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人工知能に関連する技術・ビジネスの
動向と今後の知財実務へのヒント
最近の潮流、技術の実態、人工知能のビジネス活用事例
知財関連法の全体像
株式会社リジー
代表取締役/弁理士/博士(工学)
藤田 肇
日本弁理士会 研修会
会社概要・代表紹介
2
藤田 肇
株式会社リジー
代表取締役 / 博士(工学)/ 弁理士
⚫ 1978年生まれ 奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)
博士後期課程修了(専門は機械学習)
⚫ 「人工知能 冬の時代」 に データサイエンティストとして大手
自動車部品メーカーの研究開発部門で活躍
⚫ 大阪府内・東京都内の特許事務所で実務経験を積んだ後
AI関連企業における技術戦略・研究企画の責任者として
CTO 直下でAI技術の企画・戦略の立案に携わる
商号 株式会社リジー(英語表記:LISI, Inc)
設立 2017年12月1日
所在地 141-0022 東京都品川区東五反田 いちご東五反田ビル3F
本研修の目標
1. 人工知能に関連するビジネスの動向を把握する
① この数年間 世の中で 「人工知能」 がブームになっている背景・要因
② 各社が人工知能を活用して成功した事例
③ 人工知能のビジネス化に向けた課題
2. 人工知能関に関連する技術の動向を理解する
① 「人工知能」 の定義と他の要素技術との関係
② 「人工知能」 の枠組みに含まれる3つの学習スキームの基本概念
③ ディープラーニングによるイノベーションの本質と今後の技術動向予測
3. 人工知能に関連する法整備・行政の動向を理解する
① 著作権法の改正案
② 人工知能システムの開発を外部委託する場合の契約・知財
③ 特許庁が認識する 「人工知能」
④ 知財関連業務に対するインパクト
3
人工知能に関連するビジネスの動向
第1部
事務所で代理人をなさっている先生方:
クライアント企業が抱える課題にご注目いただければと思います。
企業で知財部・法務部にお勤めの先生方:
各社事例から貴社業務における活用方法をご検討いただければと思います。
2030年に向けた構造変化
⚫少子化による深刻な人手不足
⚫ビジネスサイクルの短縮化
⚫グローバル化と新興国企業の台頭
5
日本企業が直面する構造変化は 大きく分類すると次の3種類
出所:野村総合研究所「2030年に向けて日本企業が直面する構造変化」
(知的資産創造 2015年6月号)
少子化による深刻な人手不足
6
15~64歳の人口は2030年までに約10%減少
労
働
人
口
(
万
人
)
年
6,875万人
2030
7,629万人
2015
10%
愛知県が消滅するインパクト
約750万人
出所:内閣府「平成29年版高齢社会白書」
1970年代
以前
ヒット商品のライフサイクルの年代変化
1980年代
1990年代
2000年代
ビジネスサイクルの短縮化
7
企業活動のさらなる加速化が求められている
ヒット商品の半分以上が
2年未満で消える
開発リードタイムの短縮化
52% 出所:中小企業研究所「製造業販売活動実態調査」
中小企業庁「中小企業白書」(2005年版)
グローバル化と新興国企業の台頭
8
中国を中心とするアジア各国の企業に勢いがある
時価総額トップ1,000社の国別分布
出所:日本経済新聞(2017年1月8日付 電子版)
上位50社には 日本からトヨタのみ
中国からは
テンセント, アリババなど9社
2030年に向けた構造変化(再掲)
✓少子化による深刻な人手不足
✓ビジネスサイクルの短縮化
✓グローバル化と新興国企業の台頭
9
日本企業が直面する構造変化は 大きく分類すると次の3種類
出所:野村総合研究所「2030年に向けて日本企業が直面する構造変化」
(知的資産創造 2015年6月号)
日本企業の競争力の維持向上が
困難になっている
競争力の維持向上に向けて
10
日本企業の「生産性」を向上させる必要がある
売
上
高
投資額
アメリカ
日本
約33%
投資額に対する売上高の変化
売上高 = 生産性 × 投資額
競争力(売上高)を維持向上さ
せるためには 生産性向上が不可欠
出所:OECD「生産性指標総覧 2017」
生産性向上は喫緊の課題
11
生産性を向上させなければ グローバル競争に負ける
アメリカ
フランス
ドイツ
イギリス
日本
OECD平均
カナダ
イタリア
67
100
99
77
75
74
98
78
各国の生産性指標(アメリカを100として正規化)
政府は「働き方改革」を推進し
国をあげて生産性向上に取り
組む姿勢
出所:毎日新聞(写真抜粋), OECD「生産性指標総覧 2017」
企業サイドのニーズ
12
「業務効率・生産性の向上」が圧倒的多数を占める
業務効率・生産性の向上
事故・故障等の予防、安全性の向上
計画等立案の高速化、精緻化
省力化・無人化の実現
不足している労働力の補完
人員や機械、設備等の最適配置の実現
既存の商品・サービスの高度化
その他
出所:総務省 「平成29年 情報通信白書」
64.1%
53.2%
31.6%
企業が情報システムに求める効果
経営者の課題意識
13
大企業の経営者も強い課題意識を持っている
