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SPSS Statistics Small TIPS
より効果的にご利用いただくために
1/10
IBM SPSS Statistics Small TIPS
中古車販売の価格予測モデル(2)
~ IBM SPSS Bootstrapping ~
SPSS Statistics Small TIPS
より効果的にご利用いただくために
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ブートストラップ法で結果の信頼性を上げる
With IBM SPSS Bootstrapping
ブートストラップ法は、標本集団からのリサンプリングを繰り返すことにより、母集団の性質を推定する B.Efron が提案した、
シミュレーション法のひとつです。
皆さんは、調査や研究のため、標本を集めてきて分析されていると思います。
しかし、標本からの結論はあくまで標本のものであり、全体である母集団の結論と同じかどうかは分りません。ブートストラ
ップ法を使うと、手元にある標本を効果的に利用し、母集団の近似を得ることができるので、より信頼性の高い結果を導くこ
とができるようになります。
ブートストラップ法が適応できる手法は多くあります(9ページ参照)。
本TIPSでは、記述統計と線形回帰分析のケースで、紹介していきます。
「ブートストラップ」の語源について・・・
ブートストラップという語源の背景には、こんなエピソードがあるそうです。
「ほらふき男爵の冒険」に登場するミュンヒハウゼン男爵が自分のブーツの紐を引っ張り上げることで底なし沼から脱出した、
というストーリーがあります。自分で自分を持ち上げる、つまり「自力で」という由来があるのです。本来、ブートストラップ
(Bootstrapping)とは、「今あるもので何とかする」という意味があるそうです。
SPSS Statistics Small TIPS
より効果的にご利用いただくために
3/10
それでは、実際に分析してみましょう。
使用するデータ
中古車メーカーの情報をふくむデータを使用します。
※使用するデータ「car_sales.sav」は、IBM SPSS Statistics にサンプルデータとして同梱されています。
このデータを使って、
1. 記述統計量からデータを把握する
2. 線形回帰で中古車価格の予測をする
をしたいと考えています。
ここでは、サンプル数が少なく、従って線形回帰を実行するための充分な統計的前提が満たされていない、という前提から
ブートストラップ法で使用します。
SPSS Statistics Small TIPS
より効果的にご利用いただくために
4/10
1. 記述統計 -ブートストラップ法を使わない場合
まずはブートストラップ法を使わない場合として、記述統計量を算出します。
分析>>記述統計>>記述統計
変数に「販売価格」、「エンジンサイズ」、「馬力」、「全長」を設定します。
オプションから統計量を選択します。以下4つにチェックをいれます。
実行の結果、記述統計量のテーブルが出力されます。
SPSS Statistics Small TIPS
より効果的にご利用いただくために
5/10
度数、最小値、最大値、平均値、標準偏差が4つの変数:「販売価格」「エンジンサイズ」「馬力」「全長」について計算されて
います。しかし、これらの値は標本の統計量ですから、母集団の値()と同じであるかどうかは判りません。もし標本と母集団
の分布がおおきく違っていれば・・・それぞれの値はおおきく異なる可能性があります。
次にブートストラップ法を使って、その違いはどの程度なのかを調べてみます。
2. 記述統計 - ブートストラップ法を使った場合
分析>>記述統計>>記述統計
記述統計のダイアログボックス内で変数、統計量を指定した後、ブートストラップ法を設定します。
画面右の「ブートストラップ」をクリックします。
ブートストラップの実行に☑を入れ、サンプル数を 1000 として
おきます。こうしておくことで、標本からのリサンプリングを
1000 回繰り返します。
Mersenne Twister シードで設定のシード番号を設定することで
同じシミュレーションを複製することができます。
サンプル法は、単純、層化と2種類あり、ここでは単純を選択
しています。
SPSS Statistics Small TIPS
より効果的にご利用いただくために
6/10
