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【大分大学】平成20年環境報告書
- 2. 目 次 大分大学環境報告書2008
学長からのメッセージ ~環境報告書2008の刊行にあたって~ 1
1 環境方針 2
2 中長期的環境負荷削減計画及び2007年度の目標及び主な取り組み 3
3 大分大学概要 4
4 マテリアルバランス 11
5 活動に伴う環境負荷 12
6 環境マネジメント体制 21
7 環境教育の実施状況 22
8 環境に配慮した研究 25
9 環境関連の講演・イベント等 30
10 環境に関する地域行政への連携 34
11 法規制の遵守 36
12 第三者のコメント 37
編集後記 38
- 3. 大分大学
環境報告書
2008
学長からのメッセージ
~環境報告書2008の刊行にあたって~
今年の7月7日、七夕にあわせて開かれた洞爺湖サミット
では、地球温暖化への対応が主要議題の一つとして取り
上げられました。我が国がとりまとめをリードした会議の総
括として、2050年までに温室効果ガス排出量を半分に減ら
すことが確認されました。
この総括に対する評価はさまざまですが、京都議定書の
実施年に入った今年の時点で、我が国の排出量は減少目
標に近づくどころか逆に増加しており、目標の達成はきわ
めて厳しいと言わざるを得ません。代表的な温室効果ガス
である二酸化炭素の排出を抑えるにあたって、産業界だけ
でなく、排出量が増えている運輸部門や民生部門でのいっそうの努力が望まれるところです。
地球環境問題と言いますと、とかく二酸化炭素をはじめとする温室効果ガス抑制のみが取り上げられがち
ですが、水や廃棄物の問題もそれに劣らず重要です。昨年12月には、第1回アジア太平洋水サミットが別府
市を会場として開かれ、私は大分県委員会副委員長として会議の準備の段階から参加しました。世界各地で
発生している水問題のかなりに、地球温暖化の影響が報告されていました。各国首脳が参加した公式イベン
トに加えて、多くの関連企画が県内各地で開催され、会議での議論の成果は「別府からのメッセージ」としてま
とめられ、世界に発信されました。このサミットでは、本学はじめ県内4大学の学生諸君が参加した学生水サ
ミットも開かれ、新たな大学間連携がスタートしました。また水サミットの成果を引き継ぐために、県・産業界・
大学等の協力の下に、本学が中心となってNPO法人大分水フォーラムが設立されました。
本学の環境報告書は今回が第3号となりますが、昨年の報告書を見直して内容の充実を図りました。2007
年は暑さが厳しく、平均気温は過去最高となりました。この影響か、ここ数年漸減していた本学の電力等のエ
ネルギー投入量が、数%増加するという結果になりました。一方で重油からガスへの燃料転換を進めたこと
が効いて、温室効果ガス排出量は減少しました。まだ、これで十分とは申せませんが、今後引き続き環境負
荷の低減を目指す取組を強めるとともに、その成果を報告して学内外のご意見をいただき、「環境に貢献する
大学」を目指して改善に努める所存です。皆様のご意見・ご指摘をお待ちいたしております。
2008年9月
国立大学法人 大分大学
学長 羽 野 忠
-1-
- 4. 大分大学
環境報告書
2008
環境方針
Ⅰ.基本理念
大分大学は、地球環境問題が21世紀における人類の重要課題の一つであるとの認識に
立ち、教育、研究、診療に伴うあらゆる活動において、環境負荷の低減に努め、「環境に貢
献する大学」として、基本方針に沿った活動を継続的に行う。
Ⅱ.基本方針
1.環境研究の推進と環境教育の実践 2.環境負荷の少ないキャンパスの構築
・本学の重要的研究分野である ・温室効果ガス、排出の削減
「人間環境科学」等の環境に配 ・廃棄物の削減と排水の適正な管理
慮した研究の推進 ・省エネルギー、省資源の推進
・化学物質の安全管理の徹底
・大学や附属学校での環境教育 ・グリーン購入の推進
の実施
3.環境管理体制の構築 4.地域社会への協力・支援
・理事(財務担当)を総括責任者とする環 ・地域の環境行政に対して専門的な
境マネジメント対策推進会議、及び教職 立場からの協力、支援
員で構成する環境専門部会の充実・強
化 ・市民や企業の環境意識の向上及び
・財務、施設、施設環境整備部門会議 取組への支援
との連携、調整による環境管理体制の
充実・強化
-2-
- 5. 大分大学
環境報告書
中長期的環境負荷削減計画及び 2008
2007年度の目標及び主な取り組み
★環境負荷削減目標★
2004年度を基準として2005年度から5年間で5%の縮減、
対前年度比1%の削減
大分大学では、これまでエネルギー消費抑制に向けた取り組みとして、附属病院を除く各部局ごとの光熱水量の
使用目標値 (2006年度実績の約1%減、使用量ベース) を設定するとともに、使用実績を学内ホームページ等で公
表し、エネルギー消費節減に向けた意識の涵養を図るなど積極的に取り組んできました。
◆活動計画の目的・目標◆
環 境 目 標 主 な 取 組
・エアコンの冷房設定温度は28℃暖房設定温度は19℃厳守
・昼休みは業務に支障のない限り、エアコン・電灯・パソコン等の
電源切断
エネルギー使用量の
前年度比1% 削減 ・クールビズの実施
削減
・使用実績の学内公表による消費節減の促進
・工事等による省エネ設計の実施
温室効果ガス排出量 ・公共交通機関等利用促進
CO2前年度比1%削減
の削減 ・エネルギーの転換(重油からガスへ)
コピー用紙の前年度比 ・用紙の両面利用の促進
紙使用量の削減
1%削減 ・会議資料の電子化の促進
・節水型機器への更新
水資源投入量 ・自動水栓の設置
前年度比1%削減
・トイレ擬音装置の設置
グリーン購入の徹底 ・基準適合品調達の推進
環境物品の調達
(100%)
環境汚染の防止 排水による環境汚染の防止 ・実験廃液や生活排水による環境汚染の防止
-3-
- 6. 大分大学
環境報告書
2008
大分大学概要
◆組織図(2007年5月1日現在)◆
教育福祉科学部
附属学校園
(
学 経済学部
部 医学部
)
教 附属病院
監 育
事 研 工学部
国 評
究
立 議 監監 事事
教育学研究科
会
大 査査
室室
務務
局局
学 (
大
経済学研究科
法 学
院
医学系研究科
人 学 ) 工学研究科
役 長
大 員
会 理 福祉社会科学研究科
事
分 (
図 附属図書館
書
館
大 ) 医学分館
学 経
営
イノベーション機構
協 地域共同研究センター
議 (
学
会 内 総合科学研究支援センター
共
同 総合情報処理センター
教
育 国際教育研究センター
研
究
施 ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー
設
等 福祉科学研究センター
)
先端医工学研究センター
高等教育開発センター
保健管理センター
-4-
- 7. 大分大学
環境報告書
2008
◆職員数、学生・生徒・児童及び幼児数◆
■役員 ※( )内は非常勤で内数 2007年5月1日現在
学 長 理 事 監 事
1 6(1) 2(1)
■教職員
大学 教務 附属学校 事務・ 技能系 医療系 看護系
合 計
教員 職員 教員 技術職員 職 員 技術職員 職員
578 7 81 336 75 79 391 1,547
■学部 ※( )は,2年次後期,または3年次編入学者を内数で示す。
1年次 2年次 3年次 4年次 5年次 6年次 合計
1,160 1,226 1,176 1,438 93 116 5,203
(37) (31) (9) (8) (85)
■大学院
1年次 2年次 3年次 4年次 合計
292 285 35 42 654
■附属学校
1学年 2学年 3学年 4学年 5学年 6学年 合計
附属学校 小学校 120 119 120 118 120 119 717
中学校 160 160 160 480
小学部 3 3 1 3 0 3 13
附属特別
中学部 6 6 6 18
支援学校
高等部 7 6 7 20
3歳児 4歳児 5歳児 合計
附属幼稚園
32 64 63 159
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- 8. 大分大学
環境報告書
2008
◆教育福祉科学部◆ ◆教育学研究科◆
本学部は、1999年度学部の改組を行い、名称を教育福祉科学部としました。教育福祉科学部には次の課程お
よびコース等があります。学校教育課程は発達教育コース(教育学・教育心理学・幼年教育選修)、障害児教育コ
ース、教科教育コース(国語・社会・数学・理科・音楽・美術・保健体育・技術・家庭科・英語選修)があり、情報社
