中部大学工学部建築学科 建築環境工学A

1. 音響計画
• 吸音
– 吸音率
– 吸音力
– 吸音材料
• 多孔質板
• 穴あき板
– 残響時間
• セービンの式
– 室内音響計画
• エコー
• 音の特異現象

2. 入射音Ｉ
透過音Ｉｔ
反射音Ｉｒ 吸収音Ｉａ
吸音率：α
tar IIII 
[ー]
入射音に対して反射して
こない音のエネルギーの比率
開口部では、音が反射も吸収もされない： 吸音率＝１
I
II
I
II rta




吸音と吸音率・吸音力

3. 入射音Ｉ
透過音Ｉｔ
反射音Ｉｒ 吸収音Ｉａ
吸音力：Ａ
nnSSSA   2211
[単位：m2:メートルセービン]
天井・床・壁などの内壁
表面による音の吸収能力
[－]
α１,α２,αn ・ S１,S２,Sn：各内壁面の吸音率・面積
nSSS
A


21
 部屋の平均吸音率
吸音と吸音率・吸音力

4. グラスウール，ロックウールなどを板状に成
形
したものを用いる。多孔質材料
剛壁
多孔質材料
剛壁
空
気
層
各種吸音材 （多孔質材料）

5. 多孔質材料
剛壁
空
気
層
多孔質材料
剛壁
空
気
層
高音域の
吸収に優れる
多孔質吸音材 （吸音特性）

6. 板の孔から音が入射すると、背後の空気層
が孔からの部分の空気を振動させ吸音する。
有孔板
剛壁
空
気
層
空気の振動
剛壁
空
気
層
有孔材
多孔質材
各種吸音材 （穴あき板）

7. 中音域の
吸収に優れる
剛壁
空
気
層
有孔材
多孔質材
剛壁
空
気
層
有孔材
多孔質材
※空気層の厚さが増すほど
低音域の吸収率が向上する。
穴あき板 （吸音特性）

8. 壁に空気層を挟んで板を設置すると、板が
振
動して音のエネルギーが減衰する。板状材料
剛壁
空
気
層
剛壁
空
気
層
板状材料
多孔質材
各種吸音材 （板状材料）

9. 剛壁
空
気
層
板状材料
多孔質材
低音域の
吸収に優れる
※中音域の吸収率は
あまり高くない。
板状材料 （吸音特性）

10. 音源から出る音を止めても、室
内の音は急にはなくならない。
残響時間： Ｔ [s]
音を止めてから、音響エネルギー
密度で １０－６ [J/m3] 、音圧レベルで
６０ ｄＢ 減衰するのに要する時間
60
10log10log10
10
log10
6
10
0
10
0
6
10






L
E
E
E
E
Lr
残響時間

11. Ｓｅｂｉｎ（ｾｰﾋﾞﾝ）の式 （残響時間の短い部屋では適合しない）
A
V
S
V
T
16.016.0




[s]
V：室容積 [m3] A：室の吸音力 [m2]
残響時間
エネルギーの喪失
－空気による減衰
－壁の吸音力

12. 最適残響時間
残響時間が長すぎると：前の音の残響のた
めに、次の音が明瞭に聞こえなくなる。
残響時間が短すぎると：音楽等に対して豊
かな音感が得られなくなる。
最適残響時間

13. 最適残響時間

14. 受音点では先ず直接音が到達し、遅れて壁・床・天
井
で反射した音が到達する。直接音が強いと、明瞭度向上する。また0.05秒以上
（17m以上）の反射音になると → エコー（反響）
受音点で反射音が集中しなければ エコーは生じない
※エコーの検討はコンピュー
タ・ シミュレーションにより行
われる。
直接音と間接音

15. ＮＨＫホール
音の焦点
音圧弱いエリア：
デッドスポット
音の反射と焦点

16. 壁を剛な平行板（反射率の大きい向かい
合った２面間）で音が多重反射（反復反射）し
て、エコーを繰り返す。→ フラッターエコー
フラッターエコー

17. 平滑で堅い凹曲壁面では、話し声が壁を沿って
遠くまで伝わることがある。 → ささやきの回廊
※面を拡散反射性または吸音性にするか、途中に
障壁を設ければよい。
※例： ロンドンのセントポール寺院、
大ドーム回廊でこの現象が起こる。
ささやきの回廊

18. 津田ホール
サントリーホール
内装設計の進め方

19. 高度の吸
音
α＞0.7
幾分の吸音
α＝0.2～0.5
仮設反射板
舞台裏の壁、天井を反射性とし、後壁を高度の吸音
性とした仕様 →ライブエンド・デッドエンド方式
（一端を反射性・多端を吸音性とする方式）
b
a a
音の拡散対の設計
a≒λ（波長）､b＝0.15a～0.3a
幾分の吸音
α＝0.2～0.5
ホールの内装仕上げの典型例