テックストリート発表資料

1. Rust 海外事情
Moonmile Solutions 増田 智明
Microsoft MVP
X:@moonmile

2. 自己紹介
 増田智明
 Moonmile Solutions
 Microsoft MVP Developer Technologies

3. 海外事情
 海外（アメリカ、中国、ドイツ、フランス）での
Rust活用の実例の紹介
（敢えて、日本の事例は外してあります）
 Rust活用の範囲の解説

4. Google
 GoogleはAndroidとLinuxカーネルの開発にRustを
採用している。特にメモリ安全性に関連するバグ
を減らすことが目的
 Bluetooth Stack "Gabeldorsche“
 Keystore 2.0 and Ultra-wideband (UWB) Stack
 DNS-over-HTTP3 and Android’s Virtualization
Framework (AVF)
 Binder IPC Driver

5. Microsoft
 サイバー戦争の深刻化を背景に、より安全なコー
ディングを目指す
 General Kernel Rewrite in Rust
 Addressing Memory Safety Bugs
 Integration into Windows 11 Kernel
 New Features in Windows 11 Builds
 Porting Windows Graphics Interface Device to Rust

6. Amazon
 AWSはエンジニアによるRustの使用を推奨してお
り、特にエネルギー効率の高さを大きな利点とし
ている
 Amazon CloudFront, Amazon EC2, and AWS Lambda
 Firecracker VMM (Virtual Machine Monitor)
 Bottlerocket Operating System
 Rust Runtime for AWS Lambda
 AWS Libcrypto for Rust

7. Meta(Facebook)
 Metaは、高いパフォーマンスが要求されるバック
エンドサービスの開発にRustとC++を使用するよう
にエンジニアに推奨している
 Mononoke
 Expansion to Other Projects
 Diem Blockchain
 Interoperability with C++

8. Linux
 RustはLinuxカーネルとドライバー開発の第2言語
になる可能性が高まっている。
 Android's Binder IPC Drive
 Rust Support in Linux Kernel v6.1
 Rust for Linux Project
 Implementation of a Semaphore Character Device
 Rust Bindings for Kernel Workqueues in Linux 6.7

9. Hawaei（中国）
 Rustに基づく次世代の仮想化プラットフォーム
「StratoVirt」の開発
 科学計算用の多次元配列演算ライブラリの分析と
実践
 TVM Rust RuntimeとWASMサンドボックスを用いた
AIモデルの実行

10. Siemens（ドイツ）
 IOT2040はSiemensによって開発された産業用IoTデ
バイス
 S7 Rust library // Lib.rs
https://lib.rs/crates/s7

11. Tezos（フランス）
 ブロックチェーンでの活用
 その他
 Parity Technologies
 Near Protocol
 Chainlink
 Tendermint

12. WebAssembly
 高性能ウェブアプリケーション
 Rust WebAssemblyは、画像処理や複雑な計算など、JavaScriptでは効率が落ちるよ
うな集中的な計算を必要とするタスクに最適である。ゲーム開発では、Rust
WebAssemblyは、ウェブベースのゲーム、特にグラフィックスのレンダリングや
ゲームの物理処理など、パフォーマンスが重要な部分の記述に活用されている。
 暗号化とセキュリティ
 Rustが重視する安全性とWebAssemblyのサンドボックス実行環境を活用して、Rust
WebAssemblyは暗号とセキュリティのアプリケーションに採用されている。また、
ブラウザ内で機械学習アルゴリズムをネイティブに近い速度で実行するため、イン
ブラウザのMLアプリケーションにも適している。
 IoTとエッジ・コンピューティング
 IoTとエッジコンピューティングの領域では、Rust WebAssemblyにより、軽量で高性
能なアプリケーションをブラウザで直接実行できる。リソースが限られたIoTデバイ
スにとって非常に重要である。

13. Edge Computing
 レイテンシーの低減
データ処理をデータ生成元の近くで行うことで、データを遠隔地のデータセンターやクラウドに送信
して処理するよりも、遅延を大幅に削減できる
 帯域幅の節約
データの大部分をローカルで処理し、必要な情報のみをクラウドに送信することで、通信帯域の使用
量を削減できる
 プライバシーとセキュリティの強化
データをローカルで処理することで、センシティブなデータを外部に送信するリスクを減らし、プラ
イバシーとセキュリティを強化できる
 リアルタイム処理
エッジコンピューティングは、リアルタイムまたはほぼリアルタイムのデータ処理を可能にし、即時
性が要求されるアプリケーションに適している

14. 自動運転技術
 Rustは、主にその効率性と、メモリ・リークや
レース・コンディションに対する組み込みの安全
性により、自動車ソフトウェアにおいてCやC++の
ような言語に代わる良い選択肢と考えられている。
これらの特徴により、Rustは機能安全とセキュリ
ティが最優先される自動車アプリケーションに適
している

15. 工場内で
 AdaCoreとFerrous Systemsは、自動車、航空電子機器、
宇宙、鉄道などの規制市場におけるセーフティクリ
ティカルなシステム向けに、適格なRustツールチェー
ンを開発している。
 自動車の標準化団体である AUTOSAR は、Rust を自動
車にどのように適用できるかを調査するサブグループ
を結成した。
 SAE Internationalは、自動車および航空電子工学業界
向けに、セーフティ・クリティカルなソフトウェアを
Rustで記述するためのガイドラインを作成するタスク
フォースを結成した。

16. 参考先
 グーグル「Androidオープンソースプロジェクト」が「Rust」言語をサポート -
ZDNET Japan
https://japan.zdnet.com/article/35169032/
 グーグルやMSが「Rust」言語でOS開発、背景に国家による諜報活動の影 | 日
経クロステック（xTECH）
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00692/042700054/
 AWSがプログラミング言語「Rust」に期待する理由 - ZDNET Japan
https://japan.zdnet.com/article/35183866/
 Facebookが「Rust Foundation」に参加--「Rust」言語をいかに活用してきたか
- ZDNET Japan
https://japan.zdnet.com/article/35170192/

17. 参考先
 産業用IOTプラットフォーム SIMATIC IOT2040 | シーメンス株式会社 | 製品ナビ
https://www.incom.co.jp/products/detail.php?company_id=12028&product_id=86945
 Rust as a programming language for automotive software | Thoughtworks
https://www.thoughtworks.com/en-in/insights/blog/programming-languages/rust-
automotive-software
 AdaCore and Ferrous Systems Joining Forces to… | The AdaCore Blog
https://blog.adacore.com/adacore-and-ferrous-systems-joining-forces-to-support-rust
 JA1020 (WIP) Recommendations for the Rust Programming Language in Safety-Related
Systems - SAE International
https://www.sae.org/standards/content/ja1020/
 ink! 3.0: Parity’s Rust-Based Language for WASM Smart Contracts Gets a Major Update | Parity
Technologies
https://www.parity.io/blog/ink-3-0-paritys-rust-based-language-gets-a-major-update