会文化課程には社会文化コース、情報教育コース、総合表現コース(美術・音楽・身体表現)が、さらに人間福祉
科学課程に社会福祉コース、心理健康福祉コース(心理・スポーツ健康分野)、生活環境福祉コース(生活・環境
分野)が設置されています。学生はそれぞれの課程・コース等に所属し、必要な学科目を履修します。
学部の目標は、豊かな成熟社会を創造し、共生社会を実現するために、「福祉の心」を持ち実践できる人材の
養成です。学校教育課程は、実践力を持ち心の教育に携わる資質の高い学校教育の教員を養成することを目的
とし、情報社会文化課程は、国際化・高度情報化社会に対応し地域の文化創造の視点を持った人材を育成し、人
間福祉科学課程は、深い人間理解を基盤に生き甲斐を持って健やかに共に生きる社会を目指す人材の養成を
目指しています。
教育学研究科は、学校教育専攻および教科教育専攻(国語・社会科・数学・理科・音楽・美術・保健体育・技術・
家政・英語教育専修)で構成され、学校教育の場における理論と実践の研究能力や専門性を高め、教育研究や
実践に必要な能力を養うことを目的としています。
なお、心理、発達、教育に関する相談および研究を行い、地域社会に貢献するために心理教育相談室がありま
す。附属施設として「附属教育実践総合センター」、「教育研究所」があり、附属学校園として小学校・中学校・特
別支援学校・幼稚園が設けられており、教育実習・教育実践研究などに利用されています。
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- 9. 大分大学
環境報告書
2008
◆経済学部◆ ◆経済学研究科◆
本学部は、長い伝統に支えられた少人数教育とその下でのきめ細かな指導、充実したキャンパスライフを通じて、
情報化・国際化および高齢化が急速に進展する未来を展望し、専門的な知識を備えるとともに、基礎的な能力と幅
広い教養を身につけた人材を養成することを目指しています。
本学部は、経済学科、経営システム学科、地域システム学科の3学科から成り立っており、各自の所属する学科
は、2年次後期にゼミナールの選択を通じて決定します。
教育体制としては、理論と実践をバランスよく学ぶことのできる充実したカリキュラムを提供するとともに、1年から
4年までの全ての学年で、1クラス13人前後の演習を通じて、教員の学問と人格に直接触れながら、自分の個性を
磨くことができるようになっています。
1年では「基礎演習」として、大学における勉学の態度や要領、系統的な履修方法などのガイダンスを含めて基
礎的教養を修得する一方、2年は「中級演習」として、各専門分野への入門的な授業を対話形式で行い、3・4年で
は「演習」として、卒業論文の作成を展望しながら、2年間継続して本格的な専門分野の研究を行っています。
さらに、より高度な研究を行い、専門能力を高めることをめざす人のために、大学院経済学研究科が設置されて
います。
大学院の博士前期課程は、経済社会政策専攻と地域経営政策専攻の2専攻からなり、両専攻の下に、国際経済
コース、政策科学コース、地域政策コース、マネジメントコース、アカウンティングコースの五つのコースがおかれて
います。これらを通じて、現代社会の諸問題に対処しうる実践的な判断能力と問題解決能力を備えた専門職業人
の養成を目指している。一方、大学院博士後期課程には地域経営専攻が設置されており、地域社会をリードする
高度な専門能力をもつ人材を養成しています。博士前期課程、博士後期課程ともに、学習・研究意欲をもつ多くの
方々のニーズに対応するために、昼夜開講制を導入するとともに、一般選抜に加えて社会人特別選抜、留学生特
別選抜などを実施しています。
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- 10. 大分大学
環境報告書
2008
◆医学部◆ ◆ 医学系研究科◆
本学部には、医学科と看護学科があり、医学科においては、患者の立場を理解し、全人的医療ができ、豊か
な教養と人間性、高度の学識、生涯学習能力、国際的視野を備えた医師を育成することを、また、看護学科に
おいては、人々が心身共に健康な生活を営めるよう、適切な看護を行うことができる専門的知識と技術の修得
を促し、看護学の発展と地域住民の保健・医療・福祉の向上、ひいては国際社会への貢献ができるよう、豊か
な人間性を備えた人材を育成することを目指しています。
また、両学科ともカリキュラム改革に努め、医学科においては、医学の急速な進歩に対応すべく、従来の体
系的教育方法から脱却した臓器別、機能別に統合した授業科目の編成、PBL (問題提起型)チュートリアル教
育の開始など抜本的改革を行い、看護学科においても、基礎科目、専門基礎科目、専門科目の有機的統合が
図られるとともに、臨床で役立つ看護教育を目指して、臨地実習においても「看護」の理解を深める工夫がなさ
れるなど、様々な改革が進行中であり、改善を重ねています。
医学系研究科には、博士課程と修士課程があり、博士課程は、病態制御医学、生体防御医学、分子機能制
御医学、および環境社会医学の4専攻から成り、主として医学研究者の育成を目的としています。修士課程は
、医科学および看護学の2専攻から成り、前者は、医学以外の専門領域と医学を融合させた学際的な領域の
教育・研究者や技術者として活躍できる人材の育成、後者は、医学に関する幅広い知識と視野を備えた看護
実践専門家、看護教育者等の育成を目的としています。
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- 11. 大分大学
環境報告書
2008
◆工学部◆ ◆工学研究科◆
本学部・研究科は、1991年度の5学科への改組ならびに大講座制への移行、同1995年度の大学院修士課程
の改組と博士後期課程の設置、同1997年度の講座再編成と新学科の設置、同2003年度の5学科への改組を
経て、現在、学部5学科、博士前期課程6専攻、博士後期課程2専攻という構成になっています。
課題を探求する意欲に満ち、国際標準を満たす学力をもって、世界を見据えながら地域社会づくりにも貢献で
きる個性豊かで創造性あふれる人材の育成が目標です。
機械・エネルギーシステム工学科では、機械工学の重点領域と、
機械、電気、エネルギー等の総合的領域の知識を習得し、エネル
ギーや自然環境等の社会問題に対応できる能力を養います。
電気電子工学科では、制御コミュニケーション、電子デバイス、
電磁ダイナミクス、電子システムおよび電磁波応用に係わる教
育・研究を通じて、人類の幸福・福祉に貢献できる技術者や研究
者としての基礎力と応用能力を養います。
知能情報システム工学科では、情報科学
の基礎から情報・知能工学の応用まで幅広
い学習に取り組むことで、新世代知的IT革命
の担い手となりうる能力を養います。
応用化学科では、生活や生産活動につい
て物の性質や変換といった化学的な観点か
ら考えられる姿勢と知識を習得し、機能材料
開発、バイオテクノロジー、地球環境に重点
を置いた研究・開発能力を養います。
福祉環境工学科の建築コースでは、建築・デザインに関する幅広い知識を学び、人間生活の安全性・快適性
の追求と、都市空間の質の向上に係わる豊かな発想力を養い、メカトロニクスコースでは、ロボットに代表され
るメカトロニクス技術、機械工学、制御工学、医用生体・福祉工学などの幅広い知識を学び、QOL (生活の質)
の向上に貢献するロボット機器や支援技術の開発能力を養います。
博士前期課程では、高度化された内容の授業や最先端の研究を通じて専門性を高め、博士後期課程では、
物質と環境を柱とした学際的分野に係わり、独創的な研究能力を身につけます。
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- 12. 大分大学
環境報告書
2008
◆福祉社会科学研究科◆
大学院福祉社会科学研究科は、国立大学初
の福祉系独立大学院として、2002年4月に設
置されました。福祉政策の計画・運営力と福祉
臨床に関する高度な専門知識と実践力を備え
使命感に燃える新たなタイプの高度専門職業
人の育成を目的とするため、社会人向けの特
別選抜や昼夜開講などの実施を、大きな特徴
としています。
本研究科は、社会福祉学、社会学、法律学、
経済学、教育学などの社会科学の立場から、
福祉を総合的かつ多角的に捉えて、学際的な
教育・研究を推進します。
教育体制は、福祉にアプローチする基本的
枠組みと実践的課題を共有するためのコア科
目を中心として、福祉社会政策分野と人間社
会福祉分野の2つの教育分野から構成されて
います。
本研究科では事例研究、現地調査、ディスカ
ッションなどを積極的に取り入れ、総合的かつ
