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現代社会文化研究 No.46 2009年 12月
大学生卓球選手の練習中における酸素摂取量
及 び心拍数変化 について
張 環 宇
AbstmL:I
Withthecontinuousde\'el叩IllL11tOl、tとIbletennis.JLlPaneSeuni、-ers申'sludentsare呈llso
const三一n tlい mpro、,ingthele、relot、tLlbleten山S・AcL・OrdingtothechilraCterislicsoi、tabletclln亙
Itom th e l e isure.healthpromotionintotlleCOmPetitivcsportshLIVeaVery、、'iderangeoI、rilnS.
WithTegilrdtocolllPetilil・-ctcl-I-is_It-cskillle†-elsorthedi批rC一一teXerCiscintensitymayVarl・.
SoitcanheexpectedduetothediITerentskilllevels.O\I.gCIluptake,energyconstlmPtion
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キー一・r/1- 卜-- ・酸.素摂取丘 V 、 心 拍数 で::く 三軍動強轄
は じめに
スポーーツcrl運動強度は、心拍数 (HR)と高い相関関係 にあることはよく知 られ てい る..特に
競技スポ--ツを行 う場面では、個人の能力以外に も複雑な因子が左右 して、その運動強度 を正
確に把握す ることができれ ば、競技 レベルが向上できると考えられ るC
卓球は最 初、 ピンポンとい :)名称にふ さわ Lい千一一ブJLLn上でLJl単純なシ ョーート打 ちul技術
か ら始め られ た と言われているが、今 日では、スマ ッシュ打法や ドライブ打法等の高度な技術
と糞に高い運動量のスポーツ種 目の一つであるOそれ故、間欠的運動種 目であるが、高い体力
が要求 され る競技であるといえよ う。
先行研究によると各打法毎の練習強度、エネルギーー消費塵の比較では、スマ ッシ毘練習が愚
者j運動強度が高 く、次い でフッ トワ- タ、練習ゲ-ム、フォア打ち、バ ック打ちの順であった。
この順序では、心拍数 、R.M.鼠、%VOZmax、 といった各種強度指標か らみて も同様の傾 向で
-237-
大学生卓球選手練習 中における酸素摂取量及 び心拍数変化につい て (演)
あった l)う∼J ま た 、 熟練度 の異 なる選 手間 では、熟練者 ほ ど運動強度 は 高 く、心拍数 及びェ ネル
ギー-消費 亀 が 多 くな る傾 向があ り、特 に動 きの 太きな打法練習時に差が拡 太せ る傾向がある紺ハ
実際 の試合か ら考 える と ドライブ、切 り替え し練習 、ドライ ブ.スマ ッシ認打 ちに よるフ ッ ト
ワ- タ練習は最 も重要で、ポイン トを取 る草段 である と考え られ る√。そのため、今回 は、フォ
ア打 ち、バ ック打 ち、 ドライブ、切 り替 え し、 ドライ ブ・スマ ッシュ打 ちに よるフ ッ トrj--ク練
習 とい う順番 で 行 うp。
1 卓球の競技特性
西田は、卓球の競技特性 は他 のスポー-ツ種 目と比較 Lて、次の よ うな ことが挙 げ られ る。
者卓球は比較的安全 に実施す るこ とが で きる。
書車球は調整できる運動強度 の幅 が広 いE〕
・卓球 は少 人数で行 うことができるT. (最低 2人)
その ぼか に も、打球の ス ピー ドが極 め て速 く、全身のバ ランス感覚や反応時間の速 さが要 求 さ
れ るo また、敏捷性 、巧擦 性 な どの体 力要素 と同時 に判断 力、集 中力 も必要である3㌔
一方 、使用す る用具 が軽 量で 、移 動範 囲 も広 くない ため、 自分の体 力や年齢 、技術 、 目的 に
合わせ て行 うことが できる うえ、身体接触がな く、 プ レ- 中の事故や怪 我 が少 ない。 そ して、
村庚に左 1.i-され る ことな く、ルー一一′レが 比較的 簡単であ るとい うことか ら、生涯 スポー-ツとして
の適性 も高い と考え られ る4)0
卓球携技 は、秒速 35m、毎 秒 壬20回転 に達す るポー一一一ルを返球す るため に、選 手はその状況 に
応 じて正確 で高度 な対応 を迫 られ るOそ して、4-5秒 間の ラ リー-時 にお ける無酸素的運動 と 10
-15秒間の ラ リ-休 止時の有酸素的運動 を繰 り返す壊技 で もある5)0
2 日 的
本研究は持久 力 ト レ--ニ ンダ及び技術 トレー-ニン グ、あ るい はそれ らの内容の改善に薯す る
こ とを 目的 とす る。 一 般 大学生卓球選 手を対象 とした各棟練習方法 を用 い られ 、各パ タ- ン練
習 中の酸素摂取量 EVO2い こ、拍数 桐 R) を連続的 に測定 。比較す る。
多球練習の運 動 強 度の実態 を調査 し卑同時に選手の熟練度の違 い に よる差異等 を明 らかにす
るためであるO連 動 率の呼吸循環 器系 の指標 とな る心拍数 、酸素摂 取 盛等 を継続的に測定す る
とい うことは、運動 中の心臓機能 の評価 、全身持久性 の トレ-ニ ンダU)指標 とい う意 味か らも
運 動生理学には極 めて董要 な意味 を持つ もの と考え られ る。
トレー-ニンダ内容 を決 定す る とで 、同一-課題 の下で ラ リいが続 く状態 を予定 した多球練習 を
行 い 、練 習 中の酸素摂取量及び心拍数等 の測定に よってその傾 向を見 る ことが必要で あ るC こ
-238-
現代社会 文化研究 No,舶 2009年 12月
の ことか ら卓球 の呼吸循環器 系機 能 の対応 を検討 し、娩技 力向 上に資す る ことを 目的 としたu
3 方 法
3- 1 被験 者
本案験の被験者は新潟大学 卓球部 男子選 手 3名、女 子選 手 3名 と した。 その 内訳 は男 子大学
生選 手 らの年齢 :20.3±1.53歳 、身長 :164.3±2.31cm、体重 :613±4.16kg、娩技歴 M.o±1.0
年)であった,A
女子大学生選 手 らの年齢 :音93±2、3】歳 、身長 :156.3±4.16cm、体 重 :48,3±3.5豆kg、観 技歴 :
ll.3±1.53牢) であった。 各被験者は週 4回以 上、毎回 4時 間の練 習 を行 って い るっ
3-2 実検期 日 ・場 所
場所 ・期 日 新潟 大学 第-体 育館
2009年 8月 3-4日
3-3 測定装置 及 び方法
心拍 数 の測定 には、無線心電計 ボ ラ- ルスポー-ツ心拍計 polaFS610iを用い 、胸 部双極誘導 の
心電 図 に よ り測定 した心電図の QRS 波 よ り 10秒毎 の心拍数 を練習 中連続 して計測、練 習時 の
