More Related Content
More from kubomurafood (20)
サステナビリティ製品開発原材料としての マカダミアナッツ
- 2. ウイ,南アフリカ,ケニア, イスラエル,グ
アテマラ,ブラジル, メキシコ, コスタリカ
など多くの国々において,マカデミアナッツ
が植栽され,大規模果樹園ができつつある。
米国においても,ハワイのみならず,カリフォ
ルニアとフロリダでもマカダミア栽培が多く
なされている。
2)歴史
マカダミアの起源は, オーストラリア北東
海岸の熱帯雨林にある。先住民族のアボリ
ジニは, 2種類ある常緑樹の木の実(現在の
マカダミア)を食するために, グレートデイ
ヴァイデイング山脈の東丘陵に集落を作り,
住み着いていた。アポリジニはこの2種類の
木の実を@6Kindal ・Kindal"と名付けた。
オーストラリアの古い写真を見ると,アボ
リジニの女性がマカダミアを手さげ袋に集め,
加工場に運び,独特な刻み目を施した石の
上から大きな石で均等な力を加え,実につく
傷を最小限に抑えるような工夫して,食用部
を取り出している。この2種のナッツはその
後各々食用として発展し,滑らかな殻を持つ
「MacadamiaintegrefOlia」と粗い殻を持ち
ロースト加工なしで使う「Macadamiatetra-
phylla」となった。両品とも現在のオーストラ
リア産業に大きく貢献する商業作物である。
マカダミアナッツはその後, 1857年に英国
から入植した植民地開拓者により,オースト
ラリアのクイーンズランド州で見いだされる
こととなる。商業生産に着手したのは, イギ
いる。しかし,マカダミアが最初に発見され
たのは,オーストラリア北東部の海岸沿いの
熱帯雨林である。常緑樹で木の高さは12
15mまで生育する。なかでも食用として栽培
されてきたのは, Protaceae科(ヤマモガシ
科)の, Protea,Banksia,Macadamiaなど
の属である。ヤマモガシ科は,南米,南アフ
リカ, インド,オーストラリア,ニューカレ
ドニア,ニュージーランドに分布するが, こ
れらの国々はかつてゴンドワナ大陸の一部で
あった地域である。ニュージーランド南島の
白亜紀の石炭中から多くのヤマモガシ科の花
粉が発見されている。これらは双子葉植物科
であり,ゴンドワナ大陸の植物と考えられて
いる。
*ゴンドワナ大陸:Gondwanaland
約3億年前の古生代後期から約1億年前の中生代半ば頃
まで,南半球を中心に存在したと推定される大陸である。
その後分離移動して現在のアフリカ,南アメリカ,オース
トラリア,南極大陸,マダガスカル, インドなどを形成し
たものと考えられている。ゴンドワナ大陸の北側には.テ
チス海(古地中海)を隔ててローラシア大陸(Laurasia)
があった。古生代前半や先カンブリア時代にゴンドワナ大
陸とローラシア大陸とは一連の陸地を形成していたと推定
されており,この超大陸をパンゲアとよんでいる。
マカダミアの木は,実をつけてしまえば平
均70年の寿命いつぱいまで実をつけ続ける
が成長が遅い。苗木から作付け開始まで平
均4∼5年,商業生産が可能な収量が得られ
るまで7年,損益分岐点に達するまでに12年
を要する。果樹園を維持していくには,接
ぎ木や植栽の費用,機械類の購入やメンテナ
ンス費用,維持管理費など, 1ヘクタールあ
たり数千ドルの経費がかかる。また,土壌や
葉の成分の高精度分析,品種の記録管理をは
じめとする農場全般の監視,最終製品の品質
検査まで,高度な品質管理を必要とする。
世界中で愛されるようになったマカダミア
ナツツの市場の成長は,すでにオーストラリ
アの生産能力を超えている。この大市場に着
目し,ニュージーランド,ジンバブエ、マラ
Aboriginalwoman
crackingMacadamianuts
月刊フードケミカル2019-6 81