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TakeruNiwa
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不確実性と戦うチーム
2019年2月23日 都内の某勉強会で発表しました。
Leadership & Management
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不確実性と戦うチーム
1.
不確実性と戦うチーム 2019年2月23日 Niwa Takeru
2.
自己紹介
3.
Niwa Takeru (28) 都内
某システムインテグレータ システムエンジニア 新規事業開発のお手伝いを 中心にお仕事してます。
4.
注意 このスライドは 個人の見解であり 所属する組織の見解では まったくありません。
5.
注意 これからお話しする内容は 個人の経験・見解に 基づくものを含んでいます。 個人の経験・見解に まだ裏打ちはありませんが、 私が普段考えていることを 率直にお伝えします。
6.
先に謝っておきます。 エモくてすみません。 先に謝っておきます。
7.
先に謝っておきます。 エモくてすみません。 先に謝っておきます。 エモいです。すみません。
8.
Agenda ❏ 第一章:不確実性とちゃんと戦おう ❏ 第二章:リーン・スタートアップという戦略 ❏
第三章:心理的安全性を持ったアジャイルなチーム ❏ 最終章:MVP開発活動記
9.
不確実性とちゃんと戦おう 第一章
10.
不確実性との戦い
11.
「不確実性」という言葉の定義 不確実性 リスク Q A 不確実性とは? 何が起こるのかさえ まったく予測できないこと Q A それってリスクとは違うの? リスクは 将来起こりうると分かっており 発生確率も見積もれるもの
12.
Q. そもそも、 不確実性と戦う必要あります?
13.
Case Study: 電化製品による家事の自動化 市場のニーズには見えており、顧客の期待値も低かった 不確実性は少なく成功しやすかった 使いにくいところはある けど、手洗いよりは全 然マシ 洗濯に2時間も取られてる
… もっと洗濯は 楽にならないかなぁ…。
14.
Case Study: 企業・行政のペーパーレス化 電子化されたことで、 便利になった気がする …?ホントに…? 電子化すること自体が目的となっていた 不確実性は多い上で失敗したシステム化
15.
Case Study: 企業・行政のペーパーレス化 電子化されたことで、 便利になった気がする …?ホントに…? 電子化すること自体が目的となっていた 不確実性は多い上で失敗したシステム化 余談 このテイストの違う2枚のスライドは 全体のテーマが定まっていない状態で 先行して作り込んでしまったスライドです リーン・スタートアップという点で2つの失敗を犯しました ・MVPという考えに反する、構想段階での作り込み ・全体的な目標を定めないままのスタート 戒めとして、この2枚のスライドはそのまま使用しました。
16.
① 手洗い→洗濯機といった機械化(60年前) 不確実性 時代の変化 の速さ 市場の 成熟 ニーズ 不明瞭さ ■ 作れば売れた時代 ■
手動→機械化という 目に見えたニーズがある ■ 市場は未開であり 時代の変化は緩やか ■ 技術的不確実性はあるがビ ジネス的な不確実性は少な い 市場の成長と不確実性の変化
17.
② ペーパーレス化が目的なシステム(20年前) 不確実性 時代の変化 の速さ 市場の 成熟 ニーズ 不明瞭さ 市場の成長と不確実性の変化 ■ IT化自体が目的となる 市場の無知がある時代 ■
IT化対象は目に見えた 作業で仕様は明白 ■ PJ管理上の不確実性はあ るがビジネス的な不確実性 は少ない
18.
③ 飽和状態にある高付加価値家電(10年前) 不確実性 時代の変化 の速さ 市場の 成熟 ニーズ 不明瞭さ 市場の成長と不確実性の変化 ■ 市場は飽和状態にある 一方で新規性が求められる ■
顧客のニーズは多様化 ニーズ通りの機能でも 売れるとは限らない ■ ITよりは時代の変化が ゆるやかなのが救い ■ 不確実性はとても高い
19.
不確実性 時代の変化 の速さ 市場の 成熟 ニーズ 不明瞭さ ④ SaaS モノからサービスの時代へ
(現在) 市場の成長と不確実性の変化 ■ 市場が想像もしていない イノベーションが必要 ■ 売切り型から従量課金型へ 継続的に新機能を提供する スピード感が求められる ■ 不確実性はとてつもなく 高い状態にある そして、 不確実性は増し続ける…
20.
一方で、 不確実性の中には良い点もある
21.
ビジネスでの不確実性 イノベーションは 不確実性の中に眠っている チームでの不確実性 人間関係は不確実性の塊 コラボレーションを 促進しよう
22.