心拍数 及 びエ ネル ギー消費量を測定す る こと と した。酸 素摂 取塵の測定には、MedicalGFaphics
Corporation製 呼吸代謝測 定装置 (VO2000)を用 い、 これ を被験者 に装 着 させ て練習 時 の V02
を測 定 した。
3-4 実験方法
試技は葛 西真筆済山 が行 った実験 と同 じく6)、多球練 習法 を用 い ブ イ- ダー が --一定 の ス ピ- ドと
ボーール を他領 コ一一トの一一 一一定地点 に 向けて打球 させ る ことと した これ らの練習 は安 静時 心拍 数
が戻 るまで休 憩 をは さみ 各 2分間ずつ連続 的 に 行 っ た 。
-239-
大学生卓球選 手練習中におけ る酸素摂取量及び心拍数変化について (張)
3- 5 本実験 における試 技内容
実験時にお け る大学生選 手の試技 内容は、
フォア打 ち
バ ック打 ち
ドラ 1J-/
切 り替 し
4 結 果
各過程 が行 われ るについて最大値 。最小値 ともに心拍数 が 上が って きて、 フォア打 ち とバ ッ
タ打 ち練習後の VO 2、HR、運 動強度 が 一番低 か つたO ドライブ 8スマ ッシュ打 ちに よるフ ッ ト
ワ--ク練習の時 に VO2、HR、運動強度 が山番 高かった,3
卓球競 技に お い て 心肺機 能 を強化 す るた めには、 ドライブ 。スマ ッシ温打 ちに よるフ ッ トワ
年 齢 身 長
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競 技 歴
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心
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競 技 レベル
インカレ出場インカレ出場
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表 1 男 子 大 学 生 選手の特性
戦型 慧警 競鮎 ベル
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45 ドライブ 13 インカレ出場
48 ドライブ 11 インカL・・出場
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表2女子大学生選手の特性
-24() -
現代社会 射 ヒ研 究 No46 2009年 12月
4-1 2分間 フォア打 ち練習 中にお け る酸 素摂取量及 び心拍数変化に つ いて
フ ォア 打 ち練 習 中 の 男 子 大 学 生 選 手 に お け る体 重 当 た りの VO芝の 平 均 音感は 22.旨さ5.0
m故買imin、平均HRは8鳥L51±4,5bpm.,運動強度 の指標 と しては R.M.Rで 1.日 0,Bkca蔓もu溜二と
L6%VO 2ma駕であったQ
女子大 学生選手におけ る体 重 当た りの VO:の 平均 値 は 24日 6jmllkgfmin、平均 描‖ま91,74
±17.5bp恥 運動強度の指標 と しては R.MRで 2,9±1.6kcal、17.5±5.悔 VO2maXであった。
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被験者
図 1 男子大学生選 手におけるフォアハンド練 習時の酸素摂取量及び心拍 数変化
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被験者
図 2 女子大学生選 手におけるフォアハンド練習時の酸素摂取 量及び心拍 数変化
4-2 2分間Jくックハ ン ド練習 中に おける酸素摂 取量 及 び心拍数 変化 に ついて
バ ッタ練 習 中の男 子大学 生 選 手にお け る体 重 当た りの V02の 平均値 は BS.0才54mU恕glmin、
平均 HRは 90.31±5.6bpm。 運 動 強度 の指 標 と してほR通風Rで 2- ±0.2kcal、甘 2±2.4%VO2maX
であった L,
一二41-
大学生車疎遠 手練習 中にお け る酸素摂取鷺及び心拍数変化について (演)
女 子大学 生選 手にお け る体 重 当た りの V02の 平均値は 25,日 7.3m眺 欝加 批 平均 HRは 91.18
二日 5.5bpmQ 運 動 強度 の 指 標 としては R.M.Rで 301I.3kcal、17(巨 34%VO :maX ごあ ったC
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被験 者
図 3 男子大学 生選手におけるバ ックハンド練 習時 の 酸 素 摂 取 量 及 び 心 拍 数変 化
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被験者
図 4女子 大学 生選 手 におけるバックハンド練 習時 の 酸素 摂 取 量 及 び 心 拍 数 変 化
4- 3 2分 間 ドラ イ ブ練 習 中 に お け る酸 素 摂取量 及 び心 拍 数 変化 に つ いて
ドライ ブ練習 中の男 子 大学 生選 手 にお け る体 塵 当た りの VO空の 平均値 は 3机 ±12.2m王ikgim壷n、
A- :こ:く. い 二日、 t畑 、11で ・・・,∴ト ー_ :'.1仁 一 ∴ k\トこ 与、‥ ・て!、し、■こ、!\ く ∴一日1.:-:ハ
で あった。
女 子 大学 生 選 手にお け る体 蚤 当た りの V02の 平均値 は 舷 4±8.3mlikglm豆m、平均 を-董Rは 1号0.03
七18,9bpm。 運 動 強 度 の 指 標 と して は R.描.Rで 4,91-日 .Okcal、29,3-をl摘 %VO2ma7iであ った。
-24二一
現代社会 文化研 究 No.46 2009牢 12月
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被験者
図 5男子大学生選 手におけるドライブ練習時の酸素摂取量 及び心拍数変化
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被験者
図 6女子大学生選 手におけるドライブ練習時の酸素摂取量 及び心拍数変化
4-4 2分間切替 し練習 中にお ける酸素摂取量及 び 心拍数変化について
切替 し練習 中の男 子大学生 選 手 にお け る体重 当た りの V02の平均値は 44.2±3.0mlikglmin、
平均 HRは 109闇 ±4.7bpm。運 動強度 の指標 としてほ R.M.Rで 5滴 ±2.Skcal、2§El±3.0%VO2maX
であった。
女子大学生選手 にお け る体重 当た りの V02 の 平均値 は 59。l±7.逢mllkgimin、 平均 HR は
湿24.61±15.2bpm。運動強度の指標 としてほ R.捕.Rで 6.6±LOkca及、40.7±9.3%VO2maXであっ
た .