実践的に教育・研究を進めています。
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- 13. 大分大学
環境報告書
2008
マテリアルバランス
本学の教育・研究活動を行うことによりエネルギーや資源を消費し、廃棄物や廃液の排出等様々な形で環境
に負荷を与えています。
本年度は、教育・研究活動に関わるエネルギー、資源や廃棄物などの量を把握することに努めました。
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- 14. 大分大学
環境報告書
活動に伴う環境負荷 2008
大分大学の活動に伴う環境負荷の主なものとしては、エネルギ-消費に伴うもの、教育、研究、医療活動など
に伴い排出されるものが考えられます。全学的なこれらの負荷の状況について示します。
総エネルギー投入量
年度 2004
(基準年度)
2005 2006 2007
エネルギ-
244,933 240,736 236,778 242,331
電 投入量[GJ]
気
対基準年度比
100 98.3 96.7 98.9
[%]
エネルギ-
37,112 34,528 34,491 68,661
ガ 投入量[GJ]
ス
対基準年度比
100 93.0 92.9 185.0
[%]
エネルギ-
77,223 81,758 72,257 40,977
重 投入量[GJ]
油
対基準年度比
100 105.9 93.6 53.1
[%]
エネルギ- 年度別エネルギー投入量(熱量換算)
1,138 1,248 991 99
灯 投入量[GJ]
油
対基準年度比
100 109.7 87.1 8.7
[%]
総エネルギー投入量は、前年度に比べ
2.1%(対基準年度比)の増加となりました。
エネルギ- 要因は、8,9月の気温が高く冷房時間が延び
360,406 358,270 344,517 352,068
合 投入量[GJ] たことや2月の気温が低かったこと及び、附属
計 病院の増築をしたことがあげられます。
対基準年度比
100 99.4 95.6 97.7
[%]
★エネルギー源別発熱量表★
灯油 ( ℓ ) 36.70 (MJ)
A重油 ( ℓ ) 39.10 (MJ)
ガス (m3 ) 46.05 (MJ)
電力 (Kwh) 9.97 (MJ)
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- 15. 大分大学
環境報告書
2008
電気使用量
電気は、前年度に比べ2.2%(対基
準年度比)の増加となりました。
要因は、8,9月の気温が高く冷房時
間が延びたことや2月の気温が低
かったこと及び、附属病院の増築を
したことがあげられます。
ガス使用量
ガスは、前年度に比べ92.1%(対基
準年度比)の増加となりました。
要因は、2007年10月より挾間キャ
ンパスのボイラー燃料を、A重油から
ガスに転換したこと及び、旦野原団
地の校舎改修工事において、ガス空
調を採用したことがあげられます。
重油使用量
重油は、前年度に比べ40.5%(対基
準年度比)の減少となりました。
要因は、2007年10月より挾間キャン
パスのボイラー燃料を、A重油からガ
スに転換したことがあげられます。
-13-
- 16. 大分大学
環境報告書
2008
水資源投入量
3
年度 2004
2005 2006 2007
(基準年度)
水資源
449,353 297,716 284,572 289,550
投入量(m3)
対基準年度比
100 66.3 63.3 64.4
(%)
水資源投入量は、前年度に比べ1.1%(対基準年
度比)の増加となりました。
要因は、給水管からの漏水があげられます。
総排水量 3
年度 2004
2005 2006 2007
(基準年度)
総排水量
417,700 274,378 262,891 278,436
( m3 )
対基準年度比
100 65.7 62.9 66.7
(%)
下水量をもって総排水量としました。下水量は、
上水量から、冷却塔の冷却水補給水と散水栓使
用量を差し引いたものになります。
総排水量は、前年度に比べ3.8%(対基準年度
比)の増加となりました。
要因は、2007年度から地下水の購入を始めた
為、濾過装置の洗浄用排水があらたに発生したこ
とがあげられます。
-14-
- 17. 大分大学
環境報告書
2008
温室効果ガス排出量
年度 2004 2005 2006 2007 2
(基準年度)
CO2排出量
16,641 16,624 15,791 15,465
(t-CO2)
対基準年度比
(%) 100 99.9 94.9 92.9
2007年度の総エネルギー投入量は、前年度に比べ増
加しましたが、10月より挾間キャンパスのボイラー燃料
をA重油からガスに転換したことにより、CO2排出量を
前年度に比べ2.0%(対基準年度比)削減しました。
電気(kwh) 0.375 (㎏-CO2) ガス(m 3 ) 2.28 (㎏-CO2)
A重油( ℓ ) 2.71 (㎏-CO2) 上水(m 3 ) 0.36 (㎏-CO2)
灯油 ( ℓ ) 2.49 (kg-CO2)
総物質投入量
大分大学への物質投入には、コピー用紙や水資源の他,実験装置、事務用品等があります。
しかし、物品の使用量は定量的に測定することが難しく、また環境負荷も比較的小さいと考えられることから、コピー
用紙を総物質投入量として公表します。
年度 2004
2005 2006 2007
(基準年度)
コピー用紙
使用量(t) 84.0 78.1 73.5 81.1
対基準年度比
(%) 100 92.9 87.5 96.5
コピー用紙使用量は、前年度に比べ9.0%(対基準
年度比)の増加となりました。
要因は、製紙メーカー変更により、用紙1枚当たり
の重さが増えたことがあげられます。
※上記の使用量は、単価契約より算出した値
年度別総物質投入量
-15-
- 18. 大分大学
環境報告書
2008
廃棄物排出量
■排出量の内訳
年度 2004
2005 2006 2007
(基準年度)
特別管理産業廃棄物(t) 224.0 241.6 197.7 217.9
産業廃棄物 (t) 185.1 115.8 320.4 231.6
一般廃棄物 (t) 399.3 324.8 327.5 220.1
合 計 808.4 682.2 845.6 669.6
対基準年度比(%) 100 84.4 104.6 82.8
104.6
100
84.4
82.8
特別管理産業破棄物は、前年
度に比べ9.0%(対基準年度比)
の増加となりました。
要因は、手術件数及び外来患
者の増加があげられます。
産業廃棄物は、前年度に比べ
48.0%(対基準年度比)の減少と
なりました。
要因は、2006年度が3年に1回
行う2t以上の大型実験廃材の排
出年度だったため増加したこと
があげられます。
一般廃棄物は、前年度に比べ
26.9%(対基準年度比)の減少と
なりました。
要因は、一般廃棄物の分別回
収を徹底し再資源化を図ったこ
とがあげられます。
-16-
- 19. 大分大学
環境報告書
2008
グリーン購入・調達状況
グリーン購入・調達については、“ 大分大学における「環境物品等の調達の推進を図るための方針」について ”
を策定、公表し、これに基づいて環境物品等の調達を推進してきました。
2007年度の調達の状況は、調達127品目中126品目において調達目標を達成しました。以下は、具体的なグ
リーン購入・調達の実績です。
なお、特定調達品には、準特定調達物品等の調達量が含まれています。
分 野 目標値 総調達量 特定調達品 目標達成率
紙 類(7) 100% 102,189 ㎏ 96,323 ㎏ 94.3%
文 具 類(72) 100% 385,620 個 385,620 個 100%
オフィス家具等(10) 100% 1,606 台 1,606 台 100%
OA機器1(8) 100% 1,392 台 1,392 台 100%
OA機器2(5) 100% 34,144 個 34,144 個 100%
家電製品(2) 100% 57 台 57 台 100%
エアコンディショナー等(3) 100% 45 台 45 台 100%
温水器等(1) 100% 17 台 17 台 100%
照 明(3) 100% 7,397 本 7,397 本 100%
消 火 器(1) 100% 103 本 103 本 100%
制服・作業服(1) 100% 926 着 926 着 100%
インテリア・寝装寝具(7) 100% 60 枚 60 枚 100%
作業手袋(1) 100% 1,250 組 1,250 組 100%
