いまさら聞けない『事業価値評価』③_2019

Copyright © 2019 @araseyuta All Rights Reserved.
いまさら聞けない
事業価値評価
2019.5
1
その３

ここまでのおさらいです。
2

この一連のスライドの目的
みんなが使っている『物差し』を知る。
その物差しを使って、
実際に評価できるようになる。
3

ここまでのまとめ。

自分の求められている利回りとは
「資本コスト」のこと

「資本コスト」のことを「割引率」とも呼ぶ

将来生み出す利益を「割引率」（の累乗）で
割り引いたのが現在価値

将来生み出す利益を「割引率」（の累乗）で
割り引いたのが現在価値
現在価値＝自分にとって、それを買うのに妥当な価格

んじゃ、現在価値より安く購入できたとしたら、
9
・・・

（３）事業価値の比較
10
・・・
ここから本編

あなたにとって、
この『特許』の妥当な価格はいくらですか？
毎年必ず1億円の利益（キャッシュ）を生み出す特許。
この特許の期限は永久。（永久に毎年1億円を生み出す。）
1億円 1億円 1億円 1億円 1億円 1億円
・・・・・・
11
これの現在価値は20億円！
※割引率=5%のとき

現在価値より安く買えたら。毎年必ず1億円の利益（キャッシュ）を生み出す特許。

『自分にとって』の現在価値よりも安く譲ってくれる人が現れた！

18億円で
いいよ

18億円で
いいよ
買います！

18億円で
いいよ
買います！
18億円の
今の現金

18億円で
いいよ
買います！
18億円の
今の現金
現在価値
20億円

18億円で
いいよ
買います！
18億円の
今の現金
今払う
18億円
現在価値
20億円

18億円で
いいよ
買います！
18億円の
今の現金
今払う
18億円
現在価値
20億円
2億円、得する！

18億円で
いいよ
買います！
18億円の
今の現金
今払う
18億円
現在価値
20億円
2億円、得する！
※「得する」の意味はここでは、「ま、資本コストよりは稼ぐものを買えたぞ。」という意味だと思ってください。

んじゃ、現在価値より高い価格でしか
市場で売ってくれる人がいなかったら
23

現在価値より高くしか買えないなら。毎年必ず1億円の利益（キャッシュ）を生み出す特許。

『自分にとって』の現在価値よりも高くしか売られていないとき

25億円
だな

25億円
だな
買えません。。

25億円
だな
25億円も
払えない
（これ、払ったら損しちゃう。）

25億円
だな
25億円も
払えない
現在価値
20億円

25億円
だな
25億円も
払えない
もし
今25億円
払ったら
現在価値
20億円

25億円
だな
25億円も
払えない
もし
今25億円
払ったら
現在価値
20億円
マイナス5億円

25億円
だな
25億円も
払えない
もし
今25億円
払ったら
現在価値
20億円
マイナス5億円
※「損する」の意味はここでは、「自分の資本コストに見合わない」という意味だと思ってください。

35
・・・
買う買わないの判断ポイント！

現在価値
36
・・・最初に
支払う
金額

現在価値
37
・・・最初に
支払う
金額

現在価値
38
・・・最初に
支払う
金額
正味の
現在価値

現在価値
39
・・・最初に
支払う
金額
正味の
現在価値
これが、
プラスか、
マイナスか、
で判断する！

現在価値
40
・・・最初に
支払う
金額
正味の
現在価値
これが、
プラスか、
マイナスか、
で判断する！

現在価値
41
・・・最初に
支払う
金額
正味の
現在価値
これが、
プラスか、
マイナスか、
で判断する！
NPV（Net Present Value）

42
・・・
これを、事業で考えると、

43
・・・
その事業に投資するしないの判断ポイント！

現在価値
44
最初に
支払う
金額

現在価値
45
初期
投下資本
最初に使う予算！

現在価値
46
初期
投下資本
正味の
現在価値

現在価値
47
初期
投下資本
正味の
現在価値
これが、
プラスか、
マイナスか、
で判断する！

現在価値
48
初期
投下資本
正味の
現在価値
これが、
プラスか、
マイナスか、
で判断する！

現在価値
49
・・・
初期
投下資本
正味の
現在価値
これが、
プラスか、
マイナスか、
で判断する！
僕らのプロジェクトは
NPVプラスだから、
予算をくれ！

