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海外OTAレビューデータを用いた訪日外客数の小地域推定とその利用

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観光業を念頭においた地域分析の基礎において、国籍や富裕度といった社会経済的なセグメント別顧客数の把握は不可欠といえる。しかし現状で、こうした目的に適う観光統計は、必ずしも十分に整備されているとは言い難い。本報では、海外オンライン旅行代理店(OTA)各社の宿泊レビューデータを用いて、幾つかの属性セグメント別に外客宿泊者数の小地域推定を行い、既存統計との整合を確認した。また位置情報付きソーシャルデータ等の空間分布と比較した。

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海外OTAレビューデータを用いた訪日外客数の小地域推定とその利用

  1. 1. 海外OTAレビューデータを⽤いた 訪⽇外客数の⼩地域推定とその利⽤ 2018年10⽉20⽇ 地理情報システム学会 鈴⽊英之 合同会社ファイン・アナリシス 1.背景 2.研究⽬的 3.先⾏研究 4.⽅法 5.結果と考察 6.まとめ 1
  2. 2. 1.近年の訪日外客に対する統計ニーズ ・DMO(観光地経営組織)による観光地域づくり(最小単位は市町村) ・計画策定:広告宣伝ターゲット国の絞り込み ・モニタリング:客数より客層(量から質) 2.一方、既存の統計資料における外客数とその利用: ・『観光入込客統計』(観光目的地で測定) 都道府県集計:県間比較に測定方法上の課題 ・『宿泊旅行統計調査』 (宿泊施設で測定) 都道府県集計:経時的傾向の把握に主眼 ・『訪日外国人消費動向調査』 (空・海港で測定) 都道府県集計: 国籍別の消費額、消費行動の把握に主眼 ・(都道府県独自調査:8道府県)市町村集計: 後述 ・『観光予報プラットフォーム』(JTB?の予約データを宿泊統計で補正) 『モバイル空間統計』(携帯ローミングデータ) 市町村集計: 国籍別集計あり、代表性?、有償 3.市町村(ローカルビジネス)で計画策定やモニタリングに使えそうな 手頃な情報(データ)が無い 2 背景:訪日外客数の推定について
  3. 3. 【目的】 ・海外OTAの宿泊レビューデータを用いて、外客宿泊者数の推定を行う。 ・また、その活用可能性を検討する。 【海外大手OTA(オンライン旅行代理店)】 国内勢と二桁違う ・3大陣営に収斂しつつある。 https://www.slideshare.net/YumiTsuda/global-ota-service-map 3 研究目的:
  4. 4. Roberta Floris (2014) Social Media Data in Tourism Planning: Analysing Tourists Satisfaction in Space and Time ・(ホテルサービスに対する)満足度 ・顧客属性(ローカル/グローバル、高/低評価)別ホテルの分布 4 先行研究:OTAレビューデータ利用 かつ 空間集計しているもの Areas characterized by positive preferences (TPPI): global (left), location (center) , and services (right).
  5. 5. 【利用データ】 ・海外大手OTA6社がHP上に掲載している国内宿泊施設に対する全レビュー 中 外国人によるもの、2016年∼2018年6月、合計3,214,686件。 ・各社、近年急伸している。 5 方法:1 データ収集
  6. 6. 【ユーザーの国籍属性】 ・OTA4社は、レビューユーザーの国籍 属性を明示。 ・tripadvisor :国籍ではなく言語が付与 英語と中国語(繁体字)については 住所(およそ8割が特定)から国籍を 特定 ・expedia レビュー本文から 言語判別 → 国籍推定 【国籍構成】 ・OTAによって大きく異なる。 ・分布の違いは構成効果によるものと みられる。 6 方法:2 データ収集