ビジネスでの不確実性 リーン・スタートアップ チームでの不確実性 心理的安全性を持った アジャイルなチーム
23.
リーン・スタートアップ 第二章
24.
Startup ? ベンチャー企業のこと 前例がないという 不確実性が高い状態で 価値のある知的生産物を 創出すること
25.
あなたの仕事の中で スタートアップと言えるものはありますか? Discussion 前例がないという 不確実性が高い状態で 価値のある知的生産物を 創出すること
26.
リーン・スタートアップ の起源 シリコンバレーの 起業家:エリック・リースが 提唱した起業の方法論 トヨタの生産方式を参考に 起業の方法論に落とし込んだ 2011年に刊行され、 ベストセラーとなった
27.
Lean: ぜい肉がなく引き締まった状態 無駄がない状態 具体的なイメージは… Lean Startup ???
29.
スタートアップにおける無駄ってなんだろう? 誰も欲しがらないモノを作ってしまうこと。 思い込みだけで作りきっていませんか? 作ったものが使われているか振り返ってますか?
30.
リーン・スタートアップの基本 小さく失敗して、正しく学ぶ。 これの繰り返し。
31.
リーン・スタートアップの基本 Lean Startup 仮説 プロト タイプ データ 素早く構築する ■ MVP ■
Public Cloud etc. 素早く計測する ■ 革新会計 ■ データ分析 etc. 素早く学ぶ ■ 顧客インタビュー ■ ピボット etc.
32.
MVP (Minimum Viable
Product) 実用最低限の製品
33.
MVPのメリット コスト安く学習 完全な製品を開発することなく、 ニーズが有るか知ることができる。 結果が明確 シンプルな機能を 1度のサイクルで学ぶため 結果の因果関係が明確 素早い学習サイクル 1回の開発期間が最小限で済むため 学びを得る機会が増える 収益が早く出る 最小限の機能とはいえ いち早く市場に投入できる 1 2 3 4
34.
小さい機能で多くの学びを得る MVP 従来の WF開発 Learn Learn Learn Learn Pivot Learn Burn !! Learn???
35.
MVP 検証方法を使い分けよう コスト 不確実性 口頭説明 紙芝居
MVP
36.
スライド作成間に合いませんでした ● 革新会計 ○ 単なる赤字・黒字ではなく、未来につながる成長率で測ろう ○
計測指標は事業モデルごとに変わる ● データ分析 ○ データサイエンティストは、これからの時代必須 ○ Big Query, Tableau 等の登場で超多量データを扱える時代になった ● 顧客インタビュー ○ 先入観で判断しないで、顧客の声を聞こう ○ 顧客の声に疑問を持ち発言の背景を探る ● ピボット ○ 方向転換のこと(バスケットボール用語のピボットが由来) ○ ピボットまでの学びの中に転換先のヒントがある ○ 方向転換先は、顧客セグメント、市場、事業モデル等がある
37.
心理的安全性を持った アジャイルなチーム 第三章
38.
あなたが今までで、 最もパフォーマンスを発揮できた チームの特徴は? Discussion 逆に あなたが最も辛かったチームの特徴は?
39.
チームの土台は 心理的安全性
40.
心理的安全性: Googleが労働改革プロジェクトで研究した結果、 チームの生産性と最も強い関係性があるのは 「心理的安全性」であることが分かった。 他者の反応に怯えたり 羞恥心を感じることなく、 自然体の自分を曝け出すことができる状態 心理的安全性
41.
心理的安全性の効果 率直に話すようになる 課題に対する独自の見解も 言いやすくなる 意義ある対立が後押しされる 建設的な議論ができるようになる。 失敗が緩和される 失敗に対する恐れが減り、 例え失敗しても隠さず共有ができる イノベーションが促される 突飛なアイデアも 共有できるようになる エイミー・エドモンドソン著、「チームが機能するとはどういうことか」 組織内の障害でなく 目標に集中できるようになる 組織内の政治がなくなる 責任感が向上する 自立性の向上とともに 自身の発言に対する責任を持てる 1 2 4 5 63
42.
心理的安全性… それって「ぬるま湯」ですよね? 余談
43.
いいえ。 ほどよい責任を持った主体性です
44.
心理的安全性を土台として アジャイルなチームで挑む
45.
アジャイルという 概念を整理しよう
46.
そもそも アジャイルとは?
47.
アジャイル = 俊敏な? ?
48.
アジャイル V.S. ウォーターフォール ??