50
・・・
経営者の悩みに戻ります。

複数の事業があったら経営者は、どう判断する？
51

それぞれの事業部で、同じ『物差し』である、『NPV』で考える。
52

経営者
企業の中
53

経営者
企業の中
事業部C
事業部A
事業部B
54

経営者
企業の中
事業部C
事業部A
事業部B
55

経営者
企業の中
事業部C
事業部A
事業部B
56

経営者
企業の中
事業部C
事業部A
事業部B
57

経営者
企業の中
事業部C
事業部A
事業部B
NPVを
教えてくれ！
58

経営者
企業の中
事業部C
事業部A
事業部B
NPVを
教えてくれ！
59
プラス50億円
です！

経営者
企業の中
事業部C
事業部A
事業部B
NPVを
教えてくれ！
60
プラス50億円
です！
プラス1億円
です！

経営者
企業の中
事業部C
事業部A
事業部B
NPVを
教えてくれ！
61
プラス50億円
です！
プラス1億円
です！
マイナス
10億円です。。。

経営者
企業の中
事業部C
事業部A
事業部B
A,Bに
注力する！
62
プラス50億円
です！
プラス1億円
です！
マイナス

経営者
企業の中
事業部C
事業部A
事業部B
A,Bに
注力する！
63
プラス50億円
です！
プラス1億円
です！
マイナス

64
・・・
とはいえ、事業部ごとに状況が
違ったり、、、、

それぞれの事業で、異なる資本コストの設定も。
65

事業部ごとに「求める利回り（＝資本コスト）」を変えたい。
66

経営者
企業の中
67

経営者
企業の中
事業部C
事業部A
事業部B
68

経営者
企業の中
事業部C
事業部A
事業部B
69
ハードルレート
のプレッシャー

経営者
企業の中
事業部C
事業部A
事業部B
70
8%
は頼むよ

経営者
企業の中
事業部C
事業部A
事業部B
71
8%
は頼むよ
おしなべて8%は難しいから
いい感じに割りふろう！

経営者
企業の中
事業部C
事業部A
事業部B
72
8%
は頼むよ

経営者
企業の中
事業部C
事業部A
事業部B
73
8%
は頼むよ
Aは、手堅いから
しっかり8%頼む

経営者
企業の中
事業部C
事業部A
事業部B
74
8%
は頼むよ
Bは、稼ぎ頭だから
どーんと15%頼む

経営者
企業の中
事業部C
事業部A
事業部B
75
8%
は頼むよ
Cは、これからだから
まず6%を目指せ

経営者
企業の中
事業部C
事業部A
事業部B
76
8%
は頼むよ
Cは、これからだから
まず6%を目指せ
※この例の理由と、設定値の関係は、ま、あくまで例ということで、合理的かは問わないということで。。。。

77
・・・
その結果、NPV計算させてみたら。。。

それぞれの事業で、異なる資本コストに設定すると
78

せっかく定量的に比較するはずが、逆に比較しづらくなったり、、、
79

経営者
企業の中
事業部C
事業部A
事業部B
80

経営者
企業の中
事業部C
事業部A
事業部B
81
8%で
見込みました

経営者
企業の中
事業部C
事業部A
事業部B
82
8%で
見込みました
15%で

経営者
企業の中
事業部C
事業部A
事業部B
83
8%で
見込みました
15%で
6%で

経営者
企業の中
事業部C
事業部A
事業部B
84
8%で
見込みました
15%で
6%で
NPV
10億円です！

経営者
企業の中
事業部C
事業部A
事業部B
85
8%で
見込みました
15%で
6%で
NPV
10億円です！
うちもNPV
10億円です！

経営者
企業の中
事業部C
事業部A
事業部B
86
8%で
見込みました
15%で
6%で
NPV
10億円です！
うちもNPV
10億円です！
僕らもNPV
10億円です！

