授業メモ

1. 2011/06/15 18:30-19:30
民法Ⅲ-3
評価はレポート提出で行う。
7/6（水）最終授業でレポート課題を示す。その解説も。
7/12(火)教務課窓口まで提出 18:30 まで。郵送は必着。
■先週の復習
・弁済の提供(とりにいく、もっていく、おくってください)
・受け取らなかった場合、買主の受領責任は？保管費用？
売主は保管を強いられており売買契約を解除できるか？（受領遅滞）
コカコーラ 100 ダースだった場合は（こんな契約なかったことにしたい、早く廃棄したいし）
金銭債権
１円玉をみてアルミと言うヒトはいない。１万円札をみて紙切れというヒトはいない。
紙よりもアルミのほうが価値があるので１円玉の方が良いという人もいない。
誰しもがその背後にある価値をみている。
また、例えば１万円を返す場合、貸した際の１万円そのものを返す義務はない、別のお札で構わないし、
また１円玉１万枚で返してもよい。いずれも本旨弁済。（ほんしべんさい）
個性が全くない。
価値そのもの。
同価値を返せば足りる。
常に調達可能
「払えない」のではなくて「払わない」だけ。
履行不能があり得ない（ヤーサンの世界）。法律上は払えないは存在しない。
履行遅滞のみ。
※種類物は製廃（生産中止）等があると履行不能になる。
「不可抗力をもって（支払遅滞の）抗弁となし得ない」
支払いが遅れている理由が予想外の天変地異に起因するとしても、なお遅延損害金を支払わなければ
ならない（履行遅滞責任）

2. 「遅延損害金を支払う特約をしておかなかったとしても、なお、これを支払わなければならない。」
→「物の引渡しを遅延」←予め、特約をしておかないと買主は売主から遅延損害金を取れない。
ただし、特約をしていない場合は民法所定の法定利率年５分になる。債務の額が大きければかなりな
負担感がある。
因みに商事法定利率は年６分。
Ex. 銀行などでの金融機関も利用した場合。
19:45~
※金銭債務について遅延損害金の特約を付していた場合。
→その上限は？
原則→契約自由の原則
ただし、公序良俗に違反しない限りで（民 90）
暴利は無効
しかし、これでは具体的な基準が不明瞭。
そこで、利息制限法。
平成１８年改正。判例理論を条文化。
１００万円以上 →１５％まで
１００万円未満～１０万円以上→１８％まで
１０万円未満→２０％まで
過払分 → 非債弁済 → 元本充当 → なお余剰あり → 不当利得返還請求可。
＜まとめ＞ 非支払性の確保
オカネは確実に支払われるべきである。そうしないと金融や物流は停滞する。
資本主義が成り立たなくなる。
「金は天下のまわりもの」
「高度の流通性」

3. ヒトの作為または不作為意を求める場合
作為請求 → ・雇用契約における労務給付請求権
・画家が絵を描く債務や役者が演技をする役務
不作為請求 → ・１９時以降は工場の操業をしない
・３階建て以上の家屋を建築しない
作為 ← 本来的債務の内容が実現（約束の内容そのもの）と強制できない。
任意に取り組む場合とそうでない場合では、履行の結果に差がでてしまうため。
損害賠償を以て代えるしかない。
不作為 ← モノの引渡しと同じ。
仕事に止めた場合であると、強制された場合であると、両者の履行結果に差異はない。
Ex. 仮処分
↑↑債権の種類ここまで↑↑
■債権の効力
① 対内的効力 ← 契約当事者限りの効力（基本原型）相対効 // 約束しましたっけ？の世界
② 保全的効力
← 契約当事者以外の第三者に対する効力（例外）「例外は狭く」そう幾つもない。
③ 対外的効力
対内
対外（広義） ・対外（狭義）
・保全
こう分けるヒトもいる。見解として。

4. 21:05～
① について
a. 給付授与件（基本原型）
→
b. 強制履行請求権
→
c. 損害賠償請求権
d. （契約の解除）
a. について
受け取る権利が無ければ要求も出来ない。当たり前。当然の前提。
b. について
任意の履行を期待できない場合
「裁判上の強制」
「引き渡してくれないのであれば訴えてでも、やってもらいますよ」
ただし、
モノの引渡しや不作為債務 → 強制履行 OK
作為債務 →強制履行 NG
c. について
引き渡してくれなくても良い。
しかし、それに伴って生じた損害を賠償してください。
作為債務の不履行 → 損賠へ
不作為 → なおやめない。
自力救済禁止の原則 （行政代執行など）
損賠へ。
物の引渡債務の不履行 → その態様には次のものがある。
債務不履行責任（民４１５，４１６）
履行遅滞 （やれるのに、やらない） 可能前提
履行不能 （やりたくても、やれない） 不完全前提
不完全履行（やりはしたが、一部不完全）
//遅滞と不能の違いは？オカネを例えれば、払えない（出来ない）、払わない（出来るがしない）