一〇431
大学 生卓球選手練習 中にお け る酸素摂 取 最及び心拍 数変 化 につ い て (張)
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被 験 者
図 7男子大学生選手における切替し練習時の酸素摂取量及び心拍数変化
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被験者
図 8女子大学生選手における切替し練習時の酸素摂取量 及び心拍数変化
4-5 2分間 ドライ ブ ・スマ ッシュ打 ちによるフ ッ トワー ク練習 中における酸素摂取量及
び心拍数変化 について
ドライブ 書スマ ッシュ打ちに よるフ ッ トワ-一夕練習 中の男子大学生選 手におけ る体重 当た り
の V02の平均値 は 68,6±9.7mUkgimin、平均 HRは 136-56±汁 7bpmo 運 動強度 の指標 としては
R.M.鼠で 8.5±2.6kcal、50,1±7.4%VO 2maXであった。
女子大学生選手にお ける体重 当た りの V02の平均値 は 72.4±8.3m豆ikg/m豆n、平均 HRは 150.46
±まま.lbpmQ運動強度の指標 としては R。M.Rで 101土工3kcal、60.9±8.0%VO 2maXであった 。
-244-
酬 ttlt圭 い LGlU左 \いJ(一 二u()I)I-1:-12ト〕
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被験者
図 9男子大学生選 手 におけるドライブ・スマッシュ打ちによるフットワーク練 習時の酸素 摂取量
及び心拍数変化
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被験者
図 10 女子大学 生選 手におけるドライブ・スマッシュ打ちによるフットワーク練習 時の酸 素 摂 取
量及び心拍数変化
5 考 察
城 西大学学 生陸 上短 距離選 手 7名 g)体 墓当た りの最 大酸 素摂 取 塵の 平均 値 は 495m挽 g lm in 、
6名琵距離遅 事の終 電 当た りの最 大酸 素摂 取 量の 平均値 は 5734rn眺glminであ った7㌧ は 、 -一 流
陸 上娩技 選 手の 測 定 を行 い 、 短 距 離 選 手 5名 、体 重 当た りの 巌 太 酸 素 摂 取 塵 の 平均 値 は
7嘗7mlikglkgと報告 してい る8㌔
また、サ ッか -選 手 5名 の体 重 当た りの最 太酸 素摂 取 亀の 平均値 は 4613lm豆Ikg/minであっ た9㌔
全 日本 ユ - ス候 補 選 手 16 名 の 測 定 を 汚 い 、 体 墓 当た りの 最 大 酸 素 摂 取 量 の 平 均 値 は
629imlikgiminと報告 Lてい るIO)C
ア メリカン ・ フッ トボ--パ吊ま高い 有酸 素 的能 力が要求 され ると考 え られ るが 、最 大酸 素摂 取
量に つい ては、む しろ、短距離選 手に近 い 値 を示す こと巨 つい て興 味が持 たれ る点 であ る と述
一二45-
太学生葛球速 羊練習中における酸素摂取量及び心拍数変化について (張)
べてい る‖)。
今回の実験 に よ り、実際の卓球鞠技 中では、陸上選 手や サ ッカ ー-選 手 な どの よ うな非 常 に高
い運動強度や酸素摂取量が必要 ではない と考 え られ る_W
財団法人 日本卓球協会 スポ--ツ科学委員会が発行 した 「Q&A 方式 卓球スポー-ツ科学ハ ン
ドブ ック jに よれ ば、「卓球 は有酸素運動 の代表的 なスポー-ツであ る)この有酸素運動 とは、大
気 中の酸素 を取 り入れエ ネルギ- を産 出す る運動である′J エア ロビック、マ ラ ソンな ども同 じ
有酸素運 動であ り、 これ は、脂肪燃焼効果が大きい j とされ てい るu)。
各パ ター-ン練 習 中の酸 素摂取量 ・心拍数 お よび運 動 強度 の指標 に関 しては、女子大学生選 手
がすべ て男子 太学生選 手 よ り高か った,⊃
この 主な原因 と しては、女 子太学生選 手が男子大学生選 手 よ り練習 中の体全身 の動 きが多か
ったためであると考えられ る。
酒野 に よる と卓球競技が相 当 skillを重視 しなけれ ばな らない種 目であ る ことは異論のない と
ころであ る。 高度な sk量目を発揮す るには、ある程度の体 力、持久力な どが必要である13)Q
今回の実験 を踏 蓋え、体 力 ・持久 力等 を向上す るた めの練習 パ ター ンには、 ドライブ ・スマ
6 まとめ
卓球 は運動範囲が狭いが、俊敏な動作が要求 され る運動 形態 を とり、 上肢 と下肢 を間欠的 に
動かす運 動であるO 活動筋 の絶対量は ヱポイ ン ト中の動作時間が極 めて短 い ものであ るか ら筋
力やパ ワ- といった体 力要素 よ りも敏捷性 が最 も要求 され る ものであるO
規則的 なフ ッ トワ一 夕練習 を多球練習法 で行 なった場合 に、呼吸循環器 系機能 の指標 として
の酸素摂 取量および心拍数 が著 しく高値 を示 したO この こ とは、 これ らの多球練習が葛球選 手
の呼吸確環器系の機 能 を高 める上で、非常 に効果的 な専門的 トレ- ニ ングであることを示 した。
今後、袈験条件 さらに整 え、卓球競技の実際 の試合 中に よる酸素摂 取畳、心拍数等 を測定 し、
