1. 日本版フェアユース導入の是非 Takuya Saito

2. フェアユースとは？ 「権利者の利益を不当に害さない 一定の範囲内で公正な利用を包括的に許容する権利制限の一般規定」 『知財戦略２００９』

3. フェアユースとは？ 「権利者の利益を不当に害さない 一定の範囲内で公正な利用を包括的に許容する権利制限の一般規定」 『知財戦略２００９』 抽象的な表現で、明確な規定なし

4. 適用範囲 米国のフェアユースの条件 著作物の利用目的と性格 著作物の性質 利用された著作物の質と量 著作物の価値、利用への影響 ->適用基準の明確な規定がなく曖昧 ＝司法の判断に委ねられる

5. 日米の法体系の違い 米国は膨大な判例をベースにした判例主義 日本は条文の規定を重視する「大陸法系」

6. 日米の法体系の違い 米国は膨大な判例をベースにした判例主義＝訴訟によって公正さを判断する土壌 日本は条文の規定を重視する「大陸法系」 ＝個別規定を設けて対応

7. これまでの日本の著作権法 日本では個別規定を設けている (例)著作権法３０条 私的利用のための複製 検索エンジンは著作権侵害か？ ->米国ではフェアユースで対応 日本は改正著作権法の制定で対応

8. これまでの日本の著作権法 日本では個別規定を設けている (例)著作権法３０条 私的利用のための複製 検索エンジンは著作権侵害か？ ->米国ではフェアユースで対応 日本は改正著作権法の制定で対応 技術の革新に法整備が追いつかない…

9. フェアユースメリット ・複雑な権利問題の解消 例）Google検索エンジン問題 ->権利処理の金銭、時間的コスト削減 著作物の広い流通、利用が可能

10. 日本版フェアユースの適用範囲の例 ○ × 社内会議用の書籍のコピー 他人の著作物を利用したパロディー テレビ番組等で偶然に著作物を撮影する「映りこみ」 言語分析などの為の小説の複製

11. 日本版フェアユースの適用範囲の例 ○ × 社内会議用の書籍のコピー 他人の著作物を利用したパロディー テレビ番組等で偶然に著作物を撮影する「映りこみ」 言語分析などの為の小説の複製 米国に比べると限定的

12. 導入への懸念 ・権利者側の負担(訴訟費用) ・公序良俗に関する決定（司法＞立法）

13. 導入への懸念 ・権利者側の負担(訴訟費用) ＊そもそも著作権は権利者側が権利侵害された場合に告訴する「親告」が原則 ・公序良俗に関する決定（司法＞司法） ＊福井さんは裁判官の問題の本質を考え抜く能力を評価していた

14. 反論 ・あくまでフェアユースの適応は限定的 ＝無制限な利用の促進目的ではない ・権利者だけの負担が増すわけではない 利用者側も敗訴すれば損害賠償請求される リスクをおった利用になる

15. 反論 ・あくまでフェアユースの適応は限定的 ＝無制限な利用の促進目的ではない ・権利者だけの負担が増すわけではない 利用者側も敗訴すれば損害賠償請求される リスクをおった利用になる 法的安定性の欠如

16. 導入議論の現状 現状においてフェアユースの導入は有力

17. 導入議論の現状 有識者のなかでも賛否が分かれる…

18. 導入議論の現状 有識者のなかでも賛否が分かれる… フェアユース導入の是非 について考えてみてください