⚫ 既存の事業はすぐには無くならないが、
資源を未来に配分しなくては企業の
存在が危うい。オペレーションとイノベー
ションとを両立させるため、桁違いの生
産性が必要(F社副社長)
⚫ うちの研究者は内にこもって仕事をする
傾向にある。異質の知との交流を通じ
て、イノベーションの当事者意識を高め、
自発的に働く人を増やしたい(T社
研究所長)
出所:技術情報協会 「R&D部門の働き方改革と業務効率化、生産性向上の取り組み」
生産性を上げる画期的な手段
14
次世代の高度な情報処理技術=人工知能
人工知能ブームの変遷
15
今回は 「第3次 AI ブーム」
出所:総務省情報通信白書, 国際学会IDEMのシンポジウムにおけるインテル基調講演の資料
時間
2004 2006 2012 20181960
第1次ブーム
推論・探索
第2次ブーム
エキスパート
システム
データトラヒック
(Gbps)
トランジスタ密度
(ユニット/nm)
第3次ブーム
機械学習
(統計的学習・ディープラーニング)
1956 1964 1980 1987 2012
ディープラーニング
初登場
簡単な問題しか
解けずに終了
汎化能力が限定的で
実用困難のため終了
画像認識で
ディープラーニングが
既存手法に圧勝
0
5
10
15
20
25
30
35
0
1000
2000
3000
4000
5000
6000
7000
8000
これまでの 「AI ブーム」 との違い
学術界主導(第1,2次ブーム)
16
産業界主導(第3次ブーム)
⚫ 研究資金は政府が提供
⚫ 産業的応用も政府が主導
⚫ 民間が巨額の研究開発投資
⚫ 技術が資金を呼び 資金が技術を呼ぶ
⚫ 世界的な低金利
ブームまでの直近のマイルストーン
17
2012年頃から第3次人工知能ブーム
「人工知能」 に対する
世の中の反応
2002 2018
⚫ 「機械学習」 を誰も知らない
⚫ ネットワークの研究が最盛期
⚫ 一部の大手外資系企業で 「機
械学習優遇」 という採用要項
⚫ 「データサイエンス」 は存在しない
2004 2006 2008 2010
⚫ ディープラーニングの
論文発表
⚫ iPhone 3G 発売
⚫ Watson がクイズ
番組でチャンピオン
に勝利
2012
⚫ ILSVRC でディープ
ラーニングが従来
手法を圧倒
⚫ Google 「アルファ碁」
がイ・セドルに勝利
2016
⚫ おそらくいまが
絶頂期
2013
第3次
人工知能ブーム
出所:各記事・各資料から抜粋
人工知能ブームの要因
次の3つの要因が揃ったためと考えられる
脚注:専門知識・経験に基づく藤田の主観的な印象による
空前のコンピュータ環境の実現
ビッグデータの
出現
ディープラーニングの
普及
時間
社会に対する
影響力
20071997 2012 2015
ブームに対するインパクトを矩形の大きさで示した模式図
18
人工知能ブームの要因1
空前のコンピュータ環境の実現
1人が1台の高性能コンピュータを持ち歩く生活に変化した
5
10
15
20
25
30
35
0 20 40 60 80
2010 2011
2012 2013
2014
2015
2016
2017
2018
(予測)
日本における
スマートフォン
普及率(%)
スマートフォンの普及率とCPU性能(トランジスタ密度)との関係トランジスタ密度
(ユニット/nm)
出所:総務省情報通信白書,国際学会IDEMのシンポジウムにおけるインテル基調講演の資料
19
人工知能ブームの要因2
ビッグデータの出現
0
2000
4000
6000
8000
8000 8500 9000 9500 10000
データトラヒック
(Gbps)
2004 2005 2006
2007 2008 2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
2016インターネット利用人口とデータトラヒックとの関係
ADSLの普及期
スマートフォンの普及期
AI/IoT の黎明期
20
インターネット
利用人口
(万人)
コンピュータネットワークの発達で社会からビッグデータが発生
出所:総務省情報通信白書
人工知能ブームの要因3
ディープラーニングの普及
「ディープラーニング」 が人工知能のブームに火を付けた
「ディープラーニング」 と 「人工知能」 とのGoogle検索回数の関係
0
20
40
60
80
100
120
0
5
10
15
20
25
「人工知能」の
検索数(右軸)
NHKスペシャル
「羽生善治 人工知能開発の
最前線を訪ねる」
Google 「アルファ碁」
イ・セドルに勝利
(万回)
21
2014年
9月
2018年
3月
2016年
5月15日
2016年
3月20日
出所:Googleトレンド
高度情報化社会の進展(中間まとめ)
大量のデータ
安価・強力な
コンピュータ資源
出典:三井情報株式会社からイラストを抜粋
人間の活動がデジタル化
データとコンピュータを
繋ぐネットワーク
ネットワークで大量のデータが流通
ハードウェア技術が進歩し
コンピュータが一般に普及
⚫ IoT(Internet of Things)の進展
⚫ 「ディープラーニング」 の用語
22
次の産業革命を支える「三種の神器」が揃った
テクノロジーハイプサイクル
