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INGENUITY                                                                                                               導入できました。
                                                                                                                                                                                                              マークで
                                                                                                                                                                                                              表示


チーム医療としての
                                                                                                                         もちろん、他社の同様のシステムを比較

                                                                                                                        検討しましたが、機能が豊富で、病院の要

ICT活動のアプロ―チ                                                                                                             望に合わせて機 能をカスタマイズできる

                                                                                                                        ICONS21 に決めました。

虎の門病院 臨床感染症部 医師                                                                                                          導入した結果、各種の統計や必要な資料

                                                                                                                        が使いやすい形で取り出せて、感染症発生
荒岡 秀樹 先生                                                                                                                状況がリアルタイムで把握できることや、病

                                                                                                                        院内の職員の間で情報共有が可能となった
  今回取材した虎の門病院は、「医学への精進と貢献、病者への献身と奉仕を旨とし、その時代時代になしうる最良の医療を提供する
                                                                                                                        ことなどが感染制御活動に非常に有益だと
 こと」を理念とし、常に最新の機器やシステムを取り入れている。本稿では、一事例として感染制御システムについて導入をリードして                                                                                                                                                マップ下に
                                                                                                                        思います」
 きた米山彰子医師と現場を担当する荒岡秀樹医師にお話を伺った。                                                                                                                                                                               一覧表示

                                                                                                                                                         図2 ICONS21による感染症の患者さんのマップと図の表示

1
                           防策の検証などを行い、我々インフェ ョ ・
                                            クシ ン                      て正確な診断には、検査技師の方々など多                                ― 荒岡先生が実感されている ICONS21
                                                                                                                          ―
    当院の感染症の特徴
                           コントロール・ドクター (ICD) やインフェ ョ
                                                  クシ                  職種の方からの協力が必須です   。
                                                                                     図1                                 の長所とは何でし うか。
                                                                                                                                ょ                        も役立っています。                    機能を使い込んだ上で、より優れたものを

 ― 虎の門病院の紹介と、感染制御の体
  ―                        ン・コントロール・ナース(ICN)の他にも看                      そこで、より多くの方々から感染症に対し                               
                                                                                                                        (荒 岡) が 当 院に着 任した 当 時 から
                                                                                                                            「私                            ICONS Miner はデータマイニングの他に、   求めていきたいと考えています」

制をお聞かせください。                護師長や事務員の方々と協力して取り組んで                       て興味を持っていただくために、ICT 活動の                            ICONS21 が導入されており、導入前の過去          多変量解析や統計検定の機能も揃えていて、

                                                                                                                                                         基本的な操作を理解してしまえば、解析した
                                                                                                                                                                                      7
 
(荒岡)
   「虎の門病院は、病床数 890 床を      います。                                       他に、研修医に感染症に対する教育や、職                               データも確認できる点や、病院の感染症対
                                                                                                                                                                                             ICT 活動に参加を
有し、先端医療を整えた本院と、慢性疾患         一方水曜日は、耐性菌を誘導しやすいバン                       員への啓発活動を行っています。                                   策業務を効率化する機能が揃っている点が              いデータをいろんな角度から解析できます。

治療センターに位置づけられている 300 床     コマイシンやカルバベネム系抗菌薬をはじめ                        つまり、感染症対策には多分野・多方面                               長所だと思います。                        データを触っているうちに、注目すべき要因          ― 最後に、感染症対策に対するコメン
                                                                                                                                                                                        ―                ト

の分院に分かれています。               とした広域スペクトラムの抗菌薬の適正使用                       のアプローチや、多くの方々の協力をいた                                例えば、ICONS21 の細菌検査情報システ          などが分かってきますので、解析サポートツー        をお願いします。

 当院の特徴として、造血細胞移植の症例        のチェ クを行っています。
                              ッ         この ICT 活動は薬                   だける環境作りが課題だと感じています」                               ム MIS)
                                                                                                                         (    や感染管理システムを用いることで、 ルとして、とても優れていると思います」                    
                                                                                                                                                                                      (荒岡)
                                                                                                                                                                                         「感染症対策には、
                                                                                                                                                                                                 感染症の診療と