その他繊維製品(2) 100% 22 枚 22 枚 100%
役 務(4) 100% 1,982 件 1,982 件 100%
※( )品目数
ポリ塩化ビフェニル(PCB)廃棄物の保存状況
本学では、PCB廃棄物について「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」に基づき、
工学部機械電気工学研究棟の倉庫を保管場所と定め、PCBが外部に漏れ出さないような密閉容器に収納して保管
を行っています。保管状況の届出書を大分市に毎年提出しています。
化学物質の管理
化学物質の適正な管理の促進を目的とした「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に
関する法律(PRTR法)」に基づき毒物及び劇物管理規程を設け、管理責任者と使用責任者を定め管理しています。
また挾間キャンパスはホルムアルデヒドが1tを超えており大分県に第一種指定化学物質の排出量及び移動量の届
け出を毎年提出しています。
アスベスト対策状況
本学の建物には未処置の吹き付けアスベストはありませんが、アスベストが含まれる可能性のある吹き付けロッ
クウール及び吹き付けひる石についてアスベストの含有定量調査を実施した結果、試料採取箇所すべてにおいてア
スベストは検出されませんでした。
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- 20. 大分大学
環境報告書
2008
低炭素社会の実現へ向けた取り組み
CO2削減のため、医学部附属病院ボイラ-2基の燃料を、A重油からガスに転換(転換時期:2007年10月)
CO2
排出量削減
654[t-CO2]
(2,290) 転換 1,636
従来の ガス 単位熱量(GJ)当たりのCO2排出量
A重油 A重油 69.3 Kg-CO2/GJ
の場合
ガ ス 49.5 Kg-CO2/GJ
ガス転換後のCO2排出量 (t-CO2)
※( )内数値は、A重油で想定した場合の数値
大分大学の
CO2排出量
=
CO2排出量
削 減 15日分相当
654[t-CO2]
※大分大学の1日平均CO2排出量は、42.4[t-CO2]
その他、以下のような取り組みも行っています。
・改修工事は、再生資源を活用し、環境負荷の低減(ゴミを出さない)に努めています。
・Hf照明器具の採用
・照明制御センサ-等による、照明管理
・アモルファス変圧器の採用
・節水型器具の採用
・改修工事では屋根及び外壁等の高断熱化及びペアガラスの使用による空調負荷の低減
・空調機の集中監理による効率的な運転
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- 21. 大分大学
環境報告書
2008
■節電対策について ◆旦野原・王子キャンパス◆
下記の内容を学内専用ホームページにて通達し節電対策の徹底を図りました。
1.冷房期間(7月1日~9月10日)及び冷房設定温度28℃を厳守(医学部附属病院は除く)。
2.「私にできる5つのポイント」を適当な場所に貼付。
私にできる5つのポイント
Ⅰ.節電対策
(1) 昼休みの消灯を徹底し、使っていない場所の照明はこまめに消す。
(2) エアコンの温度を適温(冷房時28℃、暖房時19℃)に設定し、使っていない部屋や長時間部屋を離れる場合
はエアコンをこまめに消す。また、エアコンのフィルターの清掃はシーズン始めとシーズン途中1回程度(目安)行う。
・残業時は業務に支障が無い限り、エアコンの電源を切る。
(3) 使わない電気製品はコンセントから抜く。
電気製品を長時間使用しない場合は、コンセントからプラグを抜く。
(4) 必要のないOA機器の電源は切る。退庁時には確認する。
Ⅱ. 節水対策
(1) シャワー(湯沸かし器のお湯)を流しっぱなしにしない。
(2) 手洗い・洗顔時に水道を流しっぱなしにしない。
Ⅲ.節ガス対策
(1) 食器洗いの湯は、低めの温度にする。
(2) 給湯器の火種はこまめに消す。
Ⅳ.コピー縮減対策
(1) 不要なコピーはしない。複写する場合は、両面コピーを徹底する。
(2) 学内通知等は電子メールを活用して,印刷物を減少させる。 印刷する場合は、使用済裏面も活用する。
(3) 会議等での配布資料は、必要最小限に努める。
Ⅴ.ごみ対策
(1) 無駄なごみは出さないようにする。
(2) ごみの分別を徹底する(リサイクルの徹底)。
(3) なるべくリサイクル製品を購入する 。
◆挾間キャンパス(医学部・医学部附属病院)◆
■交通問題から見た環境整備
◎立体駐車場の設置にあたり、周辺の樹木を可能な限り維持しました。(2007年度)
◎仮設駐車場の設置にあたり、高木や周りの雑木は残し、アスファルト舗装は行わず環境に配慮したものとし
ました。(2007年度)
■学内の省エネルギーへの取り組み
◎医学部における省エネルギーの推進体制
・省エネルギー推進委員会で、エネルギーの効
率的使用について総合的に審議を行い、省エ
ネルギーの推進を図っています。
・医学部ホームページに、毎月の光熱水量の使
用実績を公表し、省エネを呼びかけるとともに、
省エネのアイデアを募集しています。
随時アイデアを募集しています
省エネにピーン と来たらこちらまで↓
:youdo1@med.oita-u.ac.jp
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- 22. 大分大学
環境報告書
2008
・毎日正午に、「医学部省エネルギー推進委員会」より、昼休みの消灯、パソコン等の電源の切断を全館放送し、節電
を呼びかけています。
・節水コマを設置し水使用量を抑制
・ トイレに擬音装置を設置し水使用量を抑制
・ボイラー燃料を重油からガスへ転換しCO2削減を実施 (2007年10月実施)
・会議資料をサーバーに登録し、備え付けのPCを利用して会議を実施することにより、ペーパレス化を図っています。
(2006年度~:病院連絡会)
■医療系廃棄物の適正処理
医学部及び附属病院で発生する使用済注射針、血液・体液などの付着したガーゼ、布類などの医療系廃棄物の管
理・処理方法に関しては他の廃棄物と区分し、法により厳しくその取り扱いが規定されています。
医学部では、医療系廃棄物は所定の専用容器等を使用し、ある程度蓄積されると業者が回収し焼却処分等の中間
処分を行った後、公認の最終処理施設で埋め立ての処分を行っています。
尚、これらの廃棄物の排出にあたっては、種別ごとに産業廃棄物処理票(マニュフェスト)に記載することとなってお
り、排出から最終処分までの処理が適正であるかを確認しています。
■廃棄物の抑制・リサイクル
◎廃棄物の分別回収の徹底によるリサイクルの推進。医学部ホームページにゴミの分別表を掲載し、関係者に協
力を依頼しています。
◎医療系廃棄物以外の廃棄物については、ビン・カン等の不燃物及び紙類の分別回収を行うなどリサイクルやゴミ
の減量化に努めています。
◎例年、環境月間に教職員による「挾間キャンパス周辺美化運動」を実施し、廃棄物分別処理・減量等の必要性・
重要性の再認識を図っています。
◎書類のシュレッダー搭載車処理よるリサイクル資源化。(2007年度~)
◎廃プラスチックの分別によるリサイクル化への取組み。(2006年度~)
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- 23. 大分大学
環境報告書
環境マネジメント体制 2008
本学の環境マネジメント体制は、環境報告書作成体制として、施設環境整備部門会議で環境報告書
の審査を行い環境マネジメント対策推進会議に報告します。
また、各学部等から選出したメンバーで構成された環境報告書の作業部会として、環境専門部会
が置かれています。
(2007年度~)
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- 24. 大分大学
環境報告書
2008
環境教育の実施状況
大分大学では、多くの環境関連の講義が開講されています。
2007年度には、約120もの講義が総計約1300時間開講され、延べにして約860名の学生が受講しています。
中でも、 教育福祉科学部の生活環境福祉コースの環境分野では、環境問題の解決を人間福祉の実現のための
重点課題とし、 快適で安全な生活に相応しい環境のあり方を自然科学の立場から探究しています。
本学で開講されている環境関連の科目名は以下のとおりです。
環境関連の科目名(2007年度開講)
(教育福祉科学部)
環境物理学、住環境論、表現と環境、人間と環境、生活科(小)、地域と環境、生物学Ⅱ、環境生物学Ⅰ・Ⅱ、環境