「人工知能」 は 幻滅期に入ろうとしている
23
幻滅期に入ると何が起きるか
「AI導入」に対する本質理解の差が 競争力の差として顕在化する
24
出所:日経コンピュータ 「AI導入の失敗則」 2017年12月21日号
「AI導入」の本質を理解し
適切に取り組んだ企業
表面的な理解に止まり
旗を振っただけの企業
1. 付加価値の低い業務がAI
で自動化される
2. 人間は本来業務に集中で
きる
3. 生産性が底上げされて競争
力が増す
1. 実験を繰り返したあげ
く「誰にも使われないシ
ステム」が残る
2. ブーム終焉と導入プロ
ジェクトの失敗により
二度と予算がつかない
AIを用いたオペレーションの精度・速度に差が出る
競争力の差の具体例1
コストを10分の1にして米国規制をクリア:「間接式TPMS」
25
以下の仮定のもとで試算
➢ シェア:10%
➢ 削減幅:2,500円/台
➢ ライセンス料:20%
約 7億円/年
間接式TPMSの売上
直接式TPMS
空気圧センサの
コストが膨大に
間接式TPMS
人工知能でタイヤの
回転速度を分析
約 35億円/年
ABSメーカーのコスト削減幅
米国の年間出荷台数:1,500万台
競争力の差の具体例2
道路の陥没事故チェックの負担を10分の1に省力化:画像認識
26
道路の陥没事故 年間3,300件発生
約 2.25億円/年
目視確認の作業コスト削減幅
(10分の1に省力化)
以下の仮定のもとで試算
➢ 1件あたりのチェック時間:100時間
➢ チェック要員の平均時給:2,500円
➢ 年間チェック件数:1,000件
エコー画像の目視確認で事故を未然に防止
出所:2018年2月9日付 FUJITSU JOURNAL
競争力の差の具体例3
回答精度を向上:「Watsonを用いたコールセンター業務の改善」
27
出所:IT Leaders 「コールセンターへの適用が進むIBM Watson」 2017年5月2日
94.3%
78.3%
2016年
6月
2017年
3月
16%
コールセンターのコスト削減幅
約 4.5億円/年
6,000人 × 5,000円 × 300日
対応時間削減 15%
回答候補トップ5に正解が含まれる確率
競争力の差の具体例4
チャットボットで問い合わせ回答を省力化
28
約 4,000万円/年
問い合わせ対応のコスト削減幅
(全問い合わせの3分の1に対応可)
出所:2017年5月19日付 アスクルニュースリリース
以下の仮定のもとで試算
➢ 削減人数:6.5名
➢ 平均年収:600万円
競争力の差の具体例5
「半導体の加工工程における異常検出」 を自動化
29
検
出
強
度
時間
異常検出
正常時波形
(破線は測定値)
出所:日経コンピュータ 「AI導入の失敗則」 2017年12月21日号
不良品によるコスト削減幅
約 12億円/年
不良品率が劇的に低下
どれほど差がつくのか
2030年には 約数十億円のインパクトで差が開くことが見込まれる
30
競
争
力
年
2018
第3次
人工知能ブーム
「AI導入」の本質を
理解し 適切に取り
組んだ企業
表面的な理解に
止まり 旗を振った
だけの企業
2030
➢ 上場企業の平均従業者数:2,500人
➢ 1人当たり売上高貢献:1,200万円
労働力が10%減少することで
失われる売上高
約 30億円/年
参考:「労働力人口が激減する時代
組織のあり方が問われる」野村総合研究所
長期を見据えた経営幹部の意思決定が試される
10年スパンで
顕在化
「適切に取り組む」とは
データ分析に関するリテラシーの高い環境を整備すること
31
基本的な考え方
⚫ 即効性のある直接的なソリューションはない
⚫ 長期スパンで組織全体のリテラシーが向上する環境を作る
➢ データに基づいて意思決定することの重要性が共有されている
➢ 高度な情報処理(AI)による生産性向上の意義が理解されている
➢ 高いリテラシーを持った人材が部門横断的に活躍できる環境が整っている
なぜリテラシーの高い環境が必要か
1. 企画から運用まで 部門横断的なチームを動かすプロジェクトとなるから
2. 「AI リテラシーとビジネス感覚とを兼ね備えた人材」がプロジェクトを主導する必要が
あるから
参考:最強のデータ分析組織(著者:河本薫,出版:日経BP社)
チームとして力を
結集させる
高リテラシー環境
AI 導入の意義を理解したリテラシーの高いチームが必要
32
企画・プロジェクトマネージャ 導入現場の担当者・責任者
エンジニア・システム担当者データサイエンティスト・研究者
⚫ チームを牽引するリーダシップを発揮
する
⚫ リソースを監視しながら 企画から運
用までのプロジェクト全体をハンドリン
グする
⚫ 現場での現行の業務フローを熟知し
ている
⚫ AI導入後の業務フローを運用に乗
せる取り組みを継続的に進める
⚫ AIを稼働させるために必要となる環
境・インフラを整備する
⚫ ベンダーと協働してシステム構築を成
功させる
⚫ 現場から得られるデータを分析して
AI の導入可能性を検証する
⚫ 課題解決に最適な機械学習アルゴ
リズムを選択する
企画系人材の育成が急務
AI に関する基本的な技術的知識 + ビジネス的な実務能力
33
企画 設計 構築 運用
⚫ 業務内容を定義
し 業務フローを明
確化する
⚫ 業務フローに潜在