心臓機能 を促進 に よる心拍数 の反応 を運動負荷強度 として考慮す る場合 、実質的 にプ レイの動
作 に含まれない ロスタイム を どの よ うに活用す るかに よって変化す る心拍数 を考慮 しなが らゲ
- ムにお ける運動負荷強度 を考 えなけれ ばな らない と考 え られ るo
<注>
1)品田め ぐみ 「卓球の運動強度 に関す る研究 上 『日本体 育学会 大会 号』31,㍗.397 、19弧
2)張 環等 「中国プ ロ卓球選 手の練習 中にお ける心拍数につい て」 ∼ 『新潟体育研 究』27、3008。
3)西 田昌宏 『卓球』 、べ- スポー-ル ・マガジ ン社 、pp.10-日 、19850
4)吉 田和人 『卓球 ステ ップア ップ術発想 を変 えてみ ませんか ?』、静岡新聞社 、20040
5)葛西順 1-- 「卓球競 技の試 合 中お よび練習 桝 こお け る酸素摂取 敬 の動産上 『日本 体育学会 大会 号』44、
-二ヰ(1-
現代社 会 文化研 究 No.46 2009年 i2月
P.678 ∼i993。
6)前掲 、葛 西 「牽球 鏡 技 の試 合 中お よび練 習 中に お け る酸 素摂 取 慶 の測 定 」。
7)明 石正和 勉 [本学 運 動 幾 技 運 筆 の 最 大酸 素 摂 取 農 工 『城 西 大 学 研 究年 報 紀 要』6、pp・m9-呈26 ㌔19g20
8)黒 田善雄 他 用 本 人 一 流 親 授 選 手 の最 大酸 素 摂 取 量 と最 大酸 素 負 荷 農工『日本 体 育 協 会 スポ--ツ 科 学 研
究 報 告 」二第 l報 、1968._
9)前 掲 、明 石 「本学 運 動 暁 技 選 手の最 大 酸 素摂 取 盈 」。
iO)戸苅晴 彦 触 上 流 サ ッカー 選 手 の 体 力に つ い て 上 『体 育紀 要 』 13,ppL33-42、i979r
iり 前 掲 、黒 田 「日本 人 - 転売親 授 選 手の最 大酸 素摂 取 量 と最 大酸 素 負 荷 盈 」。
12)日本 卓球 協 会 ス許 。ツ科 学 委 員会 編 『Q&A方 式 ・卓 球 スポ ー一一ツ科学 - ン トブ ッ ク』、同 委 員 会 、pp朋 -29、
1993。
13)清野幸也 「卓球 の試 合 中 にお け る心拍 数 」、『日本 体 育 学 会 大 会 号』30,p。288 、王979(,
童 指 導 教 員 (牛 山幸彦 准 教 授 )、副 指 準 教 員 (五 十嵐 久 入 教 授 、 八坂 剛 史准 教 授 )
-247-

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大学生卓球選手の練習中における酸素摂取量及び心拍数変化について

  • 1. 現代社会文化研究 No.46 2009年 12月 大学生卓球選手の練習中における酸素摂取量 及 び心拍数変化 について 張 環 宇 AbstmL:I Withthecontinuousde\'el叩IllL11tOl、tとIbletennis.JLlPaneSeuni、-ers申'sludentsare呈llso const三一n tlい mpro、,ingthele、relot、tLlbleten山S・AcL・OrdingtothechilraCterislicsoi、tabletclln亙 Itom th e l e isure.healthpromotionintotlleCOmPetitivcsportshLIVeaVery、、'iderangeoI、rilnS. WithTegilrdtocolllPetilil・-ctcl-I-is_It-cskillle†-elsorthedi批rC一一teXerCiscintensitymayVarl・. SoitcanheexpectedduetothediITerentskilllevels.O\I.gCIluptake,energyconstlmPtion iⅢdthenumberorchangesinheartrとIteI一一叩 bcverl.ditrerent.Irtheskilllevelis、,errlow, ".ouldbcI,err.di汀icultcombLltantSSParinar0、、㌔dudthes")peol、ilCtiviliesisrClati、-ell・ nこIrTO\\\()\Irgenintake,energy:consumpliollとIndthenumberorheartrateisl0、、'erthanthe highlevelsplayersITofurtherenhElneethecompctiti、,elevelortablelcnnis,itisllCCeSSとIrytO investigatethevariouslel'elsorplayersinpracticewhentheo\IrgenuPtakeこIndheとIrtrとItC numberchanges・Thercrore,thisstudI・.investigatedthel一umberoい ・cars,andcompetitive athleticrelatively'highlel■elsol、univers恒rsttldentspractic-illgtabletennisplaI・,ersinoxygen uptake.LllLlrgyCOnSumPtionandthenumberorchallgeSinheこlrtrate. キー一・r/1- 卜-- ・酸.