵巣内の卵でも
深い場所ほど周囲温度が低く、
2. 同一産卵巣内でも
深い場所で孵化した幼体ほど
血漿中テストステロン濃度は高
い
3. 太陽光を遮ると
砂中温度は2-3℃下がり、
テストステロン濃度も高くなる

21. Thank you for your attention !!