する課題を発見し
適切な仮説を立
てる
⚫ 必要なコスト・期
間を見積もる
⚫ 課題解決に最適
な技術的アプロー
チを選ぶ
⚫ エンジニア・研究
者と技術的な議
論をする
⚫ ベンダーと協力し
て要件を明確化
する
⚫ システム構築のた
めの契約をまとめ
る
⚫ ベンダーと密に情
報共有しながら構
築のプロジェクトを
管理する
⚫ ベンダーからノウハ
ウを引出す
⚫ 構築したシステム
を現場に使わせる
⚫ 不具合が発生し
た原因を特定し
改善策を実行す
る
⚫ 現場と良好にコ
ミュニケーションを
取れる
技術的知識がビジネス実務の遂行能力を支える
参考:最強のデータ分析組織(著者:河本薫,出版:日経BP社)
「タスク」 が置き換わる
人工知能によって置き換えが進むのは ジョブではなく「タスク」
34
参考:出典:Mckinsey Global Institute「A future that works: Automation, Employment, and Productivity」
ディープラーニングが
全部よろしくやってくれる
一般の
理解
結果
出力
データ
入力
実態
データ
入力
評価
分析
判断 行動
結果
出力
人工知能が
担える機能
判断・行動して
成果を出すのは人間
特許調査の例
「特許調査」 というジョブにおいて 人工知能が代替すべきタスクは2つ
35
特許調査のプロセス
業
務
の
負
荷
・
難
易
度
の
累
積
発明の
把握
調査
ポイント
の抽出
予備
検索
検索式
の策定
目視
確認
特許
公報の
抽出
内容の
理解
判断
対策
このタスクを軽減できれば
全体の負荷が大幅に軽減される
→ AI と相性もよいので代替が進んでいる
日本の生産性向上に向けて
AIは 日本企業の生産性を向上させるポテンシャルを持つ
36
アメリカ
フランス
ドイツ
イギリス
日本
OECD平均
カナダ
イタリア
110
100
99
77
75
74
98
78
各国の生産性指標(アメリカを100として正規化)
出所:OECD「生産性指標総覧 2017」
✓ 逆風のなかで日本企業の生産性向上を実
現する
✓ 日本の国力を維持・向上させる
✓ その鍵を握るのは「高リテラシー環境」の実現
日本DL協会による「G検定」
企画系人材の実力を試す検定試験
37
松尾 豊 先生
⚫ 日本デイープラーニング協会
理事長
⚫ 東京大学大学院工学系研究科
特任准教授
G検定(ジェネラリスト検定)
⚫ ディープラーニングを事業に活かすための知識の有無を
検定する
⚫ 合格要件:ディープラーニングの基礎知識を有し 適切
な活用方針を決定して事業応用する能力を持つ人材
であること
✓ ディープラーニングを産業に応用するために必要となる
実務的・技術的な知識を広く得ることができる
✓ 次回検定は 6月16日
第1章:まとめ
1. 日本企業は 「生産性の向上」 「イノベーションの実現」 などに関し
て強い危機感・課題意識を持っている
2. 「人工知能」 と呼ばれる次世代の情報処理は 逆風の中で日本
企業の生産性を向上させるポテンシャルを持っている
3. この高度な情報処理をうまく活用するためには 「高リテラシー環境」
の実現に向けて いまからアクションを開始する必要がある
4. そのために 従来の情報処理システムに対する 「人工知能システム
の技術的な特殊性」 を理解する必要がある
38
人工知能に関連する技術の動向
第2部
事務所で代理人をなさっている先生方:
企業で知財部・法務部にお勤めの先生方:
「人工知能」 の技術的な実態を 正しく理解していただければと思います。
「人工知能」 の定義
「人工知能」 は学術的な用語で 専門家でも定義がバラバラ
40
中島秀之
公立はこだて未来大学
学長
人工的につくられた知能を持つ実体 あるいは それをつくることに
よって知能自体を研究する分野
西田豊明
京都大学大学院情報学研究科
教授
「知能を持つメカ」 ないしは 「心を持つメカ」
溝口理一郎
北陸先端科学技術大学院大学
教授
人工的につくった知的な振る舞いをするもの
長尾真
京都大学
名誉教授
人間の頭脳活動を極限までシミュレートするシステム
掘浩一
東京大学大学院工学系研究科
教授
人工的につくる新しい知能の世界
浅田稔
大阪大学大学院工学研究科
教授
知能の定義が明確でないので、人工知能を明確に定義できない
人工知能学会の歴代会長による 「人工知能」 の定義
出所:「人工知能は人間を超えるか」(著者:松尾豊,出版:角川EPUB選書)
なぜ一意に定義できないのか
人間の知能の本質が 「言語化」 されていないから
41
問題提起, 本質的価値
サイエンス
(Science)
アート
(Art)
デザイン
(Design)
エンジニアリング
(Engineering)
問題解決, 応用的価値
意味的価値
暗黙知
機能的価値
形式知
言語化
実装
知能はアートの段階
出所:プレジデントオンラインより 「SEDAモデル」 を抜粋
「人工知能」に関係する学問分野
42
情報科学・数理統計学・認知心理学の融合領域
※藤田の個人的な定義です
「人工知能」と「機械学習」との関係
上位概念・下位概念の関係
43
人工知能
ビッグデータに対する機械学習の適用(=情報処理)
機械学習