以上の設定により、重複を許しながら標本数と同じ数のサンプルを抽出するという作業を1000回、繰り返します。
※ブートストラップ法が適応できる分析メニューは「ブートストラップ」ボタンが現れ、どの分析手法も共通した手続きです。
手続きを実行すると、以下のような結果が得られます。
平均値や標準偏差などそれぞれの統計量について、標本と母集団との違いをあらわす「バイアス」、母集団における散らば
りである「標準誤差」、母数の95%の区間推定である「信頼区間」を算出することができます。
SPSS Statistics Small TIPS
より効果的にご利用いただくために
7/10
3. 線形回帰 - ブートストラップ法を使用
次に線形回帰の分析メニューでブートストラップ法を試してみましょう。
分析>>回帰>>線形
従属変数に「定価」を、独立変数に「車両タイプ」、「エンジンサイズ」、「馬力」、「全長」を設定します。
ブートストラップ法を設定します。
ブートストラップ法は、記述統計のときと同様、
単純サンプリングを1000回繰り返します。
SPSS Statistics Small TIPS
より効果的にご利用いただくために
8/10
手続きを実行すると、以下の結果が得られます。
係数テーブルに注目ください。ブートストラップ法を適応なしの場合と適応ありの場合のモデル係数が出力されます。
【ブートストラップ法 適応なし】
【ブートストラップ法 適応あり】
ブートストラップ法を適応することで、係数の正確性をあらわす標準誤差をより正確に推定することができます。
ブートストラップ法を適応させない係数表の標準誤差は、仮に正規分布をしていなくとも線形回帰の「統計的前提」を満たす
ことを前提としたうえで推定されます。しかし小さいサンプルを例として正規分布をしていない標本では、非現実です。ブート
ストラップ法を適応させることで、標本のリサンプリングから分布をつくりだすため、こういった統計的前提に依存しない方法
で、標準誤差を推定することができます。
SPSS Statistics Small TIPS
より効果的にご利用いただくために
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この資料では、記述統計と線形回帰においてブートストラップ法を使いました。他にも適応できる手法は多々あります。
標本の復元抽出を繰り返すことで、母集団の近似分布を作り出し、それによって信頼性の統計量をえることができるのが
IBM SPSS Bootstrapping です。医療の分野を中心に使用されることが多いようですが、とくに業界は問わず、さまざまな分
野、目的に使用されています。特にサンプル数が少ない場合、コストや周期性が原因でデータ収集が困難な場合、必要とさ
れる分布の前提が満たされない場合などにお勧めします。ぜひこの機会にご検討ください。
※IBM SPSS Bootstrapping は、単独で使用できるモジュールではありません。上表のモジュール:IBM SPSS Base, IBM
SPSS Advanced Statistics, IBM SPSS Regression いずれかの製品と組み合わせて使用します。
モデリング手法 製品
記述統計量 IBM SPSS Statistics Base
度数分布表 IBM SPSS Statistics Base
探索的分析 IBM SPSS Statistics Base
平均値 IBM SPSS Statistics Base
クロス集計表 IBM SPSS Statistics Base
t 検定 IBM SPSS Statistics Base
相関分析/
ノンパラメトリック相関分析
IBM SPSS Statistics Base
偏相関分析 IBM SPSS Statistics Base
線型回帰・順序回帰 IBM SPSS Statistics Base
判別分析 IBM SPSS Statistics Base
一元配置分散分析 IBM SPSS Statistics Base
一般線形モデル
*反復測定除く
IBM SPSS Advanced Statistics
一般化線形モデル IBM SPSS Advanced Statistics
Cox 回帰 IBM SPSS Advanced Statistics
ロジスティック回帰(2項、多項) IBM SPSS Regression
SPSS Statistics Small TIPS
より効果的にご利用いただくために
10/10
© IBM Corporation 2017. All Rights Reserved.