素摂取丘 V 、 心 拍数 で::く 三軍動強轄 は じめに スポーーツcrl運動強度は、心拍数 (HR)と高い相関関係 にあることはよく知 られ てい る..特に 競技スポ--ツを行 う場面では、個人の能力以外に も複雑な因子が左右 して、その運動強度 を正 確に把握す ることができれ ば、競技 レベルが向上できると考えられ るC 卓球は最 初、 ピンポンとい :)名称にふ さわ Lい千一一ブJLLn上でLJl単純なシ ョーート打 ちul技術 か ら始め られ た と言われているが、今 日では、スマ ッシュ打法や ドライブ打法等の高度な技術 と糞に高い運動量のスポーツ種 目の一つであるOそれ故、間欠的運動種 目であるが、高い体力 が要求 され る競技であるといえよ う。 先行研究によると各打法毎の練習強度、エネルギーー消費塵の比較では、スマ ッシ毘練習が愚 者j運動強度が高 く、次い でフッ トワ- タ、練習ゲ-ム、フォア打ち、バ ック打ちの順であった。 この順序では、心拍数 、R.M.鼠、%VOZmax、 といった各種強度指標か らみて も同様の傾 向で -237-
  • 2. 大学生卓球選手練習 中における酸素摂取量及 び心拍数変化につい て (演) あった l)う∼J ま た 、 熟練度 の異 なる選 手間 では、熟練者 ほ ど運動強度 は 高 く、心拍数 及びェ ネル ギー-消費 亀 が 多 くな る傾 向があ り、特 に動 きの 太きな打法練習時に差が拡 太せ る傾向がある紺ハ 実際 の試合か ら考 える と ドライブ、切 り替え し練習 、ドライ ブ.スマ ッシ認打 ちに よるフ ッ ト ワ- タ練習は最 も重要で、ポイン トを取 る草段 である と考え られ る√。そのため、今回 は、フォ ア打 ち、バ ック打 ち、 ドライブ、切 り替 え し、 ドライ ブ・スマ ッシュ打 ちに よるフ ッ トrj--ク練 習 とい う順番 で 行 うp。 1 卓球の競技特性 西田は、卓球の競技特性 は他 のスポー-ツ種 目と比較 Lて、次の よ うな ことが挙 げ られ る。 者卓球は比較的安全 に実施す るこ とが で きる。 書車球は調整できる運動強度 の幅 が広 いE〕 ・卓球 は少 人数で行 うことができるT. (最低 2人) その ぼか に も、打球の ス ピー ドが極 め て速 く、全身のバ ランス感覚や反応時間の速 さが要 求 さ れ るo また、敏捷性 、巧擦 性 な どの体 力要素 と同時 に判断 力、集 中力 も必要である3㌔ 一方 、使用す る用具 が軽 量で 、移 動範 囲 も広 くない ため、 自分の体 力や年齢 、技術 、 目的 に 合わせ て行 うことが できる うえ、身体接触がな く、 プ レ- 中の事故や怪 我 が少 ない。 そ して、 村庚に左 1.i-され る ことな く、ルー一一′レが 比較的 簡単であ るとい うことか ら、生涯 スポー-ツとして の適性 も高い と考え られ る4)0 卓球携技 は、秒速 35m、毎 秒 壬20回転 に達す るポー一一一ルを返球す るため に、選 手はその状況 に 応 じて正確 で高度 な対応 を迫 られ るOそ して、4-5秒 間の ラ リー-時 にお ける無酸素的運動 と 10 -15秒間の ラ リ-休 止時の有酸素的運動 を繰 り返す壊技 で もある5)0 2 日 的 本研究は持久 力 ト レ--ニ ンダ及び技術 トレー-ニン グ、あ るい はそれ らの内容の改善に薯す る こ とを 目的 とす る。 一 般 大学生卓球選 手を対象 とした各棟練習方法 を用 い られ 、各パ タ- ン練 習 中の酸素摂取量 EVO2い こ、拍数 桐 R) を連続的 に測定 。比較す る。 多球練習の運 動 強 度の実態 を調査 し卑同時に選手の熟練度の違 い に よる差異等 を明 らかにす るためであるO連 動 率の呼吸循環 器系 の指標 とな る心拍数 、酸素摂 取 盛等 を継続的に測定す る とい うことは、運動 中の心臓機能 の評価 、全身持久性 の トレ-ニ ンダU)指標 とい う意 味か らも 運 動生理学には極 めて董要 な意味 を持つ もの と考え られ る。 トレー-ニンダ内容 を決 定す る とで 、同一-課題 の下で ラ リいが続 く状態 を予定 した多球練習 を 行 い 、練 習 中の酸素摂取量及び心拍数等 の測定に よってその傾 向を見 る ことが必要で あ るC こ -238-
  • 3. 現代社会 文化研究 No,舶 2009年 12月 の ことか ら卓球 の呼吸循環器 系機 能 の対応 を検討 し、娩技 力向 上に資す る ことを 目的 としたu 3 方 法 3- 1 被験 者 本案験の被験者は新潟大学 卓球部 男子選 手 3名、女 子選 手 3名 と した。 その 内訳 は男 子大学 生選 手 らの年齢 :20.3±1.53歳 、身長 :164.3±2.31cm、体重 :613±4.16kg、娩技歴 M.o±1.0 年)であった,A 女子大学生選 手 らの年齢 :音93±2、3】歳 、身長 :156.3±4.16cm、体 重 :48,3±3.5豆kg、観 技歴 : ll.3±1.53牢) であった。 