データを用いて学習モデルを最適化することにより
有用となる情報処理の結果を得るための枠組み
下位概念
ニューラルネットワーク
機械学習における学習モデルの一種
ネットワーク構造を持ち ネットワーク間の重みを最適化する
ディープラーニング(深層学習)
ニューラルネットワーク(多層パーセプトロン)において
複数の中間層を持つもの
下位概念
下位概念
「人工知能」 と他の用語との関係
44
IoT
センシングで環境から情報を取得
ネットワークで情報共有
AI
「人間っぽい」 印象を与える
情報処理を実行
ロボット・自動車 など
AIによる情報処理の結果として
制御される対象
ビッグデータ
巨大なデータの集合体
クラウドに置かれることが多い
出所:決定版AI(著者:樋口晋也,城塚 音也,出版:東洋経済新報社)
頻出する専門的概念の定義
45
概念 定義
学習 未知のデータが説明可能となるようにモデルパラメータを最適化すること
モデル
情報処理過程の本質を抽象的な数理表現として記述したもの
(ニューラルネットワーク・状態空間モデル・時系列モデル・ベイズモデルなど)
パラメータ モデルを規定して出力に影響を与える変動要素
学習スキーム
環境の前提条件から選ばれる学習の態様
(教師あり学習・教師なし学習・強化学習の3種類のみ)
学習アルゴリズム
学習するための具体的な計算の手順
(誤差逆伝播法・EMアルゴリズム・最急降下法など)
下記の概念に対する定義は重要
専門的概念の具体例
身長と体重との関係を1次の線型モデルで説明する
46
身長
体重
𝑥1
𝑥2
𝑎1 𝑥1 + 𝑎2 𝑥2 + 𝑎3 = 0
「身長の高い人は 体重が重い傾向がある」
というパターンを抽出する
人工知能の学習と推論
「学習フェーズ」 と 「推論フェーズ」 とに分かれる
47
モデル
学習
データ
データ
データ
データ
生データ
の集合
データ
収集
データ
処理
学習用
データ
セット
学習済
モデル
学習フェーズ
推論フェーズ
データ
データ
処理
入力データ
学習済
モデル
出力データ
学習(learning/training)
推論(inference)
⚫ 認識結果
⚫ 予測結果
⚫ 分類結果
3種類の学習スキーム
• 教師あり学習 (supervised learning)
「お手本」 に基づいて入出力のパターンを獲得する学習
• 教師なし学習 (unsupervised learning)
所与の基準に基づいて データから特徴を取り出す学習
• 強化学習 (reinforcement learning)
「痛い目」 に遭いながら試行錯誤で行動ポリシーを獲得する学習
48
教師あり学習 (supervised learning)
「お手本」 に基づいて入出力のパターンを獲得する学習
49
食べられない
食べられる
食べられる
ラベル
じゃあ、これは?
入力とラベルのペアデータ:教師データ
入出力の対応関係を獲得する
教師あり学習で 入出力の関係(=関数)をデータから学習する
50
(関数近似,システム同定,回帰)
入力
出力
この入力に
対しては
この出力
教師データ
(入出力ペア)
この入力に
対しては
この出力
教師データ
(入出力ペア)
この入力に
対しては
この出力
教師データ
(入出力ペア)
入出力の対応関係を獲得する
教師あり学習で 入出力の関係(=関数)をデータから学習する
51
(関数近似,システム同定,回帰)
入力
出力
じゃあ、この入力に
対しては?
たぶん、この出力
関数近似の応用例
猫の写真を認識する場合
52
関数
近似器
入力
高次元の
数値ベクトル
理想出力
1
画像データ
答え
関数近似の応用例
猫の写真を認識する場合
53
入力
高次元の
数値ベクトル
理想出力
0
関数
近似器
画像データ
答え
関数近似の応用例
猫の写真を認識する場合
54
関数
近似器
画像データ 入力
高次元の
数値ベクトル 0.87
あ、たぶん
猫だ
=
ディープラーニング
ディープラーニングを用いて
猫の画像を認識する
「グーグルの猫」の原理
グーグルの猫
関数近似器
ニューラルネットワーク
(教師あり型)
多層パーセプトロン ディープラーニング
RBFネットワーク
正規化ガウス関数
ネットワーク
(その他多数)
サポートベクター回帰
ガウス過程回帰
(その他多数)
ディープラーニングとは何か
現時点で最も複雑でパフォーマンスの高い関数近似器
55
モデルパラメータ数:
数億~数十億
請求項:「ディープラーニング」 → 「入出力の関係を学習可能な関数近似器」
関数近似器で解ける問題
「明確」 かつ 「評価容易」 なタスクに強い
56
結果が評価困難 結果が評価容易
規則性が明確
(説明可能・形式知)
規則性が不明確
(説明不可能・暗黙知)
規則性は不明確・評価困難
(自然会話, 芸術)
規則性が明確・評価容易
(ゲーム, 物体認識, 制御)
規則性は不明確だが
結果は評価容易
(専門性の高い良否判断)
規則性は明確だが
結果は評価困難
(文書要約, 翻訳)
パフォーマンス
出しやすい
パフォーマンス
出しにくい
データ
集めやすい
データ
集めにくい
教師なし学習 (unsupervised learning)
所与の基準に基づいて データから特徴を取り出す学習
57
入力データ
・ 頭部・胸部・腹部の3構成