生物学実習Ⅰ・Ⅱ、海浜環境生物学、環境科学入門、環境化学概論、基礎環境化学実験Ⅰ・Ⅱ、地球化学、地形
環境論、地域地形論、自然地理学実習、地形学演習、大気海洋科学Ⅰ・Ⅱ、気象海洋学実験Ⅰ・Ⅱ、環境教育、
環境教育演習、環境科学概論、地球科学、地質学概論、生活環境福祉関連外書講読、環境生物学概論、生活環
境とホルモン地学Ⅱ、理科指導法(小)、理科指導法(中)、理科授業論、体験実習Ⅰ・Ⅱ、基礎ゼミⅠ・Ⅱ、理科教
育学演習Ⅱ(大学院)、地学実験Ⅰ・Ⅱ、家庭科指導法(小)、家庭科指導法(中)、消費者教育、消費生活論など
(経済学部)
地域と交通、地域社会へのまなざし、開発経済論、経済地理学Ⅰ、日本経済史Ⅱ、マーケティング論Ⅱ、都市経
営論Ⅰ・Ⅱ、経済学Ⅲなど
(医学部)
微生物学、人間発達学、臨床心理学、人間関係論、公衆衛生、疫学、保健政策論、社会福祉学、健康科学、疾
病論Ⅰ~Ⅶ、看護学概論、生活行動論Ⅰ、基礎看護技術Ⅰ・Ⅱ、看護アセスメント学Ⅰ・Ⅱ、成人看護学概論、母
性看護学概論、小児看護学概論、精神看護学概論、老年看護学概論、地域看護学概論、生活行動論Ⅱ、看護
倫理、クリティカル・ケア、家族看護学、ターミナルケア、医学のための哲学、人体構造概略、組織学、生理学、生
化学、病理学、病原体、薬理学、免疫・血液、呼吸器、消化器、循環器、腎・泌尿器、内分泌・代謝、運動器、皮膚、
神経・筋、行動・精神・心理、ライフサイクル医学、特殊感覚器・頭頚部、治療、周術期医学、社会医学、健康科学
論、看護のための心理学、看護のための生物学、国際看護論ドイツ語Ⅰ~Ⅳなど
(工学部)
建築環境工学Ⅰ、建築環境工学Ⅰ演習、建築環境工学Ⅱ、建築環境工学Ⅱ演習、建築環境計画Ⅰ、建築環境
計画Ⅱ、建築環境計画Ⅲ、福祉環境工学総論、環境工学、エネルギーと環境、デザイン実習、エネルギーシステ
ムデザイン、電力エネルギー工学、ヒューマン・インタフェース、コンピュータグラフィックス、応用化学入門Ⅰ、応
用化学入門Ⅱ、都市計画、都市システム工学、福祉住居論、福祉環境計画など
教養教育科目(全学共通)
(自然分野) 大気のはたらき、建築環境計画、地球環境とエネルギー
(課題コア~環境~) 森と人間の文化史、大野川~川から学び、川に遊ぶ~、大野川Ⅱ~大野川、世界へ~、
蒲江・豊後水道~海から学び海で遊ぶ~、環境の化学、科学物質と環境影響、地球の気象を探る、土地利用論、
海洋開発・環境政策など
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- 25. 大分大学
環境報告書
2008
附属学校での環境教育の取組
◆附属小学校◆
本校は栄養の調和がとれた献立を考え、安心・安全な食材を使って
栄養士と調理員が衛生面に配慮しながら給食を作っています。子ども
が食べる給食の量も学年の発達段階を考慮しています。
しかし、このような給食室の努力にもかかわらず残菜の量は少ない
とはいえない状況でした。
給食室でも味付けや組み合わせ、食材の切り方や量などを検討し
少しでも残菜を減らす努力を続けていました。
また、毎日各学級に給食クイズを配布するなどの工夫も試みましたが
大きな変化は見られない状態でした。
何とかこのような状況を改善しようと検討を続けていたとき、空っぽ
の食缶を差し出して「全部食べたよ」と声をかけるクラスがありました。
給食の栄養士は「すごいね」と賞賛するとともに空っぽの食缶をデジ
カメで撮影し提示しました。
これがきっかけになって、『給食空っぽカレンダー』が始まりました。
『給食空っぽカレンダー』には完食した食缶やボウル、子どもた
ちの姿が貼り付けられます。その写真の回数を数え、定期的に発
表することにしました。子どもたちはこれが励みになり、給食を完食
する学級も増えてきました。
このニュースを取材した放送センターが『給食空っぽカレンダー』
のことを全校に放送しました。これにより『給食空っぽカレンダー』
が全校に広がって完食する学級が増え、残菜の量が減っていった
のです。
今回の実践は子どもの競争意識を刺激した実践になりましたが
子どもに具体的な最終像を描かせ達成度合を確かめることで意欲
化を図ろうとしたことに効果が見られた実践でした。
子どもたちは今日も『給食空っぽカレンダー』を楽しみにして、給
食の完食を続けています。
このような事例をきっかけにして食育を展開し、自分の食生活を
自分で作っていく子どもの育成に努めていきたいと考えます。
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- 26. 大分大学
環境報告書
2008
◆附属特別支援学校◆
大分大学教育福祉科学部附属特別支援学校では、領域・教科を合わせた指導の『作業学習』で、リサイ
クルに関する学習を行っています。
[中学部の作業学習「たい肥を使った配合土づくり」]
ふるいにかけ土にならないものを除去する たい肥や牛ふんを運搬する
中学部では、校内の落ち葉や雑草などで作ったたい肥を有効に活用し、牛ふんや古土、赤玉土と混ぜ、花
や野菜を植える配合土に再生させる学習に1年生が取り組んでいます。
この学習は1年を通して行っており、たい肥掘り、土ふるい、配合の作業工程にそって、生徒が主体的に取り
組んでいます。
出来上がった配合土は、2年生がお世話をしている花だんに使うだけでなく、各家庭にも配り、リサイクルの
意識を高められるようにしています。『学校中をきれいな花でいっぱいにしよう』を合言葉に、美のある学校にも
貢献しています。
[高等部の作業学習「空き缶リサイクル」]
高等部は、家庭や学校で消費されるアルミ缶
を収集し、分別処理をする学習を1年生が行っ
ています。
生徒は、この学習を通してゴミの分別収集に
ついての理解を深め、自立的な家庭生活を送る
ための基礎的な内容を学ぶことができると考え
ています。
年度当初に同内のキャンパス附属学校園に
空き缶回収の依頼を行った後は、「回収作業」と
「分別→洗う→つぶす」作業になりますが、回収
した空き缶にはゴミが入っていたり、スチール缶
が混じっていたりするなど、そのまままとめてリ
サイクルに回せるものばかりではありません。
ゴミの捨て方を考える上でも、効果的な学習
の場になっています。
洗浄した缶をつぶす作業
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- 27. 大分大学
環境報告書
2008
環境に配慮した研究
地球温暖化の影響による亜熱帯地域の感染症拡大に関する疫学研究
牧野芳大(大分大学医学部感染分子病態制御講座(公衆・衛生医学第1)
江下優樹(大分大学医学部感染分子病態制御講座(感染予防医学)
1.大分県内のコウモリ生息地での衛生昆虫の調査
大分県内に生息するコウモリからYokoseウイルスが1971年に分離されました。
地球温暖化と相まって、吸血性昆虫が媒介すると推定されている本ウイルスが、現在も活動しているか否かを検
証するために、2004年から調査を始めています。大分川近くの井路で、コウモリの活動観察、飛来昆虫の採集を
行っています。蚊の採集は、午後6時から7時頃の薄暮時に、CDC型ライトトラップ(炭酸ガス併用)(写真1)、モス
キートマグネットおよび捕虫網を用いて行っています。採集した昆虫は吸血性昆虫と非吸血性昆虫に分けます。
吸血性昆虫は、さらに蚊または蚊以外に細分します。種類を分けたサンプルは、ウイルス分離を行うために-80℃
に保管しています。現在までの成績をまとめますと、
(1)調査した井路には、コウモリが生息していることを超音波検知器で確認しました(写真2)。
(2)蚊の採集時間帯は同じでしたが、薄暮から暗夜に変化する時間帯は季節によって変わり、また、気温、風力
などの要因も加わって採集個体数と飛来昆虫の種類は、微気象に影響して変動しました。
(3) 蚊の種類は、ヒトスジシマカ、オオクロヤブカ、コガタアカイエカ、アカイエカなどが採集されました。蚊以外の
吸血昆虫では、ヌカカ、ブユ、非吸血昆虫では、タマバエ、チョウバエなどが採集されました。風のある日は、
捕虫網を空中で振っていると非昆虫類のクモ類が採集されました。
(4)採集方法と採集個体数を検討しまして、捕虫網を用いた採集法が採集数と種類数において最もよい結果とな
りました。その次に、モスキートマグネット、CDCライトトラップ(炭酸ガス併用)の順でした。
(5)Yokoseウイルスは、コウモリおよび蚊から検出されていません。(本研究は、国立感染症研究所、(株)大分
イカリテクノス、(有)日東防疫、コクエイ消毒(有)、大分県衛生環境研究センターとの共同研究で行われて
おります。また、コウモリの調査は許可を得て行っております。)
写真1.炭酸ガスボンベによる炭酸ガスを併用 写真2.井路内のコウモリ