数は日本でトップを誇り、入院患者さんの        剤師も中心メンバーとなっており、通常の薬                                                                         院内に感染対策が必要な患者さんがどの病                                           感染制御のふたつの要素をバランスよく取り


                                                                                                                                                         6
7 ∼ 8 人に 1 人は、血液内科の患者さんです。 剤処方では、病棟の薬剤師と医師が相談して、                                                                        棟にどの程度おられるかを即時にマップや一                                          入れていくことが重要と考えています。

血液内科の患者さんの中には、免疫低下の        投与量の設計等を行いますが、この活動では、                      4       感染制御システムの導入と活用
                                                                                                                        覧表示することができます  。その他にも
                                                                                                                                    図2
                                                                                                                                                             サーベイランスの充実をめざして
                                                                                                                                                                                       感染症診療の充実を図ることは重要であ

際に生じる日和見感染症(真菌感染症など        ICT が広域抗菌薬の使用状況を確認し、薬剤                      ― 米山先生が感染制御システムの推進
                                                                        ―                                               診 療 時に必 要 な 細 菌 の 感 受 性 率 デ ータ    ― 今後病院全体と
                                                                                                                                                           ―       して、ICONS21 はど      り、
                                                                                                                                                                                       近年臨床感染症学が注目されてきていま

も含む)が問題となる患者さんも多くおら        の適切な使用を指導しています。                            を行ってきたとお聞きしておりますが、数あ                              (ローカルファクター)の更新を容易にするこ            のような活用をされていくのでし うか。
                                                                                                                                                                        ょ             す。
                                                                                                                                                                                       一方、
                                                                                                                                                                                         感染制御は多職種をまきこんだチー

れます。                        またこの活動を通じて、他の病院の感染症                       る感染制御システムがある中、ICONS21 を                           とができたり、耐性菌の保菌や検出履歴な              (米山) ICONS21は感染制御のシステム
                                                                                                                                                            「                         ム医療としての側面が大きく、
                                                                                                                                                                                                   感染対策の視

 当院の感染症対策は、感染対策委員会         専門医の先生方と意見交換をする機会があり、 選ばれた理由は何でし うか。
                                                           ょ                                                            どの詳細な情報のラウンド資料を得ることも             として、多くの機能を備えていると思いま          野を広げるため、
                                                                                                                                                                                             より多くの方に感染症に対し

(ICC)が全体を統括し、様々な分野の専門      その結果を病院の ICT 活動にフ ドバッ し
                                            ィー  ク                      
                                                                      (米山)
                                                                         「私はもともと感染制御を担当する                               可能です」                            すが、まだ十分に活かしきれていない部分          て興味持ってもらい、
                                                                                                                                                                                               特に若い方々にもICT活

家である医師・看護師・薬剤師・検査技師        ています」                                      上で、優れた感染対策システムを導入したい                                                               もあります。                       動にもっと参加していただきたいと思います」