各被験者は週 4回以 上、毎回 4時 間の練 習 を行 って い るっ 3-2 実検期 日 ・場 所 場所 ・期 日 新潟 大学 第-体 育館 2009年 8月 3-4日 3-3 測定装置 及 び方法 心拍 数 の測定 には、無線心電計 ボ ラ- ルスポー-ツ心拍計 polaFS610iを用い 、胸 部双極誘導 の 心電 図 に よ り測定 した心電図の QRS 波 よ り 10秒毎 の心拍数 を練習 中連続 して計測、練 習時 の 心拍数 及 びエ ネル ギー消費量を測定す る こと と した。酸 素摂 取塵の測定には、MedicalGFaphics Corporation製 呼吸代謝測 定装置 (VO2000)を用 い、 これ を被験者 に装 着 させ て練習 時 の V02 を測 定 した。 3-4 実験方法 試技は葛 西真筆済山 が行 った実験 と同 じく6)、多球練 習法 を用 い ブ イ- ダー が --一定 の ス ピ- ドと ボーール を他領 コ一一トの一一 一一定地点 に 向けて打球 させ る ことと した これ らの練習 は安 静時 心拍 数 が戻 るまで休 憩 をは さみ 各 2分間ずつ連続 的 に 行 っ た 。 -239-
  • 4. 大学生卓球選 手練習中におけ る酸素摂取量及び心拍数変化について (張) 3- 5 本実験 における試 技内容 実験時にお け る大学生選 手の試技 内容は、 フォア打 ち バ ック打 ち ドラ 1J-/ 切 り替 し 4 結 果 各過程 が行 われ るについて最大値 。最小値 ともに心拍数 が 上が って きて、 フォア打 ち とバ ッ タ打 ち練習後の VO 2、HR、運 動強度 が 一番低 か つたO ドライブ 8スマ ッシュ打 ちに よるフ ッ ト ワ--ク練習の時 に VO2、HR、運動強度 が山番 高かった,3 卓球競 技に お い て 心肺機 能 を強化 す るた めには、 ドライブ 。スマ ッシ温打 ちに よるフ ッ トワ 年 齢 身 長 hg .4' ,:,二 ・(・:.H E 望禦 163163 167 ____ ___過 _ sub.unl1 20 日 ltl.lm l二 19 iilLl」生1_i._?,‥_22.. \lL・こ川 200 ㌔.L). !53 競 技 歴 くyea「) 2 1 ( ー ー ■ S L ''.E I 心 164.0 61.0 2.31 4.16 競 技 レベル インカレ出場インカレ出場 ノヽ⊥llll⊥lヨ 表 1 男 子 大 学 生 選手の特性 戦型 慧警 競鮎 ベル sub .UWI sub .uw2 sub . uw3 八 .・ l Ll(ill S . I) . 45 ドライブ 13 インカレ出場 48 ドライブ 11 インカL・・出場 J__0"".iニ/;b_LJ且 遠 ll.3 1.25立;:]・:・.I,; 表2女子大学生選手の特性 -24() -
  • 5. 現代社会 射 ヒ研 究 No46 2009年 12月 4-1 2分間 フォア打 ち練習 中にお け る酸 素摂取量及 び心拍数変化に つ いて フ ォア 打 ち練 習 中 の 男 子 大 学 生 選 手 に お け る体 重 当 た りの VO芝の 平 均 音感は 22.旨さ5.0 m故買imin、平均HRは8鳥L51±4,5bpm.,運動強度 の指標 と しては R.M.Rで 1.日 0,Bkca蔓もu溜二と L6%VO 2ma駕であったQ 女子大 学生選手におけ る体 重 当た りの VO:の 平均 値 は 24日 6jmllkgfmin、平均 描‖ま91,74 ±17.5bp恥 運動強度の指標 と しては R.MRで 2,9±1.6kcal、17.5±5.悔 VO2maXであった。 00 80 60 40 20 00 80 60 40 20 0 2 1 1 1 1 1 (∈ dq )∝ 〓 sub.uml sub.um2 sub.um3 被験者 図 1 男子大学生選 手におけるフォアハンド練 習時の酸素摂取量及び心拍 数変化 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 8 6 4 2 0 8 6 4 2 2 1 1 1 1 1 (Edq)∝ 〓 ∼WubuS sub.uw2 sub.uw3 被験者 図 2 女子大学生選 手におけるフォアハンド練習時の酸素摂取 量及び心拍 数変化 4-2 2分間Jくックハ ン ド練習 中に おける酸素摂 取量 及 び心拍数 変化 に ついて バ ッタ練 習 中の男 子大学 生 選 手にお け る体 重 当た りの V02の 平均値 は BS.0才54mU恕glmin、 平均 HRは 90.31±5.6bpm。 運 動 強度 の指 標 と してほR通風Rで 2- ±0.2kcal、甘 2±2.4%VO2maX であった L, 一二41-
  • 6. 大学生車疎遠 手練習 中にお け る酸素摂取鷺及び心拍数変化について (演) 女 子大学 生選 手にお け る体 重 当た りの V02の 平均値は 25,日 7.3m眺 欝加 批 平均 HRは 91.18 二日 5.5bpmQ 運 動 強度 の 指 標 としては R.M.Rで 301I.3kcal、17(巨 34%VO :maX ごあ ったC 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 QU 6 4 2 0 8 6 4 2 2 1 1 1 1 1 (∈ 且 )tJ〓 sub.uml sub.um2 sub.um3 被験 者 図 3 男子大学 生選手におけるバ ックハンド練 習時 の 酸 素 摂 取 量 及 び 心 拍 数変 化 00 80 60 40 20 00 80 60 40 20 0 2 1 1 1 1 1 (E d q )∝ 〓 ∼Wub uS sub.uw2 sub.uw3 被験者 図 4女子 大学 生選 手 におけるバックハンド練 習時 の 酸素 摂 取 量 及 び 心 拍 数 変 化 4- 3 2分 間 ドラ イ ブ練 習 中 に お け る酸 素 摂取量 及 び心 拍 数 変化 に つ いて ドライ ブ練習 中の男 子 大学 生選 手 にお け る体 塵 当た りの VO空の 平均値 は 3机 ±12.2m王ikgim壷n、 A- :こ:く. い 二日、 t畑 、11で ・・・,∴ト ー_ :'.1仁 一 ∴ k\トこ 与、‥ ・て!