ワークショップ、セッション、および資料は、IBM またはセッション発表者によって準備され、それぞれ独自の見解を反映した
ものです。それらは情報提供の目的のみで提供されており、いかなる参加者に対しても法律的またはその他の指導や助言
を意図したものではなく、またそのような結果を生むものでもありません。本講演資料に含まれている情報については、完
全性と正確性を期するよう努力しましたが、「現状のまま」提供され、明示または暗示にかかわらずいかなる保証も伴わな
いものとします。本講演資料またはその他の資料の使用によって、あるいはその他の関連によって、いかなる損害が生じた
場合も、IBM は責任を負わないものとします。 本講演資料に含まれている内容は、IBM またはそのサプライヤーやライセン
ス交付者からいかなる保証または表明を引きだすことを意図したものでも、IBM ソフトウェアの使用を規定する適用ライセン
ス契約の条項を変更することを意図したものでもなく、またそのような結果を生むものでもありません。
本講演資料で IBM 製品、プログラム、またはサービスに言及していても、IBM が営業活動を行っているすべての国でそれら
が使用可能であることを暗示するものではありません。本講演資料で言及している製品リリース日付や製品機能は、市場
機会またはその他の要因に基づいて IBM 独自の決定権をもっていつでも変更できるものとし、いかなる方法においても将
来の製品または機能が使用可能になると確約することを意図したものではありません。本講演資料に含まれている内容は、
参加者が開始する活動によって特定の販売、売上高の向上、またはその他の結果が生じると述べる、または暗示すること
を意図したものでも、またそのような結果を生むものでもありません。 パフォーマンスは、管理された環境において標準的
な IBM ベンチマークを使用した測定と予測に基づいています。ユーザーが経験する実際のスループットやパフォーマンスは、
ユーザーのジョブ・ストリームにおけるマルチプログラミングの量、入出力構成、ストレージ構成、および処理されるワークロ
ードなどの考慮事項を含む、数多くの要因に応じて変化します。したがって、個々のユーザーがここで述べられているものと
同様の結果を得られると確約するものではありません。
記述されているすべてのお客様事例は、それらのお客様がどのように IBM 製品を使用したか、またそれらのお客様が達成
した結果の実例として示されたものです。実際の環境コストおよびパフォーマンス特性は、お客様ごとに異なる場合があり
ます。
IBM、IBM ロゴ、ibm.com、SmarterPlanet アイコンは、世界の多くの国で登録された International Business Machines
Corporation の商標です。他の製品名およびサービス名等は、それぞれ IBM または各社の商標である場合があります。
現時点での IBM の商標リストについては、www.ibm.com/legal/copytrade.shtml をご覧ください。
Microsoft, Windows, Windows NT および Windows ロゴは Microsoft Corporation の米国およびその他の国における商標で
す。

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  • 3. SPSS Statistics Small TIPS より効果的にご利用いただくために 3/10 それでは、実際に分析してみましょう。 使用するデータ 中古車メーカーの情報をふくむデータを使用します。 ※使用するデータ「car_sales.sav」は、IBM SPSS Statistics にサンプルデータとして同梱されています。 このデータを使って、 1. 記述統計量からデータを把握する 2. 線形回帰で中古車価格の予測をする をしたいと考えています。 ここでは、サンプル数が少なく、従って線形回帰を実行するための充分な統計的前提が満たされていない、という前提から ブートストラップ法で使用します。
  • 4. SPSS Statistics Small TIPS より効果的にご利用いただくために 4/10 1. 記述統計 -ブートストラップ法を使わない場合 まずはブートストラップ法を使わない場合として、記述統計量を算出します。 分析>>記述統計>>記述統計 変数に「販売価格」、「エンジンサイズ」、「馬力」、「全長」を設定します。 オプションから統計量を選択します。以下4つにチェックをいれます。 実行の結果、記述統計量のテーブルが出力されます。