                                                                                                                        5
や事務職などを含む感染対策チーム(ICT)                                                 と考えていました。病院情報システムの入替                                                                今後当院において、より一層サーベラン
                                                                                                                            感染症データのデータマイニング解析                                             荒岡 秀樹 医師
を中心に行っています」                                                           時期にあわせて 2006 年 月に ICONS21 を
                                                                                    1                                                                    スを充実させたいと考えており、ICONS21
                           3   包括的な多剤耐性菌対策
                                                                                                                         ― 荒岡先生が感染症の研究などにデー
                                                                                                                          ―                              の感染対策支援機能を用いれば、少ない人
                                                                                                                                                                                          平成 15 年  和歌山県立医科大学卒
                                                                                                                                                                                          平成 19 年 ∼ 現職
                                                                          チーム医療
                                                                              (ICT)
                                                                                  として                    マンパワー必要
                            ― 虎の門病院の ICT 活動の課題は何で
                             ―                                                                                          タマイニングを活用されているそうですが、             数でも BSI、 、
                                                                                                                                                                 SSI VAP、 などのターゲッ
                                                                                                                                                                         UTI
2
                                                                                                                                                                                          日本感染症学会専門医
                                                                          多職種、多方面からのアプローチが必要             人材育成
    週 2 回の ICT ラウンド                                                                                      コストもかかる                                                                          日本化学療法学会抗菌化学療法指導医
                           し うか。
                            ょ                                                                                           どのように活用されているのでし うか。
                                                                                                                                       ょ                 トサーベランスを実施してくことが可能です。
                                                                      ※    ICMT      ICD       ICN                                                                                        インフェクシ ンコン
                                                                                                                                                                                                ョ   トロール・ドクター
                                                                                                         全職種を教育                                                                           日本内科学会認定医
 ― 虎の門病院では、
  ―        どのように ICT 活動     
                           (荒岡)
                              「一番の問題点として、感染症に関                                                                           (荒岡) ICONS21には、
                                                                                                                             「
                                                                                                         リンクナース                                                                           研究分野:多剤耐性緑膿菌をはじめとした耐性菌
に取り組んでいるのでし うか。
           ょ               わるマンパワーの不足だと思います。当院は                                      多剤耐性菌対策                            ICONS Miner というデータマ
                                                                      ※   BCICPS                                                                                                               感染症の臨床

 
(荒岡)
   「当院の重要な感染対策活動として、 大学病院に匹敵する病床の規模があります。                                                                               イニングシステムがあり、感染                                                          : 造血幹細胞移植の感染症
                                                                          抗菌薬の適正使用                      標準予防策・
                                                                                           感染症          接触感染予防策
ICT メンバーが月曜日と水曜日の週 2 回、病    先程申しましたが、当院では特殊な治療                                             コンサルテーション                    症に対する要因を解析して、感                                                    虎の門病院臨床感染症部メンバー
院内をラウンドする活動を行っています。        が必要な感染症の患者さんが多く、多剤耐                             バンコマイシン                        研修医教育         染症リスクを把握し、効果的な                                                    ■ 木村 宗芳 医師 臨床感染症部
                                                                          (抗MRSA薬)
                                                                                                                        感染症対策を立てることや、私                                                    ■ 荒岡 秀樹 医師 臨床感染症部
 月曜日は、病院全体の感染対策を目的に、       性菌対策を行う場合、診察を行う感染症専                             の適正使用・          カルバペネムを中心とした
                                                                          T DM 業 務         広域抗菌薬適正使用                                                                                      ■ 米山 彰子 医師 臨床感染症部 部長
多剤耐性菌(MRSA や多剤耐性のグラム陰      門医や感染管理のアドバイスを行う ICN や、                                                                      が現在行っている緑膿菌、                                                      ■ 高橋 並子 看護師 感染対策担当
                                                                                                                                                                                                管理看護師長
性桿菌など)の保菌患者さんに、接触感染予       薬剤の適正使用を行う薬剤師の方々、そし                            図1 多剤耐性菌対策に必要な要素(環境感染症学会発表)                   S.maltophilia などの疫学研究に
                                      ※ BCICPS : Board     Certified Infection Control Pharmacy Specialist  感染制御専門薬剤師
                                      ※ ICMT : Infection   Control Microbiological Technologist  感染制御認定臨床微生物検査技師