したCDC型ライトトラップによる蚊採集
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- 28. 大分大学
環境報告書
2008
2.国内およびアジア諸国の蚊媒介性感染症の疫学調査
大分県内、およびタイなどの東南アジア諸国で蚊媒介性感染症の疫学調査を行っています。蚊は、日本脳炎ウ
イルス、デングウイルス、チクングニアウイルス、ウエストナイルウイルス(西ナイルウイルス)等をヒトに媒介する
可能性があります。
日本脳炎の患者数は、日本国内では減ってきましたが、ウイルス増幅動物である豚は、今でもその感染が認め
られます。国内の患者が減って来ている中で、発見されるウイルス株に変化が生じています。1990年代に東南ア
ジア由来の日本脳炎ウイルス1型が日本に認められるようになり、現在は主流の型となっています。また、イノシ
シなどの野生動物からウイルスが分離され,またウイルス抗体も認められていることから、コガタアカイエカ以外
の蚊による媒介が示唆されています。また、デングウイルスは第二次世界大戦終結後に、デング熱患者の勃発
が日本の主な港湾地域で認められました。土着のデング熱は日本にありませんが、流行地からの帰国者の中に
感染者が認められ、関東地域だけでも年間50名ほどの患者が報告されています。この数年、デング熱より軽症と
思われていたチクングニア熱での死者が報告されて以来、東南アジアで流行の兆しが認められ、日本への侵入
が危惧されています。
ウエストナイルウイルスによる西ナイル熱は免疫のない米国で大流行となり、西ナイル脳炎の患者発生が問題
となっています。これらの疾患の発生には、環境要因としての地球温暖化による加速があげられます。
2007年は、タイ国でデング熱患者の家から、媒介蚊のネッタイシマカを採集しました。患者の発生した家の中に、
感染蚊が何匹潜んでいるかを調査して、ヒトが感染する前に警告が発せられるような感染指標(インデックス)を確
立したいと考えています。患者の家には高率に感染蚊が潜んでいることがわかりました。日本にはネッタイシマカ
によく似たヒトスジシマカが竹やぶなどに潜んでいて、昼間吸血する習性があります。国際空港では空港デング
熱という概念があり、航空機が媒介蚊を運ぶ事例が九州でも新聞報道されました。ヒトと同様に蚊の検疫を実施
する必要がありますので、空港近辺で採集した蚊がネッタイシマカかどうかを調べるための迅速な方法の開発も
行っています (写真4)。(本研究は、タイ国マヒドン大学熱帯医学部との共同研究で実施しています。)
個体番号
重
分
子
の ヒトスジシマカ
重
さ ネッタイシマカ
軽
写真3.吸血中のネッタイシマカ成虫
写真4.遺伝子レベルでの分子鑑別実験写真
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- 29. 大分大学
環境報告書
2008
化学工学を背景とした環境に関する研究 工学部 応用化学科 平田 誠
化学工学という学問は、製造プロセスの開発・設計・操作の効率化とともに環境安全性を高めるために生まれてき
た学問であるため環境に配慮することが基本となりますが、ここでは特に環境保護のために開発を行っているもの
についていくつか紹介します。
1.水環境に関する研究 流出
別府湾においても赤潮が問題となっており、大分の貴重な水産資
源への被害が懸念されています。このような赤潮の原因となるのが
、窒素や燐などの富栄養化物質であり、これらの除去に関する研究
を行ってきました。排水中窒素の中でも硝酸の除去(脱窒)は容易で
はなく通常は有機物の添加や制御を必要としますが、独立栄養細
菌(硫黄酸化細菌)、固体球状硫黄粒子、石灰石を利用することで
流入
制御不要の装置を開発しています(図1)。
この細菌は必要量の硫黄を硫酸にして脱窒し、石灰石は溶解して
pHを調整するため管理が容易であり、発展途上国などにも導入可能
であると考えてます。また燐については、燐鉱床の枯渇が懸念され
ている中、我が国は食糧自給率があまり高くなく、食料品とともに多
量の燐が輸入され消費されている状況にあるため、河川水などに含
図1 独立栄養細菌を用いた脱窒処理
まれる低濃度の燐を効率よく回収する吸着剤の開発をしています。
吸着剤はアルミナを基材とし、再生法についても検討を行いました。上記は主に生活排水に由来する汚濁物質の
除去に関する研究ですが、工業廃水については、石炭火力発電所の脱硫排水や温泉水中に含まれるほう素のア
ルコールによる抽出回収除去や、重金属や染料を含む工業廃水を生物処理するためのコンパクトな装置・操作法
の開発の他、佐伯市の補助事業として、長尾製作所、安東工業所、豊州モールド、高橋水産、大分TLOとともに水
産物加工場排水を簡易的に処理するための装置を開発しており、主にこれら水環境に関する研究と後述の研究に
ついては別府にて12月に開催された第1回アジア・太平洋水サミットにおいて紹介しました。
2.廃木材を原料とした無添加ボードに関する研究
これまでは廃木材をボード化するために接着剤やプラスチック樹脂を
用いていますが、木材チップを高温・高圧で成形することによりそれら
化学物質を添加せずにボード化することが可能です(図2)。
これは木材中にセルロースとともに含まれるリグニンという物質を接
着剤としてうまく活用しているためです。このような方法で作られたボー
ドは、シックハウス症候群などの問題がなく、表面が炭化しているた 図2 加圧高温処理ボード
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- 30. 大分大学
環境報告書
2008
め腐敗しにくいばかりでなく、断熱材や吸音材としての機能も期待できるものです。ここでは、ボード化の過程を化学
的に検討し、成形条件とボードの特性の関係について明らかにしています。
3.LSI製造工程から排出される廃棄物の再資源化
本研究は、ソニーセミコンダクタ九州、東芝、東芝LSIパッケージ・ソリューション、日本テキサス・インスツルメンツ、NEC
セミコンパッケージ・ソリューションズとともに大分県LSIクラスター形成推進会議の産業廃棄物処理分科会の4ワーキン
ググループにおいて実施しているものであり、廃溶媒、廃シリコンや廃モールド樹脂の再資源化について検討しました。
廃溶媒については、まず成分分析により再資源化可能と思われるものを選別し、蒸留による単離を試みました。また、
類似した物質を反応により変換し、吸着分離を組み合わせることにより回収量の向上を検討しました。現在コスト的に有
利な蒸留のみによる回収については、既に商業的に稼働しています。
廃シリコンは、ウェーハの裏面を所定の厚さに研磨するバ
ック・グラインディング工程より排出され、排水中に含まれ
ます(図3)。
ここでは、シリコン汚泥の回収方法や用途について検討
しました。用途については、太陽電池の原料とすることが
望ましいと考えられましたが、国内では行っていない事業
であり、現在も検討中です。大学においては、主に廃シリコ
ンを非鉄系の脱酸素剤として利用するための研究をしてい
ます。現在多く用いられている鉄系の脱酸素剤とは異なり
金属異物の検知が可能となるため、本脱酸素剤により食 図3 シリコン汚泥
の安全性が高められると考えています。
また、LSIのパッケージを製造する際に排出されるカルや
ランナーなどの廃モールド樹脂については,2006年度から
2007年度にかけて大分県循環型環境産業創出事業として
、本吉建設、東芝LSIパッケージ・ソリューションとともに再
資源化を検討しました。コストなどの観点から、粉砕してプ
ラスチックのフィラー(充填物)として用いることを提案し、
車止めなどを試作しました(図4)。
図4 廃モールドをフィラーとした車止めの成形
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- 31. 大分大学
環境報告書
2008
4.生分解性プラスチックの効率的生産法の開発
従来のプラスチックは、安定性が高すぎるため、廃棄やリサイクルに問題があるばかりでなく、誤食により毎年多くの
海鳥、イルカやウミガメなどの命を奪っているとされています。ここで対象としているポリ乳酸は、石油を原料せず、地
球温暖化の原因となる二酸化炭素を固定化し、さらに生分解性を有するため、環境に優しいプラスチックとされていま
すが、価格が高く広く普及するまでに至っていません。
ここでは、生ごみなどを原料として、ポリ乳酸の原料となる乳酸を効率的に生産する手法を開発しています。クモノス
カビを用いた発酵により、残飯や廃野菜などから直接乳酸が効率的に得られることを明らかにしています(図5)。