  • 5. SPSS Statistics Small TIPS より効果的にご利用いただくために 5/10 度数、最小値、最大値、平均値、標準偏差が4つの変数:「販売価格」「エンジンサイズ」「馬力」「全長」について計算されて います。しかし、これらの値は標本の統計量ですから、母集団の値()と同じであるかどうかは判りません。もし標本と母集団 の分布がおおきく違っていれば・・・それぞれの値はおおきく異なる可能性があります。 次にブートストラップ法を使って、その違いはどの程度なのかを調べてみます。 2. 記述統計 - ブートストラップ法を使った場合 分析>>記述統計>>記述統計 記述統計のダイアログボックス内で変数、統計量を指定した後、ブートストラップ法を設定します。 画面右の「ブートストラップ」をクリックします。 ブートストラップの実行に☑を入れ、サンプル数を 1000 として おきます。こうしておくことで、標本からのリサンプリングを 1000 回繰り返します。 Mersenne Twister シードで設定のシード番号を設定することで 同じシミュレーションを複製することができます。 サンプル法は、単純、層化と2種類あり、ここでは単純を選択 しています。
  • 6. SPSS Statistics Small TIPS より効果的にご利用いただくために 6/10 以上の設定により、重複を許しながら標本数と同じ数のサンプルを抽出するという作業を1000回、繰り返します。 ※ブートストラップ法が適応できる分析メニューは「ブートストラップ」ボタンが現れ、どの分析手法も共通した手続きです。 手続きを実行すると、以下のような結果が得られます。 平均値や標準偏差などそれぞれの統計量について、標本と母集団との違いをあらわす「バイアス」、母集団における散らば りである「標準誤差」、母数の95%の区間推定である「信頼区間」を算出することができます。
  • 7. SPSS Statistics Small TIPS より効果的にご利用いただくために 7/10 3. 線形回帰 - ブートストラップ法を使用 次に線形回帰の分析メニューでブートストラップ法を試してみましょう。 分析>>回帰>>線形 従属変数に「定価」を、独立変数に「車両タイプ」、「エンジンサイズ」、「馬力」、「全長」を設定します。 ブートストラップ法を設定します。 ブートストラップ法は、記述統計のときと同様、 単純サンプリングを1000回繰り返します。
  • 8. SPSS Statistics Small TIPS より効果的にご利用いただくために 8/10 手続きを実行すると、以下の結果が得られます。 係数テーブルに注目ください。ブートストラップ法を適応なしの場合と適応ありの場合のモデル係数が出力されます。 【ブートストラップ法 適応なし】 【ブートストラップ法 適応あり】 ブートストラップ法を適応することで、係数の正確性をあらわす標準誤差をより正確に推定することができます。 ブートストラップ法を適応させない係数表の標準誤差は、仮に正規分布をしていなくとも線形回帰の「統計的前提」を満たす ことを前提としたうえで推定されます。しかし小さいサンプルを例として正規分布をしていない標本では、非現実です。ブート ストラップ法を適応させることで、標本のリサンプリングから分布をつくりだすため、こういった統計的前提に依存しない方法 で、標準誤差を推定することができます。
  • 9. SPSS Statistics Small TIPS より効果的にご利用いただくために 9/10 この資料では、記述統計と線形回帰においてブートストラップ法を使いました。他にも適応できる手法は多々あります。 標本の復元抽出を繰り返すことで、母集団の近似分布を作り出し、それによって信頼性の統計量をえることができるのが IBM SPSS Bootstrapping です。医療の分野を中心に使用されることが多いようですが、とくに業界は問わず、さまざまな分 野、目的に使用されています。特にサンプル数が少ない場合、コストや周期性が原因でデータ収集が困難な場合、必要とさ れる分布の前提が満たされない場合などにお勧めします。ぜひこの機会にご検討ください。 ※IBM SPSS Bootstrapping は、単独で使用できるモジュールではありません。上表のモジュール:IBM SPSS Base, IBM SPSS Advanced Statistics, IBM SPSS Regression いずれかの製品と組み合わせて使用します。 