慶應ロ技研内で表面実装を教えるために作った資料です 手はんだ可能なように作られた部品しか扱ってないのでそんなに深いことは書いてません

1. 表面実装講習会
@ishtarmk2

2. 本講習の目的
• 表面実装部品の種類を大雑把に把握する
• 表面実装部品の半田付けの手法を学ぶ
• 各種半田付け用品のステマ

3. 表面実装部品とスルーホール部品の比較
表面実装部品 スルーホール部品
大きさ ものによるが小さいのはとことん小
さい
ものによるがピンピッチが狭くてせい
ぜい1.27㎜
プリント基板 1層のみで済む 全層埋めることになる
取扱難易度 慣れれば一部の以外はいける、せ
いぜい無くしやすい程度
楽

4. 例えば抵抗(結構恣意的に選んでるけど・・・)
もっと小さいのもあるけど手で付けるのは難しい

5. 半田コテ
• ニクロム式の安物だと何かとめんどい、せめてセラミックヒーター式に
• 温度調整が利くものが良い
• FX-600(Hakko)がおすすめ、てか買え
• どうしても安くしたけりゃDash(Hakko)

6. 半田
• 鉛入りの方が融けやすいし使いやすい(鉛を吸うと・・・気持ちいい！)
• 特に高密度のものは0.3㎜径、そうでなければ0.65㎜径推奨
• 0.3㎜径は秋月だと見ないが千石とかで買える
• 吸い取り線も細め(2㎜幅くらい)がいい

7. その他道具
• フラックス
• 半田の濡れを維持する
• 高密度になるほど大活躍
• フラックスクリーナー
• フラックスがつきっぱなしだと基板を腐食する
• ピンセット
• ツル首のが使いやすい

8. 半田付けの基本
• 部品もパターンも両方暖める
• 半田付けは化学反応による合金形成、熱が足りないと半田が馴染まない
• 暖め過ぎない
• 半田のノリが悪くなったりパターンが剥がれたりする、部品にも悪い

9. チップ抵抗/コンデンサ/インダクタ
• 直方体形
• 長さ×幅の規格がある(だいたい数字4桁)
• 手で付けられるのはせいぜい1005(㎜表記)くらいまで
• コンデンサが最近品薄

10. その他足2本以上のやつ
ダイオードとかレギュレータとか(SOT-23等)

11. つけ方(足の少ないやつ編)
①予備半田
1つのパターンに“少しだけ”半田を盛る
②仮止め
足を1つだけ予備半田を融かしてくっつける
③その後
予備半田の足以外をつけて最後に追加でその足に半田を盛る

12. D2PAK
• MOSFETに多い
ここの金属部がでかい
即ち熱容量がでかい

13. つけ方(D2PAK編)
• 前のとそんなに変わらないが熱容量の低い細い足からつけるといい
• そこそこ大きいので手で位置合わせしやすい
• でかい足(FETだとドレイン)は熱容量も大きいので半田コテの温度を高めに

14. 足のやたら多いやつ(高密度IC)
• ゲートドライバだのマイコンだのの高機能ICとかロジックICとか
• SSOP、LQFP等
• 初見だとうろたえるが案外手はんだ可能

15. つけ方(1)
1. 位置決め
・視力に自信が無ければルーペや顕微鏡を使う
・決まったらカプトンテープ等の耐熱テープで仮止めすると良い
・1ピンだけ予備半田してから決める手もある
2. フラックスを塗る
・対角線上の2ピンだけ半田付けしてから塗る
・びちゃびちゃになるくらい塗って良い(ハケで2回くらい)

16. つけ方(2)
3. 半田付け
• 0.3㎜径の半田があるとブリッジしにくい
• 位置決め時に滑らなければ予備半田をやってもいい
• 足と半田を同時に加熱、馴染んだらコテ先を引く感じで
4. 吸い取り
• どうせ一つ二つはブリッジするので・・・
• 吸い取り線でやる
• 吸い取り線の熱容量があるのでコテの温度を少し高めに
• 基板のパターンが特に細く剥がれやすいので温め過ぎに注意

17. 余談：コテ先の温度について
• コテ先は350℃以上で酸化が急速に進むらしい
• 一方半田の融点+150℃(370℃くらい)にしろという文献もある
⇒全然わからん・・・

18. 最後に
• 今日教えたのは手はんだを想定した表面実装部品の付け方のみ
• 手はんだを想定してない部品も多い
• ただし工夫次第では付けられる
• 手順についてはあくまで私のやり方なので自己流に最適化していい

19. より深く知りたい場合(参考資料)
『Marmalade増刊号 ステップアップのための表面実装活用術』
(日吉部室にあります)