また、乳酸菌を用いた発酵は、生産性が高いものの原料として高価な天然培地を必要とするため、魚のアラなどを原
料としてそれに代わる培地を製造することを検討しています。
材料再利用
廃野菜 ポリ乳酸
生ごみ
精製・重合
乳酸
クモノスカビ
生分解
発酵
残渣
発酵
肥料
図5 生ごみや廃野菜を用いたポリ乳酸生産のスキーム
■環境に関するその他の研究
•ダイオキシンを発生しない媒体法フロン破壊装置の開発 工学部応用化学科 瀧田 祐作
•地球温暖化対策の為の木材・竹材利用技術 工学部福祉環境工学科 井上 正文
•地球温暖化の影響による亜熱帯地域の感染症の拡大に関する研究 医学部 江下 優樹
•次世代電磁力応用機器開発技術の構築 工学部電気電子工学科 榎園 正人
•クロロフィルの光アンテナ機能を利用した水素生産・水の燃料化材料の開発 工学部応用化学科 天尾 豊
•緑地環境の保全に関する研究地球観測衛星データの活用した都市環境解析 工学部福祉環境工学科 小林 祐司
•大分県水系における希少魚種の保全について 教育福祉科学部 高濱 秀樹
•リサイクル志向の製品開発に関する比較研究 経済学部 松隈 久昭
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環境報告書
2008
環境関連の講演・イベント等
学外の環境関連の講演会や、公開講座、イベントなどに教員や学生が積極的に協力、県内全域に出掛けて
支援しています。
■いい川シンポジウム in 大分
2008年3月9日、本学で「“いい川”シンポジウムin大分」が
開催され、河川管理者や河川・水問題に関わるNPO法人
の関係者など、約200名が参加しました。
このシンポジウムは、2007年12月に大分県で開催された
第1回アジア太平洋水サミットの提言を受け、「大野川流域
懇談会」との共催で、今後の水環境問題に関わる活動の理
解を深めることを目的としています。
分科会では「生活環境・水環境・美化」「地域づくり・川づく
り」「環境体験学習」の3テーマが行われ、運営には30名の
いい川シンポジウムIn大分の様子
学生がスタッフとして参加しました。
■学外の環境関連講演会
今後このシンポジウムが『大分水フォーラム』というかたち
・大分の水に関する講演 (大分県内各地)
で発展することを期待しています。
・南部公民館 子供教室 (観察・実験実習)
・環境に関する講演 (福岡・原生林を守る会)
・ジュニアサイエンス 学内の自然観察
(市内の小学生と保護者が対象)
・附属幼稚園 自然観察
・大分舞鶴高校 スーパーサイエンス課題研究指導
・大分大学近辺地域のごみ問題調査
・大分の地震環境に関する講演
1,別府北部公民館での講演
自然観察会の様子
2,九州・沖縄国立大学
防災・環境ネットワークシンポジウム2007での講演
3,新日鐵での講演
・無垢島における小中学生を対象とした体験学習
■学内の環境関連講座
・環境・生体に配慮した研究・教育条件の開発
・第30回生体分子構造機能制御講座セミナー
「北極圏動物の臓器障害」
地層見学会の様子
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- 33. 大分大学
環境報告書
2008
■ 親子が大学のキャンパスで自然体験
「親と子の大学キャンパス自然観察会」を本学で開催しました。
この事業は、大分南部公民館の「ネイチャー・ウォーキング・スクール」の活動の一環として、1997年度から本学
と連携して、春の部と秋の部の2回、親子が緑豊かなキャンパスを探検したり、自然を使ったものづくりなどを体験
しています。
春は、約40名の親子が参加し、キャンパス内の自然観察を行い「カマボコの由来である蒲(がま)」「お札の原料と
なっている楮(こうぞ)」などの説明を受け、子どものみならず保護者も興味深く聞いていました。引き続き行われた
「ものづくり体験」では、竹を使って「水鉄砲」「紙鉄砲」「花瓶」を作り、いたるところで親子の楽しそうな笑い声があ
がっていました。
秋には、約30名の親子が参加し、秋の草花の説明を受けどんぐり拾い等をしました。
その後行われた「ものづくり体験」では、どんぐりを使った「こま」や「やじろべえ」、秋の草花を使った万華鏡を作り、
親子で秋の自然を満喫していました。
ものづくり見学会の様子
■ おおいた学生水フォーラム開催 自然観察会の様子
2007年12月3日に、「おおいた学生水フォーラム」が大分の別府市で開催されました。このイベントは、本学をはじ
めとする県内大学等の主催により、第1回アジア・太平洋水サミットのオープンイベントとして開催されたものです。
フォーラムは第1部として、アルピニストの野口健氏が「第1回アジア・太平洋水サミット開催へ向けて-ヒマラヤ山
脈の流域国を訪ねて-」と題した記念講演を行い、ヒマラヤ山脈の氷河が溶け周辺国の流域に被害をもたらす危険
性を訴えました。
第2部では、モンテ・カセム立命館アジア太平洋大学長の開会宣言の後、「学生水サミット-学生から見た大分と
世界の水事情-」をテーマに、大分県内の5大学7名の学生による研究成果発表が行われました。
最後に、発表者と4大学の教授による討論が行われ、記念すべきフォーラムを総括しました。
大分県内の学生が共通のテーマで互いに研究成果を発表する機会はこれまでなかったため、地域の大学間の連
携を推進する上でも、今回のフォーラムは意義あるものとなりました。
野口健氏講演の様子 おおいた学生水フォーラム会場の様子
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- 34. 大分大学
環境報告書
2008
■キャンドルナイトin分大 -和-
2007年6月29日に本学学生センター横憩いの広場で、昨年に引き続き「キャンドルナイトin分大」が開催されまし
た。これは、照明を消し最低限の明かりで過ごす全国的な省エネ運動の一環として大分県が取り組んでいる「121
万人夏の夜の大作戦-キャンドルナイト」に賛同、本学の学生団体である「B-net」と「国際交流ボランティア会」
が共同で主催したものです。
今年は竹筒のオブジェの中にキャンドルを入れて灯すなど「和」をテーマに会場をデザインし、メインストリート沿
いにもキャンドルを並べました。
陽が落ち始め会場が薄暗くなってから、キャンドルに火を灯し、幻想的な雰囲気の中で邦楽部が演奏。
20時頃に、日本列島をデザインしたモニュメントに参加者全員が火を灯しました。
留学生やボランティア会の学生など総勢50人近いスタッフが参加し、手作りキャンドル1200個・紙灯篭800個を作
るなど、準備は大変でしたが、キャンドルも終盤になるとスタッフでない一般の学生まで手伝ってくれて交流の輪が
広がりました。
キャンドルナイトの様子
■省エネルギー活動
・執務室での軽装(クールビズ)の励行
(6月~9月)
■環境整備活動
・大学周辺美化運動
(教職員による大学周辺及び構内の空き缶等
ゴミ回収)
・PTA環境委員会による整備活動
(生徒昇降口・玄関及び中庭)
・附属幼稚園PTA(保育室・テラス清掃)
・親子清掃(校舎内附属小学校PTA)
・クリーン作戦(旦野原キャンパス及び周辺地域
の清掃活動)学生組織(文化会及び体育会)に
よる清掃活動として、旦野原キャンパス及び周
辺地域の清掃活動を実施。時期は5月と10月に
各2回計4回実施し、延べ400名の学生が参加し
ました。
大学構内・周辺ゴミ回収の様子
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- 35. 大分大学
環境報告書
2008
■禁煙活動■
■「禁煙ポリシー07」の策定と行動計画
2007年6月25日開催の役員会において、大分大学旦野原キ
ャンパスにおける「禁煙ポリシー07」とそれに伴う行動計画を
決定し、2008年度中の旦野原キャンパスでの全面禁煙に向
けて行動することになりました。なお、医学部のある挾間キャ
ンパスでは、2007年1月から、附属学校園のある王子キャン
パスでは、2007年4月から、既に敷地内全面禁煙が実施され
ています。この決定を受けて、
旦野原キャンパスでは・・・
◇キャンパス内では指定された喫煙場所(固定)以外での
喫煙は禁止
◇保健管理センターが主体となって禁煙サポートを推進
◇「禁煙教室」を開催し、参加学生・職員に禁煙パッチを無
料提供
◇たばこのポイ捨て、指定場所以外での喫煙に対して注意
喚起をしています。
既に、挾間キャンパスでは・・・
◇喫煙指定箇所のスモーキングスタンド等の撤去
◇敷地内全面禁煙の励行掲示
◇職員へのメール通知
◇タバコの吸殻拾い
等様々な周知及び監視等をおこなっています。