、し、■こ、!\ く ∴一日1.:-:ハ で あった。 女 子 大学 生 選 手にお け る体 蚤 当た りの V02の 平均値 は 舷 4±8.3mlikglm豆m、平均 を-董Rは 1号0.03 七18,9bpm。 運 動 強 度 の 指 標 と して は R.描.Rで 4,91-日 .Okcal、29,3-をl摘 %VO2ma7iであ った。 -24二一
  • 7. 現代社会 文化研 究 No.46 2009牢 12月 00 80 60 40 20 00 80 60 40 20 0 2 1 1 1 1 1 (E d q )∝ 工 sub.uml sub.um2 sub.um3 被験者 図 5男子大学生選 手におけるドライブ練習時の酸素摂取量 及び心拍数変化 (∈ dq)正二 200 180 160 1400 00000 0 2 08642 ■1.1HHU 町いい目い sub.Owl sub.uw2 sub.uw3 被験者 図 6女子大学生選 手におけるドライブ練習時の酸素摂取量 及び心拍数変化 4-4 2分間切替 し練習 中にお ける酸素摂取量及 び 心拍数変化について 切替 し練習 中の男 子大学生 選 手 にお け る体重 当た りの V02の平均値は 44.2±3.0mlikglmin、 平均 HRは 109闇 ±4.7bpm。運 動強度 の指標 としてほ R.M.Rで 5滴 ±2.Skcal、2§El±3.0%VO2maX であった。 女子大学生選手 にお け る体重 当た りの V02 の 平均値 は 59。l±7.逢mllkgimin、 平均 HR は 湿24.61±15.2bpm。運動強度の指標 としてほ R.捕.Rで 6.6±LOkca及、40.7±9.3%VO2maXであっ た . 一〇431
  • 8. 大学 生卓球選手練習 中にお け る酸素摂 取 最及び心拍 数変 化 につ い て (張) 200 180 160 140ノ叫ヽ ∈120 且 100 覧 80 60 40 20 0 80 60 Ei; 40 .2 20 0 sub.um1 sub.um2 sub.um3 被 験 者 図 7男子大学生選手における切替し練習時の酸素摂取量及び心拍数変化 0 0 0 000 0 0 0 0 0 0 8 6 420 8 6 4 2 2 1 1 111(Edq) ∝ 〓 HUWubuS sub.uw2 sub.uw3 被験者 図 8女子大学生選手における切替し練習時の酸素摂取量 及び心拍数変化 4-5 2分間 ドライ ブ ・スマ ッシュ打 ちによるフ ッ トワー ク練習 中における酸素摂取量及 び心拍数変化 について ドライブ 書スマ ッシュ打ちに よるフ ッ トワ-一夕練習 中の男子大学生選 手におけ る体重 当た り の V02の平均値 は 68,6±9.7mUkgimin、平均 HRは 136-56±汁 7bpmo 運 動強度 の指標 としては R.M.鼠で 8.5±2.6kcal、50,1±7.4%VO 2maXであった。 女子大学生選手にお ける体重 当た りの V02の平均値 は 72.4±8.3m豆ikg/m豆n、平均 HRは 150.46 ±まま.lbpmQ運動強度の指標 としては R。M.Rで 101土工3kcal、60.9±8.0%VO 2maXであった 。 -244-
  • 9. 酬 ttlt圭 い LGlU左 \いJ(一 二u()I)I-1:-12ト〕 00 80 60 40 200080 60 40 20 0 2 1 1 1 11(Edq)∝ 〓 80 60 40 さ ' > 20 0 sub.uml sub.um2 sub.um3 被験者 図 9男子大学生選 手 におけるドライブ・スマッシュ打ちによるフットワーク練 習時の酸素 摂取量 及び心拍数変化 00 80 60 40 20 00 80 60 40 20 0 2 1 1 1 1 1 ( E d q ) ∝ 〓 10^ 80 70 60 50 40 ●30 20 10 0 sub.uwl sub.uw2 sub.um3 被験者 図 10 女子大学 生選 手におけるドライブ・スマッシュ打ちによるフットワーク練習 時の酸 素 摂 取 量及び心拍数変化 5 考 察 城 西大学学 生陸 上短 距離選 手 7名 g)体 墓当た りの最 大酸 素摂 取 塵の 平均 値 は 495m挽 g lm in 、 6名琵距離遅 事の終 電 当た りの最 大酸 素摂 取 量の 平均値 は 5734rn眺glminであ った7㌧ は 、 -一 流 陸 上娩技 選 手の 測 定 を行 い 、 短 距 離 選 手 5名 、体 重 当た りの 巌 太 酸 素 摂 取 塵 の 平均 値 は 7嘗7mlikglkgと報告 してい る8㌔ また、サ ッか -選 手 5名 の体 重 当た りの最 太酸 素摂 取 亀の 平均値 は 4613lm豆Ikg/minであっ た9㌔ 全 日本 ユ - ス候 補 選 手 16 名 の 測 定 を 汚 い 、 体 墓 当た りの 最 大 酸 素 摂 取 量 の 平 均 値 は 629imlikgiminと報告 Lてい るIO)C ア メリカン ・ フッ トボ--パ吊ま高い 有酸 素 的能 力が要求 され ると考 え られ るが 、最 大酸 素摂 取 量に つい ては、む しろ、短距離選 手に近 い 値 を示す こと巨 つい て興 味が持 たれ る点 であ る と述 一二45-