49.
アジャイルとは? ?????? スクラム 設計書を書かないんでしょ? アジャイルは文化だ!!! 短いサイクルで リリース? ガバナンスが 効かないよね 少数精鋭な チームのこと? 詳しい仕様を 作らない? 聞く人によって答えが微妙に違う…(困惑)
50.
原点を確認しよう
51.
http://agilemanifesto.org/iso/ja/manifesto.html アジャイルソフトウェア開発宣言 私たちは、ソフトウェア開発の実践 あるいは実践を手助けをする活動を通じて、 よりよい開発方法を見つけだそうとしている。 この活動を通して、私たちは以下の価値に至った。 プロセスやツールよりも個人と対話を、 包括的なドキュメントよりも動くソフトウェアを、 契約交渉よりも顧客との協調を、 計画に従うことよりも変化への対応を、 価値とする。すなわち、左記のことがらに価値があることを 認めながらも、私たちは右記のことがらにより価値をおく。
52.
アジャイルとは ”価値観”
53.
アジャイルという価値観 に基づいて行動する。 特定の手法を指したり 型化されたものではない
54.
えっ…? チョット待ってや
55.
マネのしよう ないやん!?
56.
アジャイルさを作るための 研究・プラクティスは溢れている 数あるプラクティスを 組合わせアレンジし チームの状況に適したアジャイルさを作る
57.
Make your own
agility.
58.
一般的なアジャイルのナレッジは溢れている 今回はチームビルディングに フォーカスを当ててお伝えします
59.
私のチームのコンセプト 共創 共に考え共に創る UX, Devの垣根を超え サービスの あるべき姿を考え 新しいアイデアを生む 素早さ 素早く作り クライアントに提供 フィードバックを いち早く手にして 次の学びへ 柔軟性 誤った道に入れば 一歩戻って進み直す 変更を柔軟に受け止め 建設的に進む
60.
個人の能力を最大限に 発揮できる環境を用意する 上の階層へ行くほど、 個人のパフォーマンスは上がる 一方で、 上の階層へ登らせるのは 不確実性の高いマネジメント 少しずつ権限を委譲し 個人の主体性から養っていく High Performance 従順 勤勉 専門性 主体性 創造性 情熱 ゲイリー・ハメル著、「経営は何をすべきか」 能力のピラミッド
61.
個人ではなくチームで成果を出す 他人とのコミュニケーションは 不確実性の塊である 一方で、この不確実性の中に 思いもよらない新しい可能性がある コラボレーションの基礎は メンバー間の相互理解 明確な目標をチームで共有し 着実に成果を出す Collaborations
62.
私の考えるIT組織の成果に対する関係性 Output Person Tech Team 個人の働きは 成果に直接繋がらない 1要素の変化は 他要素にも影響を与える 各要素の改善を進め 全体のパフォーマンスを上げ 最終的に成果へ繋げる
63.
Knowledge of Team
Building Person ● ジョハリの窓を意識した雑談 ● 性格診断の共有 ● 1 on 1 コーチング Technology Team ● 小さなチームを保つこと ● 仕掛り中での相談、相互レビュー ● ペア/モブ プログラミング ● 成功体験の明確化 Pizza Party ● マイクロサービス ● ドメイン駆動設計 ● Public Cloud, MBaaS ● CI/CD Tools, SaaS 心理的安全性 の向上
64.
Step1 ジョハリの窓を意識した雑談 開放の窓 盲点の窓 秘密の窓
未知の窓 自分は知っている 自分は気づいていない 他人は知っている 他人は 気づいていない 相互理解を促進する 雑談の内容はプライベートなくだらない話でよい
65.
Step1 ジョハリの窓を意識した雑談 Output Person Tech Team ジョハリの窓を 意識した雑談 相互理解 自己実現 知識共有 秘密の減少
66.
Step2 性格診断の共有 メンバーの思考の明確化、言語化の推進 より個性を尊重できるようになる
67.
Step2 性格診断の共有 Output Person Tech Team 性格診断の共有 相互理解 適材適所 自己肯定感
68.
Step3 1 on
1 コーチング マネージャーは メンバーをサポートするのが役割 コーチングでは相手の思考の 整理役に徹し自発性を尊重する プライベートな悩みも 相談を受けられるような関係性へ マイクロマネジメントは行わない
69.
Step3 1 on
1 コーチング Output Person Tech Team 1 on 1 コーチング 信頼関係 の構築 主体性の向上 自己成長
70.