経営者
企業の中
事業部C
事業部A
事業部B
87
ありゃ！
全部NPV10億
8%で
見込みました
15%で
6%で
NPV
10億円です！
うちもNPV
10億円です！
僕らもNPV
10億円です！

88
・・・そこで、逆に考えます！
（発想の逆転！）

現在価値
89
「逆」の発想で投資するしないの判断する。
正味の
現在価値
これが、
プラスか、
マイナスか、
で判断してた。
初期
投下資本

現在価値
90
NPV
これが、
プラスか、
マイナスか、
初期
投下資本

現在価値
91
NPV
これが、
プラスか、
マイナスか、
初期
投下資本

将来生み出す利益
92
初期
投下資本
NPV
これが、
プラスか、
マイナスか、
（割引率）
t
※本当はΣ記号がつくけど、省略しているよ。

93
初期
投下資本
NPV
これが、
プラスか、
マイナスか、
（割引率）
t

94
初期
投下資本
NPV
これが、
プラスか、
マイナスか、
（割引率）
t
これは初期投資として
計画する予算！

95
初期
投下資本
NPV
これが、
プラスか、
マイナスか、
（割引率）
t

96
初期
投下資本
NPV
これが、
プラスか、
マイナスか、
（割引率）
t
これは初期設計として
計画する利益！

97
初期
投下資本
NPV
これが、
プラスか、
マイナスか、
（割引率）
t
この2つを計画数字として

（割引率）
98
初期
投下資本
NPV
これが、
プラスか、
マイナスか、
t

99
初期
投下資本
NPV （割引率）
t
ここの値の大きさで考える！

（割引率）
100
初期
投下資本
NPV t

（割引率）
101
初期
投下資本
0 t
NPVがゼロとなるような割引率の値の大
小で考える！

102
NPVがゼロとなるような割引率？

現在価値
103
初期
投下資本
NPVがちょうどゼロとなる「割引率」の意味
これがちょうどゼロ
0

現在価値
104
初期
投下資本
0
ここと、ここが、ちょうどおなじ！

105
0 （割引率）
計画している利益計画に
必要な予算t
ここと、ここが、ちょうどおなじ！

106
0
計画している利益とそれに必要な予算が
ぴったりあってる！
（割引率）
必要な予算t

107
0
（割引率）
必要な予算t

108
0
（割引率）
必要な予算t
これだけ予算投下してくれれば、
これだけ利益（の現在価値）を稼ぐ事業です！

109
0
（割引率）
必要な予算t

110
0
（割引率）
必要な予算t
これ、その事業の
利回りじゃん！

111
0
（割引率）
必要な予算t
これだけ予算出してくれれば、
これだけ利益（の現在価値）を稼ぐ計画ですよ！
これを、この事業の「内部収益率」と呼んだり
通称：IRR（Internal Rate of Return）
これ、その事業の
利回りじゃん！