・ 胸部から6本の足
・ 羽は0~4枚
特徴
昆虫の条件は・・・
教師なし学習 ~ 主成分分析
データからその特徴を取り出す技術
58
身長
体重
体の大きさ
データを端的に説明する
特徴を取り出す
教師なし学習 ~ 主成分分析
データからその特徴を取り出す技術
59
身長
体重
体の大きさ
データを端的に説明する
特徴を取り出す
教師なし学習 ~ 主成分分析
データからその特徴を取り出す技術
60
体の大きさ
1次元に縮約
(次元圧縮)
全体の情報ロスを最小にして2次元の情報を1次元で表現できた
次元圧縮の効果
「次元の呪い」 による悪影響を緩和できる
61
データの次元数が増えると、問題の解が
存在する空間が指数関数的に大きくなること
次元の呪い
入力データの情報を縮約して次元を圧縮しなければ
アルゴリズムがまともに動作しない
特徴抽出により 「次元の呪い」 による悪影響を緩和する
強化学習 (reinforcement learning)
「痛い目」に遭いながら試行錯誤で行動ポリシーを獲得する学習
62
状況に対するアクションの結果として
環境から得られる「報酬」を
最大化できるポリシーを学習する
快適♪
強化学習のアルゴリズム ~ Q学習
63
G
S
エージェント
エージェントがゴールに到達すれば10
0点(報酬)もらえる
エージェントはゴールまでの最短経路を
直接教えてもらえない
エージェントは迷路のスタート位置から
移動を開始
強化学習のアルゴリズム ~ Q学習
64
G
S
現在の位置で上に移動すると将来
的に何点もらえそうか?
強化学習のアルゴリズム ~ Q学習
65
G
S
100
95
90
100
95
40
255 20
85
80
強化学習のアルゴリズム ~ Q学習
66
G
S
40
255 20
状態(現在の位置)と
行動(どの方向に進むか)
に対して期待される報酬へのマッピ
ングを学習する
試行錯誤で「Q関数」を最適化
する(Q学習)
ディープラーニングを用いたQ学習
67
Deep Q-learning
DLの関数近似能力をフル活用した予測と報酬評価の組み合わせ
アルファ碁の戦略
68
ある状態(盤面)で
ある打ち手を
打った場合の期待報酬
強化学習
この状況でこう打つのは
どれほど有利か?
ある状態において
対戦相手(イ・セドル)が
ある打ち手を打つ確率
教師あり学習
過去の対戦を振り返れば
彼はこの状況でどう打つか?
予測と報酬評価のアルゴリズム
69
打ち手1 打ち手N
・・・打ち手2 打ち手3
セドル
打ち手1
2 3
N
・・・
もしこう打った
としたら・・・?
DLの関数近似能力をフル活用した予測と報酬評価の組み合わせ
予測と報酬評価のアルゴリズム
70
2
N
打ち手1 打ち手N
・・・打ち手2 打ち手3
セドル
打ち手1
3
もしこう打った
としたら・・・?
30%
70%
5 -20 報酬予測
×8%
セドルの打ち手の
傾向から予測
・・・ ×
2%
DLの関数近似能力をフル活用した予測と報酬評価の組み合わせ
予測と報酬評価のアルゴリズム
71
打ち手1 打ち手N
・・・打ち手2 打ち手3
セドル
打ち手1
3 ・・・
打ち手1の良さは
5×0.7+(-20)×0.3
=-2.5
30%
70%
5 -20 報酬予測
2 ×8%
N
×
2%
セドルの打ち手の
傾向から予測
DLの関数近似能力をフル活用した予測と報酬評価の組み合わせ
予測と報酬評価のアルゴリズム
72
5 35 -20 55 42 -14 -44 23
打ち手1 打ち手N
・・・打ち手2 打ち手3
セドル セドル
2 3
N
・・・
打ち手1
2 3
N
・・・× × × ×
打ち手1
DLの関数近似能力をフル活用した予測と報酬評価の組み合わせ
頻出する専門的概念の定義(再掲)
73
概念 定義
学習 未知のデータが説明可能となるようにモデルパラメータを最適化すること
モデル
情報処理過程の本質を抽象的な数理表現として記述したもの
(ニューラルネットワーク・状態空間モデル・時系列モデル・ベイズモデルなど)
パラメータ モデルを規定して出力に影響を与える変動要素
学習スキーム
環境の前提条件から選ばれる学習の態様
(教師あり学習・教師なし学習・強化学習の3種類のみ)
学習アルゴリズム
学習するための具体的な計算の手順
(誤差逆伝播法・EMアルゴリズム・最急降下法など)
下記の概念に対する定義は重要
現在の 「人工知能」 の限界
ブラックボックスが 入出力の対応関係を模倣しているに過ぎない
74
人間の知能(アート=未知)
人工知能
(ブラックボックス
=真の中身は謎)
入力 出力
知能の本質は未知だが
入出力関係を模倣するだけなら
ある程度可能なところまできた
ディープラーニングの限界
75
1200kphで飛行
(真の人工知能)
「関数を近似する」
性能が劇的に向上
100kphで走行
(多層パーセプトロン)
「関数を近似する」
性能がさらに向上
500kphで走行
300kphで走行
(ディープラーニング)
残念ながら無理です
ディープラーニングを追求した先に一般が期待する「真の人工知能」は存在しない
(単なる 「関数近似」 で再現できるほど人間の知能の底は浅くない)
「Beyond 100%」 の世界
「認識率100%」 に意味はないことは 皆が理解している