また,附属病院内においてはキャンパス内禁煙推進について、附属病院来院者(患者さん、ご家族、お見舞いの方
など全て)の理解と協力を得るため、1日に2回、院内放送により注意喚起しています。
■喫煙防止対策講演会及び禁煙教室
禁煙を推進するため、喫煙防止対策講演会及び禁煙教室を開催しています。
2007年度は、6月27日に講演会、7月12日に本学保健管理センター 寺尾所長、8月20日、11月6日に奈良女子大
学保健管理センター所長 高橋裕子教授、禁煙マラソン事務局長 三浦秀史氏を講師として、開催しました。多く
の学生、教職員が参加して、身近なタバコの害について学びました。
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- 36. 大分大学
環境報告書
2008
環境に関する地域行政への連携
大分大学の多くの教員が、学識経験者としての立場から県内の環境に関する審議会等に参画し協力しています。
以下の表は本学教員が参画した2007年度の環境に関する審議会等の一覧です。
審 議 会 等
・ 大分県自然環境保全審議会
・ 大分県産業廃棄物審査会
・ 大分県公害審査会
・ 大分県環境審議会
・ 大分県桂川流域委員会
・ 大分県地球温暖化防止活動推進センター指定団体選定委員会
大分県 ・ 大分県リサイクル製品認定審査委員会
・ 大分県都市計画審議会
・ 大分県産業廃棄物リサイクル施設等整備支援事業選定審査会
・ 大分県環境影響評価技術審査会
・ 大分県ごみゼロおおいた作戦 県民会議
・ 大分県ごみゼロおおいた作戦 百人委員会
・ アジア・太平洋水サミット大分県委員会
・ 大分市リサイクルプラザの管理運営のあり方に関する検討協議会
・ 大分市リサイクルプラザの大分エコライフプラザ企画運営業務委託予定者選定等委員会
・ 大分市放置自動車廃物判定委員会
・ 大分市城址公園周辺地区景観協議会
・ 大分市産業廃棄物適正処理指導計画策定委員会
・ 大分市産業廃棄物審査会・産業廃棄物処理施設等設置検討委員会
大分市産業廃棄物審査会・大分市産業廃棄物処理施設等検討委員会
・ 大分市(仮称)地球温暖化対策市民会議
大分市 ・ 大分市都市計画審議会
・ 大分市清掃事業審議会
・ 大分市景観審議会
・ 大分市環境審議会
・ 大分市開発審査会
・ 大分市緑の政策審議会
・ 新大分市緑の基本計画策定委員会
・ 戸次本町修景整備専門委員会
・ CO2削減検討市民会議
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- 37. 大分大学
環境報告書
2008
審 議 会 等
アジア・太平洋水サミッ
・ アジア・太平洋水サミット大分県委員会
ト大分県委員会
別府市 ・ 別府市都市景観審議会
臼杵市 ・ 臼杵市まちづくり基本計画策定委員会
佐伯市 ・ 佐伯市エコセンター番匠環境保全委員会
佐伯市 ・ 佐伯市環境審議会
中津市 ・ 中津市環境審議会
宇佐市 ・ 宇佐市バイオマスタウン構想策定懇話会
宇佐市 ・ 宇佐市地域公共交通会議
豊後大野市 ・ 豊後大野市水道水源審議会
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- 38. 大分大学
環境報告書
2008
法規制の遵守
教育研究事業活動のあらゆる側面において、環境に関する法令や地方自治体の条例等を遵守しています。
法令の名称 関係する主な事業活動
大気汚染防止法 ボイラー・自家発電設備の運転に伴うSOx、NOx、ばいじん等の
排出の管理
下水道法 キャンパス内から公共下水道へ流す排水の管理
騒音規制法 自家発電設備・建設工事等に伴う騒音の発生防止
特定化学物質の環境への排出量 キャンパス内で使用する化学物質の環境への排出管理
の把握及び管理の改善の促進に関
する法律
毒物及び劇物取締り法 毒物及び劇物の適正な管理
ダイオキシン類対策特別措置法 現在焼却炉はすべて稼働停止
廃棄物の処理及び清掃に関する法 教育・研究活動によって発生する廃棄物の適正な管理
律
エネルギーの使用の合理化に関す 第一種管理指定工場(挾間キャンパス)・第二種管理指定工場
る法律 (旦野原キャンパス)におけるエネルギーの使用の合理化
ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な PCBの適正な管理
処理の推進に関する特別措置法
吹き付けアスベスト関する法 現在未処理の飛散性アスベストはない
化学物質等の安全管理・安全衛生
法令等に基づき,次のとおり実施しています。
※有機溶剤障害予防規則関係
有機溶剤使用箇所の曝露濃度の測定、6ヶ月毎に年2回
健康診断を6ヶ月毎に年2回の受診義務
有機溶剤予防規則に規定する第1類物質及び第2類物質の作業環境測定
※特定化学物質障害予防規則関係
特定化学物質使用箇所の曝露濃度の測定、6ヶ月毎に年2回
健康診断を6ヶ月毎に年2回の受診
特定化学物質障害予防規則に規定する第1類物質及び第2類物質の作業環境測定
※作業環境測定法,同施行令,施行規則関係
局所排気装置の定期自主点検
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- 39. 大分大学
環境報告書
2008
第三者のコメント
環境問題は世界全体で考えなければならない重要課題となっています。今年は京都議定書による温室効
果ガス削減の約束期間入りや洞爺湖サミットにおいて地球温暖化対策等の諸問題が協議され、我々の環境
問題に対する役割は益々重要となっています。
さて大分大学は一昨年より環境報告書を作成しており、昨年指摘していました「中長期的な環境負荷削減
計画」を策定するなど昨年より環境マネジメントシステムの深度化が図られ、真摯な取り組みがなされている
ことが伺えます。また、環境負荷低減については、ボイラー燃料の変更など温室効果ガス排出量を削減して
いる等は評価されますが、総エネルギー投入量は昨年より増加しています。増加の要因については新規イン
フラの整備や気候の変動も考えられますが、省エネルギーに対しさらに取組む必要があると思われ、削減目
標を達成するための具体的アクションプランの策定が必要であると考えます。
環境報告書を作成し、低炭素社会の実現に向けた大分大学の活動を公表することにより、地域社会との
環境コミュニケーションを図り、さらなる環境問題への取組を期待します。
新日本有限責任監査法人
環境CSR担当マネージャー 吉村祐二
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- 40. 大分大学
環境報告書
◆編集後記◆ 2008
大分大学環境報告書2008が完成し公表の運びとなりました。大分大学で
は、環境負荷削減目標として5年間で5%縮減を行うべく努力しているところ
です。
本報告書で記載しているとおり、温室効果ガスの排出量については前年度
に比べ2.0%削減することができましたが、総エネルギー投入量では2.1%の
増加となりました。増加した要因として、施設設備の増設や気象条件等が考
えられますが、環境負荷削減の難しさを改めて痛感しており、今後より一層
の環境負荷削減を推進する必要があります。
大分大学は法人化後4年を経過し、教育・研究・地域連携・医療の充実を
図ってきました。今後、さらなる充実を図ることに伴いエネルギーの消費・環
境負荷の増加が懸念されますが、地球温暖化というかつてない危機に直面
している今、環境方針の基本理念の下、教職員・学生が一体となり教育・研
究活動の活性化と環境負荷の低減を両立させ、環境活動を継続的に行うべ
きだと考えます。
環境専門部会長
財務担当理事 栗城 繁夫
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- 41. 大分大学環境報告書2008
◆ 参考にしたガイドライン ◆
環境省「環境報告書ガイドライン2007年度版」
◆報告書対象組織 ◆
旦野原キャンパス
(教育福祉科学部、経済学部、工学部)
挾間キャンパス
(医学部、附属病院)
王子キャンパス
(附属学校園)
中津江研修所、鶴見研修所、
別府職員会館、国際交流会館
大学全キャンパス等を捕捉
(職員宿舎等を除く)
◆ 報告対象期間 ◆
2007年4月~2008年3月
◆ 発行日 ◆
2008年9月
◆ 作成チーム ◆
環境専門部会
◆ 連絡先 ◆
国立大学法人大分大学
http://www.oita‐u.ac.jp
(財務部施設企画課・施設管理課)
〒870-1192 大分市大字旦野原700番地
TEL 097-554-7495
FAX 097-554-7435
E-mail keikaku@ad.oita-u.ac.jp