112
内部収益率が、その事業の利回りなら

113
経営者は、ハードルレートを超える事業を探していた！

114
内部収益率が、ハードルレードを超えているかどうかで判断できるはず！

115
経営者
企業の中
事業部A

116
経営者
企業の中
事業部A
8%
は頼むよ

117
経営者
企業の中
事業部A
8%
は頼むよ
内部収益率
なんぼ？

118
経営者
企業の中
事業部A
8%
は頼むよ
内部収益率
なんぼ？
内部収益率10%を見込んでます！

119
経営者
企業の中
事業部A
8%
は頼むよ
内部収益率
なんぼ？
内部収益率10%を見込んでます！
この事業、
採択！着手！

120
『内部収益率』と『資本コスト（＝ハードルレート）』を比較

121
内部収益率
IRR

(ハードルレート）
資本コスト
122
内部収益率
IRR

資本コスト
123
内部収益率
IRR (ハードルレート）
＞

資本コスト
124
内部収益率
IRR (ハードルレート）
＞
この事業、
採択！着手！

IRR
資本コスト
125
内部収益率
IRR
内部収益率
資本コスト
＞
この事業、
採択！着手！

資本コスト
126
内部収益率
IRR
内部収益率
IRR
資本コスト
＞
この事業、
採択！着手！
＜

資本コスト
127
内部収益率
IRR
内部収益率
IRR
資本コスト
＞
この事業、
採択！着手！
この事業、
却下！やらない！＜

それぞれの事業で、異なる資本コストでも比較できる
128

それぞれの事業のIRRをヒアリング！
129

経営者
企業の中
130

経営者
企業の中
事業部C
事業部A
事業部B
131

経営者
企業の中
事業部C
事業部A
事業部B
132
8%は稼げ

15%は行こう！
経営者
企業の中
事業部C
事業部A
事業部B
133
8%は稼げ

15%は行こう！
経営者
企業の中
事業部C
事業部A
事業部B
134
8%は稼げ
6%でいいよ。

15%は行こう！
経営者
企業の中
事業部C
事業部A
事業部B
135
8%は稼げ
6%でいいよ。
内部収益率
10%
を見込んでます！

15%は行こう！
経営者
企業の中
事業部C
事業部A
事業部B
136
8%は稼げ
6%でいいよ。
内部収益率
10%
うちは、内部収益率
12%

15%は行こう！
経営者
企業の中
事業部C
事業部A
事業部B
137
8%は稼げ
6%でいいよ。
内部収益率
10%
12%
8%

15%は行こう！
経営者
企業の中
事業部C
事業部A
事業部B
138
8%は稼げ
6%でいいよ。
内部収益率
10%
12%
8%

15%は行こう！
経営者
企業の中
事業部C
事業部A
事業部B
139
8%は稼げ
6%でいいよ。
内部収益率
10%
12%
8%

まとめ
140

まとめ。
141

まとめ。
経営者は資本コストを上回る事業に注力する（はず！）
142

まとめ。
143
その時の物差しは、内部収益率

まとめ。
144
内部収益率とは、NPVゼロとなる割引率

まとめ。
145
内部収益率とは、NPVゼロとなる割引率
内部収益率は
将来生み出す利益と必要初期予算から計算する

ここで終わりだけど、
最後にちょっと
146

一番最初の考え方に戻ると、、、
147

モノの値段（価値、価格）は、その人によって違う。
148

なので、『現在価値』や『内部収益率』という考え方も
『多くの人が使っている物差し』（＝計算方法）
でしかない。
149

でしかない。
20億 18億 21億 33億 20億
同じ物差しを使っている人たち
150

でしかない。
20億 18億 21億 33億 20億
同じ物差しを使っている人たち
151
この事業は
1兆円の
価値がある！

でしかない。
152
この事業は
1兆円の
価値がある！
マジか！すげー！なるほど！

自分の物差しをもつことも、大切。
153
この事業は
1兆円の
価値がある！

154
この事業は
1兆円の
価値がある！
『現在価値』も『内部収益率』も、万能ではない。

155
この事業は
1兆円の
価値がある！
自分にあったお買い物（事業投資）を。

156
この事業は
1兆円の
価値がある！
自分にあったお買い物（事業投資）を。
※ステークホルダーとの関係や、その満足を得ることも、忘れないでね。

おしまい
157
いまさら聞けない『事業価値評価』
@araseyuta
作成：2019.05

いまさら聞けない『事業価値評価』③_2019

Recommended

Recommended

More Related Content

Featured

Featured (20)

いまさら聞けない『事業価値評価』③_2019