  • 10. 太学生葛球速 羊練習中における酸素摂取量及び心拍数変化について (張) べてい る‖)。 今回の実験 に よ り、実際の卓球鞠技 中では、陸上選 手や サ ッカ ー-選 手 な どの よ うな非 常 に高 い運動強度や酸素摂取量が必要 ではない と考 え られ る_W 財団法人 日本卓球協会 スポ--ツ科学委員会が発行 した 「Q&A 方式 卓球スポー-ツ科学ハ ン ドブ ック jに よれ ば、「卓球 は有酸素運動 の代表的 なスポー-ツであ る)この有酸素運動 とは、大 気 中の酸素 を取 り入れエ ネルギ- を産 出す る運動である′J エア ロビック、マ ラ ソンな ども同 じ 有酸素運 動であ り、 これ は、脂肪燃焼効果が大きい j とされ てい るu)。 各パ ター-ン練 習 中の酸 素摂取量 ・心拍数 お よび運 動 強度 の指標 に関 しては、女子大学生選 手 がすべ て男子 太学生選 手 よ り高か った,⊃ この 主な原因 と しては、女 子太学生選 手が男子大学生選 手 よ り練習 中の体全身 の動 きが多か ったためであると考えられ る。 酒野 に よる と卓球競技が相 当 skillを重視 しなけれ ばな らない種 目であ る ことは異論のない と ころであ る。 高度な sk量目を発揮す るには、ある程度の体 力、持久力な どが必要である13)Q 今回の実験 を踏 蓋え、体 力 ・持久 力等 を向上す るた めの練習 パ ター ンには、 ドライブ ・スマ 6 まとめ 卓球 は運動範囲が狭いが、俊敏な動作が要求 され る運動 形態 を とり、 上肢 と下肢 を間欠的 に 動かす運 動であるO 活動筋 の絶対量は ヱポイ ン ト中の動作時間が極 めて短 い ものであ るか ら筋 力やパ ワ- といった体 力要素 よ りも敏捷性 が最 も要求 され る ものであるO 規則的 なフ ッ トワ一 夕練習 を多球練習法 で行 なった場合 に、呼吸循環器 系機能 の指標 として の酸素摂 取量および心拍数 が著 しく高値 を示 したO この こ とは、 これ らの多球練習が葛球選 手 の呼吸確環器系の機 能 を高 める上で、非常 に効果的 な専門的 トレ- ニ ングであることを示 した。 今後、袈験条件 さらに整 え、卓球競技の実際 の試合 中に よる酸素摂 取畳、心拍数等 を測定 し、 心臓機能 を促進 に よる心拍数 の反応 を運動負荷強度 として考慮す る場合 、実質的 にプ レイの動 作 に含まれない ロスタイム を どの よ うに活用す るかに よって変化す る心拍数 を考慮 しなが らゲ - ムにお ける運動負荷強度 を考 えなけれ ばな らない と考 え られ るo <注> 1)品田め ぐみ 「卓球の運動強度 に関す る研究 上 『日本体 育学会 大会 号』31,㍗.397 、19弧 2)張 環等 「中国プ ロ卓球選 手の練習 中にお ける心拍数につい て」 ∼ 『新潟体育研 究』27、3008。 3)西 田昌宏 『卓球』 、べ- スポー-ル ・マガジ ン社 、pp.10-日 、19850 4)吉 田和人 『卓球 ステ ップア ップ術発想 を変 えてみ ませんか ?』、静岡新聞社 、20040 5)葛西順 1-- 「卓球競 技の試 合 中お よび練習 桝 こお け る酸素摂取 敬 の動産上 『日本 体育学会 大会 号』44、 -二ヰ(1-
  • 11. 現代社 会 文化研 究 No.46 2009年 i2月 P.678 ∼i993。 6)前掲 、葛 西 「牽球 鏡 技 の試 合 中お よび練 習 中に お け る酸 素摂 取 慶 の測 定 」。 7)明 石正和 勉 [本学 運 動 幾 技 運 筆 の 最 大酸 素 摂 取 農 工 『城 西 大 学 研 究年 報 紀 要』6、pp・m9-呈26 ㌔19g20 8)黒 田善雄 他 用 本 人 一 流 親 授 選 手 の最 大酸 素 摂 取 量 と最 大酸 素 負 荷 農工『日本 体 育 協 会 スポ--ツ 科 学 研 究 報 告 」二第 l報 、1968._ 9)前 掲 、明 石 「本学 運 動 暁 技 選 手の最 大 酸 素摂 取 盈 」。 iO)戸苅晴 彦 触 上 流 サ ッカー 選 手 の 体 力に つ い て 上 『体 育紀 要 』 13,ppL33-42、i979r iり 前 掲 、黒 田 「日本 人 - 転売親 授 選 手の最 大酸 素摂 取 量 と最 大酸 素 負 荷 盈 」。 12)日本 卓球 協 会 ス許 。ツ科 学 委 員会 編 『Q&A方 式 ・卓 球 スポ ー一一ツ科学 - ン トブ ッ ク』、同 委 員 会 、pp朋 -29、 1993。 13)清野幸也 「卓球 の試 合 中 にお け る心拍 数 」、『日本 体 育 学 会 大 会 号』30,p。288 、王979(, 童 指 導 教 員 (牛 山幸彦 准 教 授 )、副 指 準 教 員 (五 十嵐 久 入 教 授 、 八坂 剛 史准 教 授 ) -247-