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対応分析研究会
第9回
2021/10/09
津⽥塾⼤学 数学・計算機科学研究所
藤本⼀男
kazuo.fujimoto2007@gmail.com
第16章(1)
健康自己評価データに第3の変
数を導入する
Exhibit6.1に「性別」を投入する
• Exhibit16.1
• mosaic で表示する
• 【性別による傾向の違い】p121の最後の3行
Exhibit6.1再掲
mosaic plot で傾向
を確認
CAを実⾏してplotする
変数間の交互作用
• 問:
• 年齢群の傾向は一定 矢印 左から右に、若年(16-24)→ 高齢(75+)
• 性別関連効果は、すべての年齢層で同じなのか。
• p122「交互作用が存在しなければ、すべての年齢群にわたって
同じジェンダー差を確認できるだろう。」(ちょっと改変)
組み合わせコーディング
• 原語:interactive coding :
• 訳註参照 交互作用を確認したい変数を「組み合わせる」
• 『対応分析入門』では「交互作用変数」と訳していた。
• Exhibit16.2
• 『対応分析入門』
• p32「交互作用変数に構成された2つの変数の間の交互作用は、分析の
結果に影響しないので、どの変数を選択するのかは非常に重要である。
このために、関連に対する関心が最小である2つの変数を束ねることが
最善となる。なぜなら、疾病タイプへのこれらの変数との関係が主要
な関心であるからである。」
組み合わせコーディングされたクロス表
へのCA
• p122
• 「一般的に女性の方が健康については楽観的ではない」
• 同じ年齢群では、男性が左側、女性が右側。
• 「どの年齢群においてもこの現象の逆転はない」
• 「しかし、男性ポイントと女性ポイントの間の距離に注目するとい
くつかの相違点が見つかる」
• p123「これら年齢群にみる男性と女性のこうした違いの変化は、健
康の自己評価に関するジェンダーと年齢の間に交互作用があること
の証拠である。」
• 左右の位置はもちろん、上下も見るとして、それはどのような意味
だろうか。
年齢群を性別にわける
VG G Re B VB Sum
m16-24 145 402 84 5 3 639
m25-34 112 414 74 13 2 615
m35-44 80 331 82 24 4 521
m45-54 54 231 102 22 6 415
m55-64 30 219 119 53 12 433
m65-74 18 125 110 35 4 292
m75+ 9 67 65 25 8 174
f16-24 98 387 83 13 3 584
f25-34 108 395 90 22 4 619
f35-44 67 327 99 17 4 514
f45-54 36 238 134 28 10 446
f55-64 23 195 187 53 18 476
f65-74 26 142 174 63 16 421
f75+ 11 69 92 41 9 222
CAを⾏う
若年と⾼齢が⼊れ違っている。aspect⽐=1だとよくわからない。Dim2の慣性2.6%だし…。
第16章(2)
データセット9:働く女性に対
する態度
ISSP1994のデータ
• なお、ここで使用しているデータセットのオリジナルは、ISSP
のサイトからsav形式で取得できる。
• そこからLabeled SPSSで取得し、それをRオブジェクトに変換したが、
グルーピングであわないところがあるため、ここではcarme-n.orgで提
供されているデータを教材として使用した。
• Labeled SPSSのRオブジェクトへの取り込みは、別紙を参照してくださ
い。
ISSPの調査表を確認
womenraw.xls(⽣データ)からdfを作る
応答による
国別の
基本CAマップ
ジェンダーを「組合わせ的」に導入する
年齢群と
ジェンダー
の導入
マップの
アーチ状
(馬蹄形)
パターン
コメント、
• 性別とジェンダーの混在:原文はgender
• 多重?多元表?