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  • 1. INGENUITY 導入できました。 マークで 表示 チーム医療としての  もちろん、他社の同様のシステムを比較 検討しましたが、機能が豊富で、病院の要 ICT活動のアプロ―チ 望に合わせて機 能をカスタマイズできる ICONS21 に決めました。 虎の門病院 臨床感染症部 医師  導入した結果、各種の統計や必要な資料 が使いやすい形で取り出せて、感染症発生 荒岡 秀樹 先生 状況がリアルタイムで把握できることや、病 院内の職員の間で情報共有が可能となった  今回取材した虎の門病院は、「医学への精進と貢献、病者への献身と奉仕を旨とし、その時代時代になしうる最良の医療を提供する ことなどが感染制御活動に非常に有益だと こと」を理念とし、常に最新の機器やシステムを取り入れている。本稿では、一事例として感染制御システムについて導入をリードして マップ下に 思います」 きた米山彰子医師と現場を担当する荒岡秀樹医師にお話を伺った。 一覧表示 図2 ICONS21による感染症の患者さんのマップと図の表示 1 防策の検証などを行い、我々インフェ ョ ・ クシ ン て正確な診断には、検査技師の方々など多  ― 荒岡先生が実感されている ICONS21 ― 当院の感染症の特徴 コントロール・ドクター (ICD) やインフェ ョ クシ 職種の方からの協力が必須です   。 図1 の長所とは何でし うか。 ょ も役立っています。 機能を使い込んだ上で、より優れたものを  ― 虎の門病院の紹介と、感染制御の体 ― ン・コントロール・ナース(ICN)の他にも看  そこで、より多くの方々から感染症に対し   (荒 岡) が 当 院に着 任した 当 時 から 「私  ICONS Miner はデータマイニングの他に、 求めていきたいと考えています」 制をお聞かせください。 護師長や事務員の方々と協力して取り組んで て興味を持っていただくために、ICT 活動の ICONS21 が導入されており、導入前の過去 多変量解析や統計検定の機能も揃えていて、 基本的な操作を理解してしまえば、解析した 7   (荒岡) 「虎の門病院は、病床数 890 床を います。 他に、研修医に感染症に対する教育や、職 データも確認できる点や、病院の感染症対 ICT 活動に参加を 有し、先端医療を整えた本院と、慢性疾患  一方水曜日は、耐性菌を誘導しやすいバン 員への啓発活動を行っています。 策業務を効率化する機能が揃っている点が いデータをいろんな角度から解析できます。 治療センターに位置づけられている 300 床 コマイシンやカルバベネム系抗菌薬をはじめ  つまり、感染症対策には多分野・多方面 長所だと思います。 データを触っているうちに、注目すべき要因  ― 最後に、感染症対策に対するコメン ― ト の分院に分かれています。 とした広域スペクトラムの抗菌薬の適正使用 のアプローチや、多くの方々の協力をいた  例えば、ICONS21 の細菌検査情報システ などが分かってきますので、解析サポートツー をお願いします。  当院の特徴として、造血細胞移植の症例 のチェ クを行っています。 ッ この ICT 活動は薬 だける環境作りが課題だと感じています」 ム MIS) ( や感染管理システムを用いることで、 ルとして、とても優れていると思います」   (荒岡) 「感染症対策には、 感染症の診療と 数は日本でトップを誇り、入院患者さんの 剤師も中心メンバーとなっており、通常の薬 院内に感染対策が必要な患者さんがどの病 感染制御のふたつの要素をバランスよく取り 6 7 ∼ 8 人に 1 人は、血液内科の患者さんです。 剤処方では、病棟の薬剤師と医師が相談して、 棟にどの程度おられるかを即時にマップや一 入れていくことが重要と考えています。 血液内科の患者さんの中には、免疫低下の 投与量の設計等を行いますが、この活動では、 4 感染制御システムの導入と活用 覧表示することができます  。その他にも 図2 サーベイランスの充実をめざして  感染症診療の充実を図ることは重要であ 際に生じる日和見感染症(真菌感染症など ICT が広域抗菌薬の使用状況を確認し、薬剤  ― 米山先生が感染制御システムの推進 ― 診 療 時に必 要 な 細 菌 の 感 受 性 率 デ ータ  ― 今後病院全体と ― して、ICONS21 はど り、 近年臨床感染症学が注目されてきていま も含む)が問題となる患者さんも多くおら の適切な使用を指導しています。 