川渡り問題
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有名な問題である川渡り問題( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B7%9D%E6%B8%A1%E3%82%8A%E5%95%8F%E9%A1%8C )を解くプログラムの概要です。 https://github.com/tokoroten-lab/math_problems/tree/master/boat_missionary_eater_problem
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川渡り問題
- 8. 考察 • ある時点での左岸の宣教師と人喰いの数を𝑙1, 𝑙2とし、右岸の宣教師と人喰 いの数を𝑟1, 𝑟2とする。さらにボートの位置を𝑏(左岸なら0, 右岸なら1)とす るとその時点での状態は 𝑙1, 𝑙2, 𝑟1, 𝑟2, 𝑏 と表現できる。 • 𝑙1, 𝑙2, 𝑟1, 𝑟2, 𝑏 という状態から次の状態への遷移(ボートによる移動)は以下 の通りである。 𝑙1, 𝑙2, 𝑟1, 𝑟2, 𝑏 𝑠 = (−1) 𝑏 𝑙1 − 𝑠, 𝑙2 , 𝑟1 +𝑠, 𝑟2 , 1 − 𝑏 𝑙1, 𝑙2 −𝑠, 𝑟1 , 𝑟2 +𝑠, 1 − 𝑏 𝑙1 − 2𝑠, 𝑙2, 𝑟1 + 2𝑠, 𝑟2 , 1 − 𝑏 𝑙1, 𝑙2 − 2𝑠, 𝑟1, 𝑟2 + 2𝑠, 1 − 𝑏 𝑙1 − 𝑠, 𝑙2 − 𝑠, 𝑟1 + 𝑠, 𝑟2 + 𝑠, 1 − 𝑏 𝑙1′, 𝑙2′, 𝑟1′, 𝑟2′, 𝑏′ ただし、以下の条件が伴う 𝑙1 ′ ≥ 𝑙2 ′ , 𝑟1 ′ ≥ 𝑟2 ′ , 𝑙1 ′ ≥ 0, 𝑙2 ′ ≥ 0, 𝑟1 ′ ≥ 0, 𝑟2 ′ ≥ 0
- 9. 考察 • この問題が解決可能であるなら 𝑙1, 𝑙2, 𝑟1, 𝑟2, 𝑏 から 𝑙1′, 𝑙2′, 𝑟1′, 𝑟2′, 𝑏′ に条件を満たしながら遷移することで (0,0,3,3,1)に到達可能なはずである。 • したがって、初期状態の(3,3,0,0,0)から(0,0,3,3,1)への遷移経路 を探すことでこの問題を解決するための手順がわかる。 • 深さ優先探索を利用してこの経路探索を行う。
- 10. 注意点 • 深さ優先探索を行う上で注意しなければならない点がある。 • ある 𝑙1, 𝑙2, 𝑟1, 𝑟2, 𝑏 の状態に対して、遷移元は一意ではない。 • つまり、探索中に同じ 𝑙1, 𝑙2, 𝑟1, 𝑟2, 𝑏 の状態に遷移する経路が存 在する。 • 例を挙げると(3,3,0,0,0)→(2,3,1,0,1)→(3,3,0,0,0)といった遷移 などがある。 • 上のような場合、無限ループに陥ってしまう。したがって、一 度訪れた状態はそれ以降は訪れないようにする。
- 11. 実装 • 以上の考察と注意点を踏まえて、C++11にて深さ優先探索を行 うプログラムを実装する。 • この作ったプログラムは、GitHubに公開したため、以下のURL から確認できる。 • https://github.com/tokoroten- lab/math_problems/blob/master/boat_missionary_eater_pro blem/solver.cpp
- 13. 結果 (3,3,0,0,0) 左岸から二人の人喰いを右岸に運ぶ →(3,1,0,2,1) 右岸から一人の人喰いを左岸に運ぶ →(3,2,0,1,0) 左岸から二人の人喰いを右岸に運ぶ →(3,0,0,3,1) 右岸から一人の人喰いを左岸に運ぶ →(3,1,0,2,0) 左岸から二人の宣教師を右岸に運ぶ →(1,1,2,2,1) 右岸から一人の宣教師と一人の人喰いを左岸に運ぶ →(2,2,1,1,0) 左岸から二人の宣教師を右岸に運ぶ →(0,2,3,1,1) 右岸から一人の人喰いを左岸に運ぶ →(0,3,3,0,0) 左岸から二人の人喰いを右岸に運ぶ →(0,1,3,2,1) 右岸から一人の人喰いを左岸に運ぶ →(0,2,3,1,0) 左岸から二人の人喰いを右岸に運ぶ →(0,0,3,3,1) 終了