京都の四条通を通行するドライバーに課金することで、渋滞を解消する。

1. 四条通の渋滞を解消する方法
同志社大学経済学部 中山凌作
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2. 目次
・第1章 四条通の概要
・第2章 渋滞の定義と解決策
・第3章 ロードプライシング
・総括
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3. 第1章 四条通の概要
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4. 四条通ってどんな場所？
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5. 四条通ってどんな場所？
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6. 中心街としての四条通
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7. 中心街としての四条通
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8. 四条通で起きていたこと
・観光客や買い物客が多く、スムーズに歩道を歩くことが
できなかった。
・地下道や、他の平行する通りに回り道する人もいた。
・タクシーやバス、自家用車が行き交うので車道も渋滞
ぎみだった。
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9. 歩道拡幅工事
・四条烏丸～四条川端間 約1120m
・斜線の数を片側2車線から片側1車線に減少させ、歩道を拡幅する。
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10. 工事後のドライバーの反応
ひどいときは250mの移動に20分近くかかることも。
四条に買い物に来る機会が減った。
お客様に遅いとお叱りを受けることもしばしばあります。
タクシー運転手
（40代男性）
京都市在住会社員
（30代男性）
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11. 歩道拡幅工事によって車道の渋滞が悪化
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12. 第2章 渋滞の定義と解決策
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13. 渋滞とは？
道路の収容能力を超える車両の流入により、移動速度
が遅くなること。
区分 高速道路 都市高速道路 一般道路
渋滞 時速40km以下 時速20km以下 時速10km以下
混雑 時速40km以下 時速20km以下
警視庁の定義
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14. 実際に計ってみた
・休日15時
四条烏丸～四条河原町間（850メートル）
・平日11時
・平日15時
16分37秒 時速3.0km
・休日11時
時速6.8km7分30秒
8分15秒 時速6.1km
時速6.7km7分40秒
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京都市 人口集中地区
混雑時の平均時速 16.4km

15. ちなみに
・東京23区 人口集中地区
混雑時の平均時速 15.9km
出所：平成22年度道路交通センサス
http://www.mlit.go.jp/road/census/h22-1/data/pdf/syuukei05.pdf
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16. わたしたちが許容する渋滞の範囲
・平日の速度を許容範囲とし、休日の速度を渋滞とする。
・平日と休日の所要時間を同じくらいにすることを目標とする。
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17. 渋滞の何がいけないのか？
・渋滞していないときより時間がかかる。
・排気ガスの排出量が増加するため、環境に悪い。
参考：乗用車（ガソリン車）の一般道路での平均時速40km のCO2
排出量を1とした場合、渋滞などにより速度が20kmになると排出
量は1.45倍に増加する。
・ストレスがたまる。
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18. さまざまな解決策
出所：国土交通省道路局
http://www.mlit.go.jp/road/sisaku/tdm/Top03-01-01.html
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19. 第3章 ロードプライシング
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20. 実施要項
四条烏丸〜四条河原町で休日15:00〜17:00の時間帯で
四条通を通行するドライバー（バス、荷卸しの車を除く）に
ロードプライシングを実施。
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21. 課金額の求め方1
損失額=時給×損失時間 =課金額
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8分
年収の中央値
（365−年間休日数）×1日の勤務時間

22. 課金額の求め方2
・最低賃金から設定・・・支払意思額の下限がわかる。
➡設定された課金額では交通量は減らず渋滞も改善されない。
・平均年収から設定・・・富裕層が平均年収を押し上げている。
➡設定された課金額は最適額よりも高い。
・年収の分布の中央値から設定・・・最低賃金、平均年収で
考えるよりも妥当。
➡今回は中央値の額に設定。
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23. 課金額を求める
京都府の年収の分布の中央値=368万円
損失時間8分=0.13h
1908円/ h×0.13h=248円
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368万円
（365日−124日）×8h
=1908円時給換算：

24. 今回実施したアンケート
・四条通を通行するタクシードライバー106人にアンケート
を実施。
・四条烏丸〜四条河原町間の通行が有料になるとしたら不満
か、何円までなら支払ってもよいか。
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25. 何故タクシー運転手に？
・アンケートが取りやすかったため。
・四条通をよく通るので、今四条通で起こっている渋滞に
関して多くの知識をもっており、今回の歩道拡幅工事に
対しても考えがまとまっていると考えられる。
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26. アンケート結果（課金額）
79
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
人数
支払い意思額
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27. 考察
・そもそもドライバーは自らが渋滞の原因になっている
ことを認識していない。
・渋滞によって生じるコストを認識していない。
ドライバーの95%四条通
が有料になったら不満と
答えている
148円（=248−100）の
差が生じる原因
これこそが渋滞の原因だ！
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28. ドライバーが渋滞によって生じるコストを認識でき
ていないことが四条通で渋滞が起きている原因。
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ロードプライシングを実施することで、ドライバーは
渋滞によって生じるコストを認識するのではないか。

29. 総括
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30. 懸念材料
1:四条通入口で渋滞が発生する可能性
2:課金額248円は本当に最適な課金額なのか（京都府のみ
の所得で考えて良いのか、理論と現実との乖離）
3:四条通周辺の道路が混む
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31. 応答
1：ETCのバーは撤去可能。カメラも設置すれば機器を搭載していない
のに通行する車を取り締まれる。
3：導入直後はこのようなことが起きるかもしれないが、迂回路で渋滞
が発生すると四条通を通るよりも高くコストがつくようになる。よって、
周辺の道路が極端に混むことはなくなると思われる。
2：248円で渋滞を軽減する効果がなければ課金額を引き上げる必要
がある。
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32. その他の課題
・片側一車線のため、バスが停まると後ろの車も止まってしまう。
・実際に施行されるまでに時間がかかる。
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