  7. 7. 【国籍別データの性質】 ・OTA6社のデータを国籍(「その他」を含めて21カ国)別に単純合計する。 ・「宿泊統計」都道府県集計値と対応させ、県(47)別に国籍(21)別の 拡大係数を算出する。 7 方法:3 拡大推計 C-trip 中国 韓国 ・・・ CN KR . . . China South Korea … X県 2016-2018.06 OTA6社データ X県 2017年 「宿泊統計」 ※拡大係数の最大値は佐賀県ベトナムの 360.40, 最小値は鳥取県スペインの 0.62
  8. 8. 【推計する属性とその意図】 1 国籍別外客数:ターゲットを知りたい 2 五ツ星ホテル外客数:上客を増やしたい 3 滞在日数別外客数:顧客単価を増やしたい 8 方法:4 集計属性 その他 明日の日本を支える観光ビジョン構想会議資料(平成29年5月22日)
  9. 9. 9 結果と考察:1 国籍別外客数 国籍別外客について、全国平均構成比率による期待値に対して最も過大に推計 される国籍
  10. 10. 10 結果と考察:2 国籍別外客数 北海道調査による国籍別外客数(市町村集計)との比較 札幌市 倶知安町 根室市 北海道で最も特徴的な国籍別外客構成を示す倶知安町(ニセコ町)で、 オーストラリアの訪問数が再現されている。 ただし、根室市に特徴的なロシア人、サンプルに乏しいベトナム人は推定され ない。
  11. 11. 11 結果と考察:3 五つ星ホテル外客数 各社の格付け基準は異なる。 一般的に、格付けが高いホテルの口コミは多い。(バイアス?後述)
  12. 12. 12 結果と考察:4 五つ星ホテル外客数 五ツ星ホテルだけでみると、政府の指摘の通り、外客「上客」は偏在している。 対象を「準上客」として四つ星ホテルまで広げると、地方圏にまで遍在する。
  13. 13. 13 結果と考察:5 五つ星ホテル外客数 経済センサスとの比較 市町村における宿泊従業者あたりの 宿泊事業収入を「宿泊業の生産性」 として、「準上客」数と比較する。 一般的に、四つ星外客数の割合が 大きい地域では、宿泊業の生産性が 高い。ということは確認できる。 図は、宿泊業従事者あたりの 四つ星外客数にして、4.96人を しきい値にした2群比較。 四つ星 少ない群 四つ星 多い群 N 1770 337 平均 4.75 7.74
  14. 14. 14 結果と考察:6 滞在日数別外客数 滞在日数属性が表示されているのはagodaおよびhotels.comの2社 市町村 i の滞在日数 xi に対する 外客数 yi をポアソン回帰モデル を適用し、パラメータ βi を推定。 パラメータが推定された528の 市区町村でr=0.75。 同様の傾向を示すものとして 単純に合成して使用した。 !" = exp ( )* + ),-" )
  15. 15. 15 結果と考察:7 滞在日数別外客数 コロプレス図は、Exp(β1) を表 示。 緑:減衰小 長期滞在型 赤:減衰大 短期滞在型 一般的に都市圏で滞在日数大。 地方圏でところどころ長期型が 見られる。
  16. 16. 16 結果と考察:8 滞在日数別外客数 経済センサスとの比較 一般的に、減衰係数が小さい (=滞在日数が大きい) 地域では、宿泊業の生産性が 高い。ということは確認できる。 図は、減衰係数>−0.8を しきい値にした2群比較。 ただし都市圏で、滞在日数は無条 件になることなどから、単純な比 較分析は慎むべき。 減衰係数 ⼤きい群 減衰係数 ⼩さい群 N 415 313 平均 6.36 7.66
  17. 17. ・OTAのレビューデータは、簡単な集計だけでも、観光地経営や観光産業 に かかる投資活動において十分な活用可能性を有する情報であるものと思われる。 ・広範囲でなければ、小規模プロジェクトでも現実的に収集可能な範囲。 ・ただし、今回のトライアルだけでも多くの課題が発見された。この手のレ ビューデータが根源的に有する選択バイアス(ex 顕示的レビュアー)等につ いて。調整方法や活用方法について十分な議論が待たれる。 ・また、データを単純化して示すことのミスリードに注意が必要。 ・大手OTAがカバーしていない(ロシア等の)ローカルOTAの収集など、調査 目的に応じて、柔軟な対応が求められるものと考える。 ・本日発表のデータをホームページで公開しています。集計方法や分析方法、 その他の疑義等、ご意見、ご指摘をお待ちしています。 17 まとめと今後の課題:

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