More Related Content
PDF
DOCX
PDF
Need of Non- Technical Content in Engineering Education PPTX
PDF
PDF
Доклад Bellingcat о "Буке" PDF
PPTX
The role of chicken in the Tanzanian economy and opportunities for developmen... More from 三文会
PPTX
2019年5月4日『FACTFULNESS』を読む PDF
2017年10月7日 最新刊『教えてみた「米国トップ校」』を読む PPTX
PDF
2017年5月4日 最新刊『データ分析の力 因果関係に迫る思考法』を読む PPTX
リスクを少なくした株取引で収益を上げる方法について〜株主優待生活〜 PDF
PDF
西川アサキ『魂と体、脳』を読む(ことはできるか)前編 PPTX
PDF
PDF
2016年12月7日吉立開途「AIについて素人が考える」 PPTX
集合的記憶三文会20151118
- 1.
- 2.
- 3.
- 4.
- 5.
1.1. M. アルヴァックスについて
•先にも述べたとおり,社会学の泰斗エミール・デュルケームの直弟子。
• 社会主義者であったこともあり,ナチスドイツに占領されたフランスで
ゲシュタポに逮捕され,強制収容所で無惨に殺された。
なお,その後ナチスの犯罪などに関して彼の理論が援用されたことは,
少々感慨深いものがある。
• 日本語表記には(少数派だが)『アルブヴァクス』も。
2015-11-18東工大・吉立
5
- 6.
- 7.
- 8.
- 9.
- 10.
1.5. 集団も想起し忘却する?
• さらに踏み込んでアルヴァックスは「集団の記憶」と呼びうる存在があるとした。
•集団の記憶=(狭義の)集合的記憶は,過去の単なる写像ではなく,
極めて選択的かつ再構成的である。
また,ある社会的な集団を凝集させる作用を持っている。
• 集合的記憶は単に社会的に共有されるのみならず,社会を構成しもする。
• アルヴァックスはこれを(当時は公平で中立的と看做されていた)歴史と対比した。
ただし,現在の研究では歴史さえも公平・中立とは限らず,
歴史もまた集合的記憶の一形態であるという観方が強い。
• とくに,Assmann の『蓄積的記憶』『機能的記憶』はアルヴァックスの
集合的記憶vs歴史,という図式を発展的に継承したものである。
2015-11-18東工大・吉立
10
- 11.
- 12.
2.1. 集合的記憶と歴史
• まず,先にも少しだけ触れた集合的記憶と歴史というものの錯綜した関係について。
•アルヴァックスは歴史と集合的記憶概念を対立するもの,
あるいは相補的な関係にあるものとして捉えていたが,
実際には両者の関係性は一筋縄ではいかない。
• たとえば,歴史とは何だろう。仮に正史に書かれたものが歴史だとすると,
既に正史に書かれる時点である種のバイアスがかかっている。
• また,アルヴァックスは歴史の要件として唯一性をも挙げているが,
実際には東アジアの『歴史認識問題』に明らかなように,
歴史はひとつとは言い難い。
• このセクションでは記憶と歴史について掘り下げたい。
2015-11-18東工大・吉立
12
- 13.
- 14.
- 15.
- 16.
- 17.
- 18.
2.7. 記憶と歴史Ⅵ
• 結局,どちらの立場が正しいのか?
•発表者個人としてはアスマン夫妻の観方に近いそれを取る。
一方で,歴史を完全に間主観性の産物とすることは,
『史実』を蔑ろにする危険性を孕んでしまう。
• 両者の観方の間で,上手く舵取りをする必要もあろう。
とはいえ,そのためのチャートは現在のところなさそうでもある。
2015-11-18東工大・吉立
18
- 19.
- 20.
- 21.
- 22.
- 23.
3.5. 研究事例Ⅴ
• 参加者の言葉
•「壕の周りを掘ると普通に遺骨が出てきて,生々しさを感じた」(24歳,学生)
• 「少し掘るだけでどんどん遺骨が出てきた。60年以上たっても収集は終わらないん
だと思った」(28歳)
2015-11-18東工大・吉立
23
- 24.
3.6. 研究事例Ⅵ
• どのあたりが集合的記憶なのか?
•遺骨収集事業を通じ,先ほどの参加者のような若年層にも戦争という,
彼らが生まれる以前の出来事の「生々しさ」を感じることができた。
• 言うなれば,これは先に述べたアスマンの『機能的記憶』が作動している,
まさにその現場である。
2015-11-18東工大・吉立
24
- 25.
4.1. まとめ
• 以上,集合的記憶とそれに纏わる諸々について,
拙いながらも一応のレビューを試みた。
•この発表を聞くだけでは判然としないかもしれないが,
集合的記憶は様々な場面において適用され,また議論を惹起しつづける,
とてもアクチュアルな概念的枠組みであるという点だ。
その幅は純粋に理論的なものから極めて現実的にセンシティブな課題までと,広い。
• そして,個人的に最も魅惑的だと感じる点は,
集合的記憶の,人が一人で生きているのではない,
とする前提の部分のような気がする。
• もしご興味を持たれた方がいらっしゃれば,
是非ともアルヴァックスを一読されることをお薦めする。
2015-11-18東工大・吉立
25
- 26.
Editor's Notes
- #11 なぜ『集団の記憶』なのかこのスライドでは不明瞭