モデリング手法 製品 記述統計量 IBM SPSS Statistics Base 度数分布表 IBM SPSS Statistics Base 探索的分析 IBM SPSS Statistics Base 平均値 IBM SPSS Statistics Base クロス集計表 IBM SPSS Statistics Base t 検定 IBM SPSS Statistics Base 相関分析/ ノンパラメトリック相関分析 IBM SPSS Statistics Base 偏相関分析 IBM SPSS Statistics Base 線型回帰・順序回帰 IBM SPSS Statistics Base 判別分析 IBM SPSS Statistics Base 一元配置分散分析 IBM SPSS Statistics Base 一般線形モデル *反復測定除く IBM SPSS Advanced Statistics 一般化線形モデル IBM SPSS Advanced Statistics Cox 回帰 IBM SPSS Advanced Statistics ロジスティック回帰(2項、多項) IBM SPSS Regression
  • 10. SPSS Statistics Small TIPS より効果的にご利用いただくために 10/10 © IBM Corporation 2017. All Rights Reserved. ワークショップ、セッション、および資料は、IBM またはセッション発表者によって準備され、それぞれ独自の見解を反映した ものです。それらは情報提供の目的のみで提供されており、いかなる参加者に対しても法律的またはその他の指導や助言 を意図したものではなく、またそのような結果を生むものでもありません。本講演資料に含まれている情報については、完 全性と正確性を期するよう努力しましたが、「現状のまま」提供され、明示または暗示にかかわらずいかなる保証も伴わな いものとします。本講演資料またはその他の資料の使用によって、あるいはその他の関連によって、いかなる損害が生じた 場合も、IBM は責任を負わないものとします。 本講演資料に含まれている内容は、IBM またはそのサプライヤーやライセン ス交付者からいかなる保証または表明を引きだすことを意図したものでも、IBM ソフトウェアの使用を規定する適用ライセン ス契約の条項を変更することを意図したものでもなく、またそのような結果を生むものでもありません。 本講演資料で IBM 製品、プログラム、またはサービスに言及していても、IBM が営業活動を行っているすべての国でそれら が使用可能であることを暗示するものではありません。本講演資料で言及している製品リリース日付や製品機能は、市場 機会またはその他の要因に基づいて IBM 独自の決定権をもっていつでも変更できるものとし、いかなる方法においても将 来の製品または機能が使用可能になると確約することを意図したものではありません。本講演資料に含まれている内容は、 参加者が開始する活動によって特定の販売、売上高の向上、またはその他の結果が生じると述べる、または暗示すること を意図したものでも、またそのような結果を生むものでもありません。 パフォーマンスは、管理された環境において標準的 な IBM ベンチマークを使用した測定と予測に基づいています。ユーザーが経験する実際のスループットやパフォーマンスは、 ユーザーのジョブ・ストリームにおけるマルチプログラミングの量、入出力構成、ストレージ構成、および処理されるワークロ ードなどの考慮事項を含む、数多くの要因に応じて変化します。したがって、個々のユーザーがここで述べられているものと 同様の結果を得られると確約するものではありません。 記述されているすべてのお客様事例は、それらのお客様がどのように IBM 製品を使用したか、またそれらのお客様が達成 した結果の実例として示されたものです。実際の環境コストおよびパフォーマンス特性は、お客様ごとに異なる場合があり ます。 IBM、IBM ロゴ、ibm.com、SmarterPlanet アイコンは、世界の多くの国で登録された International Business Machines Corporation の商標です。他の製品名およびサービス名等は、それぞれ IBM または各社の商標である場合があります。 現時点での IBM の商標リストについては、www.ibm.com/legal/copytrade.shtml をご覧ください。 Microsoft, Windows, Windows NT および Windows ロゴは Microsoft Corporation の米国およびその他の国における商標で す。