「交互作用を見る」というのはどういう
アプローチか。
• 交互作用
• 分散分析
• 対数線形モデルで考えてみる
• CAでの交互作用
• 『対応分析入門』の第3章3.2(解説は第10章)
• 分散分析での交互作用plot
• GDAでサプリメンタリ変数を使った交互作用分析
Exhibit16.2のデータをGDAできるか
• 変数:性別、年齢群、健康自己評価
• 空間を自己評価でつくり、性別、年齢群をサプリメンタリ変数
としてplotしてみる。う、できないか…。
第17章 積み重ね表
Stacked Tables
16章「組み合わせコーディング」できる
変数の数には制限がある。
• p129
• そこで、積み重ね表、連結表という技法を用いる。
1. 「1つの設問」に「複数の」デモグラフィック変数という組み
合わせを考える。
2. 「複数の質問」に回答がある場合
第17章(1)
「1つの設問」に「複数の」デモ
グラフィック変数という組み合わ
せを考える。
組み合わせコーディングの
代わりの積み重ね
• 組み合わせコーディングをすると、
どういう構成になるのか
• 組み合わせる変数は、行に並んでいる
変数。
• これらの掛け算を行う。
• 解釈不能‥。
• 変数カテゴリが、2 × 6 × 5 × 7
ということ。
• Exhibit17.1を参照
積み重ね表のCA
• Exhibit17.2 対称マップ(← 非対称マップのほうがいいのでは。解
釈かわるのか。)
ここにあるコメントを理解しやすくするためにmapを色分けなどして
みればいい。
• 各サブ表の慣性を計算するためのfunction を用意した。
get_inertia <- function(.df){
.df %>% ca -> .tmp
.tmp$sv ^2 %>% sum() %>% return()
}
積み重ね表の分析を解釈する際の制約
• マップに示されているのは、各デモグラフィック変数と設問の
回答の関連。
• デモグラフィック変数間の関係ではない。
• これを表す「データ」は、この(積み重ね)表にはない。
Exhibbti17.2
積み重ね表における慣性の分解
• 積み重ね表のCAの総慣性は、個々表に対するCAの慣性の平均に
なる。
p132
第17章(2)
行方向、列方向の積み重ね表
行方向、列方向の
積み重ね表
• 横方向に広げることもで
きる。
• ISSPの実際のデータ
• 行方向、列方向の積み重
ね表のCA
すべての分割表に対する慣性の分解
• Exhibit17.5
数値としてQu2があってない。
また、formattableで⾊分け図⽰をしたので、列間の値の⽐較は正確ではない。
ただし、だいたい、同じオーダーなので、
Exhibit17.4
Exhibit17.3のデータにCA
を⾏った。
少しずれている。
慣性の%もDim1が、49.6%(テキスト)
だし。
変数「間」の連関が示されている。
変数「内」ではない。
• 「変数内の連関はMCAで扱う」ということの意味。
• ここでいう「変数間」の連関とはどういうことか。
• 同様に、「変数内」の連関とはどういうことか。
• これを、 Exhibit17.4での解釈として示そう!
NAの扱いがうまくいってないのだと思います。
p136のWxhibit17.6の説明に、「残りの8パーミル」
というのは、総慣性1000に対して、この表の合計の
992との差が8‰だということなので、計算の仕⽅を
再度確認してみます。
コメント
• 2変数を超えるデータに対して、組み合わせ変数(第16章)、積み重
ね表(第17章)を使う実際の場面というのはあるのだろうか。
• また、MCAを核としたGDAは、それらを包含するのだろうか。それとも、独自
のソリューションが可能なのだろうか。
• それともMCAを導くための「過程」?
• ISSPのデータをMCAしてみて比較してみればよい。
• country, gender,age,martal status, education,
• CARME本の”Correspondence Analysis in the Social Science” の
第7章に、積み重ね表の理解の仕方がステップを踏んで書かれている。
• 「積み重ねている表ごとにCAを実行」して、それを「一つのマップとして」
まとめる、というアプローチ。このアプローチの延長に、burt表が出てきて、
それへのCAとしてのMCAが説明されている。
• 2x2 表resultの取得はCA、SVDで可能か。
• 連関、交互作用、という視点からCAを整理できるか。
• 2変数から多変数への拡張の道筋

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