76
誤
り
率
(
%
)
ILSVRC
実施回数
28.2
25.8
16.4
11.7
6.7
人間の誤り率(5.1%)
4.94 3.82
3.57 3.08
ILSVRC top-5 Classification Error on ImageNet
出所:CNET Japan 「AIとビッグデータが人間の仕事を奪う?」(2017年10月13日)
DLの出現
学術界では 「ディープラーニングを超えた先」 として
どのようなパラダイムが考えられるのかに関心が集
まっている
第2章:まとめ
1. 「人工知能」 というキーワードと 他のキーワードとの技術的な位置づ
けを整理すれば 理解の足がかりを得やすい
2. 学習スキームには 次の3種類がある
1. 教師あり学習 (supervised learning)
「お手本」 に基づいて入出力のパターンを獲得する学習
2. 教師なし学習 (unsupervised learning)
所与の基準に基づいて データから特徴を取り出す学習
3. 強化学習 (reinforcement learning)
「痛い目」 に遭いながら試行錯誤で行動ポリシーを獲得する学習
3. 「人工知能」 に関連する技術は 可能な情報処理の範囲を確実に
広げたことは間違いないが 人間の知能に迫るものではない
77
人工知能に関連する法整備・行政の動向
第3部
事務所で代理人をなさっている先生方:
企業で知財部・法務部にお勤めの先生方:
「人工知能」 に関する知財・法律上の課題・論点をご検討いただければと思います。
著作権法の改正案が可決
79
出所:NHK NEWS WEB(2018年5月18日の記事から抜粋)
改正著作権法 第30条の4
著作物に表現された思想又は感情の享受を目的としない利用
80
第三十条の四
著作物は、次に掲げる場合その他の当該著作物に表現された思想又は感情を自ら享受し
又は他人に享受させることを目的としない場合には、その必要と認められる限度において、い
ずれの方法によるかを問わず、利用することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途
並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限り
でない。
一 著作物の録音、録画その他の利用に係る技術の開発又は実用化のための試験の用に
供する場合
二 情報解析(多数の著作物その他の大量の情報から、当該情報を構成する言語、音、
影像その他の要素に係る情報を抽出し、比較、分類その他の解析を行うことをいう。第四
十七条の五第一項第二号において同じ。)の用に供する場合
三 前二号に掲げる場合のほか、著作物の表現についての人の知覚による認識を伴うこと
なく当該著作物を電子計算機による情報処理の過程における利用その他の利用(プログラ
ムの著作物にあつては、当該著作物の電子計算機における実行を除く。)に供する場合
可決された改正著作権法の趣旨
データが著作物であっても 学習データとして利用可能
81
関数
近似器
入力
高次元の
数値ベクトル
理想出力
1
画像データ
答え
※鑑賞などを目的とせず 許諾なしに利用しても権利者の利益を害さない場合に限る
法律・知財に関する問題
人工知能の開発を外部委託する前提:
1. 契約において 「性能保証」 「検収」 「瑕疵担保」 を定められるか?
2. データ・学習用プログラム・学習済モデルは どのように保護されるのか?
82
「人工知能」 という情報処理技術の特殊性から 法律的問題が新たに発生する
アジャイル開発が必須
人工知能開発は 「でたとこ勝負」 「やってみないと分からない」
83
⚫ 情報処理モデルが単純で要件を明確に
定義可能(未定義の要件には対応で
きない)
⚫ 基本的には上流から下流に向かって開
発が進む
従来のシステムの開発プロセス 人工知能システムの開発プロセス
企画 設計 構築 運用 企画 設計 構築 運用
⚫ 未定義の要件に対応可能となるほど
情報処理モデルが複雑=動作・精度
を予見できないので手戻り発生が前提
⚫ 全体の工数を正確に見積もることが難しい
(損益分岐点の推定が困難)
⚫ そもそも本当に導入・運用できるか不明
問題1:「性能保証」 「検収」 「瑕疵担保」 を定められるか?
複雑性・予見可能性のトレードオフ
複雑な情報処理システムの動作は予見することが難しい
84
複雑性
複雑性と予見可能性との関係
予見可能性
従来の
情報処理システム
人工知能
システム
複雑性が低く定型的な処理しかできない
従来の情報処理システム
予見可能性は高い
システム構築会社に
瑕疵担保責任を負わせることができる
複雑性が高く抽象的な処理も可能
人工知能システム
予見可能性は低い
システム構築会社に
瑕疵担保責任を負わせられない
問題1:「性能保証」 「検収」 「瑕疵担保」 を定められるか?
人工知能開発に伴う契約の原則
85
従来のシステム開発 人工知能システム開発
性能保証
検収
瑕疵担保
責任
出所:経済産業省 「AI・データ契約ガイドライン」
合意可能
合意した検収基準により
実施可能
ベンダーが瑕疵担保
責任を負う
汎化性能に対する
保証は困難
なし
なし
問題1:「性能保証」 「検収」 「瑕疵担保」 を定められるか?