を行ってきたとお聞きしておりますが、数あ (ローカルファクター)の更新を容易にするこ のような活用をされていくのでし うか。 ょ す。 一方、 感染制御は多職種をまきこんだチー れます。  またこの活動を通じて、他の病院の感染症 る感染制御システムがある中、ICONS21 を とができたり、耐性菌の保菌や検出履歴な (米山) ICONS21は感染制御のシステム 「 ム医療としての側面が大きく、 感染対策の視  当院の感染症対策は、感染対策委員会 専門医の先生方と意見交換をする機会があり、 選ばれた理由は何でし うか。 ょ どの詳細な情報のラウンド資料を得ることも として、多くの機能を備えていると思いま 野を広げるため、 より多くの方に感染症に対し (ICC)が全体を統括し、様々な分野の専門 その結果を病院の ICT 活動にフ ドバッ し ィー ク   (米山) 「私はもともと感染制御を担当する 可能です」 すが、まだ十分に活かしきれていない部分 て興味持ってもらい、 特に若い方々にもICT活 家である医師・看護師・薬剤師・検査技師 ています」 上で、優れた感染対策システムを導入したい もあります。 動にもっと参加していただきたいと思います」 5 や事務職などを含む感染対策チーム(ICT) と考えていました。病院情報システムの入替  今後当院において、より一層サーベラン 感染症データのデータマイニング解析 荒岡 秀樹 医師 を中心に行っています」 時期にあわせて 2006 年 月に ICONS21 を 1 スを充実させたいと考えており、ICONS21 3 包括的な多剤耐性菌対策  ― 荒岡先生が感染症の研究などにデー ― の感染対策支援機能を用いれば、少ない人 平成 15 年  和歌山県立医科大学卒 平成 19 年 ∼ 現職 チーム医療 (ICT) として マンパワー必要  ― 虎の門病院の ICT 活動の課題は何で ― タマイニングを活用されているそうですが、 数でも BSI、 、 SSI VAP、 などのターゲッ UTI 2 日本感染症学会専門医 多職種、多方面からのアプローチが必要 人材育成 週 2 回の ICT ラウンド コストもかかる 日本化学療法学会抗菌化学療法指導医 し うか。 ょ どのように活用されているのでし うか。 ょ トサーベランスを実施してくことが可能です。 ※ ICMT ICD ICN インフェクシ ンコン ョ トロール・ドクター 全職種を教育 日本内科学会認定医  ― 虎の門病院では、 ― どのように ICT 活動   (荒岡) 「一番の問題点として、感染症に関  (荒岡) ICONS21には、 「 リンクナース 研究分野:多剤耐性緑膿菌をはじめとした耐性菌 に取り組んでいるのでし うか。 ょ わるマンパワーの不足だと思います。当院は 多剤耐性菌対策 ICONS Miner というデータマ ※ BCICPS      感染症の臨床   (荒岡) 「当院の重要な感染対策活動として、 大学病院に匹敵する病床の規模があります。 イニングシステムがあり、感染 : 造血幹細胞移植の感染症 抗菌薬の適正使用 標準予防策・ 感染症 接触感染予防策 ICT メンバーが月曜日と水曜日の週 2 回、病  先程申しましたが、当院では特殊な治療 コンサルテーション 症に対する要因を解析して、感 虎の門病院臨床感染症部メンバー 院内をラウンドする活動を行っています。 が必要な感染症の患者さんが多く、多剤耐 バンコマイシン 研修医教育 染症リスクを把握し、効果的な ■ 木村 宗芳 医師 臨床感染症部 (抗MRSA薬) 感染症対策を立てることや、私 ■ 荒岡 秀樹 医師 臨床感染症部  月曜日は、病院全体の感染対策を目的に、 性菌対策を行う場合、診察を行う感染症専 の適正使用・ カルバペネムを中心とした T DM 業 務 広域抗菌薬適正使用 ■ 米山 彰子 医師 臨床感染症部 部長 多剤耐性菌(MRSA や多剤耐性のグラム陰 門医や感染管理のアドバイスを行う ICN や、 が現在行っている緑膿菌、 ■ 高橋 並子 看護師 感染対策担当       管理看護師長 性桿菌など)の保菌患者さんに、接触感染予 薬剤の適正使用を行う薬剤師の方々、そし 図1 多剤耐性菌対策に必要な要素(環境感染症学会発表) S.maltophilia などの疫学研究に ※ BCICPS : Board Certified Infection Control Pharmacy Specialist  感染制御専門薬剤師 ※ ICMT : Infection Control Microbiological Technologist  感染制御認定臨床微生物検査技師