注意 以上の相互理解の促進方法は フェーズを間違えば毒です チームの醸成具合を 的確に判断して実践しましょう
71.
小さなチームを保つこと https://stackoverflow.com/questions/984885/how-do-i-explain-the-overhead-of-commu nication-between-developers-in-a-team コミュニケーションパス は少なく 5〜9人が理想 パスを減らすことで パスを太くする
72.
小さなチームを保つこと Output Person Tech Team 小さなチームを 保つ 裁量の拡大 一体感の向上 議論の質向上
73.
仕掛中での相談、相互レビュー レビューの目的を広げる 仕様を満たすことの確認 品質に問題のないことの確認 仕様を満たすことの確認 + ユーザが使いやすいか議論 品質に問題のないことの確認 + 品質をさらに高める議論 責任を個人からチームへ 取捨選択に総意を取る 知識の共有・属人化の防止 1人では作ることができなかったモノへ 昇華させる作業
74.
仕掛中での相談、相互レビュー Output Person Tech Team 仕掛り中での相談 相互レビュー 成長 品質向上 技術更新 知見共有 チーム責任 議論の活発化
75.
ペア/モブ プログラミング 知識共有 作業効率 ソロ ペア
モブ 心理的安全性 意思決定
76.
ペア/モブ プログラミング ペア/モブ プログラミング Output Person Tech Team 成長 品質向上 知見共有 設計思想の共有
77.
成功体験の明確化 Pizza Party チームに自信を持たせる ちゃんと前に進めている!!
78.
成功体験の明確化 Pizza Party Pizza
Party Output Pizza Tech Team
79.
Technology 最新の技術で チームを小さく保つ
80.
Technology Output Person Tech Team Technology 小さなチーム 効率化 省力化
81.
MVP開発活動記 最終章
82.
Product Owner Scrum
Master Engineer UX Designer チーム構成 Engineer Data Scientist
83.
MVPをいち早く届けるための技術選定 ※ 今回のMVPは製品版前の使い捨て前提 前提が変われば技術選定も変えるべき Webで開発 製品版ではiOS
App想定だが MVPでは工数が安いWebに Appleの審査も不要なため 即座にデプロイが可能 工数: 100 → 50 デリバリ: 1日 → 10秒 ドメイン駆動設計 ドメイン駆動とは業務知識を 元にシステム化する設計思想 従来のシステム駆動よりも 仕様変更に強い 工数: 100 → 80 MBaaSの活用 バックエンドサーバは作らず Mobile Backend as a Service 知見は0だったが技術調査を 含めてトライ 工数: 100 → 20
84.
Geekな私たちには もう人の行動は想像できない 現場での学びを システムに落とし込もう 顧客の課題を体感する 顧客に価値をデリバリーしよう エンジニアは現地へ行け!
85.
Slack での現場レポート 現場は学びの宝庫 見たこと考えたことは全てSlackへ Slackなら1人の発言が即座に全員へ 口頭も良いがSlackなら文字として残る 現場にいないチーム外の人が 新しい視点を投げ入れてくれることも
86.
全員での 検証振り返り・仮説検討会 情報の非対称性を無くせ 関係者全員を集めることで 意思決定に素早さを出す (ビジネス構想、技術制約などの共有) 仮説の意図も含めて理解し エンジニアはシステム化しよう エンジニアは自分が納得した状態で システムを作ることができる
87.
私のチームでのリーン・スタートアップ Lean Startup 仮説 プロト タイプ データ 素早く構築する ■ MVPの為の技術選定 ■
iOS → Web ■ MBaaS Firebase ■ ドメイン駆動設計 素早く計測する ■ エンジニアは現地へ ■ Slack現地レポート ■ Dataは取りまくる 素早く学ぶ ■ 全員での振返り ■ 全員での仮説検討会
88.
まとめと明日からどうする?
89.
普段の業務で無駄と思うやつあります? Discussion アジャイルソフトウェア開発宣言 プロセスやツールよりも 個人と対話を、 包括的なドキュメントよりも 動くソフトウェアを、 契約交渉よりも顧客との協調を、 計画に従うことよりも
変化への対応を、 どうやって心理的安全性を高めましょう? Lean Startup 仮説 プロト タイプ データ 心理的安全性
90.
参考にした図書
91.
APPENDIX
92.
ウォーターフォールとアジャイルの違い ゲイリー・ハメル著、「経営は何をすべきか」 従順 勤勉 専門性 主体性 創造性 情熱 能力のピラミッドWaterFall Agile
93.
Let’s refactor the System
Integrators
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