人工知能システム開発の知財権
データ・学習用プログラム・学習済モデルが高い価値・汎用性を持つ
86
問題2:データ・学習用プログラム・学習済モデルは どのように保護されるのか?
モデル
学習
データ
データ
データ
データ
生データ
の集合
データ
収集
データ
処理
学習用
データ
セット
学習済
モデル
学習フェーズ
推論フェーズ
データ
データ
処理
入力データ
学習済
モデル
出力データ
データ データ
学習済モデル
独占したい・再利用したいという動機が ユーザ・ベンダー共に発生する
学習用
プログラム
それぞれを保護する法律
87
特許法
データ
学習用
プログラム
学習済モデル
出所:経済産業省 「AI・データ契約ガイドライン」
×
問題2:データ・学習用プログラム・学習済モデルは どのように保護されるのか?
著作権法 不競法
△
(データベースの著作物に
該当する場合)
○
(営業秘密に
該当する場合)
○ ○ ○
△
(モデルを用いて推論する
方法・プログラムなら可)
△
(モデルを用いて推論する
プログラムなら可)
○
原則として知財権
の対象ではないため
帰属は契約に依存
する
原則としてそのプロ
グラムを発明・創作
した者が権利者
「学習済モデル」 の解釈
88
問題2:データ・学習用プログラム・学習済モデルは どのように保護されるのか?
解釈によって保護の有無が分かれる
未学習の
学習モデル
モデルパラメータ
学習済モデル
モデルパラメータ
学習済モデル
モデルパラメータ
推論用プログラム
学習フェーズ 推論フェーズ
学習
(パラメータの最適化)
「学習済モデル」 とは
推論プログラムの付随あり・なしのいずれか?
モデル自体・モデルパラメータは
特許法・著作権法で保護不可
人工知能プログラムの権利化
⚫ ソフトウェア関連発明は 基本的に侵害の摘発可能性が低い
⚫ 人工知能システムは特に低く 内部の構造・処理を推測することすら
困難
⚫ 安易に出願して内容が公開されると 不利益の方が大きい場合があ
る
89
問題2:データ・学習用プログラム・学習済モデルは どのように保護されるのか?
侵害の摘発可能性の観点から出願には慎重な検討が必要
特許庁が認識する「人工知能」
⚫ 「特許出願技術動向調査報告書」(2015年3月発行版)に人工
知能技術の調査結果が出ている
⚫ 国際特許分類として 「G06N(特定の計算モデルに基づくコンピュー
タ・システム)」 が付与された出願を「人工知能関連技術」と定義し
ている
90
2015年版の動向調査では G06N が「人工知能関連技術」 とされた
特許庁が認識する「人工知能」
91
出所:「特許出願技術動向調査報告書」(2015年3月発行版)から抜粋
「人工知能特許」 のような
明確なカテゴリは存在しない
知財関連業務に対するインパクト1
1. 特許調査
⚫ 「情報発見」 は人工知能が最も得意とするタスクの1つ
2. 特許翻訳
⚫ Google 翻訳の衝撃
⚫ 原文と翻訳文とのペアデータの入手が容易で研究開発しやすい
⚫ 翻訳精度にかかわらず 「原文が英語の場合は 翻訳文提出は不要」 と変更された時点で
仕事自体が消失する
3. ディスカバリ(米国における知財訴訟)
4. 契約書の作成チェック
92
次の4つの知財関連業務は AI の影響が大きい
× AI のシステム全体を既存の業務フローに合わせて作りこむ
〇 既存の業務フローを AI に合わせてゼロベースで再考する
知財関連業務に対するインパクト2
1. 特許明細書の作成
⚫ 「文書の自動生成」 は 現行の技術をもってしても難しい
⚫ 定型的な記載については部分的に可能となることも考えられる
2. 中間処理
⚫ 「対比」 までは可能
⚫ 意見書・補正書の自動生成は不可能
93
弁理士としての代理人業務に対する影響は いまのところ限定的
その他の話題
94
特許庁における人工知能技術の活用
(平成28年度の取組と今後のアクション・プラン)
行政事務の高度化・自動化に向けて、特許庁がア
クションプランを公表している
Toreru ウェブサイトより抜粋
「Toreru」はサービスに人工知能技術を取り入れている唯一
の商標サービスサイトです。
商標検索には独自に構築した人工知能技術による検索シ
ステムを採用。クラウド上に作業を集約し、願書や報告書
をはじめとした書類作成の8割以上を自動化することによっ
て、作業量を従来比の約1/10に減らすことに成功しました。
第3章:まとめ
1. 「人工知能」 と呼ばれる次世代の情報処理技術は 従来の技術と
は異なる固有の特殊性を持つため 契約・知財の取り扱いで新たな
問題が発生する
2. 人工知能が知財業務に対するインパクトは 大きい部分と小さい部
分とに分かれる
3. 今後も新しい情報処理技術が次々と登場すると思われるため 技
術的知識の更新は引き続き重要
95
ご静聴ありがとうございました
株式会社リジー 代表取締役
弁理士/博士(工学)
藤田 肇
https://lisi.jp/

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